渚のシンドバッド (映画)
| 渚のシンドバッド | |
|---|---|
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Nagisa no Shindobaddo Like Grains of Sand[1] | |
| 監督 | 橋口亮輔 |
| 脚本 | 橋口亮輔 |
| 製作 |
林和男 島谷能成 金澤清美 中澤夕佳 |
| 製作総指揮 |
高井英幸 矢内廣 |
| 出演者 |
岡田義徳 草野康太 浜﨑あゆみ |
| 音楽 |
高橋和也 北原京子 |
| 主題歌 |
高橋和也 「うしろむきの私」 |
| 撮影 | 上野彰吾 |
| 編集 | 米田美保 |
| 製作会社 |
東宝 ぴあ[2] |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 129分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 日本語 |
『渚のシンドバッド』(なぎさのシンドバッド、Like Grains of Sand)は1995年の日本映画[2][3][4][5]。橋口亮輔脚本監督[3]。同級生の男子に想いを寄せる少年を中心にした青春映画[4][6][7]。東宝とぴあが提携し、日本映画を担う若い才能の発掘と育成を目的に作られたYESの第1回作品[6]。
ロケのほとんどを、監督の故郷である長崎県長崎市とその周辺で行った[1][4][8]。
ストーリー
[編集]クラスメイトの吉田に想いを寄せる高校生、伊藤。転校生でレイプされた過去がある女生徒の相原は、その事に気づき伊藤に興味を持つ。同性愛とレイプ被害という、他人には話せない秘密を抱える二人は急速に打ち解けるようになる。その相原のことを実は恋慕する吉田。複雑な三角関係の先には……。
出演
[編集]- 伊藤修司
- 演 - 岡田義徳
- 吹奏楽部でトロンボーンを担当。浩之に恋愛感情を持ち、自身がゲイであることを隠している。しかし、ゲイである噂が流れてしまう。相原とは後述の性格からあまり良く思っていなかったが、ゲイの噂が立った頃から、気が合い親しくなった。
- 吉田浩之
- 演 - 草野康太
- 修司の親友。吹奏楽部では、学生指揮を担当。母親の経営するスナックでお客のカラオケをする歌が夜の間中、大きく聞こえる部屋に住む。彩子と長く付き合っているが修司がゲイであるとを知り、直接告られるがその後も親友として接しているかに見えたが、最後に本音を吐露する。相原のことが異性として気になっているが、相原の性格もあり(後述)上手く伝わらず、もどかしく感じている。オートバイに乗っている。
- 相原果沙音
- 演 - 浜﨑あゆみ
- 吹奏楽部でクラリネットを担当。別の高校から転校してきて、吹奏楽部に入部する。留守宅に不法侵入したり、作中では中年男性とラブホテルから出てくるところを他のクラスの生徒に見られているとされる。話し方が冷たくぶっきらぼうで、自己中心的で少々扱いづらい言動をすることからクラスでも浮いた存在である。
- 奸原とおる
- 演 - 山口耕史
- 修司と浩之の友人。イタズラ好きで、子供っぽく短気な性格。思い込みが激しく、自身が好きな松尾リカを修司がバラしたと思い込み、修司がゲイであるという噂を流してしまう。特技はバク宙。
- 清水彩子
- 演 - 高田久実
- 吹奏楽部でクラリネットを担当。真面目で優等生。浩之と付き合っているが、惰性で続いており微妙な関係となっている。本人は「私はいつも一言多いの」と自認しているがつい余計なことを言ってしまう。
- 松尾リカ
- 演 - 勇静華
- 「妊娠してしまった友達の堕胎手術の費用のためにお金をカンパしてほしい」とクラスメイトからお金を集めているが、実は自分が遊ぶための小遣い稼ぎのウソである。猫なで声でぶりっ子を演じることがあるが、素は気が強い。相原のことを嫌っている。
- 修司の父
- 演 - 村井国夫
- 仕事でいつも帰りが遅い。妻(修司の母)とは、妻の借金のせいで別れており、そのせいで苦労させられていると語っている。
- 根津先生
- 演 - 根岸季衣
- 修司たちのクラス担任。
- 吉田公子
- 演 - 山口美也子
- 浩之の母。夫を亡くしており、自宅でスナックを経営して子どもたちを女手ひとつで育てている。作中では現在慕ってくれている男性がいるとのこと。
- 吉田法子
- 演 - 石川千晴
- 浩之の妹。中学生ぐらいの年頃。
- 篠原先生
- 演 - 趙方豪
- 吹奏楽部の顧問。コンクールに出る予定だったが、部員に初心者が多いこともあり、曲の仕上がりが中途半端なため、出場を取りやめを独断で決めてしまった。加えて落胆する部員たちに「コンクール当日は、案内係などの仕事をしてもらうが、主催者からバイト代が一人4000円でるから喜べ!」と言うなど、あまり熱心な指導者ではない。
- 藤田先生
- 演 - 袴田吉彦
- 体育教師。
- 精神科の先生
- 演 - 橋口亮輔
- 同性愛の修司をカウンセリングを行った。同性愛には理解があり、作中では付き添いできた父親に「同性愛は病気ではありません」と説明している。
- 古賀
- 演 - 安西紘子(安西ひろこ)
- リカのクラスメイトで親友、いつも一緒にクラスメイトからお金を集めている。
スタッフ
[編集]- 監督・脚本:橋口亮輔
- 企画:ぴあ、ぴあフィルムフェスティバル
- 製作:高井英幸、矢内廣
- プロデューサー:金澤清美、中澤夕佳
- 音楽:高橋和也
- 企画:瀬田一彦、天野真弓
- 衣装:土屋純子
- 照明:矢部一雄
- 助監督:田胡直道
- 製作協力:東宝映画
- 東宝 = ぴあ提携作品
製作
[編集]日本の青春映画は小説や漫画を原作とする物が多いが、本作は橋口亮輔のオリジナル脚本。1995年夏に主に長崎ロケが行われ[1][4]、劇中に『ダイ・ハード3』上映中の封切館の長崎宝塚劇場が映る。出演者は全員標準語を話す。ポスター等のキービジュアルに映る、伊藤修司(岡田義徳)、吉田浩之(草野康太)、相原果沙音(浜﨑あゆみ)、奸原とおる(山口耕史)、清水彩子(高田久実)、松尾リカ(勇静華)6人の青春群像とするサイトもあるが[7]、主題は修司(岡田)、浩之(草野)、果沙音(浜崎)の奇妙な三角関係で、終盤はこの3人による芝居が続く[3]。クライマックスの海岸での撮影は1995年7月22日に長崎で行われ[1]、草野康太は台風の接近で海は温かく気持ちがよく、この日の撮影の思い出に砂粒をペットボトルに詰めて持ち帰り、実家に残しているという[1]。5分前後の長回しの連続で[3]、出演者は長いリハーサルとリテイクが繰り返されたものと考えられる。果沙音(浜﨑)がバイブを操作するシーンがある。今日のようにLGBTに対してデリケートな時代でないため、修司(岡田)が教室で体操着に着替えているとき、他の生徒から「お前ホモなんだって?」「今流行ってるからな」「お前モテまくりだろ」などとからかわれたり、中盤に修司がカウンセリングを受けた後、果沙音(浜崎)に「治った?」と言われたり、浩之(草野)が修司(岡田)のいないとき「あいつは変態」と言うシーンがある。『渚のシンドバッド』のタイトルの意味は分からない。
ロケ地
[編集]- 稲佐山
- 長崎市公会堂
- 神奈川県立希望ヶ丘高等学校
- 長崎本線(旧線)東園駅(移転前)
- 絃洋会楽器店
作品の評価
[編集]受賞歴
[編集]- ロッテルダム国際映画祭グランプリ[1][9]
- トリノ国際ゲイ&レズビアン映画祭グランプリ[9]
- 第69回キネマ旬報ベスト・テン10位[2]
- 第50回毎日映画コンクール脚本賞
脚注
[編集]- ^ a b c d e f 日めくりの記憶 2006 渚のシンドバッド」 – 草野康太 Official Blog 2006年8月24日 2026年1月12日閲覧。
- ^ a b c d “渚のシンドバッド”. 日本映画製作者連盟. 2026年1月12日閲覧。
- ^ a b c d 浜崎あゆみが、10代半ばながら存在感を放った映画「渚のシンドバッド」 – スカパーJSAT
- ^ a b c d 渚のシンドバッド – WOWOW
- ^ 渚のシンドバッド – 衛星劇場
- ^ a b c 『ぴあシネマクラブ 日本映画編 2004-2005』ぴあ、2004年、493頁。ISBN 978-4835606170。渚のシンドバッド
- ^ a b ryosuke kobayashi (2023年7月17日). “kudosデザイナー工藤司が語る偏愛サマームービー『渚のシンドバッド』”. MEN'S NON-NO WEB. 集英社. 2025年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年1月12日閲覧。
- ^ 「ひと」を描く映画監督 橋口亮輔作品特別上映 – ユーロスペース
- ^ a b 橋口亮輔 Ryousuke HASHIGUCHI – ジグロ