IJFワールド柔道ツアー

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IJFワールド柔道ツアー(IJF World Judo Tour)[1]とは、国際柔道連盟(IJF)が2009年1月から施行する柔道国際大会。以前はIJFグランプリシリーズと呼ばれていた。

概要[編集]

世界選手権を除く国際大会を4つに格付けし、成績によってポイントが選手個人に与えられる(国ではない)。2012年ロンドンオリンピックの出場権はこのポイントによって決定される。各大会のポイントの詳細についてはランキング制 (柔道)を参照。

IJF会長のマリウス・ビゼールが会長就任後の2007年9月に構想を発表したもので、2008年10月のIJF理事会で決定された[2]

国際大会のランク[編集]

上位から順に

賞金[編集]

1988年11月にフランスで柔道界初の賞金大会となる、男子の無差別のみを対象とした「フランスマスターズ」が開催された(この時の優勝賞金は当時の日本円で約210万円となる10万フラン、2位は5万フラン、3位は3万フランだった)[3]。 その後ヨーロッパでは度々賞金大会が開催されたが、このIJFワールド柔道ツアーの開始によって本格的な賞金大会が始まったと言える。 IJFワールド柔道ツアーは、世界選手権、ワールドマスターズ、グランドスラム及びグランプリ大会が対象となる。大陸選手権とコンチネンタルオープンはIJF主催大会でないのでそこには含まれない。世界選手権とワールドマスターズの優勝者には6000ドル、2位には4000ドル、3位には2000ドル、グランドスラム優勝者には5000ドル、2位には3000ドル、3位には1500ドル、グランプリ優勝者には3000ドル、2位には2000ドル、3位には1000ドルの賞金がそれぞれ授与される[4][5]コンチネンタルオープンの場合は基本的に賞金は授与されない(但し、2010年のワールドカップ・アルマトイのように主催国の連盟の裁量によって賞金が授与される場合もある[6])。 なお、ワールドマスターズ、グランドスラム及びグランプリは2009年から2012年まで敗者復活戦は設けられていなかったが、2013年からは導入されることになった[7]

日本選手の場合、稼いだ賞金の扱いは大相撲の懸賞金に似ており、半分は「納税準備」「強化資金確保」等の名目で全日本柔道連盟の取り分となっていた。しかし、2013年3月からは競技者規定が改訂されて、賞金は全額選手が受け取れることになった[8][9]

2014年が始まった時点で男女各階級1位の選手には、それぞれ1万ドルが授与された[10]。さらに、2014年からIJFはプレステージランキング制度を設けて、その年最後のランキングにおいて全階級のトータルでもっともポイントを獲得した男女それぞれ1名に5万ドルを贈呈することに決めた。男女各階級1位の選手には1万ドルが贈呈された[11]。2016年には世界ランキングの各階級で1位になった選手全員に5万ドルが支払われた[12]

2014年7月からはIJF主催の各大会でコーチにも賞金が支給されるようになったために、選手の賞金が従来の2割減となった。そのため、メダリストの賞金は従来より2割減となる(グランドスラム大会では優勝者に4000ドル、そのコーチに1000ドル、2位に2400ドル、そのコーチに600ドル、3位に1200ドル、そのコーチに300ドル)[13]

2017年11月の世界選手権 (無差別)では優勝者に8万ユーロ(日本円で約1064万円)、2位に4万ユーロ、3位に2万ユーロと、IJFワールド柔道ツアーでは初めてとも言える高額な賞金が用意されることになった[14]

世界ランキングの各階級トップ選手[編集]

男子[編集]

ランキングリーダー
60kg以下級 66kg以下級 73kg以下級 81kg以下級 90kg以下級 100kg以下級 100kg超級
2009年 ウクライナの旗ゲオルグリー・ザンタラヤ モンゴルの旗ハシュバータル・ツァガンバータル 大韓民国の旗王己春 ロシアの旗イワン・ニフォントフ 日本の旗小野卓志 日本の旗穴井隆将 フランスの旗テディ・リネール
2010年 ウズベキスタンの旗リショド・ソビロフ モンゴルの旗ハシュバータル・ツァガンバータル 大韓民国の旗王己春 大韓民国の旗金宰範 日本の旗小野卓志 日本の旗穴井隆将 フランスの旗テディ・リネール
2011年 ウズベキスタンの旗リショド・ソビロフ ロシアの旗ムサ・モグシコフ 日本の旗中矢力 大韓民国の旗金宰範 ギリシャの旗イリアス・イリアディス 日本の旗穴井隆将 フランスの旗テディ・リネール
2012年 ウズベキスタンの旗リショド・ソビロフ ジョージア (国)の旗ラシャ・シャフダトゥアシビリ 日本の旗中矢力 大韓民国の旗金宰範 ギリシャの旗イリアス・イリアディス カザフスタンの旗マクシム・ラコフ フランスの旗テディ・リネール
2013年 日本の旗高藤直寿 モンゴルの旗ダワードルジ・トゥムルフレグ モンゴルの旗サインジャルカル・ニャムオチル ジョージア (国)の旗アブタンディル・チリキシビリ キューバの旗アスレイ・ゴンサレス アゼルバイジャンの旗エルハン・ママドフ ブラジルの旗ラファエル・シルバ
2014年 モンゴルの旗ガンバット・ボルドバータル ロシアの旗ミハイル・プリャエフ オランダの旗デックス・エレモント ジョージア (国)の旗アブタンディル・チリキシビリ ジョージア (国)の旗ヴァルラーム・リパルテリアニ チェコの旗ルカシュ・クルパレク フランスの旗テディ・リネール
2015年 日本の旗高藤直寿 ウクライナの旗ゲオルグリー・ザンタラヤ アゼルバイジャンの旗ルスタム・オルジョフ ジョージア (国)の旗アブタンディル・チリキシビリ 大韓民国の旗郭同韓 アゼルバイジャンの旗エルマール・ガシモフ フランスの旗テディ・リネール
2016年 アゼルバイジャンの旗オルハン・サファロフ 大韓民国の旗アン・バウル アゼルバイジャンの旗ルスタム・オルジョフ 日本の旗永瀬貴規 日本の旗ベイカー茉秋 アゼルバイジャンの旗エルマール・ガシモフ フランスの旗テディ・リネール

(出典[15][16])。

女子[編集]

ランキングリーダー
48kg以下級 52kg以下級 57kg以下級 63kg以下級 70kg以下級 78kg以下級 78kg超級
2009年 日本の旗福見友子 日本の旗中村美里 ポルトガルの旗テルマ・モンテイロ 日本の旗上野順恵 フランスの旗リュシ・ドコス フランスの旗セリーヌ・ルブラン 中華人民共和国の旗トウ文
2010年 日本の旗福見友子 日本の旗中村美里 日本の旗松本薫 日本の旗上野順恵 フランスの旗リュシ・ドコス フランスの旗セリーヌ・ルブラン 中華人民共和国の旗秦茜
2011年 日本の旗浅見八瑠奈 日本の旗西田優香 日本の旗松本薫 フランスの旗ジブリズ・エマヌ フランスの旗リュシ・ドコス フランスの旗オドレー・チュメオ 日本の旗田知本愛
2012年 ブラジルの旗サラ・メネゼス 日本の旗西田優香 日本の旗松本薫 日本の旗上野順恵 フランスの旗リュシ・ドコス アメリカ合衆国の旗ケイラ・ハリソン キューバの旗イダリス・オルティス
2013年 ブラジルの旗サラ・メネゼス コソボの旗マイリンダ・ケルメンディ ドイツの旗ミリアム・ローパー イスラエルの旗ヤーデン・ジェルビ オランダの旗キム・ポリング ブラジルの旗マイラ・アギアル キューバの旗イダリス・オルティス
2014年 モンゴルの旗ムンフバット・ウランツェツェグ コソボの旗マイリンダ・ケルメンディ フランスの旗オトーヌ・パヴィア フランスの旗クラリス・アグベニュー オランダの旗キム・ポリング フランスの旗オドレー・チュメオ キューバの旗イダリス・オルティス
2015年 モンゴルの旗ムンフバット・ウランツェツェグ ルーマニアの旗アンドレア・キトゥ モンゴルの旗ドルジスレン・スミヤ スロベニアの旗ティナ・トルステニャク オランダの旗キム・ポリング アメリカ合衆国の旗ケイラ・ハリソン 中華人民共和国の旗于頌
2016年 モンゴルの旗ムンフバット・ウランツェツェグ コソボの旗マイリンダ・ケルメンディ モンゴルの旗ドルジスレン・スミヤ スロベニアの旗ティナ・トルステニャク オランダの旗キム・ポリング アメリカ合衆国の旗ケイラ・ハリソン キューバの旗イダリス・オルティス

(出典[15][17])。

関連項目[編集]

脚注[編集]