こぎつね座

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こぎつね座
Vulpecula
Vulpecula
属格 Vulpeculae
略符 Vul
発音 発音: [vʌlˈpɛkjʊlə]、属格:/vʌlˈpɛkjʊliː/
象徴 the Fox
概略位置:赤経 20
概略位置:赤緯 +25
広さ 268平方度[1]55位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
33
3.0等より明るい恒星数 0
最輝星 α Vul (Anser)(4.44
メシエ天体 1
隣接する星座 はくちょう座
こと座
ヘルクレス座
や座
いるか座
ペガスス座
観測可能地域は+90°と−55°の間
21:00(午後9:00)に最も良く見えるのは9月の間
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こぎつね座(小狐座、Vulpecula)は、星座の1つで、17世紀にヨハネス・ヘヴェリウスによって設定された。

こぎつね座は、こと座ベガはくちょう座デネブわし座アルタイルから形作られる夏の大三角形の真ん中にある。暗い北天の星座である。

主な天体

恒星

この星には4等より明るい星はない。

  • α星:アンサー(Anser)は、4.44等。赤色巨星スペクトル型は M0III で、太陽からは297光年の距離にある。8番星とで見かけの二重星を形成、角度で413.7"離れている。双眼鏡でならこの星を見分けることができる。

星団・星雲・銀河

おもなものとして2つの星雲・星団がある。

  • Brocchi's Cluster:散開星団。洋服掛け(コート・ハンガー星団)とも呼ばれる、肉眼でも見ることのできる。この星団もその名の通りハンガーのような変わった形をしている。
  • M27(亜鈴状星雲):巨大な惑星状星雲である。この星雲は形が面白いため、よく観測される。双眼鏡でも見ることができ、視直径は6分角である。双眼鏡でも満月の4分の1の大きさの楕円形に見える。その名の通りの鉄アレイ状に見るには、大口径の望遠鏡が必要である。

その他

由来と歴史

Vulpecula et Anser in Uranographia 1801

この星座は、17世紀後半に、ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって設定された。この星座はもとは Vulpecula cum ansere「ガチョウをくわえた小さなキツネ」 もしくはVulpecula et Anser「小さなキツネとガチョウ」と呼ばれた。ガチョウは現在のキツネのあごの部分であった。その後、ガチョウは姿からも名前からも消えた。しかし、ガチョウ("Anser")はこぎつね座のα星の名前として残った。 

「ガチョウをくわえた小さなキツネ」の設定は、グリム童話の同名の童話が元になっていると考えられる。α星のガチョウは、グリム童話に登場する、キツネの質問に答えるガチョウの可能性がある。ラテン語の星座名 Vulpecula は、本当は「小さい狐」の意味であるが、英語圏の人々はただのキツネだと思っており、この星座をFoxと呼んでいる。

呼称と方言

日本では、きつね座と呼んだ時代がある。

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。