地熱発電
| 再生可能エネルギー |
|---|
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地熱発電(ちねつはつでん、じねつはつでん)[1]とは、地熱(主に火山活動による)を用いて行う発電のことである。再生可能エネルギーの一種であり、ウランや石油等の枯渇性エネルギーの価格高騰や地球温暖化への対策手法となることから、エネルギー安全保障の観点からも各国で利用拡大が図られつつある。
目次 |
[編集] 概要
地熱によって生成された天然の水蒸気をボーリングによって取り出し(最初から蒸気の場合と、高温・高圧の熱水を減圧沸騰させて蒸気を得る場合がある)、その蒸気により蒸気タービンを回して機械的エネルギーに変換し、発電機を駆動して電気を得る[2]。太陽の核融合エネルギーを由来としない数少ない発電方法のひとつである。
地熱発電は探査・開発に比較的長期間を要し、探査した結果地熱利用がかなわない場合もあり、火山性の自然災害に遭遇しやすいリスクもある。しかし、運転に際して温暖化の原因となると指摘されているいわゆる温室効果ガスの発生が火力発電より少ない点、燃料を必要としない点、燃料の枯渇や高騰の心配が無い点で、優れたエネルギー源とされる。また再生可能エネルギー(自然エネルギー)の中でも、安定的な出力が期待できない太陽光発電や風力発電とは異なり、需要に応じて安定した発電量を得られる地熱発電は、ベースロード電源として利用可能である。地球全体でみた資源量も大きく(再生可能エネルギー#資源量を参照)、特に日本のような火山国においては大きなポテンシャルを有すると言われる[3][4]。近年の枯渇性燃料の高騰によってコスト的にも競争力が増し、見直されつつある(下記)。
[編集] 方式
現在利用されている地熱発電では、主にドライスチーム、フラッシュサイクル、バイナリーサイクルの3つの方式が用いられている[5][6][7]。この他、熱水・蒸気資源が無くても発電できる高温岩体発電が研究されている。
[編集] ドライスチーム
蒸気発電を行う場合、蒸気井から得られた蒸気が殆ど熱水を含まなければ、簡単な湿分除去を行うのみで蒸気タービンに送って発電スチーム(dry steam)式と呼ぶ[6]。日本での実施例に松川地熱発電所や八丈島発電所などがある。
[編集] フラッシュサイクル
得られた蒸気に多くの熱水が含まれている場合、蒸気タービンに送る前に汽水分離器で蒸気のみを取り分ける必要がある。これをシングルフラッシュサイクルという[8]。日本の地熱発電所では主流の方式である[5]。
蒸気を分離した後の熱水を減圧すれば、更に蒸気が得られる。この蒸気をタービンに投入すれば、設備は複雑となるが、出力の向上及び地熱エネルギーの有効利用が可能となる。これをダブルフラッシュサイクルという[5]。日本では八丁原発電所及び森発電所で採用されている。
更に、ダブルフラッシュサイクルで蒸気を取り出した後の熱水を更に減圧して蒸気を取り出すトリプルフラッシュサイクルも存在する。ダブルフラッシュサイクルよりも設備は更に複雑となるが、出力の向上に伴うメリットは小さく、ニュージーランドなどに少数の例があるのみである。
[編集] バイナリーサイクル
地下の温度や圧力が低いため地熱発電を行うことが不可能であり、熱水しか得られない場合でも、アンモニアやペンタン・フロンなど水よりも低沸点の媒体(これを低沸点流体という)を、熱水で沸騰させタービンを回して発電させることができる場合がある。これをバイナリー発電(binary cycle)という[5]。
- 温泉発電(温泉水温度差発電)
- 直接入浴に利用するには、高温すぎる温泉(例えば70~120℃)の熱を50℃程度の温度に下げる際、余剰の熱エネルギーを利用して発電する方式である[5][9]。熱交換には専らバイナリーサイクル式が採用される。
- 発電能力は小さいが、占有面積が比較的小規模ですみ、熱水の熱交換利用するだけなので、既存の温泉の源泉の湯温調節設備(温泉発電)として設置した場合は、源泉の枯渇問題や、有毒物による汚染問題、熱汚染問題とは無関係に発電可能な方式である。 地下に井戸を掘るなどの工事は不要であり確実性が高く、地熱発電ができない温泉地でも適応可能であるなどの利点がある。
- 日本ではイスラエルのオーマット社製のペンタンを利用した発電設備が八丁原発電所で採用されている。発電設備1基あたりの能力は2000kW(BWR-4型原発のおよそ400分の1の定格で一般家庭に換算して数百世帯から数千世帯分の需要を賄う)で、設置スペースは幅16メートル、奥行き24メートルとコンビニエンスストア程度の敷地内に発電設備が設置されている。朝日新聞の報道によれば、日本国内にはバイナリー発電に適した地域が多く、全国に普及すれば原子力発電所8基に相当する電力を恒久的に賄うことが可能であるとの経済産業省の見解がある[10]。
[編集] 高温岩体発電
天然の熱水や蒸気が乏しくても、地下に高温の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気や熱水を得る高温岩体発電(hot dry rock geothermal power; HDR)の技術も開発されている[11]。地熱利用の機会を拡大する技術として期待されている[3]。既存の温水資源を利用せず温泉などとも競合しにくい技術とされ、38GW以上(大型発電所40基弱に相当)におよぶ資源量が国内で利用可能と見られている[3]。多くの技術的課題は解決している。2000年から、2年間実証実験、発電が実施された[12]。 また現在の技術ならばコストも9.0円/kWhまで低減する可能性が指摘されている[3]。
2008年には、googleがベンチャー企業等に1000万ドルを出資して話題になった[13]。2010年時点では、オーストラリアのジオダイナミクス社により7万5000kWの大規模な高温岩体地熱発電プラントの建設が進められている[14]。
[編集] マグマ発電
さらに将来の構想として、マグマだまり近傍の高熱を利用するマグマ発電の検討が行われている。開発に少なくとも50年はかかると言われる[15]が、潜在資源量は60億kW(6000GW)におよぶ[3]と見積もられ、これを用いると日本の全電力需要の3倍近くを賄えるだろうと言われている[15]。
[編集] 技術
[編集] 井戸
蒸気を採取するための坑井(蒸気井)の深さは、地下の構造や水分量などによって異なり、数10mから3,000mを超えるものまでさまざまである[16]。通常は1km以上3km以下である[17]。
蒸気発電およびバイナリー発電では、発電に使った蒸気(復水器で凝縮されて水になる)や余った熱水を地表に放出・放流させると地下の蒸気や熱水が枯渇してしまうおそれがある。また、熱水に含まれる金属などの成分が、河川や湖沼の水質に影響を与えることも懸念される。そのため、発電に使用した後の蒸気や熱水は坑井(井戸)を通じて地下に戻すことが行われる。これを還元という。還元用の井戸(還元井、かんげんせい)は蒸気井よりも浅いことが多い。還元井は当初から還元井として掘削される他に、勢いの衰えた蒸気井が転用されることもある。
一方、還元する量が多すぎたり場所が悪かったりすると、地中の温度を下げたり、地中の蒸気や熱水の流れを乱してしまい、発電に利用可能な蒸気や熱水が得られなくなることがあるため、還元の際は適切な場所や量を選定する必要がある。
[編集] 貯留層管理
蒸気や熱水が溜まっている地中の部位は貯留層と呼ばれるが、貯留層の温度や水分を維持するために蒸気の利用や還元を計画・実施することを、貯留層管理という。貯留層管理は、地熱資源を持続的に利用するために重要な技術である。
[編集] 環境影響
[編集] 環境性能
地熱発電は地熱のエネルギーを利用して発電し、発電時に化石燃料を燃焼させる必要が無い。このため発電量あたりのCO2排出量が低く、建設等に要したエネルギーも通常1年程度で回収できる[18][19]。硫化水素が発生することもあるが殆どが除去装置によって取り除かれるため、除去装置が機能する限りは環境への悪影響を無視することができ、河川や地下水の汚染も確認されていない。その際に生成される硫黄からは硫酸を製造できる他、これを原料にしてマッチや花火用火薬、肥料を製造することができる。
[編集] 地震の誘発
地下との熱水の出入りにより微小な地震が発生することがあるが、通常は高感度な地震計でしか感知できないような無感地震である[20]。また、大規模な地震を誘発させた例もない[20]。
[編集] 複合的な利用
発電に伴う余熱や温水を、複合的に利用する事例もある。余熱を温室栽培に活用[21]したり、温水を利用すると共に発電所自体を観光資源にしている例[22]等が見られる。
[編集] 日本における地熱発電
[編集] 歴史
日本では1919年(大正8年)に帝国海軍中将・男爵山内万寿治が、軍人として国のエネルギー安全保障に興味を示し、大分県別府で地熱用噴気孔の掘削に成功した。これを引き継いだ東京電灯研究所長・太刀川平治が1925年(大正14年)に出力1.12kWの実験発電に成功したのが最初の地熱発電とされる[23]。しかし、微力だったことから、山内の死後程なくして地熱発電の実用は立ち消えとなった。実用地熱発電所は岩手県八幡平市の松川地熱発電所(日本重化学工業株式会社)が1966年(昭和41年)10月8日に営業運転を開始したのが最初である。
[編集] 現状
地熱発電は石油などの化石燃料を使わないクリーンエネルギーであり、日本では約5%しか自給できない天然ガスにも匹敵する貴重なエネルギーを国産で採掘できることから、原油価格やウラン等の核燃料価格の変動リスクがない国産エネルギーとして、見直しが進められている。[24]。地熱発電はコストが高いとされているが、近年になって費用対効果も向上しており、近年の実績では8.3円/kWhの発電コストが報告されている[25]。特に、九州電力の八丁原発電所では、燃料が要らない地熱発電のメリットが減価償却の進行を助けたことにより、近年になって7円/kWhの発電コストを実現している。
現在のところ、日本において地熱発電によって生産されている電力の総容量はおよそ535MW(53万キロワット)で2010年(平成22年)段階で世界第8位である[26]。地熱発電に関わる技術は高く、140MWと1基としては世界最大出力の地熱発電プラント(ナ・アワ・プルア地熱発電所)を富士電機システムズ(現在は富士電機(旧富士電機HD)に吸収合併)がニュージーランドに納入するなど[27]、2010年(平成22年)の時点で、富士電機、東芝、三菱重工の日本企業3社が世界の地熱発電設備容量の70%のプラントを供給している[26][28]。
2010年(平成22年)度の環境省によるポテンシャル調査[29]では、理論的埋蔵量である「賦存量」は設備量にして約3300万kWと見積もっている。そのうち、地形や法規制等の制約条件が考慮された「導入ポテンシャル」は約1420万kW、経済的要因等の仮定条件に沿った「シナリオ別導入可能量」は、シナリオによって108〜518万kW(温泉発電を含む)と見積もられている。この導入可能量については国立公園等の規制の影響が大きく、国立公園外から斜めに掘削する条件を変えるだけで導入可能量が大幅に増えることも同時に指摘されている[29]。
[編集] 問題点・課題
日本国内の地熱発電による発電量は世界的に見ても上位に位置するが、経済大国である日本全土の莫大な総発電量からすると、国内地熱発電の割合は0.2%を担うに過ぎない。53万キロワットは、福島第一原子力発電所や美浜原子力発電所などにある中型原子炉1基分にすぎない。九州電力では比較的に地熱発電が盛んだが、それでも九州地方全域で生産可能な電力の総量の2%を占めるにとどまる。
日本で地熱発電が積極的に推進されにくい理由は、国や地元行政からの支援が火力や原子力と比べて乏しいこと、地域住民の反対や法律上の規制があるためである。発電所の候補地の多くが国立公園に指定されているが、1972年(昭和47年)に当時の通商産業省と環境省の間で交わされた「既設の発電所を除き、国立公園内に新たな地熱発電所を建設しない」ことを約する覚書[30]により、事実上発電所の新設が認められていない。また、国立公園以外の候補地も、近くに温泉観光地が存在している場所が多く、温泉の源泉への影響や景観を損なう発電所建設は地元の反対が根強い。例えば、群馬県の嬬恋村では2008年(平成20年)に地熱発電の計画が浮上したが、その予定地が草津温泉の源泉から数kmしか離れていないため、温泉に影響が出る可能性が必ずしも排除できないとして草津町が反対を表明した[31]が、科学的根拠はしめされなかった。草津温泉では、地熱発電と温泉との因果関係の有無を検証するための地下ボーリング調査等を行うことにも反対している。
これら諸問題について、地熱発電を推進している日本地熱学会などの推進派グループでは、国立公園内にも巨大ダムや大型施設が立地していることから、環境省の裁量次第で建設できると反論している。また、地下の地熱エネルギーおよび温泉資源についての科学的調査の結果、日本において地熱発電所が温泉などの周辺環境に影響を与えた事例が一例もないこと(ただし、外国では熱水の還元不足などから温泉に影響を与えた例がいくつか確認されている[32])から地熱発電所と温泉・観光地との共存共栄は可能であるとの見解を示している[33]。
日本は火山が多く地熱発電に適しており、太陽光発電や風力発電に加えて地熱発電の開発も進めるべきだ、との指摘がなされてきた[15]。2009年1月には、20年ぶりに国内で地熱発電所を新設する計画が報道されている[34]。2010年には、秋田県湯沢市での事業化検討に向けた新会社の設立[35]や大霧発電所での第2発電所建設計画が進行している。
行政も、2008年(平成20年)には経済産業省で地熱発電に関する研究会を発足したり[36][37][38][39]、2010年度には、地熱発電の開発費用に対する国から事業主への補助金を、2割から3分の1程度にまで引き上げることを検討するなど[40]、2008年(平成20年)から2009年(平成21年)にかけては地熱発電の促進が積極化しつつあった。しかし、2010年(平成22年)5月、民主党政権による事業仕分けにより、「地熱開発促進調査事業」と「地熱発電開発事業」の2事業が 廃止や白紙化を前提とした「抜本的改善」の措置をうけることが決定された[41]。このことについて、日本地熱学会は懸念を表明している[26]。
東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故により再生可能エネルギー開発が喫緊の課題となったことを受け、2011年(平成23年)6月、環境省は地熱発電所設置における二大課題である「国立公園に関わる規制」および「温泉施設に対する影響評価」の見直し作業に入った[42][43]。
[編集] 日本の地熱発電所
立地上、火山の多い東北地方や九州地方の一部に集中している。 北海道電力、九州電力の発電所名には地熱がつかない。特に八丁原発電所では、資源を輸入する必要がない地熱発電のメリットが減価償却の進行を助けたことにより、近年になって7円/kWhの発電コストを実現している。
地下の地熱貯留層を管理し、地熱を枯渇させないためには、プラント1基あたりの発電能力は一般的な水力発電と同様、数万キロワット程度と小規模となる。プラントは小規模ながら、計画的な消耗品の交換と貯留層の管理を行うことによって、長期間にわたって安定した電力を供給でき、なおかつ事故のリスクも小さいことから、エンジニアリングに精通している極少数の労働者によって運転や保守点検が行われている。
その他、カウンターテロリズムの観点から地熱発電に注目すると、重要防護施設としての性質上、原子力関連施設警戒隊の常駐が行われている原子力発電や、自衛消防隊の常駐を必要とする火力発電など、他の発電方式と比べてセキュリティ上の懸念も少ないことから、無人で運転されている発電所が多い。
ただし、無人の発電所の様子は、遠隔地にある発電所等の施設に勤務しているオペレーターからデータ通信を用いて常時監視され、必要に応じて遠隔操作されている。
| 都道県 | 発電所名 | 発電会社 | 容量 (kW) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 森発電所 | 北海道電力 | 50,000 |
| 岩手県 | 松川地熱発電所† | 東北水力地熱 | 23,500 |
| 岩手県 | 葛根田地熱発電所 | 東北電力 | 80,000 |
| 宮城県 | 鬼首地熱発電所 | 電源開発 | 15,000 |
| 秋田県 | 大沼地熱発電所† | 三菱マテリアル | 9,500 |
| 秋田県 | 澄川地熱発電所 | 東北電力 | 50,000 |
| 秋田県 | 上の岱地熱発電所 | 東北電力 | 28,800 |
| 福島県 | 柳津西山地熱発電所 | 東北電力 | 65,000 |
| 東京都 | 八丈島地熱・風力発電所 | 東京電力 | 3,300 |
| 熊本県 | 岳の湯発電所† | 廣瀬商事 | 50 |
| 大分県 | 大岳発電所 | 九州電力 | 12,500 |
| 大分県 | 八丁原発電所 | 九州電力 | 112,000 |
| 大分県 | 杉乃井地熱発電所† | 杉乃井ホテル | 1,900 |
| 大分県 | 滝上発電所 | 九州電力 | 27,500 |
| 大分県 | 九重地熱発電所† | 九重観光ホテル | 1,000 |
| 鹿児島県 | 霧島国際ホテル地熱発電所† | 大和紡観光 | 200 |
| 鹿児島県 | 大霧発電所 | 九州電力 | 30,000 |
| 鹿児島県 | 山川発電所 | 九州電力 | 30,000 |
| 合計 | 539,700 | ||
(†印が付されたものは自家用発電所)
[編集] 世界の地熱発電
[編集] 歴史
世界最初の地熱発電は、1904年にイタリアのラルデレロにおいて天然蒸気を利用した運転が行われ(0.75馬力)、1913年に発電所としての商業発電が始まった(250kW)。なお、100年以上が経過した現在でもラルデレロでは地熱発電所が運営され続けている。
[編集] 現状
2005年の世界の地熱発電設備容量の合計は8878.5MWである。全世界の総発電設備のうち地熱発電の割合は約0.3%になっている。
国別首位はアメリカ合衆国で、このうち約9割がカリフォルニア州に集中している。他にネバダ州、ユタ州、ハワイ州で地熱発電が行われているが、エネルギー省では西部・南部の州で地熱エネルギー開発を進め、2006年までには地熱発電所のある州を8州にまで増やす計画である。
アメリカに次いで発電容量が多いのは火山国フィリピン。フィリピンは国内に建設を進めていた2基の原子力発電所を運転開始の直前になって廃絶し、代わりに同じ発電設備容量の地熱発電所を建設した。フィリピンは国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなう「地熱発電大国」である。
産油国であるインドネシアでは、化石燃料の枯渇後を見据え、海軍によるシーレーン防衛に努めるとともに、2015年までに国内の電力のうち4,500MW(450万kw)を地熱発電で賄い、2025年までに9,500MW(950万kw)の地熱発電を実現させることで化石燃料を節約するエネルギー安全保障戦略を国として打ち出している。
アイスランドにあるスヴァルスエインギ地熱発電所では、発電用に汲み上げた地熱海水を利用して、世界最大の露天温泉ブルーラグーンが運営されている。アイスランドでは、地熱発電と水力発電だけで電力を賄うことを目指すエネルギー安全保障戦略を追求している。さらに、将来において燃料電池で稼働する車両や船舶が一般にも普及した場合は、その燃料となる水素を調達するために地熱発電所を更に開発するとの国策が示されている。
ニュージーランドでは、原子力発電をしないことを国策としている。そのため、原発に代わる発電方法として地熱発電を推進している。
[編集] 国別地熱発電設備容量
- 順位は地熱発電容量計
| 国名 | 地熱発電容量計 (MW) |
総電力設備容量 (MW) |
地熱発電割合 (%) |
|---|---|---|---|
| アメリカ合衆国 | 2,534.1 | 1,031,692 | 0.2 |
| フィリピン | 1,930.8 | 13,434 | 14.4 |
| メキシコ | 953.0 | 43,536 | 2.2 |
| インドネシア | 797.0 | 24,706 | 3.2 |
| イタリア | 790.5 | 78,249 | 1.0 |
| 日本 | 535.0 | 272,701 | 0.2 |
| ニュージーランド | 435.5 | 8,555 | 5.1 |
| アイスランド | 172.1 | 1,510 | 11.4 |
| コスタリカ | 162.5 | 1,715 | 9.5 |
| エルサルバドル | 151.0 | 1,133 | 13.3 |
| ケニア | 127.0 | 1,129 | 11.2 |
| ロシア | 79.0 | 216,000 | 0.0 |
| ニカラグア | 77.5 | 641 | 12.2 |
| グアテマラ | 33 | 1,697 | 1.9 |
| 中国 | 28.8 | 391,408 | 0.0 |
| トルコ | 20.4 | 28,332 | 0.1 |
| ポルトガル | 16.0 | 11,240 | 0.1 |
| フランス | 14.7 | 115,975 | 0.0 |
| エチオピア | 7.0 | 501 | 1.4 |
| パプアニューギニア | 6.0 | --- | --- |
| 台湾 | 3.3 | 34,598 | 0.0 |
| ギリシャ | 2.0 | 11,360 | 0.0 |
| オーストリア | 1.2 | 18,030 | 0.0 |
| タイ | 0.3 | 50,532 | 0.0 |
| オーストラリア | 0.2 | 44,852 | 0.0 |
- 地熱発電の基礎知識(4)
- データは社団法人 火力原子力発電技術協会『地熱発電の現状と動向』2007年版から引用
- 「地熱発電割合」は、「地熱発電容量計」を「総電力設備容量」で割ったもの。
- 明らかにおかしいデータのみ社団法人 火力原子力発電技術協会『地熱発電の現状と動向』2005年版から引用して訂正。
[編集] 世界の地熱発電所
[編集] 脚注
- ^ 英: geothermal power
- ^ 地熱発電とは? 2.地熱発電のしくみ
- ^ a b c d e 電中研レビューNo.49 未利用地熱資源の開発に向けて -高温岩体発電への取り組み-
- ^ Feed-In Tariffs: Accelerating the Deplyment of Renewable Energy, Miguel Mendonca, World Future Council, ISBN 978-1-84407-466-2
- ^ a b c d e 低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言、低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化検討会、平成22年3月
- ^ a b DOE, EERE, Geothermal Technologies Program, Hydrothermal Power Systems
- ^ Idaho National Laboratory, What is geothermal energy?
- ^ 地熱発電のしくみとCO2 削減,三菱重工技報 VOL.45 NO.1: 2008
- ^ 自然冷媒アンモニアによる温泉水温度差発電システム
- ^ Asahi.com 温泉発電広がるか 60度でOK、設備も小型 2010年3月8日1時58分配信
- ^ 地熱エネルギー入門(Mary H. Dickson, Mario Fanelli著、地熱学会訳)
- ^ 東邦大学、高温岩体発電方式
- ^ Google.org, 地熱発電の新技術開発に1000万ドル強を投資 、2008年8月
- ^ 国内全土で開発可能 日本に適した高温岩体地熱発電 、2010年7月
- ^ a b c 「日本はもっと地熱発電を 米国の環境学者 レスター・ブラウン氏提言」『中日新聞』2008年6月23日 2008年6月24日にWebアーカイブ 2009-10-29閲覧
- ^ Annual Report on Geothermal Energy Development in Japan - 2002 -
- ^ Fridleifsson, I.B., R. Bertani, E. Huenges, J. W. Lund, A. Ragnarsson, and L. Rybach 2008. The possible role and contribution of geothermal energy to the mitigation of climate change. In: O. Hohmeyer and T. Trittin (Eds.) IPCC Scoping Meeting on Renewable Energy Sources, Proceedings, Luebeck, Germany, 20-25 January 2008, 59-80.
- ^ 地熱発電について、資源エネルギー庁・地熱発電に関する研究会における検討、資料6-1
- ^ 再生可能エネルギー源の性能、産業技術総合研究所
- ^ a b 日本地熱学会、地熱エネルギー入門 環境影響、2010年12月閲覧
- ^ 脚光浴びる地熱発電(4)地産地消 島の生活支える、SankeiBiz、2011.8.19
- ^ 脚光浴びる地熱発電(3)温泉地と対立“30年戦争”、SankeiBiz、2011.8.18
- ^ 今日新聞 2005年5月6日記事「坊主地獄そばで日本初の地熱発電」
- ^ Gooニュース 2007年12月20日の記事(経産省が新エネルギーに小水力と地熱を追加)
- ^ NEDO, 「需要に応じた電源開発の着実な推進」平成17年度 事業原簿(ファクトシート)、平成18年9月
- ^ a b c “経済産業省 行政事業レビュー 「中小水力・地熱発電開発費等補助金」に関する取りまとめ結果に関する緊急提言 (PDF)”. 地熱学会 (2010年6月23日). 2011年8月31日閲覧。
- ^ 世界最大の地熱発電設備の運転開始について 富士電機ホールディングス株式会社 2010年5月17日
- ^ 加納浩志「地熱発電で世界を席巻する日本企業の戦略」『月刊 ビジネスアイ エネコ』2011年8月号、第44巻、36-39頁。
- ^ a b 平成22年度 再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査調査報告書、環境省、平成23年3月
- ^ 編集委員 滝順一 (2011年8月31日). “地熱エネルギーブームに乗り遅れる日本 九州大学の江原教授に聞く”. 日経新聞 2011年8月31日閲覧。
- ^ 毎日新聞、2008年6月19日の記事(財政再建を願う嬬恋村が発電所建設を求めるも、温泉を擁する草津町が反対)
- ^ 地熱発電所の周辺温泉への影響について
- ^ 日本地熱学会、報告書「地熱発電と温泉利用との共生を目指して」、2010年6月(PDF)
- ^ 地熱発電所、三菱マテなど20年ぶり新設 政府、春に支援策、Nikkei.net、2009年1月2日
- ^ 「湯沢地熱株式会社」の設立について〜3社共同で山葵沢・秋ノ宮地域の地熱調査・事業化検討を推進〜 、2010年4月
- ^ 経済産業省、地熱発電に関する研究会(第1回)-配付資料
- ^ 経済産業省、地熱発電に関する研究会議事要旨(第1回)-議事要旨
- ^ 経済産業省、地熱発電に関する研究会(第2回)-配付資料
- ^ 経済産業省、地熱発電に関する研究会(第3回)-配付資料
- ^ 「地熱発電、補助引き上げ 経産省、3分の1程度に」『日経新聞』2009年3月24日朝刊
- ^ 行政事業レビュー「公開プロセス」(METI/経済産業省)「中小水力・地熱発電開発費等補助金」
- ^ “地熱発電事業に係る自然環境影響検討会(平成23年度)”. 環境省. 2011年12月9日閲覧。
- ^ “審議会等 [温泉の保護と利用「地熱資源開発に係る温泉・地下水への影響検討会」]”. 環境省. 2011年12月9日閲覧。
[編集] 関連項目
- 電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法 - RPS制度について
- 地熱
- 地中熱
[編集] 外部リンク
- International Geothermal Association (国際地熱協会、IGA)
- The International Energy Agency (IEA) Implementing Agreement for a Cooperative Programme on Geothermal Energy Research and Technology, or Geothermal Implementing Agreement (GIA) …国際エネルギー機関の専門組織。
- 日本地熱学会
- 日本地熱開発企業協議会
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