ホンダ・シビッククーペ

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ホンダ・シビック > ホンダ・シビッククーペ

シビック クーペ(Civic coupe)は、本田技研工業が生産、販売するクーペ型の乗用車である。

概要

シビックのクーペモデルとして5代目以降に設定されており、開発はホンダR&Dアメリカ(HRA)生産はホンダオブアメリカ(HAM)で行なわれている。1990年代初頭から中盤には、日本国内でも右ハンドル仕様正規で販売されていたが、現在は北米のみの販売となっている。

元来、シビックシリーズのクーペモデルとしてはCR-Xが存在した。これはスポーツモデルであると同時に、CAFEを達成するための低燃費車種という位置づけで、3代目(日本国内ではバラード)および4代目で販売され、ユーザーには安価・手軽なスポーツカーとして好評であった。非常に狭いながらもリアシートも存在し、緊急シートや荷物置き場として、一応は日常生活にも使うことができた。

しかし、5代目にはリーンバーンエンジン搭載車が設定され、CAFE達成はこの車種が担うことになり、CR-Xの役割は終了した。そのため、CR-X後継車は性格を大幅に変えたオープンカー/2シーター車であるCivic delSol(日本国内ではCR-Xデルソル)となった。だが、安価で日常生活に使えるスポーツカーを欲するアメリカ人のニーズとかけ離れることになり、改めてアメリカ人向け簡易スポーツモデルとして本車が企画された。

初代 EJ1/2型(1992-1996年)

ホンダ・シビッククーペ(初代)
EJ1/2型
概要
販売期間 1992年1996年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン D16Z型:1.6L 直4 SOHC VTEC
最高出力 130 PS/6,600 rpm
最大トルク 14.8 kg・m/5,200 rpm
変速機 4速AT/5速MT
前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,620 mm
全長 4,390 mm
全幅 1,695 mm
全高 1,345 mm
車両重量 AT:1,070 kg
MT:1,050 kg
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1991年平成3年)10月デビューの5代目シビックをベースとしており、当初はラインナップになかったが、HRAで独自に企画され、一年後の1992年(平成4年)9月に登場。日本国内では半年後の1993年(平成5年)2月から正規輸入販売された。

アコード・クーペと異なり、初めから右ハンドル仕様とし、車体左右にHAMのバッジが付いていた。発売当初、日本国内では4速ATのみであったが、1994年2月より5速MTも加わった。左ハンドル仕様はサンルーフ付きとして1994年(平成6年)から4速ATのみが輸入された。

搭載されたエンジンはD16A型のみで、日本で生産されているシビックでは、マイナーチェンジ後のシビックフェリオ(EJ3型)にのみ存在した。EJ2は1.4L仕様であり、日本国内では販売されていない。

総生産数は15万台弱と、新車効果がなくなってからのデビューながら、健闘した。日本国内では約1万台が販売され、3/4ドアのモデルチェンジ後の1996年(平成8年)初頭に登録された個体もある。

2代目 EJ6/7/8/EM1型(1996-2000年)

ホンダ・シビッククーペ(2代目)
EJ6/7/8/EM1型
CIVIC COUPE Si(北米仕様)
概要
販売期間 日本:1996年1997年
米国:1996年2000年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン D16A型:1.6L 直4 SOHC VTEC-E
最高出力 120PS/6,500rpm
最大トルク 14.7kg・m/5,000rpm
変速機 CVT
前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,620mm
全長 4,450mm
全幅 1,695mm
全高 1,375mm
車両重量 1,090kg
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1996年1月に6代目をベースにフルモデルチェンジした。日本国内でも一仕様のみ正規販売されたが、北米仕様を輸入したものであるため、前後バンパーにプロテクトモールを持たない。また、日本ではこのモデルを最後に姿を消した。エンジンは先代と同じD16A型だが、VTEC-Eに変更されたため、最高出力は120PSへとダウンした。D16A型にCVTの組み合わせの1グレードのみであり、およそ一年で国内販売を停止したため正規輸入車に後期型の設定はない。なお、日本同様、欧州においても米国仕様のクーペを輸入していたことから、バンパーにモールを持たない。

北米仕様の後期モデルには「Si」が設定された、これは日本仕様のフェリオ「Si」同様、B16A型エンジンを搭載したスポーツグレードである。

3代目 EM2型(2000-2005年)

ホンダ・シビッククーペ(3代目)
EM2型
概要
販売期間 2001年2005年
ボディ
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン D17A型:1.7L 直4 SOHC VTEC-E
最高出力127hp
変速機 5速MT/4速AT/CVT
車両寸法
全長 4,410mm
全幅 1,670mm
全高 1,390mm
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日本未発売。エンジンはD17A型のみで、トランスミッションは5速MT,4速AT及びCVTであった。

4代目 FG1/2型(2005-2011年 )

ホンダ・シビッククーペ(4代目)
FG1/2型
概要
販売期間 2005年2011年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン R18A型:1.8L 直4 SOHC i-VTEC
最高出力140hp
K20Z型:2.0L 直4 DOHC i-VTEC
最高出力197hp
変速機 5速MT/6速MT/5速AT
前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 104.3in(2,649mm)
全長 174.8in(4,440mm)
全幅 68.9in(1,750mm)
全高 53.5in(1,359mm)
車両重量 2,593 - 2,877lbs
(1,176-1,304kg)
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日本未発売K20Z型エンジンに6速MTを組み合わせた「Si」と、R18A型のエンジンに5速ATを組み合わせたモデルとが存在する。

5代目(2011年-)

ホンダ・シビッククーペ(5代目)
概要
販売期間 2011年 -
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 2ドア クーペ
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 1.8L 直4 SOHC i-VTEC
最高出力140hp
2.4L 直4 DOHC i-VTEC
最高出力201hp
変速機 5速MT/6速MT/5速AT
前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 103.2in(2,621mm)
全長 175.5in(4,457mm)
全幅 69.0in(1,752mm)
全高 55.0in(1,397mm)
車両重量 2,597- 2,877lbs
(1,177-1,304kg)
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2011年1月11日に、同年春に発売される9代目シビック コンセプトとともに、シビックSiコンセプトとしてスポーツクーペが発表された[1]

2011年4月20日に、ニューヨーク国際オートショーで市販車両が発表され、同時にアメリカでの販売が開始された。

ボディサイズはセダンとほぼ同一であるが、全長が約4.6cm短くスポーティーなキャラクターとなっている。エクステリアではフロントグリル、ガラス、ライト、ボディパネル、バンパーがセダンと異なり、高いリアデッキによりダイナミックさを表現している。上位モデルにはリアリップスポイラーが装着される。先代と比較し、室内容積はわずかに少なくなったが、カーゴエリアは大きくなった。

2014年モデルではエクステリアデザインが変更。よりアグレッシブなフロントグリルやヘッドライト、フードデザインとなった[2]。Siでは専用のバンパーガーニッシュやスポイラー、ディフューザーが装備され、ホイールは18インチに大径化、ホイールデザインも独自となる。インテリアもシートファブリックやドアパネルトリムなどがリファインされている。セダン同様5ATはCVTに変更されCVT搭載モデルでは燃費が向上した。サスペンションもチューニングされ、スプリングレートが高く、スタビライザーも強化された。

エンジンではエギゾーストシステムの改良により最大出力が3hpアップの143hpにトルクも1lb・ft向上。Siでも同様に4hpアップの205hp、トルクは4lb-ft向上の174lb-ftになった。

脚注

関連項目

外部リンク