ホンダ・VFR

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VFR(ブイエフアール)は、本田技研工業が製造販売するオートバイのシリーズ商標である。

概要[編集]

1982年から製造販売されていたロードスポーツモデルのVFシリーズが、1986年4月に実施したフルモデルチェンジの際に、当時競技専用車両であったRVFシリーズ[1]から、レースで培われ実証された数々の技術を投入し走行性能と快適性とクオリティを高次元で調和させた感性溢れる車づくりを目指すことをコンセプト[2]に最新技術をフィードバックしたこと[3]。またブレーキパッドに耐熱性能を大幅向上させ摩擦係数を20%、耐摩耗性を25%アップさせた市販車としては世界初となるセラミック焼結素材使用をはじめ111件の新技術・新機構の特許出願を行った[4]。このため併せて車名も変更したのが本シリーズである。

当初は、排気量399ccの普通自動二輪車VFR400RならびにVFR400Z、同じく748ccの大型自動二輪車VFR750Fが設定されたが、シリーズ共通事項として以下の3点を搭載する。

  • シリンダーバンク角はVFR1200のみ76°とされ、他のモデルは90°に設定。

2015年現在では、排気量781ccのVFR800と同じく1,236ccのVFR1200が、シリーズ車種として製造販売される。

車両解説[編集]

前述のレースで培われ実証された最新技術のフィードバックと共に「ライダーの快適性と人車一体感を追求したスーパーエアロフォルム[2]」が開発コンセプトとされた。このためネイキッドモデルのVFR400Z、教習車仕様のVFR400K・VFR750K、2010年代になって設定されたアドベンチャーモデルのVFR800X・VFR1200Xを除くとフルカウルモデルである。当初はブームだったレーサーレプリカ的なポジションであったが、モデルチェンジを重ねるうちに高速ツアラーへ移行した。

なお、本項では排気量別に市販車について解説を行い、教習車仕様ならびに白バイ仕様については別途解説を行う。

モデル一覧[編集]

399ccモデル[編集]

VF400Fからのフルモデルチェンジ車。エンジン型式はキャリーオーバーとなったため最高出力59ps/12,500rpm・最大トルク3.7kgm/11,000rpmのスペックを持つNC13E型[5]を搭載する。バリエーションはVFR400RVFR400Zの2車種がラインナップされた。

VFR400R[編集]

VFR400R
NC30型[6]
Honda VFR400R NC30 1989.jpg
基本情報
排気量クラス 普通自動二輪車
メーカー 本田技研工業
車体型式 NC30
エンジン NC13E型 399cm3 4ストローク
水冷4V型4気筒バルブDOHC
内径x行程 / 圧縮比 55.0mm x 42.0mm / 11.3:1
最高出力 43kW (59PS)/12,500rpm
最大トルク 4.0kgf・m/10,000rpm
乾燥重量 164kg
車両重量 182kg
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NC21型[編集]

1986年3月20日発表、同年4月1日発売[3]

ワークスレーサーRVF400の市販車モデル的位置付がされたフルカウルを装備するモデル。エンジンは先代モデルのVF400Fに搭載されていたNC13E型がキャリーオーバーされたが、以下の変更点を持つ。

同年7月18日、同月19日より1,500台限定でワークスマシンRVF400同様にシャスタホワイト×ウィスタリアブルー×ローザンヌブルー×ファイティングレッドのカラーリングを採用した特別仕様車VFR400Rスペシャルエディションを追加発売することが発表された[8]

NC24型[編集]

1987年2月19日発表、同年3月20日発売[9]

NC21型からのフルモデルチェンジ。以下の変更を実施。

  • このためエンジン型式はNC07E型のまま最大トルクが4.0kgm/11,000rpmに向上。

なお同年6月18日発表、7月1日発売で「ロスマンズ・ホンダ」カラーの特別仕様車が追加された[10]

NC30型[編集]

1988年12月6日発表、1989年12月6日発売[6]

NC24型からのフルモデルチェンジ。以下の変更を実施。

  • エンジンクランク角を270°→360°に変更。
  • ホイールベースを1,375→1,345mmへ短縮。
  • 動弁系をアジャスト式ロッカーアーム式からダイレクトロッカーアーム式へ変更。
  • 直径8mmの小径点火プラグを採用することで吸排気バルブを大径化。
  • バックトルクリミッター機構内蔵クラッチを搭載。
  • リヤホイール固定方式をRVFと同構造のセンターナット止めに変更。
  • フロントホイールを17インチ化。
  • マニュアルトランスミッションをクロスレシオ化。
  • マフラーをステンレス製左出し4-2-1へ変更。
  • 大容量化による冷却性向上と前面投影面積を小さく抑えると共に空力特性の観点からラジエーターを上下2基配置へ変更。

1990年1月18日発表、同年2月1日発売でマイナーチェンジを実施[11]。カラーリングならびにリヤサスペンションを別体式リザーバータンク・スクリュー式初期荷重調整機構を装備したタイプへ変更した。

本モデルは1994年まで製造販売され、RVF(NC35)へモデルチェンジされた。

VFR400Z[編集]

1986年3月20日発表、同年4月15日発売[3]。型式名NC21。

NC21型VFR400Rからフロントカウルとオイルクーラーを省略したネイキッドモデルであるが、アンダーカウルはVFR400Rとは異なる専用品、ヘッドドライトは丸型2灯式となる。

1987年3月20日発表、同年4月1日発売でマイナーチェンジを実施[12]。カラーリング変更と共に型式名はそのままでエンジンをNC24型VFR400R同様のリファインタイプとしたため最大トルクが4.0kgm/11,000rpmに向上した。

1991年頃まで継続販売され生産中止となった。

748ccモデル[編集]

VF750Fからのフルモデルチェンジ車。エンジン型式はキャリーオーバーとなったためRC07E型[13]を搭載する。

VFR750F[編集]

RC24型[編集]
VFR750F
RC24型[3]
Honda VFR 750 F 1987.JPG
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
車体型式 RC24
エンジン RC07E型 748cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブV型4気筒
内径x行程 / 圧縮比 70.0mm x 48.6mm / 10.5:1
最高出力 57kW (77PS)/9,500rpm
最大トルク 6.5kgf・m/7,500rpm
乾燥重量 199kg
車両重量 221kg
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1986年3月20日発表、同年4月1日発売[3]。部品類別番号ML7。

国内仕様はVFR750Fシリーズで唯一乾燥重量100kg台(199kg)を実現したモデルで、エンジンスペックは馬力規制の関係から最高出力77ps/9,500rpm・最大トルク6.5kgm/7,500rpmに制限された。また輸出仕様は105ps・7.6kgmとなるほか、ホイールサイズの前後17インチ化・カウル形状の変更などの相違がある。

  • 北米仕様がInterceptor(インターセプター)、フランス仕様がCarat(キャラット)のペットネームを持ち、これはRC46型VFR800にも継承された。

なお、輸出仕様は後述するRC36型へフルモデルチェンジされるまでモデルイヤーごとのマイナーチェンジが実施され、以下のコードが付与される。

  • VFR750FG:1986年モデル
  • VFR750FH:1987年モデル
  • VFR750FJ:1988年モデル
  • VFR750FK:1989年モデル

一方、日本国内仕様は1986年モデルのままマイナーチェンジは実施されなかったものの期間限定でヘプコ&ベッカー社製ツーリングバックとオプションのメインスタンドを装備する特別仕様車が同価格で発売されたほか、レース仕様のVFR750RKがリリースされ、HRCからはRK Kitが発売された。

  • VFR750RKスペック
  • 最高出力125ps/12,000rpm・最大トルク7.8kgf·m/10,000rpm:1986年TTF-1仕様
  • 最高出力127ps/12,250rpm・最大トルク7.9kgf·m/10,000rpm:1987年Kit仕様


RC36型[編集]
VFR750F
RC36型[14]
Honda VFR 750 blue v.jpg
VFR750F(RC36)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
車体型式 RC36
エンジン RC35E型 748cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブV型4気筒
内径x行程 / 圧縮比 70.0mm x 48.6mm / 10.5:1
最高出力 57kW (77PS)/9,500rpm
最大トルク 6.6kgf・m/8,000rpm
乾燥重量 221kg
車両重量 246kg
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1990年2月20日発表、同年3月15日発売[14]。 後述するVFR750P(RC35型)・VFR750K(RC36型)と同時開発されたRC24型からのフルモデルチェンジ車。

RC24型がRVF750のイメージを踏襲するレーサーレプリカ的なデザインなのに対し、本型式は高速ツアラーとしてのポジションを強調するモデルとなった[15]

搭載エンジンを以下の大幅な設計変更を実施したためRC35E型に変更された。

  • バルブ駆動方式をロッカーアーム式から直押しバケット式に変更。
  • バルブ挟み角を変更。
  • エンジン全体をコンパクト化ならびに軽量化。
  • キャブレターの取付角度を変更。

この結果として最大トルクが6.6kgf・m/8,000rpmに向上した。

また車体面などでは以下の変更を実施した。

  • フレームを新設計の異形五角断面を持つアルミツインチューブタイプに変更。
  • フロントサスペンションをカートリッジタイプのフォーク化。
  • リヤサスペンションを片持ちスイングアーム方式のプロアームに変更。
  • 前後輪ともに17インチラジアルタイヤに変更。
  • リヤホイールの着脱が容易に出来るアジャスタブル式マフラージョイントを採用。
RC36-2

日本国内仕様1994年は販売終了となったが、輸出仕様は同年に型式名はRC36型のままスポーツ性と質感の向上を目的にフルモデルチェンジが実施された。カウル類にNRの影響が見られるほか、最高速度240km/h以上となるためフルスケール260Km/h超のスピードメータを装備する。本モデルは通称RC36-2とも呼ばれ、1998年まで製造された。

VFR750R[編集]

VFR750R
Honda VFR750R 4.jpg
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
車体型式 RC30
エンジン RC07E型 748cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブV型4気筒
内径x行程 / 圧縮比 70.0mm x 48.6mm / 11.0:1
最高出力 57kW (77PS)/9,500rpm
最大トルク 7.1kgf・m/7,000rpm
乾燥重量 180kg
車両重量 201kg
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1987年7月24日発表、同年8月31日発売[17]。型式名RC30。

プロダクションレースのベース車両として発売されたホモロゲーションモデル。国内では販売価格が148万円と量産車としては当時最高のものだったにもかかわらず、内容的には破格なもので1,000台限定の販売枠に購入希望者が殺到し抽選により販売された。

ワークスレーサーRVF750を強く意識したデザインならびに軽量化が実施され、チタン合金製コネクティングロッドマグネシウム合金シリンダーヘッドカバー・FRP製・フェアリング・航空機廃材をリサイクルしたジュラルミン材によるハンドル・ステップ・各種ステーなどストック状態でレース出場が可能な装備と性能を保持する。

  • 実際に1988年世界スーパーバイク選手権ではフレッド・マーケルが本モデルで初代チャンピオンになったほか、ヘッドライトの穴もあいていたほぼストック状態のままでロジャー・バーネットが優勝した。

なお、エンジン型式はRC07E型のままであるものの圧縮比を11.0にまでアップさせるなど各種チューニングが施され、スペックは最高出力77ps/9,500rpm・最大トルク7.1kgm/7,000rpmとなる。

781ccモデル[編集]

1998年に実施されたVFR750Fのフルモデルチェンジでは、搭載されていたRC35E型エンジンの内径x行程=70.0x48.6(mm)から72.0x48.0(mm)に変更し排気量を781ccにアップさせた上で180°クランクとした最高出力80ps/9,500rpm・最大トルク6.9kgf・m/7,000rpmのスペックをマークするRC46E型エンジンへの変更も同時に実施された。

VFR(1998 - 2001年モデル)[編集]

VFR
BC-RC46 1998年モデル
2000 VFR800Fi-Y with touring screen.jpg
2000年モデル
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 本田技研工業
車体型式 BC-RC46
エンジン RC46E型 781cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ90°V型4気筒
内径x行程 / 圧縮比 72.0mm x 48.0mm / 11.6:1
最高出力 59kW (80PS)/9,500rpm
最大トルク 6.9kgf・m/7,000rpm
乾燥重量 209kg
車両重量 233kg
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1998年4月10日発表、同月20日発売[18]。型式名BC-RC46。車名は従来まで併記されていた排気量を示す数字が省略されVFRとなった。

1994年に限定販売されたスーパースポーツモデルRVF/RC45の基本コンポーネントを踏襲しつつもRC36型のツアラー指向を高めたモデルで、カラーリングはイタリアンレッドのみとされた。

2000年1月19日発表、同月20日発売で以下のマイナーチェンジを実施[19]

  • NOx・CO2共に低レベルの排出量で環境にも配慮した三元触媒HECS3を搭載
  • ハンドルロックを強化したキーシリンダーの採用。
  • カラーリングをスパークリングシルバーメタリックのみに変更。

さらに同年10月18日発表、19日発売[20]でカラーリングをアキュレートシルバーに、ホイールカラーをブラックからシルバーに変更するマイナーチェンジを実施した。

VFR(2002 - 2008年モデル)[編集]

VFR
(BC-RC46 2002年モデル)
2006 Honda VFR 800A5.jpg
2006年モデル
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 本田技研工業
車体型式 BC-RC46
エンジン RC46E型 781cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ90°V型4気筒
内径x行程 / 圧縮比 72.0mm x 48.0mm / 11.6:1
最高出力 59kW (80PS)/9,500rpm
最大トルク 69Nm (7.0kgf・m)/7,500rpm
乾燥重量 215kg
車両重量 243kg
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2002年1月21日発表、同月22日発売[21]。型式名ならびに車名はそのままにフルモデルチェンジを実施。主な変更点を以下に示す。

  • RC46E型エンジンの低回転時出力改善を目的にバルブ休止システムHYPER-VTECを搭載。
  • マフラーをデュアルセンターアップに変更。
  • コスト・騒音・重量問題から代々続いていたカムギアトレーンを廃止しオイル循環式テンショナーを装備するサイレントカムチェーンに変更。
  • エンジン重量を約3kg軽減し、スペックを最高出力80ps/9,500rpm・最大トルク7.0kgf・m/7,500rpmへ向上。
  • ドライブチェーンの鉄ローラー部分にウレタン樹脂ローラーを組み合わせてスプロケットとの噛み合い時に発生する騒音を低減したサイレントクロスチェーンを採用。
  • インジェクターを従来の1ホール式から燃焼効率に優れた12ホール式に変更。
  • 点火プラグを着火性能に優れたイリジウムプラグに変更。
  • フレームは基本骨格を踏襲しながらもヘッドパイプとメインパイプの接合部・ステアリングヘッドの捩り剛性などを強化。
  • ブレーキを前後輪連動させるデュアルコンバインドシステムに変更。
  • 盗難抑止システムとしてH・I・S・Sを搭載。
  • 車体色はイタリアンレッド1色のみの設定。

2004年1月22日発表、同月23日発売で以下のマイナーチェンジを実施[22]

  • 車体色をデジタルシルバーメタリックに変更。
  • ホイールカラーと車体ロゴを変更。
  • キースイッチにハザード専用ポジションを追加しエンジン停止時にヘッドライト消灯状態でハザードランプの作動を可能にした。

なお同年中には11月12日発表、同月13日発売[23]でカラーリングにウイニングレッドが追加された。

2006年2月24日発表、同月27日発売で以下のマイナーチェンジを実施[24]

  • ABSを標準装備。
  • リヤサスペンションにプリロードアジャスターを装備。
  • カラーリングはウイニングレッドを廃止しパールコスミックブラックを新たに設定。

また同年12月7日発表で同月8日からカラーリングをトリコロールとしたVFRスペシャルが200台限定販売された[25]

本モデルの日本国内での販売は2008年で終了したが、ヨーロッパへは引き続き輸出された。

VFR800F[編集]

2014年4月14日発表、同月18日発売[26]。型式名EBL-RC79

日本国内での販売は約6年ぶりとなる新型モデルで、RC46型からフルモデルチェンジを実施し先行発売されていたヨーロッパ仕様とほぼ同一仕様である。RC46型からは以下の変更を実施。

  • カウルデザインを全面変更しLEDヘッドライトを搭載。
  • テールランプならびにストップランプもLED化。
  • フレームは従来からのアルミツインチューブを継承しながらもシートレールは軽量化の観点からアルミダイキャスト製に変更。
  • スイングアームは片持ち式プロアーム形状を「やぐら型」に変更し、ねじれ方向の剛性バランスを最適化。
  • シート高は車載工具使用で809mm・789mmの2段階調節が可能な機構を採用。
  • オプションのアジャストプレートを追加することでグリップ位置を上方13.5mm・手前6.5mmに変更可能なセパレートハンドルを装着。
  • 過剰な後輪駆動力を抑えるTCSETC車載器・グリップヒーター・ウインカーオートキャンセラーを標準装備。
  • メーターパネル内にシフトポジションインジケーターと燃費計を装備。
  • オプションでクラッチ操作不要でシフトペダル操作のみでシフトアップが可能なクイックシフターを設定。
  • マフラーをデュアルセンターアップから右側1本出しへ変更。
  • エンジンは低中回転域の出力向上から吸排気系とバルブタイミングを見直したRC79E型に変更。また日本国内の馬力規制撤廃によりエンジンスペックはヨーロッパ仕様とほぼ同一最高出力105ps/10,250rpm・最大トルク7.5kgf・m/8,500rpmへ向上。

カラーリングは当初ヴィクトリーレッドとダークネスブラックメタリックの2色が設定されたが、2015年02月6日発表、同月13日発売でパールグレアホワイトが追加された[27]

VFR800X[編集]

上述したVFRならびにVFR800Fをベースにしたアドベンチャータイプである。日本国内では2015年現在で以下の2車種が販売された。

VFR800X MUGEN[編集]
VFR800X MUGEN

2011年7月27日発表、同年8月25日発売[28]。型式名EBL-RC60

同年春からヨーロッパで販売されていたCrossrunnerM-TEC(無限)が車体を輸入し、同社製スリップオンマフラーやオリジナルデカールなどを装着させたモデル。最高出力102ps/10,000rpm・最大トルク7.5kgf・m/9,250rpm。DREAM店をはじめとする無限テクニカルショップのみで販売された。

VFR800X(RC80型)[編集]

2014年12月5日発表、同月12日発売[29]。型式名EBL-RC80

VFR800Fをベースにしたモデルで、エンジン型式は共通となるRC79E型を搭載。サスペンションはストロークを延長した結果、フロントクッションストロークは145mmに、リヤアクスルトラベルを148mmに設定するとともに165mmの最低地上高を確保する。

その他VFR800Fとの相違点としては、全幅683mmのバーハンドルを装着するほか、シート高2段階調節機構の設定値を835mm・815mmに変更。TCSもライダーが必要に応じて任意に後輪駆動力を2レベルもしくはオフに選択可能なセレクタブルトルクコントロールに変更した。

またVFR800X MUGENとの相違点としては、ラジエーター搭載位置がベースとなったRC46型同様のエンジン横側から前側へ変更されたことから、カウル横幅が狭小化されるなどの差異がある。

カラーリングは、パールグレアホワイトとキャンディーアルカディアンレッドの2色を設定する。

1,236ccモデル[編集]

シャフトドライブならびにホンダの市販二輪車としは初となるスロットルバイワイヤを採用する排気量1,236ccのスポーツツアラーで以下の2車種がラインナップされる。

VFR1200F[編集]

VFR1200F

2010年3月5日発表、同月18日発売[30]。型式名EBL-SC63。


VFR1200X[編集]

型式名SC70。SC63型VFR1200Fをベースにしたクロスオーバーモデルで2011年Crosstourer(クロスツアラー)の車名で海外のみで発売された。

日本国内ではM-TECが2012年5月25日に同年6月25日よりVFR800X MUGENと同様に同社が輸入し同社製スリップオンマフラーやオリジナルデカールを装着し、VFR1200X MUGEN およびデュアルクラッチトランスミッション(DCT)を搭載するVFR1200XD MUGENとしてDREAM店ならびに無限テクニカルショップ限定で発売することを発表した[31]

正規の日本仕様車は2014年2月21日にDCT仕様車のみが、型式名EBL-SC70、車名VFR1200X デュアル・クラッチ・トランスミッション として同年3月7日より発売することが発表された[32]

教習車仕様[編集]

自動車教習所運転免許試験場向けの仕様では、アップハンドル・大型エンジンガード等の安全装備の追加・ギアポジションランプなどの通称教習ランプ・センタースタンドを装着する。

本シリーズでは、399ccモデル・748ccモデルに設定された。

VFR400K[編集]

NC21型VFR400Zがベース。

VFR750K[編集]

本モデルはRC24型ベースVFR750F教習仕様車(RC24・通称“24K”)ならびにVFR750K(RC37型)が存在する。

本モデル独自の相違点を以下に示す。

  • ベースモデルのフルカウルをすべて廃しネイキッド化。
  • マニュアルトランスミッションを6速→5速化。
  • オイルクーラーを廃止。
  • VFR750Pシリーズと同様に前後ホイールサイズを17インチ化。

またRC37型では、タンク・サイドカバー・リアフェンダーがRC24型後期輸出仕様に準ずるため国内仕様とは仕様が異なり互換性がない。

教習車仕様であるものの当時は大型自動二輪免許が公認教習所で取得できず、運転免許試験場での大型自動二輪限定解除審査や練習所への導入がほとんどである。よって生産台数は後に製造されたCB750(RC42型)教習仕様車などと比較すると少なく、一説には約500台とも言われる。

なお、RC37型は一般向け市販もされ登録も可能[33]であったが、教習車を新車購入するユーザーは皆無に近く一般販売された台数は極少数である。しかし前後ホイールが17インチのため中古車市場では隠れた人気がある。

  • ただし、教習車として酷使され廃棄処分となった後に新規登録された車両も多いため購入には注意が必要である[34]

白バイ仕様[編集]

都道府県警察向け車であるが、一部は陸上自衛隊警務隊向けとして防衛省にも納入された。

なお、白バイ仕様は入札方式で各都道府県警察に納入されるほか、パーツ類も含めて多くは特別管理部品となるため入手も不可である。

VFR400P[編集]

NC24型VFR400Rをベースにした仕様。型式名NC28型。スピード測定用メーターは未装備。納入先の相違でVFR400PとVFR400P2の2種類がラインナップされた。

  • VFR400P:各都道府県警察
  • VFR400P2:防衛省(納入当時は防衛庁)

VFR750P[編集]

VFR750PK(警視庁)
VFR750PK
警視庁
VFR750PW(千葉県警察)
VFR750PW
千葉県警察
VFR750PX(群馬県警察)
VFR750PX
群馬県警察

1989年から納入開始。1989年モデルはRC24型VFR750F欧州向け仕様車がベースとなったが、1990年以降のモデルは前述したRC36型VFR750F・RC37型VFR750Kと同時開発された独自モデルである。部品類別コード番号MV8。搭載されるエンジンはRC35E型。車両重量は262kg(後部警告灯装備車は264kg)とされた。

市販モデルとの相違点を以下に示す。

  • 乗車定員を2名→1名に変更。
  • ハンドルをセパレート→アップに変更。
  • これに伴いステップ位置変更・スクリーン短縮・ワイヤーハーネス延長も実施。
  • マニュアルトランスミッションを6速→5速に変更。
  • ライトスイッチを専用スイッチに変更。
  • ヘッドライトレンズをアクリル製からガラス製に変更。
  • フロントウインカー取付方法をカウルから独立ステー式に変更。
  • メーターを速度測定可能の記録紙プリンタ付きデジタルメーターに変更。
  • アイドルスクリュー位置をキャブ横からミドルカウル横に移設。
  • ABS樹脂製プレートを使用してリヤフェンダー延長。
  • ゴム製泥除けにてフロントフェンダー延長
  • ミドルカウルに排熱ダクトを追加。
  • 専用ポリスステッカーを追加。
  • サイドボックス・ブリーフボックス装着。
  • 前後エンジンガード・サイレンスピーカー・赤色灯を装備。
  • 警光灯など電装の追加と常用回転数の低さに対応してオルタネーターを強化。

また仕様違いに以下に示す3種類のバリエーションが存在するが、製造年度にっては存在しない仕様もある。

交通取締り用(I型)
基本仕様。POLICEステッカー。白(ロスホワイト)の車体に黒と銀のラインが入る。1997年まで後部警告灯(リヤパトロールライト&ロータリービーム)はオプション扱い。
警備用(II型)
警備仕様。MAPステッカー。白(ロスホワイト)の車体に黒と青のラインが入る。初期型より後部警告灯を標準装備。I型と同様のメーター・ポリススイッチが装備されるが、警備用のために取扱説明書からは速度測定説明が省略される。
交通取締り用後部警告灯装備車(III型)
1995年追加。I型に後部警告灯を追加したメーカー仕様。1997年までI型と併売されたが、1998年より後部警告灯が全車標準装備となったため廃止。

製造はベースモデルが日本国内仕様生産中止となった1994年以後も引き続き1998年まで継続された

モデルイヤー別イヤーコード・車体番号・変更点
  • VFR750PK(1989年モデル) 車体番号RC35-100****
初期型。RC24型VFR750FKベース。
  • VFR750PM(1990年モデル) 車体番号RC35-103****
RC37型VFR750Kベース。グラブバー・メットホルダー・警棒入れ廃止。キャブレターをVDJ3A→VDJ6Aに、メーター測定速度表示部を全面赤から赤枠に変更。
  • VFR750PN(1991年モデル) 車体番号RC35-105****
サイドボックス金具をバックル式縦ロック→横スライドロックに、シートならびにマフラーを変更。
  • VFR750PP(1993年モデル) 車体番号RC35-110****
従来はオプションだったハザードランプを標準装備に変更。
  • VFR750PR(1994年モデル) 車体番号RC35-115****
キャブレターをVDJ6A→VDJ3Dに、ドライブスプロケットを43T→45Tに変更。
  • VFR750PW(1995年モデル) 車体番号RC35-120****・123****・125****
従来はオプションだった後部警告灯装備車を追加。
  • VFR750PX(1998年モデル) 車体番号RC35-130****・135****
サイドボックスを旭風防製→リッチェル製に変更。ヘッドライトスイッチを廃止。後部警告灯を全車標準装備化。

VFR800P[編集]

Japanese HONDA VFR800P police motorcycle.jpg
VFR800P埼玉県警察(上)警視庁(下)
VFR800P
埼玉県警察(上)
警視庁(下)

1998年から製造されたRC46型VFRをベースとした白バイ仕様。型式名BC-RC49。部品類別コード番号MCP。

市販モデルからの変更点はVFR750Pとほぼ同様だが、本モデル独自の変更点を以下に示す。

  • 前後独立ABS装備。
  • このためを前後輪ブレーキを連動させるデュアルコンバインドシステムは未搭載。
  • フロントブレーキインナーローターのデザインを変更。
  • リヤブレーキを多用し微妙なコントロールをする白バイのライディングスタイルから後輪ディスクブレーキを冷却効果の高いベンチレーテッドディスク化。
  • ウインカーポジション灯機能を廃止。
  • アップハンドル化に伴いステップ位置ならびにフロントフォークの長さを変更。
  • 都市部での運用に対応してオイルクーラーを大型化[35]
  • アンダーカウル左側にダクトを追加。
  • サイレンアンプ・スピーカー・警光灯をパトライト社製に変更。

本モデルは2001年から納入されたが、自動車排出ガス規制強化により2008年をもって生産中止。以後の白バイ仕様はCB1300Pが製造・納入される。

脚注[編集]

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  1. ^ 系譜的には1979年に開発されたNR500がルーツとなる。
  2. ^ a b VFR750Fファクトブック 開発コンセプト
  3. ^ a b c d e 1986年3月20日プレスリリース
  4. ^ VFR750Fファクトブック 新技術・新機構の特許出願
  5. ^ 内径x行程=55.0x42.0(mm)はCBX400Fの搭載されていたNC07E型と共通する。
  6. ^ a b 1988年12月6日プレスリリース
  7. ^ クランクシャフト単体で見た場合では180°の構造であるが、90°バンクV型ゆえ圧縮上死点タイミングからは並列エンジンの等間隔とは2番・4番シリンダーで+90°ズレた間隔となり、1-3-4-2の各間隔は180°-90°-180°-270°となるため270°クランクとしてサービスマニュアルなどに表記される。同様に旧型VF系では、-90°ズレた間隔となり同じく90°-270°-90°-270°であり90°クランクと表記された。
  8. ^ 1986年3月20日プレスリリース
  9. ^ 1987年2月19日プレスリリース
  10. ^ 1987年6月18日プレスリリース
  11. ^ 1990年1月18日プレスリリース
  12. ^ 1987年3月20日プレスリリース
  13. ^ ただし輸出仕様車・レース仕様車にRC24E型が存在する。
  14. ^ a b 1990年2月20日プレスリリース
  15. ^ 1987年によりスポーツ志向の高いVFR750Rが発売されたことで、モデルコンセプトが明確に変更されたとの見方もある。
  16. ^ 1987年7月24日プレスリリース
  17. ^ 1987年7月24日プレスリリース
  18. ^ a b 1998年4月10日プレスリリース
  19. ^ 2000年1月19日プレスリリース
  20. ^ 2000年10月18日プレスリリース
  21. ^ a b 2002年1月21日プレスリリース
  22. ^ 2004年1月22日プレスリリース
  23. ^ 2004年11月12日プレスリリース
  24. ^ 2006年2月27日プレスリリース
  25. ^ 2006年12月7日プレスリリース
  26. ^ 2014年4月14日プレスリリース
  27. ^ 2015年2月6日プレスリリース
  28. ^ 2011年7月27日無限プレスリリース
  29. ^ 2014年12月5日プレスリリース
  30. ^ 2010年3月5日プレスリリース
  31. ^ 2012年5月25日無限プレスリリース
  32. ^ 2014年2月21日プレスリリース
  33. ^ このため新車で購入した際にはドリブン・ドライブスプロケットが教習用と一般走行用の2種類が同包されており、教習用がドリブン15T・ドライブ43T、一般走行用がドリブン16T・ドライブ41Tを使用することが取扱説明書で指示された。
  34. ^ 教習車はナンバー未登録で使用され廃棄となった後でも書類があれば車検3年付きで新規登録が可能。
  35. ^ RC46型VFRへは2002年モデルチェンジでフィーッドバックされる形で装着された。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]