後袈裟固

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後袈裟固の基本形

後袈裟固(うしろけさがため)は、柔道固技の抑込技の一つ。

別名逆袈裟固(ぎゃくけさがため)。

概要[編集]

基本の形は仰向けの相手に対し、相手右腕(左腕)を自分の右腋(左腋)に抱え自分の体に巻き付けるように密着させ、左手(右手)で相手の帯をとり左脇(右脇)で相手胴体を抱え抑え込む。 相手の腕の腋での抱え方は前から抱える場合、後ろから抱える場合、抱えないで腹前に置く場合がある。

崩袈裟固の自分の体が逆向きになるような形になる。

つまり、上四方固崩上四方固の様に相手の(上)側から袈裟固崩袈裟固)を決めるのである。

また、通常の袈裟固が自分と相手がお互い顔が見える状態で抑え込むのに比べ、後袈裟固では自分が相手に背を見せた状態での抑え込みとなる。

抑え込まれる側は片手、首、両脚が自由になるため、相手を抑え切るにはコツが必要になる技である。

相手の腕を後ろから抱える場合、強く相手の腕を巻き付け完全に体を密着させて、充分に相手に体重が掛かるようにするのが重要である。

別の形としては、仰向けの相手の右腋(左腋)に自分の腰をつけ、相手の右腕(左腕)を背後に相手の左肩口(右肩口)上部床に自分の左肘(右肘)を落として抑え込む。

着衣の場合は左手(右手)で相手胴衣を掴んで固定したり、右手(左手)で相手左膝(右膝)近辺を掴み引き上げることでエビやブリッジを防ぐ。

バリエーションは下記のものなどいくつかあり、書籍『寝業の傅統』(三恵社、木村昌彦他著)には腕挫膝固の一種キーロックを掛けながらの後袈裟固が掲載されている。

かつて、講道館では崩袈裟固に包含されていたが、多様化する技術への対応のために講道館技研究部で技名称の再検討を行った結果、2017年にこの技を正式に認めることになり国際柔道連盟に合わせる形で分割された[1]

手固後袈裟固[編集]

手固後袈裟固(てがためうしろけさがため)は相手の左側から抑え込む場合、相手の左腕を両腕でのキーロックの様に絡めて制し右手で自分の右腿を掴みながら抑え込む後袈裟固[2][3]。相手の胴は抑えない。

実戦で見られる変化[編集]

自分がうつ伏せや亀の状態で相手が腋から手を指し入れて攻めてきた時に、背後から差し入れられた腕を深く腋に挟み、相手を巻き込みながら反転し、自分が上となり後袈裟固に抑える変化がある。この場合、背後から差し入れられた腕を腋に挟み相手の動きを制して抑え込む。

払巻込外巻込大外巻込などの相手の腕を腋に抱えて投げる技が不十分だった時に、相手の腕を腋に抱えたまま後袈裟固に抑える変化もよく見られる。

ハーフガードの相手に対して肩口に肘を落とした後に、絡んだ相手の脚を手で掴んで外した場合などにこの形になることが多い。

後袈裟固からより安定している横四方固につなげることも多い。

ブラジリアン柔術総合格闘技では後袈裟固から相手を跨ぎ、マウントポジションを狙うケースがある。

脚注[編集]

  1. ^ 柔道の技名称について
  2. ^ 協力 NHKサービスセンター. 映像資料『講道館柔道 固技 分類と名称』 (VHS). 日本 東京: 講道館.. "崩袈裟固" 
  3. ^ 柏崎克彦『寝技で勝つ柔道』ベースボールマガジン社(原著1998年7月31日)、30頁。ISBN 4-583-03529-2。「後袈裟固 3」

外部リンク[編集]