十地経

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十地経』(じゅうじきょう、: Daśa-bhūmika Sūtra, ダシャ・ブーミカ・スートラ)とは、初期大乗仏教経典の一つ。後に『華厳経』に編入されたため、『華厳経』の「十地品」(じゅうじぼん)としても知られる。

概要[編集]

菩薩修行地(bhūmi, ブーミ)を十段階に分けて説くとされるが、内容的にも通教比較的にも少なからずの矛盾をはらむため、扱いや位置づけに困惑させられる経典としても知られている。

漢訳経典としては、

の他、完訳『華厳経』である、

がある。

内容[編集]

菩薩になるための十の階梯が述べられている[1]

それは、常識的に考える「階段」とはずいぶん違って、何が何だか分からなくなるが、終わりまで読んで振り返ったときに、そもそも人間が(あるいは菩薩が)段階的に、一段一段と進歩するものだなと考えるのは、近代人のもつ悪しき幻想ではないかと思えてくる、と河合隼雄は著書で述べている[1]

影響[編集]

中観派の祖・龍樹はこの『十地経』の註釈である『十住毘婆沙論』を著した。その巻第五「易行品第九」は、中国・日本の浄土教浄土宗浄土真宗など)にも影響を与えた。

唯識派世親も『十地経論』という註釈書を書き、それを基に中国十三宗の1つ「地論宗」ができた。

ネパールでは『華厳経』とともに九法宝典(Navagrantha)という扱いを受けている[2]

日本語訳[編集]

脚注・出典[編集]

関連項目[編集]