基本的対処方針等諮問委員会

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第1回審議が開催された中央合同庁舎第四号館

基本的対処方針等諮問委員会(きほんてきたいしょほうしんとうしもんいいんかい、英語: Advisory Committee on the Basic Action Policy)は、日本新型インフルエンザ等対策閣僚会議に置かれた諮問機関である新型インフルエンザ等対策有識者会議の下に設置された組織である[注釈 1]

概要[編集]

内閣に新型インフルエンザ等対策本部(以下「政府対策本部」という。)が設置された場合、新型インフルエンザ等への基本的な対処の方針(以下「基本的対処方針」という。)を定める(新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「法」という。)18条1項)。政府対策本部が基本的対処方針を定めたり、その内容を変更しようとするときは、急を要する場合を除き、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない(法18条4項、同条5項)。基本的対処方針は、新型インフルエンザ等の発生の状況に関する事実、当該新型インフルエンザ等への対処に関する全般的な方針、新型インフルエンザ等対策の実施に関する重要事項を定めるものであり(法18条2項各号)、直ちに公示して周知され(法18条3項)、政府対策本部長(内閣総理大臣(法16条1項))が都道府県知事等に対して都道府県等の行う新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行う根拠となるものである(法20条1項)。

また、政府対策本部長が新型インフルエンザ等緊急事態宣言を行う際には、基本的対処方針を変更し、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関する重要な事項を定めるものとされていた(法32条1項、同条6項)ほか、法6条1項に基づく政府行動計画[1]においても、政府対策本部長は新型インフルエンザ等緊急事態の要件に該当するかについて基本的対処方針等諮問委員会に対し公示案として諮問し、同委員会により新型インフルエンザ等緊急事態の要件に該当するとの専門的評価があった場合、緊急事態宣言を行うことを決定するとの手順が考えられるとされ、実質的に、新型インフルエンザ等緊急事態宣言についての諮問機関の役割が想定されていた。後述のとおり、2020年4月以降の新型インフルエンザ等緊急事態宣言発出の際にも、諮問機関の役割を果たした。

基本的対処方針等諮問委員会は、新型インフルエンザ等対策有識者会議の長及び長代理並びに内閣総理大臣が指名する有識者会議の構成員をもって構成し、その総数は、有識者会議の長及び長代理を含め20名以内である。基本的対処方針等諮問委員会の開催に当たっては、内閣総理大臣が構成員の参集を求める。基本的対処方針等諮問委員会の長は、必要と認める者に対して、基本的対処方針等諮問委員会への出席を求め、説明又は意見の開陳を求めることができる。

沿革[編集]

  • 2012年8月3日 新型インフルエンザ等対策閣僚会議が、基本的対処方針等諮問委員会を設置した(同閣僚会議決定)。
  • 2020年3月14日 新型コロナウイルス感染症の流行 (2019年-)に端を発した法改正(令和2年法律第4号。2020年3月13日成立、同月14日施行。)により、新型コロナウイルス感染症が法2条1項の定める新型インフルエンザ等とみなされることとなった。
  • 2020年3月26日 法15条1項に基づく新型コロナウイルス感染症対策本部が設置された(2020年1月30日閣議決定により従前から設置されていた新型コロナウイルス感染症対策本部について、閣議決定を改正し、法15条1項に基づくものとした。)。また、上記閣僚会議決定が一部改正され、構成員の総数が10名以内から20名以内に増やされた。
  • 2020年3月27日 同本部が新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を定めることについて諮問を受け、初めて委員会が開催された。
  • 2020年4月7日 同本部長から法32条1項に基づく新型インフルエンザ等緊急事態の要件に該当するかについて諮問を受け、また、同本部から新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関する重要な事項を定めるための基本的対処方針の変更について諮問を受けた。

所掌事務[編集]

法に基づくもの

  • 政府対策本部が基本的対処方針を定め、また、その内容を変更しようとする際の諮問を受けること(法18条4項、5項)

新型インフルエンザ等対策政府行動計画に基づくもの

  • 政府対策本部及び厚生労働省が情報提供担当チームを設置するに当たって、委員がチームのメンバーとなり、一体的に活動すること
  • 特定接種(法28条)について、新型インフルエンザ等の病原性等の特性、プレパンデミックワクチンの有効性、ワクチンの製造・製剤化のスピード、国民から求められるサービス水準、住民接種の緊急性を踏まえ、接種の総枠、対象や順位に係る諮問を受けること
  • 検疫の強化について、病原体の病原性や感染力、海外の状況等に係る諮問を受けること
  • 緊急事態宣言の要件である「国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件(重症症例(肺炎、多臓器不全、脳症など)が通常のインフルエンザにかかった場合に比して相当程度高いと認められる場合)」の運用について、海外及び国内の臨床例等の知見を集積し、評価すること
  • 緊急事態措置を実施すべき期間に係る諮問を受けること
  • 予防接種法6条3項に基づく新臨時接種の実施について、諮問を受けること
  • 患者等が増加してきた段階において、帰国者・接触者外来を指定しての診療体制から一般の医療機関でも診療する体制に移行することについて、諮問を受けること
  • 緊急事態解除宣言について、諮問を受けること
  • 政府対策本部の廃止について、諮問を受けること

構成[編集]

会長
会長代理
委員

会議[編集]


回数 開催日 場所 摘要
第1回[2] 2020年3月27日16時00分 合同庁舎4号館第4特別会議室 新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同月28日付け「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を決定した。
第2回[3] 2020年4月7日10時00分 合同庁舎4号館12階共用1208特別会議室 新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部改正し、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態が発生した旨を宣言した。
第3回[4] 2020年4月11日 (持ち回り) 新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部変更した。
第4回[5] 2020年4月16日17時00分 合同庁舎8号館1階講堂 新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部変更した。
第5回[6] 2020年5月4日10時30分 合同庁舎8号館1階講堂 第13回新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に続いて開催された。

新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部変更した。

第6回[7] 2020年5月14日10時30分 合同庁舎8号館1階講堂 第14回新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に続いて開催された。

新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部変更した。

第7回[8] 2020年5月21日10時00分 合同庁舎8号館1階講堂 新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部変更した。
第8回[9] 2020年5月25日9時30分 合同庁舎8号館1階講堂 新型コロナウイルス感染症対策本部は、これを踏まえて、同日付けで「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を一部変更し、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態が終了した旨を宣言した。

脚注[編集]

注釈[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 基本的対処方針等諮問委員会は、新型インフルエンザ等対策閣僚会議新型インフルエンザ等対策有識者会議の下に設置されている組織である。新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の是非等を審議する組織であり、新型インフルエンザだけでなく新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言も所管している。名称が類似しているが、新型コロナウイルス感染症対策本部新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の下に設置されている組織ではない。

出典[編集]

[脚注の使い方]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]