東京都立広尾病院
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情報 | |
英語名称 | Tokyo Metropolitan Hiroo General Hospital |
標榜診療科 | 内科、循環器科、呼吸器科、神経科、小児科、外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、眼科、耳鼻いんこう科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、放射線科、歯科口腔外科 |
許可病床数 |
478床
精神病床:30床 |
職員数 | 701人 |
機能評価 | 一般200床以上500床未満:Ver6.0 |
開設者 | 東京都知事 |
管理者 | 江川直人(院長) |
地方公営企業法 | 一部適用 |
開設年月日 | 1895年(明治28年)8月26日 |
所在地 |
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-34-10 |
位置 |
北緯35度38分49秒 東経139度43分18秒 |
二次医療圏 | 区西南部 |
PJ 医療機関 |
東京都立広尾病院(とうきょうとりつひろおびょういん)は、東京都渋谷区恵比寿にある病院である。東京都(病院経営本部)が運営している。
概要[編集]
広尾病院は1889年(明治22年)に開設された東京市避病院を前身とし、1927年(昭和2年)に東京市立の病院となった[1]。
広尾病院の一帯は江戸時代には「広尾の原」と呼ばれて徳川家光の時代以降にはしばしば鷹狩や鶉狩に利用されていたところで、海抜は約9メートルと現在の渋谷区内では最も高度が低い場所となっている[1]。
2023年までに渋谷区のこどもの城跡地に移転し、首都災害医療センターとして開院する予定であったが[2]、移転を撤回し、同敷地内で建て替える方針へ変更された[3]。
特色[編集]
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基幹災害医療センターとして[編集]
都立病院の中では災害医療センターとして位置づけられており、国立病院機構災害医療センター(立川市)とともに東京都の基幹災害医療センターとなっている。平時においては23区と多摩のそれぞれ中心となるとともに、発災時においてはどちらかが被災しても、相互補完的に機能しながら災害医療の中心として活動するものとされている。医師、看護師、事務職員により編成される常時2班の医療救護班をオjンコール待機させておくなど、非常招集体制は都立病院のなかでも進んだレベルにある。
しかし、国立災害医療センターと比較すると、物資の備蓄、医師・看護師の充足、発災時の緊急登院体制等の面で改善すべき点も多い。
2004年(平成16年)、東京都が発足させた東京DMAT(東京都災害医療派遣チーム)の指定病院ともなっており、同年10月に発生した新潟県中越地震の際には他のDMAT指定医療機関とともに隊員を現場出動させている。東京DMAT指定病院としては他に日本医科大学付属病院、帝京大学医学部附属病院、杏林大学医学部付属病院等、17医療機関が指定されている。厚生労働省の主導する日本DMAT隊員養成にも協力しており、DMATの中心的医療機関のひとつである。しかし、東京都の主導する東京DMATと、厚労省の主導する日本DMATは犬猿の仲であるとも、一部では言われている。
島嶼医療の拠点として[編集]
島しょ医療にも重点を置いており、病院屋上にヘリポートを保有する。主に伊豆諸島からのヘリコプター救急を受け入れ、重篤度の高い患者については病院屋上に直接ヘリを着陸させ、患者の収容を行っている。東京消防庁ヘリポート(東京都江東区)を経由した搬送に比べて、20-30分程度の時間短縮効果があるとされている。他に、急患要請を受けて医師が救急車で東京ヘリポートへ向かい、ヘリに乗り換えて島嶼へ向かったのでは間に合わないほど緊急性が高い場合は、ヘリが直接病院に医師を迎えに来る「ピックアップ」も実施している。また島嶼の医療機関との間で、X線画像等をリアルタイムで共有しながら診療のアドバイス等を行える「遠隔地画像伝送システム」も備えており、島嶼救急に関しては同院は都内トップクラスの実力を持っているといってよいだろう。しかし都心に位置するため、ヘリが着陸できるのは昼間の緊急時のみであり、夜間帯の含めたヘリポートの常時運用は長らくの間できなかった。
しかし2008年(平成20年)2月、東京都と近隣住民の間の合意が得られたことにより、実質24時間体制で(真に急を要し、搬送の数分の遅れが命に関わる患者のみだが)ヘリポート運用を開始した。これにより、従来は不可能だった深夜帯の離着陸が、症例は極めて限定されるものの可能となり、これにより離島部からの救急体制のあり方に大きな一石を投じたと言える。
しかし、騒音問題等、住民の積極的協力が得られるかどうかは未知数であり、今後の検討課題となろう。
東京都立墨東病院、東京都立多摩総合医療センターとともに「東京ER・広尾」を運営し、365日・24時間の外来患者受け入れに対応している。
組織・人事[編集]
- 設置者:東京都知事
- 診療科:腎臓内科、血液内分泌代謝内科、消化器内科、神経内科、呼吸器科、循環器科、外科、整形外科、リハビリテーション科、心臓血管外科、形成外科、産婦人科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、皮膚科、眼科、麻酔科、診療放射線科、神経科、小児科、歯科口腔外科、救急救命診療科(ER)等。
- コ・メディカル部門:看護部、診療放射線科、検査科、薬剤科、栄養科。
- 事務部門:庶務課、医療サービス課。
医療機関の指定等[編集]
- 保険医療機関
- 労災保険指定医療機関
- 指定自立支援医療機関(更生医療・育成医療)
- 身体障害者福祉法指定医の配置されている医療機関
- 精神保健指定医の配置されている医療機関
- 生活保護法指定医療機関
- 医療保護施設
- 結核指定医療機関
- 指定養育医療機関(未熟児医療)
- 戦傷病者特別援護法指定医療機関
- 原子爆弾被害者一般疾病医療取扱医療機関
- 公害医療機関
- 母体保護法指定医の配置されている医療機関
- 災害拠点病院
- 救命救急センター
- 臨床研修指定病院
- エイズ治療拠点病院
- DPC対象病院
交通アクセス[編集]
- 東京メトロ日比谷線広尾駅下車、徒歩7分
- JR東日本山手線渋谷駅より都営バス都06系統新橋駅行で「広尾病院前」下車
- JR東日本山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線目黒駅より都営バス黒77系統千駄ヶ谷駅前行・橋86系統新橋駅前行で「天現寺橋」下車すぐ
- JR東日本品川駅より都営バス品97系統新宿駅西口行で「天現寺橋」下車
関連項目[編集]
- 東京都立広尾看護専門学校
- 東京都立大塚病院
- 東京都立駒込病院
- 東京都立墨東病院
- 東京都立多摩総合医療センター
- 東京都立神経病院
- 東京都立小児総合医療センター
- 東京都立松沢病院
- 東京都災害拠点病院
- 都立広尾病院事件
- 都道府県立病院
- 公益財団法人 東京都保健医療公社
- ヘリコプター救急
- 災害医療
- 東京DMAT
その他[編集]
- 災害、島しょ医療の他、心疾患治療にも力を入れており、特にカテーテル・アブレーション(心筋焼灼術)領域での評価は高い。
- 急性期以降の脳血管疾患などの重症患者の場合、主に健康保険制度適用の三ヶ月の期間内での早期のリハビリテーション病院への移行は見られない。
脚注[編集]
- ^ a b 東京ふる里文庫11 東京にふる里をつくる会編 『渋谷区の歴史』 名著出版 昭和53年9月30日発行 p284-5
- ^ こどもの城跡地に医療拠点 都、35年度開設へ 直下地震・テロ想定 - 産経ニュース 2016.1.16
- ^ 広尾病院、現地で建て替え 都が方針転換 - 日本経済新聞 2017年9月9日
外部リンク[編集]
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