東京中日スポーツ

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東京中日スポーツ


東京中日スポーツを発行する中日新聞東京本社(東京都千代田区内幸町二丁目)
種類 日刊紙
サイズ ブランケット判

事業者 株式会社中日新聞社東京本社
※登記上は、株式会社中日新聞社東京支店
本社 東京都千代田区内幸町二丁目1番4号
代表者 大島宇一郎
創刊 1970年3月1日
前身 東京中日新聞
1956年2月23日- 1970年2月28日
言語 日本語
価格 1部 140円
月極 3,039円
ウェブサイト https://www.chunichi.co.jp/chuspo/
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東京中日スポーツとうきょうちゅうにちスポーツ、略称:トーチュウ)は、中日新聞東京本社関東地方の全域と静岡県(西部を除く)に向けて発行する日本スポーツ新聞である。東海・北陸地方で発売している中日スポーツの関東版である。なお、東京スポーツ新聞社が発行している東京スポーツとは、特に関係がない。

概要

1942年、中部日本新聞社が発足後、東京の拠点として東京総局を銀座に開設。その後、本格的な東京進出を目論み、1955年、東京・内幸町の日本ゴム(現・アサヒコーポレーション)東京営業所跡地に、最新鋭の輪転機を備えた東京支社(現・東京本社)社屋を建設[注釈 1]1956年2月23日に「東京中日新聞」として創刊。"日本一美しい新聞"を宣伝文句に、連日カラー写真付きの記事を1面で掲載、"カラーの東中"と呼ばれた。「東京中日新聞」の当時の題字ロゴは、「中日スポーツ」のロゴとほぼ似ていた。 「東京中日新聞」は、「家庭で安心して読める健全な特殊紙」をキャッチコピーに、スポーツ芸能・一般ニュースを扱う大衆紙だった。カラー写真コンテストや、総額150万円にのぼる「三冠王クイズ」と「トリオ・クイズ」など、読者参加の記事も充実していた。

1967年10月、中日新聞が、旧・東京新聞社から東京新聞の編集・印刷を承継してからは、東京新聞の姉妹紙としてスポーツ紙に本格転向し、1970年3月1日に題号を「東京中日スポーツ」に改題し、現在に至る。

発行部数は88,541部(2021年4月)[1]

紙面の特徴

題字とその配置

  • 1面のロゴについては、2006年10月1日付から、東京本社の編集・製作機能が港区港南から"発祥の地"である日比谷中日ビルに移転したのに伴い、1面右上の略称表記がそれまでの「トーチュウ」から「東京中日」(その右下に「スポーツ」と小さく書かれている)と変わった。これは創刊当初の「東京中日新聞」のものをイメージしているという。創刊当初は「中日」という文字を少し大きめにして、1970年代は中日を朱色にするなど強調していた時もあった。[2]日付表示・発行所クレジットの箇所は現在は名古屋本部の「中日スポーツ」とほぼ同じデザインになっている。
  • 欄外の題字は、スポーツニッポン、サンケイスポーツの大阪本社版と同様で左右寄りに「東京中日スポーツ」と表記されている。[注釈 2]

中日ドラゴンズ

中日新聞東京本社が発行しているので、関東圏で唯一、1面記事は通常中日ドラゴンズの記事となっている。このため、テレビの情報番組における新聞紙面紹介コーナーでは、トーチュウ・スポーツ報知(1面は通常読売ジャイアンツ)・デイリースポーツ(東京本部版・1面は通常阪神タイガース)の1面の違いが取り上げられることがある。ただし、欧米で開催されたF1グランプリの結果を伝える火曜日はF1が優先となるほか、2010年代以降は中日が負けた翌日は他競技を一面に持ってくる場合が多い。

中スポの連載漫画である『おれたちゃドラゴンズ』は以前は掲載していなかったが、紙面リニューアルにより2008年3月21日付紙面より掲載を開始した。なお1998年から2008年までは独自の連載漫画「あっぱれ竜党計画」(平日はなかむら治彦、週末はたかみね駆の作画)が連載されていた。

MOTOR EXPRESS

他紙との最大の差別化ポイントとして、モータースポーツを早くから大きく取り上げてきたことが挙げられる。F1ブーム以前から同紙の大きな特徴となっており、『F1 EXPRESS』(エフワンエクスプレス)のコーナータイトルでモータースポーツファンに親しまれてきた。2008年からはトーチュウ編集で中スポにも掲載されるようになり、現在の『MOTOR EXPRESS』に改題した。

モータースポーツに関してはジャニーズ事務所との関係も深く、2010年現在近藤真彦堂本光一長野博の3人が交代で連載コラムを担当している[注釈 3]

なお、F1日本グランプリ鈴鹿8耐など、鈴鹿サーキットで大規模なイベントが開催される際には、本来は中スポの販売エリアである三重県鈴鹿市内まで本紙を運び、サーキット内の売店や周辺のコンビニで特別販売を行っている。

地元チームとの関係

東京都調布市味の素スタジアム本拠地とするサッカーJリーグFC東京関連の記事を取り上げる「365日FC東京」というコーナーを常設している。また有料携帯サイト「365日FC東京モバイル」を運営している。

プロレス格闘技ではDRAGON GATEをお膝元でもあるデイリースポーツを含む他紙よりも大きく取り扱い、創刊55周年に当たる2010年に同団体主催で開かれたSummer Adventure Tag Leagueに「東京中日スポーツ杯」として社杯を提供している。また、2012年からデイリースポーツに代わってプロボクシング協栄新宿ジム(旧・協栄ジム)興行『ガッツファイティング』の後援に入っていた。

その他、「首都スポ(首都圏スポーツ)」と題して、管轄エリア管内の少年少女スポーツなども定期的に取り上げていたが、現在は不定期の扱いとなっている。また、東京新聞との共催でスポーツイベントを行った際は東京新聞の「みんなのスポーツ」と連動した記事を載せることもある。東京新聞のキャラクターである「かわうそくん」(作:吉田戦車)も首都スポ面の記事に登場する。

その他

  • 社会面は基本的に1ページだが、休刊日のみカラー・2ページで展開している。
  • 芸能面は基本的に2ページだが、土、日、月は1ページにしている[注釈 4]

販売

  • 1部売りは130円と他のスポーツ紙より10円安い(中日スポーツは120円)。2019年7月より140円に値上げ。報知、スポニチ、サンスポは150円に値上げ、ニッカン、デイリーは据え置き措置のため1紙のみ安いという差別化はできなくなった(ニッカンは2020年4月から150円に値上げ)。
  • 静岡県でも、2021年現在、伊豆地方(熱海駅伊東駅の売店)で発売されている。尚、東海本社浜松市にある都合上、西部では中スポのみの発売となっている[注釈 5]。静岡県西部でも、JR浜松駅の売店ではトーチュウと中スポが併売されていたが、県西部・中部では中スポのみの販売になっている。また、東部・伊豆地方ではコンビニでの販売は行っていないが、東京新聞を取扱う新聞販売店を通じての宅配購読のみ可能。
  • 中スポでは取り扱っていないバックナンバーも扱っている。バックナンバー購入の際は1部あたり78円の送料が追加される。郵送による定期購読は、販売エリア外に居住している場合(中スポ販売エリアに居住している場合も含む)に限り可能。反対に中スポの郵送による購読は中スポの販売エリア以外に居住している場合(トーチュウの販売エリアに居住している場合も含む)に限り可能。いずれの場合も送料が加算される。
  • 名鉄名古屋駅の駅売店・コンビニで早版(3版)が販売されていたが、2015年6月末をもって取り扱いを休止した。
  • また、本来は管轄外の沖縄県でも、他のスポーツ紙の東京、または西部(福岡県)本社版とともに空輸、あるいは船便で配送し、沖縄本島の一部コンビニフェリー乗り場・那覇空港などで販売しているが、輸送費の都合上値段が高い。
  • 中日スポーツ・デイリースポーツ・西スポの3紙と友好・協力関係を持ち、4紙共同による連載企画や読者プレゼント企画「アタック4」を実施している。

備考

  • トーチュウの2面には「名古屋へ行ったら 中日スポーツ」という小さな広告が載っていた。逆に、中スポの2面には「東京へ行ったら 東京中日スポーツ」の広告が掲載されていた。ただ実際には、両紙とも、名古屋や東京よりも広い範囲で購入できる。これらの小さい広告はいずれも電子版へのアクセスを促すものになっている。
  • ソフトバンク関連以外のプロ野球面、一般スポーツ面は、名古屋版の中日スポーツと共同[注釈 7]で、西日本スポーツ(西スポ)[注釈 8]と紙面共有している。但し芸能・社会面に関しては2015年6月以前はトーチュウと紙面共有していたが、同年7月1日付からデイリースポーツ[注釈 9]との紙面共有に切り替えた。
  • 2010年9月までは、即売版(駅売り版)でアダルト面を設けていた。当時の休刊日特別版では、宅配版と同じ、全体に見やすいテレビ欄に差し替えていた。しかし2010年10月1日付より、即売版においてもアダルト面を廃止。全面テレビ欄の形式に統一されている[注釈 10]
  • 1980年代後半までは姉妹紙の東京新聞が行っていたテレフォンサービス向けに、スポーツニュースを提供していた。東京新聞のテレフォンサービスには、他にも全国ニュース・釣り情報・競馬結果・料理・芸能ニュース・怪談・民話などの番組があった。
  • 新潟県山梨県では、一部地域で宅配・即売を行っている。

公式サイト

  • 基本的に中日スポーツと共同で運営している。そのため、項目欄には、Jリーグのライバルチームである「グランパス」と「FC東京」が隣同士に並んでいる。ただし、モータースポーツ関連については、トーチュウが単独で運営している。
  • 公式サイトのレイアウトは中日新聞・東京新聞の各公式サイトと同じレイアウトだったが、2016年3月14日に公式サイトを大幅リニューアルするとともに、スマートフォンでも最適な表示ができるようになった[3]

番組表

フルサイズ
ハーフサイズ
クォーターサイズ

発行所

東京都千代田区内幸町二丁目1番4号

主な評論家・寄稿者

野球

中日新聞系であるため、中日スポーツの評論家を兼務しているが、便宜上東京本社・名古屋本部ごとに分けて記載する。

東京本社担当

名古屋本部担当

その他スポーツ

コラム

連載コラム「セブンデイズ」については中日スポーツと同内容である。詳細は中日スポーツ#セブンデイズを参照。

不祥事

  • 2021年に掲載した記事2本が、いずれもサンケイスポーツが配信した記事の盗用(無断複製)だったとして、この記事を2022年1月21日に取り消しサンケイスポーツに謝罪した。サンケイスポーツが10月23日に配信した女優に関する記事と12月7日に配信した映画に関する記事を芸能担当の記者がほぼそのまま写して出稿。記事は同日付の電子版に配信され、翌日付紙面にも掲載された。サンケイスポーツから「酷似している」との指摘を受けて記者に事情を聴いたところ盗用を認めた[4][5]
    中日新聞社はこの件について2022年3月1日付で、記事を盗用した記者を停職1か月の懲戒処分とすることを決めた。また監督責任を問い東京中日スポーツ総局長・報道部長をそれぞれけん責処分となった[6]

脚注

注釈

  1. ^ 社屋は一度取り壊され、その跡地に日比谷中日ビルディングが建てられた
  2. ^ ちなみに中スポは、スポーツニッポン大阪本社版(2004年9月30日付まで)、サンスポの東京本社版(1990年代前半までは大阪版と同じく左右寄りだった)と同様で中央に「中日スポーツ」と表記されている。
  3. ^ 主に近藤・堂本の2人が4輪レース、長野が2輪レースを扱う。
  4. ^ デイリースポーツも同様の措置をとっている。
  5. ^ トーチュウは宅配、駅売店やコンビニでの即売を併売している。中スポも伊豆地方を除く静岡県全域で発売されているが、元々アダルト面がないため、宅配版向けのテレビ面差し替え自体行っていない。
  6. ^ 九州地方関係以外のスポーツ記事。なお、競馬面については2013年3月まではサンケイスポーツと提携していたが、同年4月以降は中スポとの提携記事に変更された。なお、芸能・社会面については2015年6月まではトーチュウと提携していたが、同年7月以降はデイリースポーツ神戸新聞社発行)制作のものに切り替えた。
  7. ^ 競馬面は関西地区の所属であるため名古屋版の中スポと同じものを掲載
  8. ^ 西日本新聞社が発行。福岡県を中心とした九州で発売している。2023年3月に紙の新聞は休刊予定
  9. ^ 兵庫県神戸新聞社が発行。東京でも発行されている。
  10. ^ 従来アダルト面に掲載されていた広告は、社会面に移動させた。

出典

関連項目

外部リンク