芳田司

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芳田 司
基本情報
ラテン文字 Tsukasa Yoshida
日本の旗 日本
出生地 京都府
生年月日 (1995-10-05) 1995年10月5日(23歳)
身長 156cm
選手情報
階級 女子57kg級
 
獲得メダル
世界柔道選手権
2018 バクー 57kg級
2017 ブダペスト 57kg級
世界団体
2017 ブダペスト 57kg級
2018 バクー 57㎏級
ワールドマスターズ
2018 広州 57㎏級
2017 サンクトペテルブルク 57kg級
グランドスラム
2015 チュメニ 57kg級
2015 東京 57kg級
2016 バクー 57kg級
2016 チュメニ 57kg級
2016 東京 57kg級
2017 東京 57kg級
2019 デュッセルドルフ 57kg級
2018 パリ 57kg級
2019 バクー 57kg級
2014 東京 57kg級
2017 パリ 57kg級
アジア柔道選手権
2017 香港 57kg級
世界カデ
2011 キエフ 57kg級
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芳田 司(よしだ つかさ、1995年10月5日 - )は、京都府京都市上京区出身の、日本人女子柔道選手。階級は57kg級。身長156cm。バスト93cm。リーチ156cm。血液型はA型。段位は弐段。組み手は左組み。得意技は内股寝技。3人姉妹(優、司、真)の次女で、5歳年下である妹の芳田真も48kg級で活躍している[1][2][3]。現在はコマツ女子柔道部に所属[4]

経歴[編集]

小学生時代[編集]

幼少時は力を持て余す「きかん坊」だったことから、京都市立新町小学校2年の時に両親に勧められて近所の円心道場で始めた。なお、父親は柔道経験を持たずも、娘の試合となれば国内外お構いなく必ず応援に駆けつけるほどフットワークの軽い「ザ・自由人」と呼ぶべき人物だという[1][2][5]。5年生の時に初めての全国大会となる全国小学生学年別柔道大会に出場して40kg級で3位になった。6年生の時は45kg級で3位だった[1]。一方、この当時は陸上部にも所属しており、姉とともに毎朝ジョギングを課せられていたこともあって、S&Bちびっ子健康マラソン大会京都大会では1年生の時に優勝、2年生の時に3位、3年生の時に2位、4年生の時から3年連続で優勝を果たした[2][5][6]

中学時代[編集]

中学は全国大会で活躍していた1学年上の田代未来に影響されて、田代が所属する神奈川県相模原市の相武館吉田道場に入門して寮生活を送ることになり、国際大会に出場することを目的に稽古に精進することとなった[1][2]相原中学1年の時に近代柔道杯で優勝すると、2年の時には全国中学校柔道大会マルちゃん杯の団体戦でもエースである田代とともに活躍して優勝を勝ち取り、中学女子では史上初となる中学団体3冠(近代柔道杯、全国中学校柔道大会、マルちゃん杯)を達成した[1]。さらに2010年3月の近代柔道杯でも同級生で後に48kg級の世界チャンピオンとなった渡名喜風南内尾真子とともに活躍して2連覇に貢献した[1]。3年の時には全国中学校柔道大会の個人戦57kg級決勝で東松山南中学1年の嶺井美穂大外返の技ありで破って優勝を飾ったが、団体戦は5位にとどまった[1]。マルちゃん杯では3位だった[1]

高校時代[編集]

高校はすでに小学生の時から誘われていた福岡県にある敬愛高校へ進んだ[2]。1年の時には4月の全日本カデで優勝した[1]。5月には中学の時から憧れていた初の国際大会であるドイツカデ国際大会に出場して優勝するも、8月の世界カデでは準決勝でオランダのドー・ベレマに足取りの反則負けを喫して3位に終わった[1][7]。2012年3月の全国高校選手権では個人戦の決勝で桐蔭学園高校2年の山本杏に有効で敗れて2位だった。団体戦では5位にとどまった[2]

2年の時には金鷲旗の決勝で一本勝ちするなどチームの優勝に貢献した[8]。8月のインターハイ個人戦では3回戦で東大阪大敬愛高校1年の米澤夏帆上四方固で敗れた。なお、団体戦には出場しなかった[1]。9月の全日本ジュニアでは決勝で夙川学院高校2年の原田千賀子を上四方固で破って優勝すると、アジアジュニアでもオール一本勝ちして優勝を飾った[1]。初のシニアの全国大会となった講道館杯では初戦で帝京高校1年の西尾直子に反則負けを喫した[1]。12月のワールドカップ・チェジュ では決勝でコマツ石川慈横四方固で敗れて2位だった[1]。2013年2月のベルギー国際ジュニアの部では決勝で西尾に判定で敗れて2位だった。シニアの部にも出場して決勝まで進むが、フランスの選手に合技で敗れた[1]。3月の全国高校選手権では個人戦の準決勝で松商学園高校2年の出口クリスタに有効で敗れて3位だったが、団体戦では決勝の松商学園高校戦で1階級上の津金恵と引き分けたものの、エースの岡史生が出口を合技で破って優勝を果たした[9]

3年の時には4月のロシアジュニア国際決勝でブラジルの選手を合技で破って優勝した[1]。7月の金鷲旗ではチームの2連覇に貢献した。今大会が高校時代で一番印象に残った試合だという[1][5]。インターハイの団体戦には出場せず、チームも5位にとどまって高校団体3冠(高校選手権、金鷲旗、インターハイ)はならなかったものの、個人戦では決勝で出口に内股で一本勝ちして優勝を果たした[2][10][11]。9月の全日本ジュニアでは決勝で出口に大内刈で敗れて2連覇はならなかった[1]。10月の世界ジュニアでは3回戦でロシアのダリア・メゼチカイアに一本背負投の有効で敗れた[1]。11月の講道館杯では準々決勝でコマツの宇高菜絵腕挫十字固で敗れるなどして7位だった[1]。12月のエクサンプロヴァンスジュニア国際では優勝を飾った[1]

2014年[編集]

2014年には高校を卒業してコマツに入社して管理部管理グループの配属となった[12]。当初は足のケガなどの影響もあってハイレベルな練習に戸惑っていた。これまで培ってきた組み手や打ち込みもなかなか通用せずにいたところ、監督の松岡義之から騙されたと思って今までとは違う方法に取り組めとアドバイスされた。このアドバイスがあったからこそ困難な状況を打開でき、後の活躍に繋がっていったので非常に感謝しているという[2][3][5]。7月のポーランドジュニア国際では決勝で三井住友海上玉置桃に指導3で敗れて2位にとどまった[2]。9月の全日本ジュニアでは準決勝で玉置に横四方固で敗れて3位だった[1]。11月の講道館杯では決勝まで進むと、会社の先輩である7歳年上の石川慈を指導2で破り、シニアの全国大会で初優勝を飾った[13]。12月のグランドスラム・東京では、準決勝でロンドンオリンピック金メダリストの松本薫に指導1で敗れるが、3位決定戦で国士舘大学2年の山本杏を指導1で破って3位になった。今大会で松本と同じ表彰台に立ったことで、オリンピックに出たいという気持ちが非常に強くなったという[2][12]

2015年[編集]

2015年2月にはヨーロッパオープン・オーバーヴァルトの準々決勝でフランスのエレーヌ・ルスボー小外掛で敗れると、敗者復活戦でもロンドンオリンピック銀メダリストのコリーナ・カプリオリウに反則負けを喫して7位に終わった[1]。4月の選抜体重別では初戦で玉置に指導1で敗れた[1]。6月の実業団体では三井住友海上戦で玉置と引き分けるなどしてチームは2位にとどまった[1]。7月にはグランドスラム・チュメニ に出場すると、決勝でカプリオリウを有効で破ってIJFワールド柔道ツアー初優勝を飾った[14]。10月のグランドスラム・パリでは初戦でロンドンオリンピック銅メダリストである地元フランスのオトーヌ・パヴィアを指導1で破る健闘を見せるが、準決勝でポルトガルのテルマ・モンテイロに指導2で敗れると、3位決定戦でも会社の先輩である11歳年上の宇高に指導3で敗れて5位にとどまった[15]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で世界ランキング1位であるモンゴルのドルジスレン・スミヤを指導1で破ると、決勝ではルスボーを今大会とびきりの美技と呼べる内股で破って、今年2度目のグランドスラム大会優勝を飾った。所属先のコーチであるオリンピックの63kg級で2連覇を果たした内股を得意とする谷本歩実が、「私もあんなふうに投げたことはない」と言わしめるほど見事な内股だった[2]。また、この際の優勝インタビューでは次のように語った。「自分は準決勝や決勝など、上にいくにつれて気持ちが高ぶっていくタイプ」「今回優勝したことで、リオデジャネイロオリンピックの代表に近づいたと思います。同じ57kg級には松本薫先輩という絶対的な存在がいるので、もっと頑張らなくてはいけないと思いますね」[16][17][18][19]

2016年[編集]

2016年2月のグランドスラム・パリでは2回戦でパヴィアと対戦すると、GSに入ってから技ありを取られて敗れた[20]。4月の選抜体重別決勝では準決勝で松本を横四方固で破った石川を燕返の技ありで破って今大会初優勝を飾ったが、実績で上回る世界チャンピオンの松本がリオデジャネイロオリンピック代表に選ばれた。どちらにせよ、この時点では何が何でも松本を追い越してまでオリンピック出場を勝ち取りたいと言う気持ちまでは持てなかったという。ナイーブで気が小さい性格だと自己分析している。その一方で、次のような認識も示した。「小さい殻に閉じこもるのではなく、自分の柔道を向上させ、可能性を高めていく。そのための場所が試合だと考えるようにしています」[2][21]。5月のグランドスラム・バクーでは準々決勝で元世界チャンピオンであるブラジルのラファエラ・シルバを腕挫十字固で破るなどオール一本勝ちで決勝に進むと、イギリスのネコダ・スミス=デイビスから技ありと有効2つを取って快勝して、グランドスラム大会で3度目の優勝を飾った[22][23]。6月の実業団体では三井住友海上戦で1階級上の鍋倉那美に有効で敗れると、自衛隊体育学校戦でも金子瑛美に技ありで敗れた[24]。7月のグランドスラム・チュメニでは決勝で地元ロシアのメゼチカイアに縦四方固で一本勝ちして、昨年に続いて今大会2連覇を達成した[25][26]。11月の講道館杯では準決勝で宇高に指導1で敗れて3位だった[27]。12月のグランドスラム・東京では準決勝でドルジスレンから技ありと有効を取った後に腕挫十字固で一本勝ちすると、決勝では宇高に対してGSを含めて10分近い激闘の末に指導1を取って、今大会2連覇を成し遂げた[28]

2017年[編集]

2017年2月のグランドスラム・パリでは準決勝で伏兵選手である韓国の権柔貞にGSに入ってから背負投の技ありで敗れるも、3位決定戦でコソボのノラ・ジャコヴァを技ありで破って3位は確保した[29]。4月の体重別では準決勝で三井住友海上の舟久保遥香にGSに入ってから指導2で敗れて3位だったが、これまでの実績により世界選手権代表に選出された[30][31]。なお、日本スポーツ振興センター(JSC)による海外における強化活動の支援対象に、柔道選手として日体大2年の阿部一二三とともに選ばれた[32]。5月のアジア選手権では準決勝で同じコマツに所属する台湾の連珍羚をGSに入ってから指導2で競い勝つと、決勝でも権柔貞を内股の技ありで破って優勝した。団体戦では準決勝まで一本勝ちするも、決勝のモンゴル戦で過去3戦全勝のドルジスレンに背負投で技ありを取られて敗れたが、他の選手が勝ったことでチームは優勝を飾った[33][34][35]。なお、今回優勝したことでこの階級の日本選手としては2013年2月まで世界ランキング1位だった松本薫以来の1位となった[36]。6月の実業団体には1戦しか出なかったが一本勝ちすると、チームも優勝を飾った[37]。8月の世界選手権ではそれまでのボブカットからマッシュルームカットに髪形を変えて挑んだ[38]。最初の2試合を寝技で一本勝ちすると、準々決勝では連をGSに入ってから指導1、準決勝ではルスボーを横四方固でそれぞれ破った。決勝ではドルジスレンと対戦すると、指導1を先取されるもGSに入ってから指導1を取り返すと盛んに攻め立てるがポイントにならず、またドルジスレンによる掛け逃げに近い背負投も指導対象とならずに13分近い戦いが繰り広げられるも、最後は相手の意表を突いた腰車で技ありを取られて2位に終わった。試合後のインタビューでは、「絶対に勝ちたかったが、自分の弱さが競った試合の中で出てしまった」とコメントした[39][40]。初開催となった男女混合の世界団体では決勝のブラジル戦でシルバを横四方固で破ったのを始め全勝して、チームの金メダルに貢献した[3][41]。9月にはスタンフォード大学へ2週間ほど短期留学してトレーニングに関する知識を学んだ[42]。12月のグランドスラム・東京では準決勝でハンガリーのヘドヴィグ・カラカスを技ありで破ると、決勝ではパーク24の山本杏をGSに入ってから一本背負投の技ありで破って、今大会3連覇を達成した[43][44]。続くワールドマスターズでは準決勝でシルバを崩上四方固で破るなど全て一本勝ちして決勝まで進むが、ドルジスレンとの対戦ではGSに入って3分過ぎに偽装攻撃で指導2を取られて敗れた[45][46]

2018年[編集]

2018年2月のグランドスラム・パリでは準々決勝でモンテイロと対戦すると技ありを先取されるも内股で逆転勝ち、準決勝でもスミス=デイビスを内股で破った。決勝では国籍をカナダに変更した出口に技ありを先取されるも技ありを取り返すが、さらに技ありを取られて敗れた[47][48]。4月の体重別では準決勝で舟久保にGSに入ってから反則負けを喫して3位だった。しかし、国際大会の実績により世界選手権代表に選ばれた[49][50]。その後、「(世界選手権に)もう一度出られる喜びがあるが、気持ちよく出られるわけではない」「この負けを絶対に忘れてはいけない」と述べた[51]。6月には右足首を負傷した。その直後の実業団体では三井住友海上戦で舟久保に小内刈の技ありで敗れると、自衛隊体育学校戦でも金子に小外掛で敗れるなど1勝2敗でチームは2位にとどまった[52][53]。8月の強化合宿の際には現役復帰する松本薫と乱取りを行った。普段の出稽古では松本から乱取りの申し出がなされるも、今回は自ら申し出た。その際に、「強い。松本さんは(昨年6月に長女を)出産しても、出産前と変わらない力強さがある。自分自身にも気合が入る」と語った[54][55]。9月の世界選手権ではアニメのサザエさんに出てくるタラちゃんをイメージした「タラちゃんカット」で臨むことになった[56]。世界選手権では2回戦でモンテイロを横四方固で破るなど準々決勝までの3試合を一本勝ちすると、準決勝で出口をGSに入ってから内股の技ありで破った。決勝ではスミス=デイビスを合技で破って優勝した。試合後のインタビューでは次のように語った。「金メダルと(昨年の)銀メダルでは全然違う。ほっとした。私の方が絶対に強いという気持ちだった。(東京五輪に向けて)自信がついたのが一番大きい」[42][57][58]。続く世界団体の準決勝では韓国と北朝鮮の南北合同チーム戦でキム・ジナに一本勝ちすると、決勝のフランス戦でもプリシラ・ネトを合技で破ってチームの優勝に貢献した。試合後には、「団体でも金メダルを取るという目標に向けて、強い気持ちだった」とコメントした[59][60]。また、今大会で優勝したことにより、昨年5月以来の世界ランキング1位に返り咲いた[61]。11月のグランドスラム・大阪では準決勝で玉置と対戦すると、指導2でリードしながら終盤に技ありを取られて敗れた。3位決定戦では権柔貞に対して終了間際に寝技を仕掛けた際に、相手の腰を反ってしまうような形になったことが危険行為とみなされて反則負けとなり5位に終わった。今大会で4連覇できなかった事により、2019年の世界選手権代表内定はならなかった[62]。12月のワールドマスターズでは準決勝でスミス=デイビスを縦四方固で破ると、決勝ではヨーロッパチャンピオンであるコソボのノラ・ジャコヴァを内股の技ありで破って優勝した[63][64]。なお、世界ランキングの年間1位となり、IJFから1万ドルが授与された[65][66]

2019年[編集]

2019年2月に目標としていた松本薫が引退した際には、超えたい存在だった松本とはもう一度試合をしておきたかったと述べた。さらに、「野獣」とも呼ばれた闘志むき出しの強烈な個性を有する松本に比べると、「自分は気迫や感情が表に出ないタイプ。いつもカラーを考えるけど、それは自然に出ることなのかなとも思っている。ちょっと天然な部分は(松本さん)かぶるけど、(自身は)何なんだろうと…」とコメントした[67][68]グランドスラム・デュッセルドルフでは準々決勝までの3試合を一本勝ちすると、準決勝で地元ドイツのテレーザ・シュトールを内股の技あり、決勝ではシルバを引込返の技ありでそれぞれ破って優勝した。試合後には、「松本さんを目標にやってきた。メンタルから全てにおいて強い。私もそういう存在になりたい」と語った[69][70][71]。4月の体重別では決勝で玉置を合技で破って今大会3年ぶり2度目の優勝を飾り、世界選手権代表に選出された[72][73][74]。5月のグランドスラム・バクーでは準決勝まで全て一本勝ちするも、決勝でシルバに終了間際に隅落で技ありを取られて2位に終わった[75][76]。6月の実業団体では三井住友戦で玉置に技ありで敗れるも、チームは優勝した[77]。玉置戦で左太もも裏(半膜様筋)肉離れを引き起こしたことにより、その後1ヶ月ほど乱取りができず、主に筋力トレーニングの強化に努めた[78]

世界ランキング[編集]

IJF世界ランキングは7330ポイント獲得で、1位(19/6/3現在)[79]

  • 世界ランキングの年度別変遷
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
順位 74 125 59 15 4 2 1

(出典[1]JudoInside.com)。

柔道スタイル[編集]

左組みからの内股を始めとした足技や、抑込技などの寝技を得意とする[1][2]。身長が低いために相手を太ももではなく尻に乗せて投げる、「ケツ股」とも呼ばれる独特の形の内股をとりわけ得意技にしている[80]。中学時代は帯取り返しの打ち込みを時には千本もこなすなどして、内股とともに完全に自分のものにしていった[5]。内股とともに子供の頃からやり込んでいた寝技での一本勝ちも多い[2][3]。また、幼少の頃から長距離走に積極的に取り組んでいたこともあって、持久力には十分な自信を有している[81]。コマツに入社後は監督の松岡義之に打ち込みやトレーニングなど今までの方法を全て変えられるも、それが好結果に繋がることになった[5][82]。2017年のグランドスラム・東京では今まで使ってこなかった一本背負投も繰り出せるようになった[5]。2018年より施行の新ルールでは、従来なら効果相当の技でも技ありを取られる可能性があるため、それに対処するための受けの練習にも精力的に取り組むことになった[83]。立って良し、寝て良しの総合力を売り物にしていたが、2017年の世界選手権以降は隙が生じる余地があったことからそれを克服するため、どんな状況でも対応できる強さを築くための土台作りに取り組み、2018年の世界選手権では女子代表監督の増地克之をして、完璧に近い内容と言わしめる勝利を飾った[84]

戦績[編集]

(出典[1]JudoInside.com)。

有力選手との対戦成績[編集]

(2019年12月現在)

対戦成績
国籍 選手名 内容
日本の旗 松本薫 1敗
日本の旗 宇高菜絵 2勝3敗
日本の旗 山本杏 2勝1敗
日本の旗 玉置桃 2勝5敗1分
日本の旗 舟久保遥香 1勝3敗
フランスの旗 オトーヌ・パヴィア 1勝1敗
フランスの旗 エレーヌ・ルスボー 2勝1敗
ブラジルの旗 ラファエラ・シルバ 4勝1敗
カナダの旗 出口クリスタ 3勝3敗
モンゴルの旗 ドルジスレン・スミヤ 3勝3敗
ポルトガルの旗 テルマ・モンテイロ 2勝1敗
コソボの旗 ノラ・ジャコヴァ 3勝
チャイニーズタイペイの旗 連珍羚 4勝
アメリカ合衆国の旗 マルティ・マロイ 1勝

(参考資料:ベースボールマガジン社発行の近代柔道バックナンバー、JudoInside.com等)。

IJFワールド柔道ツアーにおける獲得賞金一覧[編集]

大会 開催日 順位 獲得賞金
グランドスラム・東京2014 2014年12月5日 3位 01,200ドル
グランドスラム・チュメニ2015 2015年07月17日 1/優勝 04,000ドル
グランドスラム・東京2015 2015年12月4日 1/優勝 04,000ドル
グランドスラム・バクー2016 2016年05月6日 1/優勝 04,000ドル
グランドスラム・チュメニ2016 2016年07月16日 1/優勝 04,000ドル
グランドスラム・東京2016 2016年12月2日 1/優勝 04,000ドル
グランドスラム・パリ2017 2017年02月11日 3位 01,200ドル
2017年世界柔道選手権大会 2017年08月30日 2位 12,000ドル
グランドスラム・東京2017 2017年12月2日 1/優勝 04,000ドル
ワールドマスターズ2017 2017年12月16日 1/2位 03,200ドル
グランドスラム・パリ2018 2018年02月10日 2位 02,400ドル
世界選手権 2018年9月22日 優勝 20,800ドル
ワールドマスターズ2018 2018年12月15日 優勝 7,200ドル
2018年世界ランキング 2018年12月17日 優勝 10,000ドル
グランドスラム・デュッセルドルフ2019 2019年2月22日 1/優勝 04,000ドル
総計 / 15大会 86,000ドル
  • 日本選手の場合は、獲得賞金の半分は全柔連の取り分となっていたが、2013年3月からは競技者規定が改訂されて、賞金は全額選手が受け取れることになった[85]。2014年7月からはIJF主催の各大会でコーチにも賞金が支給されるようになったために、選手の賞金が従来の2割減となった[86]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 「柔道全日本強化選手名鑑 2019」近代柔道 ベースボールマガジン社、2019年4月号
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「解体新書 芳田司」近代柔道 ベースボールマガジン社、2017年9月号 28-31頁
  3. ^ a b c d 世界柔道で存在感 「ポスト野獣」の21歳・芳田司とは何者だ!? 産経新聞 2017年9月18日
  4. ^ KOMATSU : 部員紹介
  5. ^ a b c d e f g 芳田司 著名な柔道選手インタビュー
  6. ^ ちびっ子健康マラソン 京都大会結果
  7. ^ 2011 Cadet WC - Kiev
  8. ^ 敬愛(福岡) 5年ぶり2回目の優勝 金鷲旗女子 西日本新聞、2012年7月23日
  9. ^ 「第35回全国高等学校柔道選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2013年5月号、6-7頁
  10. ^ 柔道女子57キロ級、芳田司が優勝 高校総体 読売新聞、2013年8月10日
  11. ^ 福岡県高等学校体育連盟
  12. ^ a b № 72 2017 年 秋号 ことば
  13. ^ 浅見、2年ぶり優勝=17歳嶺井は初制覇-講道館杯柔道時事通信、2014年11月9日
  14. ^ 高上、芳田らが優勝=柔道 時事通信 2015年7月19日
  15. ^ Paris Grand Slam 2015, France - DAY 1
  16. ^ 芳田が意地示す「自分がやるしかない」/柔道 サンケイスポーツ 2015年12月4日
  17. ^ 芳田司が女子57キロ級V「少し自信になった」 日刊スポーツ 2015年12月4日
  18. ^ 優勝選手インタビュー 女子57kg級 芳田司
  19. ^ Tokyo Grand Slam 2015, Japan - DAY 1
  20. ^ Paris Grand Slam 2016 - France DAY 1
  21. ^ 平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  22. ^ 芳田が優勝=柔道グランドスラム 時事通信 2016年5月7日
  23. ^ Baku Grand Slam 2016 - Azerbaijan
  24. ^ 第65回全日本実業柔道個人選手権大会
  25. ^ 日本勢、男女6階級で優勝=柔道グランドスラム 時事通信 2016年7月17日
  26. ^ Tyumen Grand Slam 2016, Russia - DAY ONE
  27. ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  28. ^ 同門対決は9分41秒の激闘に…芳田、連覇達成に「うれしい」/柔道 サンケイスポーツ 2016年12月2日
  29. ^ Paris Grand Slam 2017 - DAY ONE
  30. ^ 柔道世界選手権代表 19歳の阿部が初出場へ NHK 2017年4月2日
  31. ^ 目指すは野獣松本超え 東京スポーツ 2017年7月7日
  32. ^ 平成29年度 ターゲットアスリートについて
  33. ^ 高藤、芳田らが優勝 アジア選手権/柔道 サンケイスポーツ 2017年5月26日
  34. ^ 日本女子が優勝=柔道アジア選手権 時事通信 2017年5月28日
  35. ^ 2017年アジア選手権大会(香港)大会結果
  36. ^ World ranking list: 29 May 2017
  37. ^ 第67回全日本実業柔道団体対抗大会 結果
  38. ^ 芳田司がマッシュルームカットでイメチェン出発 - 柔道 日刊スポーツ
  39. ^ 橋本壮市が金メダル、芳田司は「銀」…世界柔道 読売新聞 2017年8月31日
  40. ^ 柔道世界選手権 女子57キロ級で芳田が銀メダル NHK 2017年8月31日
  41. ^ 日本が男女混合団体で金メダル 決勝でブラジルを圧倒 産経新聞
  42. ^ a b 芳田司が涙の金メダル「銀メダルとは全然違いますね」 スポーツ報知 2018年9月23日
  43. ^ 芳田、大会3連覇に安堵「これで来年につなげられる」/柔道 サンケイスポーツ 2017年12月2日
  44. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  45. ^ 橋本、渡名喜ら優勝=柔道ワールドマスターズ 時事通信 2017年12月17日
  46. ^ World Judo Masters 2017, St. Petersburg, Russia – DAY ONE
  47. ^ 阿部詩、志々目が優勝=柔道GSパリ 時事通信 2018年2月11日
  48. ^ Paris Grand Slam 2018, France – DAY ONE
  49. ^ 男女有力選手が頂点逃す 飯田「力を出す前に終わった」/柔道 サンケイスポーツ 2018年4月8日
  50. ^ 柔道世界代表12人発表…全日本後に全員を決定 読売新聞 2018年4月8日
  51. ^ 芳田、代表入りも複雑 体重別での敗退「絶対に忘れてはいけない」/柔道 サンケイスポーツ 2018年4月18日
  52. ^ 若手、中堅躍動で節目のV 三井住友海上・新井「攻めの姿勢を貫けた」/柔道 サンケイスポーツ 2018年6月9日
  53. ^ 第68回全日本実業団体対抗大会
  54. ^ 芳田司VS「野獣」松本薫、異例の同級ガチ稽古 - 柔道 日刊スポーツ 2018年8月6日
  55. ^ 芳田、五輪女王と乱取り「気合が入り、ぴりっとする」/柔道 サンケイスポーツ 2018年8月6日
  56. ^ 柔道・芳田司「タラちゃんカット」で初世界女王狙う - 柔道 日刊スポーツ 2018年9月17日
  57. ^ 芳田、雪辱の金 総合力高め「完璧に近い」勝利 日本経済新聞 2018年9月23日
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  77. ^ コマツは節目に栄冠 芳田「団体戦は楽しい」/柔道 サンケイスポーツ 2019年6月8日
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  79. ^ World ranking list
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  83. ^ 柔道新ルールは「受け」も重要 「有効」レベルが「技あり」に…思わぬ結果も デイリースポーツ 2018年4月21日
  84. ^ 芳田、雪辱の金 総合力高め「完璧に近い」勝利 日本経済新聞 2018年9月23日
  85. ^ 競技者規定 - 財団法人 全日本柔道連盟
  86. ^ Judo Grand Slam, Tyumen 2014

外部リンク[編集]