Denim

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Denim
竹内まりやスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル ワーナーミュージック・ジャパン
プロデュース 山下達郎
竹内まりや
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 2007年6月度月間1位(オリコン)
  • 2007年度年間20位(オリコン)
  • 登場回数59回(オリコン)
ゴールドディスク
竹内まりや 年表
Longtime Favorites
2003年
Denim
(2007年)
Expressions
2008年
『Denim』収録のシングル
  1. 返信/シンクロニシティ(素敵な偶然)
    リリース: 2006年9月6日
  2. スロー・ラヴ
    リリース: 2006年12月6日
  3. 明日のない恋
    リリース: 2007年3月7日
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Denim』(デニム)は、2007年5月23日に発売された竹内まりやの通算10枚目のスタジオ・アルバム

解説[編集]

オリジナルアルバムとしては半ばベスト・アルバムのような印象すらあった『Bon Appetit!』以来の作品であり、その間にもニュース番組への楽曲提供などはあったものの、山下達郎の作品が中心に制作されていたために、完全なる新規のオリジナルアルバムとしては実に5年半ぶりとなる作品である。当初は2007年5月16日発売とアナウンスされたが、予約の多さや作業の難航から1週間発売が延期された。

カヴァーアルバムを発表した2003年以来音沙汰のなかった竹内まりやが、2006年に入り山下達郎自身から「竹内まりやのアルバムを制作している」と言うアナウンスと共に発売を待たれていた1作である。

またアルバムの発売に向け、同年の4月11日NHK総合テレビの音楽番組「SONGS」へ初回ゲストとして出演。彼女にとって実に26年ぶりのテレビ出演であり、大きな話題を集めた[1]

初回限定盤にはそれまでシングルB面でしか発表されていなかった楽曲を中心に、山下達郎の口からも何度か案の出ていた「竹内まりや版『RARITIES』」とも言える内容のボーナスCD「Vintage Denim」が付属している。これによって竹内まりやのアルバム未収録楽曲は、山下達郎のようにバージョン違い等に拘らない場合は、RCA/AIR時代のラストシングル「NATALIE」のB面「アップル・パップル・プリンセス」(NHKテレビ『みんなのうた』)のみとなった。ちなみに、このアルバムはこれだけの仕様の違いがありながら、初回盤でも通常盤でも値段は税込み3059円と言う全く同じ価格で提供され、ラジオでの山下達郎曰く「お値段据え置きなので、是非初回の方をお楽しみ下さい」とのことである。しかし、後述のとおり発売週に22万枚もの売り上げを記録したことから、予約の時点でほぼ完売し、店頭でこの初回盤はほとんど見られなかった。なお、この初回盤はDisc2の歌詞カードが別に作られており、それまであまり明かされることの無かった楽曲に関する秘話をセルフライナーノーツとして掲載している。

ちなみに、この週の前々週にはMr.Childrenが『B-SIDE』というB面集を発売しており、偶然ではあるが、B面集を銘打ったアルバムが邦楽チャートで連続して1位になるという現象を生んだ(洋邦あわせたランキングではリンキン・パークのオリジナルが前週の1位)。

また通常盤の初回プレス分に、このアルバムのアナログ盤(2枚組、見開きジャケ仕様)が抽選で当たる応募ハガキが封入されていた。尚、当選者数は100名のため、アナログ盤は非常にレアなアイテムとなっている。

なお、収録されているアルバム自体違うが、同時期にパンテーンのCMソングとしてOAされていた「幸せの探し方」は収録もリメイクもされていない(同曲は元々『Quiet Life』の収録曲である)。

この年の4月6日に山下夫妻は銀婚式を迎え、偶然ではあるものの、結婚25周年記念の年に発売されたという記念碑的意味の作品にもなった。

アルバムの発売に向けて、デニム・ブランド「EDWIN」とのコラボデニム「Me」(まりやの「M」とEDWINの「E」)をEDWIN SHOP Onlineでの期間受注限定販売。オリジナル・タグのト音記号刺繍は竹内からの提案。

チャート成績[編集]

オリコンアルバムチャートでは、前作『Longtime Favorites』から引き続き3作連続、通算7作目の1位を獲得した。52歳2ヶ月での同チャートは1位は、女性ソロアーティストとしては史上最高齢(女性ソロとしては自己記録更新)となる。また、この作品で史上初の4つの年代(20代・30代・40代・50代)でアルバムチャート首位を達成した。

収録曲[編集]

  1. 君住む街角(On The Street Where You Live)
    ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の中で使用されたヒットナンバーのカヴァーで、TBS系『ブロードキャスター』のテーマソングとして発売の2年近く前から使用されていた楽曲。元々アルバムに収録することを前提としてのタイアップとしており、『サンデーソングブック』でも一部がOAされるが、今回でようやくフルバージョンのCD化となる。なお、本作に収録されているものは『サンデーソングブック』や『ブロードキャスター』でOAされたTVサイズとはアレンジもキーも全く異なるものであり、本作のために新規に録音しなおされたものである。
  2. スロー・ラヴ
    TVドラマ『役者魂!』の挿入歌として松たか子に提供した曲。
  3. 返信
    映画『出口のない海』主題歌として書き下ろされ、竹内まりやの2006年復活第1弾シングルとして発売されたシングル。
  4. みんなひとり
    松たか子に提供し、前述のドラマ『役者魂!』の主題歌として使用されていた楽曲。ここでソフト化されるより以前にラジオではOAされており、わずかながらも松のものとはキーが異なる。アレンジは松のものとは違い、山下達郎が手がけているために異なっている。また、歌詞の最後に松のものにはないセリフが追加されている。なお、前述の『サンデーソングブック』バージョンは竹内まりや自身がドラマや松向けにコンペとして製作したデモバージョンのため楽器類がかなり簡素なもので、バックコーラスなどに大きな差異があり、演奏時間もわずかに短い。決定版のアレンジが出てきたために、今後OAされることは無いと思われる。なお、この曲では松がバックコーラスとして参加している。
  5. シンクロニシティ(素敵な偶然)
    明治製菓アーモンドチョコのCMソングとして書き下ろされ、『返信』と共に両A面でシングルカットされた楽曲。
  6. 哀しい恋人
  7. Never Cry Butterfly
    スロー・ラヴのB面曲であり、ピカデリー・サーカスのカヴァー。あまり邦楽をカヴァーすることのないまりやだが、「自分が作っていない曲で自分らしい曲」としてこの作品を取り上げたという。
  8. ラスト・デイト
  9. クリスマスは一緒に
    HAPPY Xmas SHOW! 2006のテーマソングとして書き下ろされた楽曲。みんなひとりのセルフカヴァーバージョンと同じくソフト化される前に前述の番組の宣伝も兼ねてサンデーソングブックのみで先行OAされていた。竹内まりや作品では珍しくタイトルそのものに「クリスマス」と入ったクリスマスソングである。イントロの印象的なギターカッティングは山下達郎演奏のもの。まりや曰く「達郎のカッティングをバックに歌いたくて」書いたという。
  10. 終楽章
    薬師丸ひろ子が1988年に発売したアルバム『SINCERELY YOURS』の1曲として提供し、アルバム先行シングルとして発表された楽曲のセルフカヴァー。元々そのタイトルの通りアルバムのフィナーレを飾る楽曲として製作された。この楽曲は竹内まりや作品としては実に19年の時を経てのセルフカヴァー発表となり、彼女の作品では最もセルフカヴァーされるのに時間がかかった作品のひとつである。
  11. 明日のない恋
    2007年日本テレビ系『火曜ドラマゴールド』の最後の主題歌となった作品。シングル盤には同じく『火曜サスペンス劇場』の主題歌となった『告白』と『シングル・アゲイン』が収録され、「ベストマキシシングル」との触れ込みで発売されていた。
  12. 人生の扉
    協和発酵(現・協和発酵キリン)CMソングとして発売前からOAされていた楽曲。NHKの番組『SONGS』ではこの曲を山梨県のスタジオで披露した。本作の核であり、アルバムタイトルの「デニム」はこの楽曲の歌詞から取られている。後に本作には収録されていないが、同年8月8日に当時の完全なる新曲である『チャンスの前髪』と両A面でジャケットを緒形拳の題字でシングルカットされる。2008年10月30日に渋谷クラブクアトロで行なわれたセンチメンタル・シティ・ロマンスの35周年記念ライブにゲスト出演しライブで初めて演奏された。また、同年12月28日に大阪フェスティバルホールにて行なわれた山下達郎のライブのアンコールに「私からもフェスティバルホールにさよならを言わせて欲しい。」とゲスト出演した際にも演奏された。

Vintage Denim[編集]

  1. Hey!Baby
    1989年発売のシングル『シングル・アゲイン』のB面。森下恵理1985年に発売されたファーストアルバム「ボーイ・フレンド」への提供曲のセルフカヴァー。1986年には好評を受けてシングルカットされている。横山知枝1993年にカヴァーしている。もともとは子育て中の彼女の元にデビュー当時からの付き合いである加藤和彦から「森下に曲を書いてほしい」と依頼されたのがこの曲と『真冬のデイト』である。
  2. 夜景
    1986年発売のシングル『恋の嵐』のB面。これまで一切のアルバムに収録されていなかった上にシングルも長期間廃盤となり、入手困難な作品の一つとなっていた。この作品内では貴重なセルフカヴァーではない完全なオリジナル楽曲の一つである。もともとは1984年にアルバム『VARIETY』に収録されるために製作されていた楽曲であったが、諸事情で収録を断念している。この曲はまりやが後にマイナーコードの楽曲を製作するきっかけとなった楽曲であると言う。
  3. 約束
    1994年発売のシングル『純愛ラプソディ』のカップリング。元々は中森明菜のアルバム『CRIMSON』に提供した楽曲であり、1986年のクリスマスイブに発売されていた。同アルバムはその楽曲の解釈から山下達郎が激怒したとも言われており、竹内まりやに対し、提供曲のセルフカヴァーを提案していくきっかけになったとも言われる。しかし、まりや自身は「この曲は明菜さんの方が大人っぽい」と評価している。この曲と『告白』は対になっており、前者が男性の未練の楽曲であるのに対し、こちらは女性の未練の楽曲となっている。
  4. ミラクル・ラブ
    1992年発売のシングル『マンハッタン・キス』のカップリング。前年1991年10月にリリースされた牧瀬里穂のデビューシングル曲のセルフカヴァー。牧瀬里穂に提供した楽曲はこの曲が唯一である。「近すぎて気付かなかった愛」がテーマの楽曲。
  5. 真冬のデイト
    1995年発売のシングル『今夜はHEARTY PARTY』のカップリング。『Hey!Baby』と同じく森下恵理の1985年に発売されたファーストアルバム『ボーイ・フレンド』への提供曲のセルフカヴァー。これによって森下恵理へ提供した楽曲のまりやバージョンは全てアルバム化されたことになる。曲のモチーフはまりや自身がかつて留学していたイリノイ州の田舎町の農場。
  6. トライアングル
    1994年発売のシングル『明日の私』のカップリング。薬師丸ひろ子の1984年発売のファーストアルバム『古今集』に提供した楽曲のセルフカヴァー。提供からかなり間を空けての本人版が発表された楽曲のひとつ。セルフカヴァーにピーター・ポール&マリー風のハーモニーをつけるというコンセプトで製作されている。歌詞の「女の子はずるいものね」と言う部分があまりにくさすぎて吹き出してしまい目を閉じて歌いきったという逸話がある。余談だが、この楽曲を提供した『古今集』にはシングルカットこそされなかったが同じくまりやの提供した「元気を出して」も収録されている。

データ[編集]

主な参加ミュージシャン[編集]

  • 山下達郎 ギター、キーボード、パーカッション、バックコーラスほか
  • 佐橋佳幸 ギター
  • 伊藤広規 ベース
  • 難波弘之 ピアノ
  • 橋本茂昭 シンセサイザー
  • ピカデリー・サーカス(『Never Cry Butterfly』)
  • 松たか子 バックコーラス(『みんなひとり』)
  • 平原まこと テナーサックス(『クリスマスは一緒に』)

参照[編集]

  1. ^ 竹内まりや、26年ぶりテレビ“復帰”果たす!