ホンダ・フェイズ

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フェイズ (FAZE) は、本田技研工業が製造販売していた248cc4ストローク単気筒エンジンを搭載したスクータータイプのオートバイである。

車名は英語の「心を騒がす」「驚かす」のFAZEから。

概要[編集]

基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗本田技研工業
車体型式 JBK-MF11
エンジン MF11E型 249 cm3 
水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 68.0 mm × 68.5 mm / 10.2:1
最高出力 17kW 23ps/7,500rpm
最大トルク 23Nm 2.3kgfm/6,000rpm
車両重量 180/183/185 kg
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フェイズは2009年(平成21年)7月10日に発売された。本田技研工業が現在販売している同じ排気量のスクーターとしてはフォルツァがあるが、フェイズは装備の簡素化、車両重量の軽量化、低廉な価格設定によりフォルツァとの差別化が図られている。そのためABS装備車でも63万円となった。

フォルツァに装備されている、マニュアルモード付きHonda SマチックEvo[1]、スマートカードキーシステム、ハザードランプスイッチ[1]パーキングブレーキは搭載されておらず、オーディオパッケージの設定もない。また、シート下のラゲージボックスは小型化され、ヘッドランプテールランプもそれぞれ1灯式となっている。

上記の変更により、車体重量は180kg(ABS車は183kg)となり、その後ヤマハ発動機から新たにX-MAXが発売されるまで、国内250ccスクーター中最軽量を誇った。

装備以外でのフォルツァとの基本的な相違点としては、キャスター角を立て、軸間距離を 5mm 短縮することにより旋回性能を向上し、前後サスペンションにおいても、より高荷重に耐えうるセッティングとしている。 またフレームの剛性バランスも見直され、より高い速度での倒し込みが出来るよう縦剛性が高められた。

エンジンも同型式ながら、ACGのフリクション削減、マフラー形状の変更を行い、フォルツァの 22ps/2.2kgf・m というスペックに対し、23ps/2.3kgf・m と上回っており[2]排出ガス規制への対応も、フォルツァの二次空気供給装置と酸化触媒の組み合わせから、より高度な空燃比フィードバック制御機構とモノリス型三元触媒の組み合わせとなる。

豪華なクルーザー的な性格を持つフォルツァに対し、フェイズは装備が簡略化された廉価版のようなイメージのみで語られることもあるが、上記のような変更により、基本性能を確保し、ハンドリングやレスポンスを重視した、実用的かつスポーティーなモデルと見ることもできる。

TYPE-S[編集]

2009年11月26日にHonda SマチックEvo(ただしマニュアルシフト機構は持たない)とハザードランプスイッチを搭載したTYPE-Sを追加し発売した[3]

全てのモデルとも2015年に生産終了が公表された。

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]