タイム100

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タイム 100TIME 100)は、アメリカの雑誌「タイム」が2004年(第1回は1999年)から毎年発表している「世界で最も影響力のある100人のリスト」、及びその企画である。世界で最も影響力のある100人の名前でも知られる。何名かの有識者による議論により、その年における100人が選ばれる。

最初の企画は1999年に行われた「20世紀の最も影響力のある100人」で1回限りのものであったが大きな反響を受け、2004年から、その年の100人を選ぶ毎年の企画として行われている。

沿革と形式[編集]

リストは、1998年2月1日、ワシントンD.C.ジョン・F・ケネディ・センターでのシンポジウムにおける討議とともに開始した。パネルの参加者は、CBSニュースのアンカーパーソンダン・ラザー、歴史家のドリス・カーンズ・グッドウィンen:Doris Kearns Goodwin)、元ニューヨーク州知事マリオ・クオモ、その当時政治学教授であったコンドリーザ・ライス新保守主義の出版事業家アーヴィング・クリストル、タイム誌編集者ウォルター・アイザックソンen:Walter Isaacson)である。

リストが始めて発行されたのは1999年である。その時タイム誌は「20世紀の最も影響力のある100人」を選考していた。1回分で博した人気に基づき、2004年、 タイム誌は世界で最も影響力のある100人のリストを毎年発行することにした。リストの製作には栄誉を伴う失敗が度々ある。しかしながら、タイム誌が極めて明らかにしたことは、人間は、より良い世界かより悪い世界に変えることへの認定を受ける、ということである。認定される人々は5つのカテゴリーのうちの1つに配属する。カテゴリーはLeaders & Revolutionaries、Builders & Titans、Artists & Entertainers、Scientists & Thinkers、Heroes & Iconsである。それぞれのカテゴリーのなかで、最も影響力のある20人(時々2人組または小グループ)が選ばれ、トータルで毎年100人である。

一覧[編集]

複数回掲載の人物[編集]

いづれの年にも、それぞれのカテゴリーに平等な比重があるが、異なる年のリストに再掲載される傾向がより強いカテゴリーがある。「タイム 100」に繰り返し掲載されるのは稀である。3回以上登場しているのは以下の各人である。

なお、日本人で複数回選出されているのは渡辺捷昭(2005年、2007年)のみ。

注: 以下のリストの順序は各人物の「タイム 100」に登場した回数を基準にしている。ボールド体の人物はタイム誌の「20世紀の最も影響力のある100人」のランキングを含めて複数回の掲載が選ばれた少数の人物である。

9回[編集]

8回[編集]

7回[編集]

5回[編集]

4回[編集]

3回[編集]

選考基準[編集]

2004年、「タイム 100」の選考時、タイム誌の編集者は「(対象者を)3タイプにややはっきり区別できることに気がついた」とタイム誌のエディター・アット・ラージ(en:Editor-at-Large)を務めるミシェル・エリオットは述べている。すなわち、

まず、実に民主的な根拠に基づき権力を得ることでその地位に就いた人々がいる。ジョージ・W・ブッシュ大統領は特に典型例である。

いっぽう表舞台にこそ出てこないが、それにも関わらず現代の重要問題に対し実際に影響力を持つ人々がいる。例えばイラクシーア派大アーヤトッラーアリー・フサイニー・スィースターニーがそうである。国の所有者から民衆へ権力を委譲しようとする目論見があろうとも、彼らは実際それを拒絶できるのだ。…

最後に、自らの道徳性を顕示することによって、我々の生活に影響を与える人々がいる。例えばネルソン・マンデラは、かつて自分を捕縛した人々を赦し、南アフリカの大統領職を一期務めた後みずから権力の座を降りた[1]

2007年、「タイム 100」リストの編集長リチャード・ステンゲルen:Richard Stengel)による説明では、「タイム 100」は最も話題性のあるリストや、最も人気のあるもしくは権力のある人物のリストではなく、最も影響力を有する人物のリストである。以下のように述べている。

影響力は測定困難であり、我々が求めるものは、その人物の理念が、模範が、才能が、発見が、我々の生活する世界を変える、そのような人物である。影響力は、武力のハード・パワーに関するもののほうが、理念と模範のソフト・パワーに関するものより小さい。 そうである、命令を通して世界を変えることが出来る最高権力者と独裁者がいる。しかし、我々がもっと興味を持っているのはモンティ・ジョーンズen:Monty Jones)のような革新者であり、彼はシエラレオネの科学者でアフリカの農業を救うことが可能なコメの品種を開発した。または、偉大なチェスマスターガルリ・カスパロフのような英雄である。彼はロシアでより大きな民主主義のための孤独な闘いの先頭に立っている。または、アカデミー賞受賞俳優のジョージ・クルーニーであり、彼は名声をてこにしてダルフールの悲劇に注目を集めさせた。

論争[編集]

当時の英首相トニー・ブレアが2004年のリストから除外されたという事実は、軽度に論争を起こした。タイム誌のエディター・アット・ラージのミシェル・エリオットは、一貫してブレアを除外する決定を固持している。

ゲアハルト・シュレーダージャック・シラクは両者ともいない。当リストはワールドワイドである。西欧の政治指導者は掲載されていない。なぜならこの時代に彼らはそれほど権限もしくは影響力がないのである。[2]

ジョージ・W・ブッシュは何回かリストに登場しているが、 2006年のアメリカ合衆国議会選挙で民主党勝利により彼が2007年のリストから外れた時、一部で論争が起きた[3]。元上院議員リック・サントラム(R)はFOXニュースで述べている。

問題の事実は、アメリカ合衆国大統領は、誰がそのオフィスにいるかに関わらず、地上で最も権力のある人間であり、単にこの国ではなく世界中で生活の様々な面で大きな影響力を持つ。また、タイム誌にとって、それを棄却することは、あなたに対しどんなに偏見を提供するか、そしてまた私は議論するであろうが、それらは憎むべきである。[4]

「どのアメリカ合衆国大統領も一定の影響力を内包している」と説明するのは、リストを監修したタイム副編集長アディ・イグナティアスen:Adi Ignatius)である。「ブッシュは実際ある種のそのような内包する影響力を浪費していた。イラクに関する彼の立場は彼自身の政党の支援を彼に対して支払わせた。...ある一定の観点では、彼はレームダックの政治家にたどり着いたようだ」[5]

リストは別の年に含まれた人物にもわたって同様に論争を起こした。2005年に保守派コメンテーターのアン・コールターがリストに入り、Salon.comが意見を述べることとなった。

先週タイム誌がその100人の「最も影響力のある人々」の中にアン・コールターの名を入れた時、そこへアリエル・シャロンビル・クリントンネルソン・マンデラ金正日ダライ・ラマのような錚々たる人物が並んでおり、その選択はオンライン上で大笑いになった。先週その件についてFOXニュースを観ると、タイム誌の編集責任者プリシラ・ペイントンen:Priscilla Painton)は、コールターが持つ、彼女をとても影響力のある人物にする「ユーモア」の使用であると主張し、コールターが保守的なジョン・スチュワートであるという示唆の否定はしなかった。 しかし、FOXのビル・オライリーでさえその話に賛同しなかった。彼はペイントンに説いて聞かせた。「あなたは人々が、アメリカ人がアン・コールターを聞いていると考えますか? あなたは彼女が世論に影響力を持つと考えますか?」[6]

タイム誌が、コールターに関して、彼女の物議を醸す論評で世界の最も強力な国家の談話にインパクトを与えるベストセラーの著者である、という根拠を以ってコールターを固持する一方、彼女はリストに繰り返し登場するほどの影響力があると考えられていない。

ハッキング[編集]

2009年、その年の「タイム 100」オンライン投票の勝者は、4chanのウェブサイト創設者mootで、16,794,368票を獲得した。タイム誌はテクニカルチームが「投票ハックの種々の企てを検出し、除去する」ように要求した。[7] しかしながら、投票終了前の数週間、結果がハッカーたちによって徹底的に編集されていたということが示された。[8] 上位21名の最初の文字は「marblecake also the game」と綴られていた。「Marblecake」は4chanが反サイエントロジー・キャンペーン(campaign against Scientology)を開始した場所のIRCチャンネルの名前であり[8]、「the game」は「The Gameミーム参照である。

学術的研究[編集]

「タイム 100」はメリーランド大学カレッジパーク校の経済学者クレイグ・ガースウェイトとティム・ムーアによって学術的分析に引用されている。「タイム 100」の最多掲載記録保持者オプラ・ウィンフリーの形勢に、大統領へのウィンフリーのバラク・オバマ推挙(endorsement of Barack Obama)のインパクトを調査して、彼女にアメリカ合衆国大統領選挙を決定するほどの影響力があったかどうか、両経済学者は計測することにした。両経済学者は次のように記述している。

オプラ・ウィンフリーは、ほとんど匹敵する者がいない影響力のある有名人である。彼女はタイムマガジンの最も影響力のある100人のリストに6回名前が載った—ダライ・ラマ、ネルソン・マンデラ、ビル・ゲイツ、ジョージ・クルーニー、 ルパート・マードックを含めた他のどの個人よりも多く。彼女は20世紀の最も影響力のある100人の1人に名が挙がっている。アルベルト・アインシュタインモハンダス・カラムチャンド・(マハトマ)ガンディーフランクリン・D・ルーズベルトと共有する栄誉である。彼女は4人の中でただ1人、20世紀と21世紀両方でこれらのリストに含まれる。その他の人物はマンデラ、ゲイツ、ポープ・ヨハネ・パウロ2世...ウィンフリーの影響力の範囲は、政治的結果に関する推挙の影響を調査するユニークな機会を創出する。

両経済学者は、ある地政学的地区(彼女のマガジン・アンド・ブック・クラブ・セレクションズの売れ行きにより推定されるような)の多くのウィンフリーファンと、2008年大統領民主党候補レース期間中にその場所でオバマが受け取った多くの票の間で、統計上意味のある相関関係を発見した。彼らは、人種、性別、収入、教育、他の雑誌の売れ行きのような全ての種類の交絡変数をコントロールした時、その相関関係は更に説得力があることを発見した。彼らは更に、その相関関係はウィンフリーがオバマを推挙した後にのみ出現することを発見し、それが相関関係の要因となる彼女の推挙の影響力によると示唆した。彼らが統計上、ウィンフリーの推挙がなかった場合どのようにオバマが行動したかを予測するために相関関係を除去した時、民主党予備選で100万票以上がオバマの総得票数から消え、クリントンがオバマよりもっと多く得票することを彼らは発見した。[9]

脚注[編集]

外部リンク[編集]