明治大学付属明治高等学校・中学校

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明治大学付属明治高等学校・中学校
地図北緯35度40分3.4秒 東経139度32分13.8秒 / 北緯35.667611度 東経139.537167度 / 35.667611; 139.537167座標: 北緯35度40分3.4秒 東経139度32分13.8秒 / 北緯35.667611度 東経139.537167度 / 35.667611; 139.537167
過去の名称 明治中学校(旧制)
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人明治大学
設立年月日 1912年4月
共学・別学 男女共学
中高一貫教育 併設型(外部混合有)
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
学期 3学期制
学校コード C113320800011 ウィキデータを編集(中学校)
D113320800019 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 13518G
所在地 182-0033
外部リンク 公式ウェブサイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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明治大学付属明治高等学校・中学校(めいじだいがくふぞく めいじこうとうがっこう・ちゅうがっこう、英称:Meiji University Meiji High School and Meiji Junior High School)は、東京都調布市富士見町四丁目に所在し、中高一貫教育を提供する私立高等学校中学校学校法人明治大学が運営する附属学校。略称は明大明治(めいだいめいじ)、明明(めいめい)。

高等学校において、中学校から入学した内部進学生徒と高等学校から入学した外部進学生徒が第1学年からクラスが混合する併設型中高一貫校[1]

概要[編集]

明治大学唯一の直系附属校。校内では「明治高校」、「明治中学」と呼ばれ、生徒は「明中生」(めいちゅうせい)、「明高生」(めいこうせい)、両者合わせて「明校生」(めいこうせい)と呼ばれる。

1912年明治45年)4月、旧制明治中学校として神田区駿河台南甲賀町明治大学構内にて開校。1922年大正11年)に同区裏猿楽町(現:神田猿楽町)に移転した。初代校長には極東国際軍事裁判日本側弁護団長にして西園寺公望原敬のブレーンなどを務めた政治家でもあった鵜澤總明教頭にはイェール大学大学院出身の村田勤が就任。当初は旧制麻布中学校旧制開成中学校等と共に東京を代表する私学といわれるなど進学校の性格が強かったが[2]、戦後は明治大学までの10年一貫教育を方針とした学校となり今日に至っている。

旧制麻布中学校との間には教員などの往来のほか、関東大震災の校舎焼失の際に同校校舎を借用するなどの交流があった[3]

1950年から1955年までの一時期、伊豆七島八丈島八丈島高等学校が存在したが、短期間で閉鎖された。

1960年頃まで、明治第二高等学校(夜間部)が設置されていた。著名な卒業生に明治大学評議員舩曵寛眞日本航空名誉顧問)等がいる。

大学受験において最も多くの志願者を集める人気校である明治大学の唯一の直系付属校であることなどから、大手進学塾日能研等による入試データでは早慶付属校などと並び、私立大学付属校としては最難関圏内にランクされている[4][5]

2008年平成20年)に調布市日本航空グラウンド跡地へ移転し、同時に男女共学となった。新キャンパスの総工費約240億円であった。明治大学の付属校として永らく男子校の伝統を守ってきたが、共学化により新たな伝統が生まれることが期待されている。

沿革[編集]

出典:明治大学付属明治高等学校・中学校「校訓・沿革

校歌[編集]

  • 校歌
  • 学生歌
    • 「都に匂う花の雲」(作詞:山本修一、作曲:古賀政男
  • 応援歌
    • 第一応援歌「紫紺の歌」
    • 第二応援歌「血潮は燃えて」
    • 第三応援歌「紫紺の旗の下に」

教育[編集]

初代校長鵜澤總明胸像
  • 社会科(倫理)において「ジグゾー法」という協同学習を促すプログラムを用いた授業が実践されている。
  • 中学校における外国語教育では、全授業の半分をクラス分割した少人数制で実施(中2からは習熟度別編成に移行)。また外国人講師による英会話・文法の授業等が実施されている。
  • 毎年1月末に学校内行事として、英語によるスピーチコンテストが開催されている。中学3年生から高校1年生を中心に選抜された10人が、テーマを決めて英語でプレゼンテーションを行うもので、選抜された10人には英語圏への語学研修用の奨学金が支給されている。
  • 毎年度初めに、各クラス・部活等の代表を集めたリーダー研修会を実施。生徒たちに主体的に各機関の活動計画の策定、運営等をさせることにより、リーダーシップを養成する。
  • 夏季休暇期間中等の集中講座として、明治大学の主催により、簿記検定講座、法学検定講座、TOEIC講座等を設置。将来の公認会計士試験等の合格を念頭においた、早期の指導が実施されている。
  • カリキュラムは明治大学への進学、高大連携を意識して作られている。
  • 学習に対する主体的アプローチや情報に対する自己判断力の向上を促進させる「NIE」への先進的な取組みで知られ、第1回全国高等学校NIE研究会・研究発表全国大会が同校で開催されるなどしている。
  • 過去に、著しく学力の劣る生徒が明治大学に推薦進学してしまうケースが稀にあったため、高校での進級基準は厳しい。1997年(平成9年)の基準改定までは、科目毎の成績による留年または2度の進級失敗により退学となる生徒もいた。
その他

施設[編集]

バレーコート4面を収容する第1体育館、バレーコート2面を収容する第2体育館、柔道場、剣道場及び、250mトラック、サッカーコート、テニスコート5面を擁する全面人工芝のグラウンド、蔵書数約4万冊の図書館、CALL教室、大小教室や音楽室・作法室等の特別教室、1450名収容の鵜澤總明ホール、350名収容の食堂・カフェテリア、コミュニケーションスペースにもなる幅6mの広い廊下。

国際交流[編集]

  • カナダオーストラリアで語学研修を実施[7]
  • 中国上海の名門、建平中学(高等学校)と友好交流協定を締結しており、2011年には本校生徒11名が訪問した[8]
  • 政府の推進する留学生受容れ拠点校に指定。

卒業後の進路[編集]

明治大学への推薦入試[編集]

  • 明治大学へ、明治大学推薦基準を満たし、かつ、希望すれば推薦される。いわゆるエスカレーター方式の内部進学とは異なる。推薦基準は、履修・修得単位数の下限や、推薦行動評価が「良」以上であること、60点以上程度の推薦成績などがある。生徒の志望や適性に基づいて推薦され、英検やTOEICのスコアや高大連携講座の成績、小論文の評価も点数化され、加味される。(2013年度以降は英検二級以上・TOEIC450点以上の両方の取得が推薦基準において必要となり、取得出来なかった場合には推薦基準が70点となる。)
  • 明治大学への合否は、事実上推薦されるか否かの段階で決まる。ごく稀に例外は存在するが、推薦された生徒は、毎年全員が合格している。
  • 推薦枠は、他の系属校(明治大学付属中野中学校・高等学校および明治大学付属中野八王子中学校・高等学校)よりも多い。生徒数以上の推薦枠がある為、殆どの生徒が志望学部に進学する。
  • 推薦入学試験は、書類選考や面接によって行われる。
  • 推薦制度の弊害として、明治大学から一部の付属校出身学生の英語力や学習意欲を問題視する声もあがった。また、第一志望の学部に推薦されなかった生徒は、他大学を受験するための学習や情報を有していないケースが多く、已む無く第二志望、またはそれ以下の学部へ進学する場合がある。さらに、付属校であるということから、他大学への関心が低くなるため、進路選択の範囲が狭まってしまうこともある。
  • 明治大学農学部では、自己推薦入試を行っており、通常の付属校推薦の権利を保持したままでの受験が可能となっている。

他大学受験[編集]

  • 他大学を受験する生徒は、明治大学と国公立大学・大学校を併願する生徒と、自ら明治大学への推薦を辞退して国公立大学や私立大学を受験する生徒、明治大学への推薦基準を満たせなかったためにやむをえず明治大学への推薦を辞退して大学受験する生徒に大別される。
  • 長らく明治大学への推薦と他大学との併願は国公立大学・大学校に限り認められていたが、現在は明治大学にない学部に限るなどの条件付きで、他の私立大学との併願が認められるようになった。また内部進学で志望する学部によっては、ほぼ無条件で私立大学との併願を認める学部もある。
  • 他大学受験のサポートは、国公立大学・大学校を受験する生徒を対象とした明治大学と国公立大学の併願で国公立大学へ進学した先輩による受験講演会や、学校を通じた模擬試験の斡旋などがある。ただし、明治大学への進学を前提としているため、特別な受験指導は行っていない。

学生生活[編集]

主な恒例行事[編集]

  • 生徒総会
  • リーダー研修会
  • スピーチ・コンテスト
  • 高大連携サマーセミナー
  • OB講演会
  • 海外語学研修
  • 文化祭(紫紺祭)
  • 合唱祭
  • 体育祭
  • 球技大会
  • 修学旅行、校外学習、林間学校、移動教室
  • 六大学野球応援

班・部活動[編集]

  • 中学で約99%、高校で約92%の生徒が参加[9]

[編集]

生徒会本部、新聞班、放送班、応援指導班、吹奏楽班、図書班

文化部[編集]

ESS、マンドリン部、物理部、化学部、生物部、書道部、地理研究部、歴史研究部、美術部、JRC(青少年赤十字)、地学部、囲碁部、将棋部、映画部、コンピュータ部、鉄道研究部、ダンス部

運動部[編集]

野球部グランド(明治大学内海・島岡ボールパーク

剣道部、硬式野球部、高校軟式野球部、中学野球部、高校山岳部、水泳部、スキー部、卓球部、柔道部、ソフトテニス部、バレーボール部、バドミントン部、陸上競技部、サッカー部、バスケットボール部、硬式テニス部

メディア[編集]

  • ドラゴン桜』(ドラマ化された漫画作品)の物語の主な舞台である学校校舎のモデルは、調布移転前の御茶ノ水校舎。校地は元々東京音楽大学発祥の地であり、さらに以前は原田熊雄男爵邸であった。
  • 高等部在学中の羽田圭介が『黒冷水』で第40回文藝賞を史上最年少で受賞(後に芥川賞受賞)し、メディアの注目を集めた。
  • ザ・ノンフィクション 花の中学生応援団』(2007年フジテレビ)で応援指導班の活動内容が放映され、2010年にはその後の生徒達の成長、班の活動内容を追った続編が制作され(『青春YELL! 花の中学生応援団~完結編~』)、初回の再編放送と共に2週連続で放映された。更に、2012年に続々編が放送され、2013年9月には、『青春YELL!史上初 花の女応援団長』として、67年ものバンカラ応援団の歴史と伝統を、史上初の女子チアリーダーが団長となり、その奮闘ぶりを追った。2016年にも続編が2週に亘り放送された。
  • 『遺跡の人』(2007 漫画 わたべ淳作)は作者本人が明治高校の校舎建設前の遺跡発掘調査に携わった日々をつづり、建設後の校舎に訪れるシーンなども描写されたエッセイ漫画。
  • めざましテレビ』(2008 フジテレビ)で、バレー部、野球部、マンドリン部等の活動がシリーズで紹介された。
  • M-1甲子園』2008大会にて、高3生2名によるペアがグランプリを獲得。
  • 『私立中高の挑戦 未来を創る教育』(インターローカルTV)で、本校の特色ある教育内容が紹介された。
  • デジスタ・ティーンズ』(2010 NHK教育)で、映画部が作成した映像作品「虫歯」が放映された。
  • ラムネ』(2010 映画 篠原哲雄監督作)などで、校舎がロケに使用されている。
  • THE名門校 日本全国すごい学校名鑑』(2021BSテレ東)でマンドリン部の活動などが紹介された

著名な関係者[編集]

いずれも一部のみ記載。

教職員等[編集]

著名な出身者[編集]

政治・経済[編集]

教育・研究[編集]

文化[編集]

芸能・音楽[編集]
文壇・マスメディア[編集]

スポーツ[編集]

野球[編集]
その他スポーツ[編集]

交通[編集]

スクールバス

脚注[編集]

  1. ^ 明治大学付属明治高校の学校情報 - 高校受験パスナビ旺文社)の「ワンポイント情報」の冒頭に「●内部進学生とは1年次から混合クラス。」と掲載されている。
  2. ^ 『明治高校九十年誌』より
  3. ^ 『明治高校六十年誌』より
  4. ^ 日能研結果R4一覧
  5. ^ SAPIX 男子【2013 中学受験】偏差値一覧
  6. ^ 沿革 - 東京都立八丈高等学校
  7. ^ 国際連携 - 明治大学付属明治高等学校・中学校
  8. ^ 校訓・沿革 - 明治大学付属明治高等学校・中学校
  9. ^ 班・部活動 紹介 - 明治大学付属明治高等学校・中学校
  10. ^ 『大衆人事録 第14版 北海道・奥羽・関東・中部篇』千葉33頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2019年1月14日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]