多摩
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多摩(たま)とは、本来は多摩郡(1878年に消滅した郡)を範囲とする地域である。
おおよそ、現代で言う多摩地域(東京都のうち23区・離島を除く)を中心とするが、それより若干広く、区部の一部(中野区全域・杉並区全域・世田谷区の一部)、神奈川県川崎市多摩区・麻生区および相模原市の一部も含み、川崎市多摩区の区名にもその名が残っている[注釈 1]。
表記
[編集]異字表記として府中市多磨町(旧北多摩郡多磨村)の多磨や、世田谷区玉川の「玉」がある。
語源
[編集]『和名類聚鈔』に「太婆」の注釈が記されていること、多摩川の上流部(現在は奥多摩湖で分断されている)に丹波山村を水源とする丹波川(たばがわ)があることなどから、古くはタバであったとする説がある。また、『安閑紀』にある多氷が、多末の誤記で、多摩のことだともいう。これらの説は江戸時代の『新編武蔵風土記稿』で言及された[1]。
タマ(あるいはタバ)自体の語源は明確となっていない。
- 「タマ」とは「霊魂」のことで、つまり多摩川は「霊力をもつ川」「神聖なる川」である。武蔵国の総社である大國魂神社の近くを流れ、禊のための聖水を提供していたことから名付けられたと言われる[2]。水神が取り憑く神聖な川から来た説もある[2]。また、昔にこの地に定住していた部族が国魂神を信仰していたため、神聖な地として「霊の郡」(たまのこおり)、神聖な川として「霊の川」と呼ぶようになったという説もある[3]。
- 「タマ」とは「玉石・美しいもの・優れているもの」を指す言葉で、この川の流れが「玉のように美しくきれい」であることから、「玉川」と名付けられた[4]。
- 「タマ」とは「渟り」(たまり)から一部が脱落した言葉である。水の欠乏に悩んだ古代人は多摩川の大きさに驚いて、「溜まれる水」と賛嘆したことに由来する[4]。
- 「タマ」とは「田間」、つまり「水田が広がっている所」のことで、「埼玉郡」「児玉郡」と同源である。ただし、この説では「多摩郡」の名前が先で、そこを流れる川として「多摩川」の名前が出たと見られる[5]。
- タマ(リ)。水が多く溜まる地の意味。
- 田間。
- 峠を意味する「タワ」、あるいはウラル・アルタイ説でその古形とされる「ダバ」。大菩薩峠から流れる川の意。
- 勾玉川(まがたまかわ)の語源が訛った説もあり、埼玉(さいたま、古くは、さきたま)まで生産地として、埼玉県さいたま市より流通していた説もある。
- 魂。
など諸説がある。
「多摩川」も参照
多摩を冠する名称
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地形
[編集]行政区画
[編集]- 多摩地域(多摩地区)
- 多摩郡(令制国の武蔵国多摩郡)
- 西多摩郡
- 東多摩郡(1896年南豊島郡と合併し消滅)
- 北多摩郡(1970年消滅)
- 南多摩郡(1971年消滅)
- 多摩市 - 旧南多摩郡多摩町
- 川崎市多摩区 - 中心部の稲田がかつて多摩郡内だった。
地域名
[編集]施設
[編集]交通
[編集]その他
[編集]- 多摩だるま
- TM NETWORK - 由来は「多摩ネットワーク」の略
ナンバープレート
[編集]東京都多摩市・稲城市・武蔵野市・三鷹市・調布市・府中市・小金井市・国分寺市・国立市・小平市・西東京市・東村山市・東大和市・立川市・町田市・昭島市・狛江市・東久留米市・清瀬市・武蔵村山市に所在する自動車のナンバープレートに、国土交通省運輸局記号として「多摩」と表記される。東京都国立市に所在する「関東運輸局東京運輸支局多摩自動車検査登録事務所」を示す。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 新編武蔵風土記稿 多磨郡.
- ^ a b “『多摩川』1982.03. 第13号”. 東急財団. 2019年9月6日閲覧。
- ^ 福生市. “多摩川の由来を知って(平成31年2月1日号)”. 東京都福生市公式ホームページ. 2019年9月6日閲覧。
- ^ a b “『多摩川』1982.06. 第14号”. 東急財団. 2019年9月6日閲覧。
- ^ “『多摩川』1982.09. 第15号”. 東急財団. 2019年9月6日閲覧。