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レズビアン・ゲイ映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レズビアン・ゲイ映画(レズビアン・ゲイえいが、英語:Lesbian and Gay Film)は、映画のジャンルのひとつである。本記事では、女性の同性愛をめぐる映画についてはレズビアン関連映画作品、男性の同性愛をめぐる映画についてはゲイ関連映画作品と、それぞれ表記する。そして同性愛者以外の性的少数者であるトランスジェンダーをめぐる映画についても、トランスジェンダー関連映画作品として記述する。これらは総称してクィア映画と呼ばれることがある[1][2]

本記事では、テレビドラマについても同時に扱う。

ゲイ・ポルノ、薔薇族映画などと呼ばれるポルノ系作品は「ゲイ・ポルノ」を参照のこと。

世界

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概要

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1985年3月、ドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』(1984年、米国)は第57回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。1985年5月、『蜘蛛女のキス』(ブラジル・米国)は第38回カンヌ国際映画祭に出品され、同性愛者を演じたウィリアム・ハートは男優賞を受賞した。その後、第11回ロサンゼルス映画批評家協会賞第58回アカデミー賞、英国アカデミー賞などで男優賞を受賞した。

1993年2月、『ウェディング・バンケット』(台湾・米国)は第43回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。同年5月、『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993年、中国)は第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した。1997年、『ブエノスアイレス』(香港)は第50回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。

2009年2月、『ミルク』(2008年、アメリカ)でハーヴェイ・ミルクを演じたショーン・ペン第81回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した。2014年から2015年にかけて、『私の少女』(韓国)で同性愛者を演じたペ・ドゥナは第20回春史大賞映画祭第9回アジア・フィルム・アワード、第30回金鶏奨などで主演女優賞を受賞した。

2015年12月、『キャロル』(アメリカ・イギリス)はニューヨーク映画批評家協会賞で作品賞を受賞した。2016年、『ムーンライト』(アメリカ)が第89回アカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞した。2017年、『BPM ビート・パー・ミニット』(フランス)は第70回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した。2019年、『燃ゆる女の肖像』(フランス)は第72回カンヌ国際映画祭脚本賞クィア・パルムの2冠を受賞した。

2022年、『CLOSE/クロース』(ベルギー・オランダ・フランス)は第75回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。

レズビアン関連映画作品

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欧米など

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アジア

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ゲイ関連映画作品

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欧米など

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1960 - 1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代

アジア

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トランスジェンダー関連映画作品

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レズビアン関連ドラマ作品

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ゲイ関連ドラマ作品

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日本

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概要

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日本の一般の映画で同性愛をテーマにした作品は、メジャー日本映画初のゲイフィルムと呼ばれる木下恵介監督の「惜春鳥」(1959年)、三島由紀夫原作「肉体の学校」(1965年、木下亮監督)、ピーター主演「薔薇の葬列」(1969年、松本俊夫監督)など、作品数は少ないながらも欧米の有名ゲイ映画が作られたのと同時期か、それより早い時期に作られている。

その後は1980年代後半のイギリス・ゲイ映画「アナザー・カントリー」、「モーリス」の日本公開を経て、1990年代に入った頃から「らせんの素描」、「二十才の微熱」など、ポルノではない本格的に同性愛をテーマにした映画作品などが、かつてより多く作られ始めた。「二十才の微熱」監督の橋口亮輔は自らゲイであることをカミングアウトしていた。近年はゲイ・ポルノ映画や薔薇族映画などといわれたジャンルの作品もLGBTQ関連の映画祭に出品されるようになった。

レズビアン関連映画作品

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映画の中にレズビアン・シーンがある映画も含む

ゲイ関連映画作品

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(ゲイが主題、ゲイが準主役の映画。重要なキャストにゲイが登場する作品を含む)

薔薇族映画作品

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日本では一般映画と薔薇族映画(成人映画)は分けられてきたが、近年は薔薇族映画にも国際映画祭や東京レズビアン&ゲイ映画祭で上映されるものも多く、両者の境界は曖昧になってきている。(一部抜粋)

レズビアン関連ドラマ作品

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ゲイ関連ドラマ作品

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(キャストの一部にゲイが登場する作品含む。)

映画祭

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日本
名称創立年備考
レインボー・リール東京1992年「東京国際レズビアン・ゲイ・フィルム&ビデオ・フェスティバル」の名称で第1回が開催された。2016年に「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」から現行の名称に変更。
関西クィア映画祭2005年2025年で32回目を迎えた[5]
香川レインボー映画祭2005年
青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル2006年
アジアンクィア映画祭2007年「アジアン・クイア・フィルム&ビデオ・フェスティバル・イン・ジャパン」の名称で第1回が開催された。2026年2月に13年ぶりに第5回が開催された[6]
愛媛LGBT映画祭2011年松山市で第1回が開催された[7]
福岡レインボー映画祭2016年福岡市で第1回が開催された[8]
福井LGBTQ映画祭2021年福井市で第1回が開催された[9]
海外
名称創立年備考
アウトフェスト・ロサンゼルスLGBTQ映画祭1982年
ニューヨークLGBTQ+映画祭1988年通称「NewFest」。
インサイドアウト映画祭1991年カナダのトロントで第1回が開催。
香港レズビアン&ゲイ映画祭1989年
北京クィア映画祭2001年
韓国クィア映画祭2001年
ソウル国際プライド映画祭2011年

脚注

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注釈

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  1. 噂の二人』のリメイク元。原作であるリリアン・ヘルマンの戯曲はレズビアニズムをテーマにしていたが、プロデューサー側が難色を示したため、三角関係のストーリーに変更されている。しかし、監督のウィリアム・ワイラーが暗に原作のテーマを残そうとした場面がみられる。)[3]

出典

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  1. 「彼は僕の宇宙の全てに存在する」。パラレルワールド描く韓国クィア映画『あのもし』を言葉から紐解く”. CINRA (2025年10月28日). 2026年4月8日閲覧。
  2. クィア映画の歴史と“クィア””. YODOKARI (2023年5月22日). 2024年9月20日閲覧。
  3. https://press.moviewalker.jp/person/93489/
  4. LGBTQ+映画の祭典「レインボー・リール東京」6月&7月、渋谷で開催”. シネマカフェ (2025年4月2日). 2025年7月27日閲覧。
  5. 第5回アジアンクィア映画祭 | 2026年2月21日(土) - 2月22日(日)”. アジアンクィア映画祭. 2026年4月8日閲覧。
  6. 愛媛LGBT映画祭”. レインボープライド愛媛. 2026年4月8日閲覧。
  7. 明日11/5 sat. 福岡レインボー映画祭 Fukuoka Rainbow Film Festival いよいよ開催です!”. NPO法人Rainbow Soup (2016年11月4日). 2026年4月8日閲覧。
  8. 牧悠平 (2021年11月11日). LGBTQテーマに映画祭 21日、福井で県内初”. 中日新聞. 2026年4月8日閲覧。

関連文献

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  • 『ラヴェンダー・スクリーン/ゲイ&レズビアン・フィルム・ガイド』 The Lavender Screen
ボーゼ・ハドリー著、奥田祐士訳、白夜書房、1993年 ISBN 4-89367-364-5
  • 『菫色の映画祭/ザ・トランス・セクシュアル・ムーヴィーズ』

関連項目

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外部リンク

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