象潟駅

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象潟駅
駅舎(2018年5月)
きさかた
Kisakata
上浜 (4.9 km)
(5.8 km) 金浦
地図
所在地 秋田県にかほ市象潟町字家の後23
北緯39度12分25.8秒 東経139度54分7.4秒 / 北緯39.207167度 東経139.902056度 / 39.207167; 139.902056座標: 北緯39度12分25.8秒 東経139度54分7.4秒 / 北緯39.207167度 東経139.902056度 / 39.207167; 139.902056
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 羽越本線
キロ程 203.4 km(新津起点)
電報略号 キサ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
183人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1921年大正10年)11月15日[1]
備考 業務委託駅
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象潟駅(きさかたえき)は、秋田県にかほ市象潟町字家の後(いえのうしろ)にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)羽越本線である。

特急いなほ」が停車する。かつては寝台特急「あけぼの」・「日本海」、臨時快速「きらきらうえつ」が停車していた。2002年平成14年)、東北の駅百選に選定された。

歴史

1966年改築の駅舎(2004年7月)
  • 1921年大正10年)11月15日鉄道省国鉄陸羽西線・吹浦 - 象潟間開通の際、由利郡象潟町に新設[1][2]
  • 1922年(大正11年)6月30日:陸羽西線・象潟 - 羽後本荘間が開通[3]
  • 1924年(大正13年)4月20日:羽越線(後の羽越本線)に所属線を変更。
  • 1966年昭和41年)11月:駅舎を改築する[2]
  • 1984年(昭和59年)2月1日:専用線発着の貨物取り扱い廃止[4]。当駅からの貨物輸送終了。
    • 東側の側線より南東にあった松田製線→キサカタ鋼業(サンロックオーヨドキサカタ工場)[注釈 1]への専用線があり、岩手県釜石より鋼板や鉄鋼などの貨物輸送を行っていた。国鉄、松田製線で個々に入れ替え機関車を所有。松田製線機関車は上郷小学校裏に車掌車と共に留置されていた[注釈 2]が後に撤去される。 
    • このほか、1975年(昭和50年)までは西側に秋田石油象潟油槽所の専用線、さらに南東(TDK象潟工場跡地の南側)に大華鉱業の専用線があり、石油や鉱石の輸送を行っていた。このどちらの施設も閉鎖され、油槽所跡地は空き地と駐車場、大華鉱業の跡地は公民館や体育館になっている。
  • 1985年(昭和60年)3月14日荷物扱い廃止[4]
  • 1987年(昭和62年)
  • 1988年(昭和63年)3月13日:直営の飲食店「いなほ亭」開店[6]
  • 1993年平成5年)2月23日:駅構内で貨物列車が脱線する事故[7][8]。この事故により、日本貨物鉄道(JR貨物)は翌年度から国鉄コキ50000形貨車の台車をすべて交換することとした[8]
  • 2002年(平成14年):東北の駅百選に選定される。
  • 2006年(平成18年)3月24日:みどりの窓口廃止[9]。「もしもし券売機Kaeruくん」稼働開始[10]
  • 2010年(平成22年)4月1日:本楯駅 - 上浜駅間各駅管理権限を羽後本荘駅に委譲、自駅のみの管理となる。
  • 2012年(平成24年)
  • 2020年令和2年)4月1日:業務委託化。象潟駅長・助役が廃止され、羽後本荘駅管理となる。

駅構造

ホーム(2011年7月)

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のプラットホームを有する地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡している。

駅舎は2012年10月に、2013年に開催された秋田デスティネーションキャンペーンに伴い、観光客を綺麗な駅舎で迎えようとリニューアルされている[14][12]。俳人松尾芭蕉が「おくのほそ道」への旅で訪れた景勝地であることにちなみ、和風を意識したコンセプト設定が行われている。アルミ材がむき出しであった入口には木製防風スクリーンが設置され、民家の屋根に似せた形状としている。待合室の天井は格子状となり、また鳥海山、かつては海に浮かぶ景勝地であった九十九島、芭蕉の句にちなんだ「雨に濡れたねむの花」などを飾り障子で表現している[13]

待合室の壁は、地元出身の版画家池田修三の作品パネルとなっている[15]

羽後本荘駅が管理し、JR東日本東北総合サービスが受託する業務委託駅。直営駅時代の末期は自駅のみの単駅管理となっていた[注釈 3]。駅舎には自動券売機指定席券売機、待合室、観光案内所兼売店などがある。

のりば

番線 路線 方向 行先
1 羽越本線 下り 羽後本荘秋田方面[16]
2 上り 酒田新潟方面[16]
3 (待避線)

利用状況

JR東日本によると、2021年度(令和3年度)の1日平均乗車人員は183人である[利用客数 1]

2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
2000年(平成12年) 496 [利用客数 2]
2001年(平成13年) 436 [利用客数 3]
2002年(平成14年) 395 [利用客数 4]
2003年(平成15年) 369 [利用客数 5]
2004年(平成16年) 340 [利用客数 6]
2005年(平成17年) 326 [利用客数 7]
2006年(平成18年) 308 [利用客数 8]
2007年(平成19年) 311 [利用客数 9]
2008年(平成20年) 288 [利用客数 10]
2009年(平成21年) 275 [利用客数 11]
2010年(平成22年) 265 [利用客数 12]
2011年(平成23年) 257 [利用客数 13]
2012年(平成24年) 271 [利用客数 14]
2013年(平成25年) 287 [利用客数 15]
2014年(平成26年) 247 [利用客数 16]
2015年(平成27年) 224 [利用客数 17]
2016年(平成28年) 204 [利用客数 18]
2017年(平成29年) 188 [利用客数 19]
2018年(平成30年) 191 [利用客数 20]
2019年(令和元年) 198 [利用客数 21]
2020年(令和02年) 184 [利用客数 22]
2021年(令和03年) 183 [利用客数 1]

駅周辺

駅の北東方向は住宅地を抜けると景勝地の象潟が広がっている。

バス路線

隣の駅

※特急「いなほ」の隣の停車駅は列車記事を参照のこと。

東日本旅客鉄道(JR東日本)
羽越本線
上浜駅 - 象潟駅 - 金浦駅

脚注

記事本文

注釈

  1. ^ サンロックオーヨドキサカタ工場は2006年3月で閉鎖され、現在は住宅地になっている。
  2. ^ 「広報きさかた昭和62年1月号」によると、昭和61年12月10日に小滝保育園にて出発式が行われた。
  3. ^ かつては、管理下の駅が存在したが、詳細は#歴史参照

出典

  1. ^ a b 「鐵道省告示第156号」『官報』1921年11月12日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  2. ^ a b JR象潟駅が開業100周年 池田修三作品がお出迎え”. 秋田魁新報. 秋田魁新報社. 2021年11月17日閲覧。
  3. ^ 「鐵道省告示第67号」『官報』1922年06月27日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ a b c 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、564頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  5. ^ 『3駅にみどりの窓口』昭和62年10月9日読売新聞朝刊18面秋田読売
  6. ^ 『クリーニング取次やそば店 JR秋田支店 5駅に設置へ』昭和63年3月11日交通新聞1面
  7. ^ “羽越線でも”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1993年2月25日) 
  8. ^ a b “3千両を新台車に交換 JR貨物、来年度から 羽越線の脱線事故 「ワク」の損傷と判断”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1993年2月26日) 
  9. ^ “JR東日本 「みどりの窓口」廃止へ 県内8駅 湯沢市など「撤回を」” 朝日新聞 (朝日新聞社): p31. (2006年3月2日 朝刊)
  10. ^ “みどりの窓口リストラ” 朝日新聞 (朝日新聞社): p.23. (2006年7月11日 夕刊)
  11. ^ もしもし券売機『Kaeruくん』が指定席券売機に替わります!” (PDF). 東日本旅客鉄道秋田支社. 2021年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
  12. ^ a b "象潟駅、男鹿駅をきれいにリニューアルをいたします" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道秋田支社. 28 September 2012. 2020年5月17日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月17日閲覧
  13. ^ a b 交通新聞2013年1月18日
  14. ^ "秋田デスティネーションキャンペーンに向けた駅舎整備について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道秋田支社. 20 April 2012. 2020年5月17日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年5月17日閲覧
  15. ^ にかほ町歩きMAP”. にかほ市. 2022年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月17日閲覧。
  16. ^ a b 駅構内図(象潟駅)”. 東日本旅客鉄道. 2020年3月13日閲覧。

利用状況

  1. ^ a b 各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月10日閲覧。
  2. ^ 各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  3. ^ 各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  4. ^ 各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  5. ^ 各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  6. ^ 各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  7. ^ 各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  8. ^ 各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  9. ^ 各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  10. ^ 各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  11. ^ 各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  12. ^ 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  13. ^ 各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  14. ^ 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  15. ^ 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  16. ^ 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  17. ^ 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  18. ^ 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  19. ^ 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月28日閲覧。
  20. ^ 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月20日閲覧。
  21. ^ 各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月13日閲覧。
  22. ^ 各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月25日閲覧。

関連項目

外部リンク