アメリカ合衆国シークレットサービス
| アメリカ合衆国シークレットサービス | |
|---|---|
| United States Secret Service | |
シークレットサービスのロゴマーク
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| 組織の概要 | |
| 設立年月日 | 1865年7月5日 |
| 継承前組織 | ホワイトハウス警察隊 |
| 管轄 | アメリカ合衆国政府 |
| 本部所在地 | ワシントンD.C. |
| 人員 | 6,500人[1] |
| 年間予算 | 14億8300万ドル(2010年度)[2] |
| 行政官 | マーク・J・サリバン[3](長官) |
| 上位組織 | アメリカ合衆国国土安全保障省 |
| ウェブサイト | |
アメリカ合衆国シークレットサービス (英: United States Secret Service、USSS) は、国土安全保障省傘下[4]のアメリカ合衆国の警察機関。
目次 |
[編集] 組織
シークレットサービスは、特別捜査官(Special Agent)3,200人、制服部隊(Uniformed Division)1,300人、技術・管理部門2,000人からなる6000人以上の職員を抱えている[1]。
[編集] 制服部隊
このうち、1922年にホワイトハウス警察隊として設立され、1930年のシークレットサービスへの完全統合で誕生した制服部隊は、ホワイトハウス一帯・副大統領官邸・財務省(ホワイトハウスの敷地内の部署)・ワシントンD.C.内の在外公館の安全を担っており、以下の部隊が存在する。[5]
- カウンタースナイパー支援部隊(The Countersniper Support Unit:CS)…1971年創設。シークレットサービスのカウンタースナイパーに対する支援を行う。
- 爆発物探知犬部隊(The Canine Explosives Detection Unit:K-9)…1976年創設。シークレットサービスの爆発物対策に対する支援を行う。
- 緊急対応部隊(The Emergency Response Team:ERT)…1992年創設。ホワイトハウス及びその敷地内への不法侵入とその他の攻撃に対する戦術的な対応を行う。ERTの全職員は高度に専門的な訓練を積み、常に身体と戦術的技量を高度に維持しなければならない。
- 金属探知機(Magnetometers)…シークレットサービスの警護地帯へ入る人物が、非武装であることを保証するために金属探知機による検査を行う。
[編集] 任務
[編集] 警護・警備
シークレットサービスの任務として広く知られているものは、
- アメリカ合衆国正副大統領とその一家
- 次期正副大統領
- 大統領選挙120日以内の、正副大統領候補とその配偶者
- 過去10年以内の大統領経験者、当人と離婚していない配偶者(1997年以前は元大統領であれば終生[6]。)
- 大統領経験者の16歳以下の子供
- 訪米中の各国元首と、同行するその配偶者
- その他の高位にある外国人訪米者
- 外国で特別任務を行う合衆国の公式代表者
- その他の大統領令で定められた個人
- 国土安全保障省長官が定めた国家特別警備行事(NSSE)
の警護・警備[7]である(ちなみに、彼らのうち現職正副大統領及び次期正副大統領以外は、警護を拒否することもできる[8])。
合衆国大統領とその家族が旅行する際には、州警察及び軍と協力してエアフォースワンやマリーンワン等の内部、また大統領専用車両から警護を行う。
[編集] 捜査
しかしながら、シークレットサービス設立時の本来の任務は、偽造通貨などの取り締まり、様々な不正経理犯罪・個人情報窃盗の捜査、地域犯罪における科学捜査情報の提供である[9]。これらの任務では、政府小切手・トラベラーズチェックのような通貨等価物の偽造、いわゆるナイジェリアの手紙として有名なナイジェリア刑法第419条に抵触するような詐欺、クレジットカード詐欺の調査を行う。
また、連邦コンピュータ犯罪法に対する司法権も有している。シークレットサービスは合衆国全域に15の電子犯罪特別対策部隊 (Electronic Crimes Task Forces:ECTF) を設立している[10]。ここでは、技術的な犯罪を防止するためにシークレットサービス、連邦/地方警察、民間部門、学術部門との協力関係が構築されている。
[編集] 権限
シークレットサービスの捜査官と職員には、合衆国法典第18編2部203章3056条により以下の権限が認められている[8][11]。
- 銃火器の携行
- 連邦法の下に発行された令状を遂行する
- 身辺で違法行為を行ったもの・重罪を犯した者を令状無しで逮捕する
- シークレットサービスの管轄する法に反する者の逮捕を導く情報等の、提供の依頼と報酬の付与
- 本人確認書類の偽造・詐欺商法・架空証券の捜査
- 法で認可されたその他の職務の遂行
[編集] 装備
[編集] 特別捜査官
シークレットサービスの私服部隊は、TPOに応じた服を着用する。これは多くの場合、控えめなビジネススーツを意味する。 しかしながら、前述のようにTPOに応じた服を着用することから、彼らの衣服はタキシードからジーンズ、スポーツウェアまで多岐にわたるようである。例えば大統領がパーティーに出席するにはタキシード、大統領が乗馬やジョギング、ゴルフなどのスポーツを楽しむ際にはジーンズやスポーツウェアを着ている警護官を写真や映像などで確認することが出来る。
また、写真や映像などでも多く確認されるように、任務中は無線のアコースティックチューブ(透明シリコンのコイル型イヤホン)を着用していることが多いほか、外での警護任務の際などには状況に応じてサングラスを着用する[12]。
[編集] 制服部隊
制服部隊については、ホワイトハウス警護官向けに儀礼服が用意されている。この儀礼服に関しては、通常の警察官の制服とほぼ同様のものとなっている。
また、専門的な作業・任務にあたる職員には、専用の衣服が用意されている。調査官のためには専用の作業服が、カウンタースナイパー(ホワイトハウス屋上から狙撃銃と双眼鏡を手に24時間外周監視に当たっている[13])のためには作業服・識別ベストが用意されている。
[編集] 使用する銃器
2009年の時点で、特別捜査官と制服部隊の警護官がSIG P229の.357SIG弾仕様[14]、およびFN Five-seveNを携行している[15]。 また、特別捜査官に関してはレミントンM870・FN P90・H&K MP5などの近接戦闘用武器の訓練も積んでいる[14]。
レーガン大統領暗殺未遂事件の際に、警護官がウージーを隠し持っていることが明らかになり、そこから彼らがサブマシンガンを携帯していることが知られるようになった。
[編集] 訓練
シークレットサービスの新人職員は全員、犯罪捜査官訓練プログラム(Criminal Investigator Training Program (CITP))下のジョージア州グリンコの連邦法執行訓練センター(Federal Law Enforcement Training Center)で、法運用・銃火器操法・防御戦術・報告書の書き方等の基礎的な警察技術についての訓練を11週間受ける[16]。
その後、彼らはワシントンD.C.に戻り、郊外のシークレットサービス訓練学校で17週間に及ぶ追加的な訓練を積む。ここでは、偽札やクレジットカード詐欺の見破り方・物理的防護の方法・特殊な車両運転法など、シークレットサービスの二つの任務である「警護」と「経済犯捜査」に焦点を当てた訓練を行う。
これらの訓練終了後も、シークレットサービスの職員と捜査官は現役の間常に、銃火器操法・緊急医療などの訓練を行う[17]。
[編集] 警護官
シークレットサービスの捜査官の中でも、警護・警備の任務に就く者は、警護対象に関する様々な緊急事態シナリオをシミュレーションした訓練に参加する[17]。これらは、シークレットサービス以外の様々な捜査機関・司法機関等と連携して行われる場合もある。
[編集] 歴史
[編集] 初期
- 1865年:7月5日、偽札の摘発を行う機関として誕生
- 1883年:財務省内の個別の機関として正式に承認される
- 1894年:非公式に、グロバー・クリーブランド大統領の非常駐警護を始める
- 1901年:マッキンリー大統領暗殺事件を受け、議会が大統領警護を非公式に依頼
- 1902年:フルタイムでの大統領警護を引き受ける
- 1908年:セオドア・ルーズベルト大統領が職員の一部を司法省に移管する(「司法省捜査局」、BOI。後の連邦捜査局の原型)
[編集] 中期
- 1913年:議会が大統領の恒久的な護衛権限を承認
- 1922年:10月1日、ウォレン・ハーディング大統領の要請に基づき、ホワイトハウス警察隊が創設される
- 1930年:ホワイトハウス警察隊が指揮下に置かれる
- 1951年:議会が大統領等の護衛をシークレットサービスが行うことを正式に立法化
- 1970年:ホワイトハウス警察隊が行政府保護局(Executive Protective Service)に改称される
- 1977年:11月15日、行政府保護局がシークレットサービス制服部隊に改称される
- 1984年:議会がカード詐欺・重大なコンピュータ詐欺・本人確認書類偽造に対する捜査権を承認
- 1986年:10月5日、財務省警察がシークレットサービス制服部隊に統合される
[編集] 近年
- 2001年:電子犯罪特別対策部隊の設立が承認される
- 2002年:国土安全保障省の設立に伴い、傘下に移管される
[編集] 有名な活動
[編集] トルーマン大統領襲撃事件
大統領に対する襲撃を防いで死亡したエージェントは、ホワイトハウス警察隊(White House Police Force)に所属していたレスリー・コッフェルト (w:Leslie Coffelt) ただ一人である[18]。ホワイトハウスが改築中のため、ハリー・S・トルーマン第33代大統領は通りを隔てたブレアハウスに滞在していた。
1950年11月1日午後2時過ぎ、プエルトリコの国家主義者グリセリオ・トレソーラとオスカー・コラッツオの2人が大統領を暗殺する目的で近づき、コッフェルトを含むホワイトハウス警護官3名に対して発砲した。コッフェルトはルガーから発射された3発の銃弾を胸部と腹部に受けながらも応戦し、トレソーラの頭を打ち抜いて射殺している。 コラッツオは負傷するものの生き残り、1979年にプエルトリコに戻る前に29年間服役している。
[編集] 同時多発テロにおける救助活動
シークレットサービスニューヨーク事務所は、2001年9月11日の同時多発テロでニューヨーク世界貿易センタービルのノースタワー (1WTC) とサウスタワー (2WTC) と共に崩壊した7WTCに位置していた。 攻撃の直後、ニューヨーク事務所に駐在していた特別捜査官と他の職員は真っ先に応急処置の対応を行った。ニューヨーク事務所に配置されていた67人の特別捜査官は、トリアージエリアの設置やタワーからの避難の手助けをすることで地元消防・警察救助隊の支援を行った。シークレットサービスの職員、Master Special officerのクレイグ・ミラーがこの救助作業中に命を落としている。[19]
2002年8月20日、長官のブライアン・スタフォードは救助活動に参加したすべての特別捜査官と従業員に対してディレクターズ・バロー賞を授与し、彼らの勇敢さを讃えた。[20]
[編集] 事務所
シークレットサービスの事務所の一覧[21]
右の[表示]をクリックすればご覧いただけます
国内
カッコ内は地域内の事務所数。
- アラバマ州(2)
- アラスカ州
- アリゾナ州(2)
- アーカンソー州
- カリフォルニア州(9)
- コロラド州
- コネチカット州
- デラウェア州
- ワシントンD.C.
- フロリダ州(7)
- ジョージア州(3)
- グアム
- ハワイ州
- アイダホ州
- イリノイ州(2)
- インディアナ州
- アイオワ州
- カンザス州
- ケンタッキー州(2)
- ルイジアナ州(2)
- メイン州
- メリーランド州
- マサチューセッツ州
- ミシガン州(3)
- ミネソタ州
- ミシシッピ州
- ミズーリ州(3)
- モンタナ州
- ネブラスカ州
- ネバダ州(2)
- ニューハンプシャー州
- ニュージャージー州(3)
- ニューメキシコ州
- ニューヨーク州(8)
- ノースカロライナ州(4)
- ノースダコタ州
- オハイオ州(6)
- オクラホマ州(2)
- オレゴン州
- ペンシルベニア州(4)
- プエルトリコ
- ロードアイランド州
- サウスカロライナ州(3)
- サウスダコタ州
- テネシー州(4)
- テキサス州(9)
- ユタ州
- バーモント州
- バージニア州(3)
- ワシントン州(2)
- ウェストバージニア州
- ウィスコンシン州(2)
- ワイオミング州
国外
カッコ内は所在都市
[編集] 類似組織
- ロシア連邦警護庁 - ロシア版シークレットサービス。
- セキュリティポリス- (SP)日本版シークレットサービス。
- 中国共産党中央弁公庁警衛局 - 中国版シークレット・サービス。
[編集] 関連項目
- エージェント (マトリックス) - シークレットサービス捜査官がモデル。
- ボディーガード - シークレットサービスなどの、身辺警護を担当する職業の通称。
[編集] シークレットサービスが主題となったフィクション作品
- 『ザ・シークレット・サービス』-ウォルフガング・ペーターゼン監督、クリント・イーストウッド主演の米国映画
- 『ザ・センチネル/陰謀の星条旗』-クラーク・ジョンソン監督、マイケル・ダグラス主演の米国映画
- 『バンテージ・ポイント』-ピート・トラヴィス監督、デニス・クエイド主演の米国映画
- 『SECRET SERVICE』- Activisionから販売されているFPS。対応機種はXbox 360、PS2である。主人公はエージェントとなりテロリストと闘うことになる。
[編集] 脚注
- ^ a b How many people are employed by the Secret Service?
- ^ Reese, Shawn (December 16, 2009), The U.S. Secret Service: An Examination and Analysis of Its Evolving Missions, Congressional Research Service
- ^ “Director, United States Secret Service Mark J. Sullivan”. dhs.gov. 2006年12月10日閲覧。
- ^ “The U.S. Secret Service: An Examination and Analysis of Its Evolving Missions”. Congressional Research Service (2008年7月31日). 2008年9月8日閲覧。
- ^ UNIFORMED DIVISION
- ^ How long do former presidents receive Secret Service protection after they leave office?
- ^ PROTECTIVE MISSION(英語)
- ^ a b § 3056. Powers, authorities, and duties of United States Secret Service
- ^ “Secret Service History”. United States Secret Service. 2008年3月9日閲覧。
- ^ Electronic Crimes Task Forces and Working Groups
- ^ What legal authority and powers do Secret Service agents have?
- ^ Why do agents seem to always wear sunglasses?
- ^ I saw people on the roof of the White House. What do they do?
- ^ a b “A Stability Police Force for the United States: Justification and Options for Creating U.S. Capabilities”. http://rand.org — RAND Research Corporation (2009年). 2010年4月5日閲覧。
- ^ Jones, Richard D. Jane's Infantry Weapons 2009/2010. Jane's Information Group; 35 edition (January 27, 2009). ISBN 978-0710628695.
- ^ What kind of training do agents get?
- ^ a b What kind of training do Secret Service agents receive?
- ^ Has anyone ever been shot while guarding the President?
- ^ UNITED STATES SECRET SERVICE PRESS RELEASE PUB 12-02
- ^ UNITED STATES SECRET SERVICE PRESS RELEASE PUB 16-02
- ^ U.S. SECRET SERVICE FIELD OFFICES
歴史の項は、すべてSECRET SERVICE HISTORY出典
[編集] 参考文献
- 『In the President's Secret Service』Ronald Kessler ISBN 978-0307461353
- 『The Secret Service: The Hidden History of an Engimatic Agency 』Philip H. Melanson Ph.D. ISBN 978-0786716173
- 『Standing Next to History: An Agent's Life Inside the Secret Service』Joseph Petro, Jeffrey Robinson ISBN 978-0312332228
- 『The U.S. Secret Service: Protecting Our Leaders』Connie Colwell Miller ISBN 978-1429612753
- 『Confessions of an Ex-Secret Service Agent』George Rush ISBN 978-1556110542
[編集] 外部リンク
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