小内返

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

小内返(こうちがえし)は、柔道投技の一つで手技15本の一つ。

概要[編集]

小内刈の返し技で後の先の技の一種である。

相手の小内刈をかわし(すかして)浮落の要領で左もしくは右側にひねって返す技である。

お互いが右組の場合、相手(受)は小内刈を仕掛けるために重心を前に持って来つつ右足で自分(取)の右足を刈りに来る。

取はその動きを察知して右足をかわす。

受が刈り足がかわされたことと重心を前に持ってきていることで前方に崩れた機を逃さず、取は体を右、もしくは左にひねりながら受を引き落とす。

すなわち、相手の小内刈をかわして、相手は小内刈を仕掛けてきた時の勢いがついているため、その勢いを利用して、相手を回転させる様にして投げる。

これは、いわゆる「小内すかし」とも呼べるが、「小内すかし」は正式な技としては認められていない。

なお、「すかし」は内股に限定されており、正式な技として認められているのは内股すかしだけである(内股すかしの項を参照)。

技のメカニズムとしては、浮落と同じであり、形は、内股すかしによく似ている。

小内刈の返し技として見なされた時に小内返という決技となる。

しかし、小内刈は動きが小さくスピードも速い技であるため、この技で返すことは非常に難しい。

名前に、「返し」と付く後の先の技で、大外返大内返燕返(事実上の「小外返」)は足技跳腰返払腰返足技)、俵返のみ真捨身技、小内返のみ手技である。

その他のパターンの小内返[編集]

1.小内刈をかわして、逆に小内刈をやり返すパターン。

燕返(事実上の小外返)の対となるパターン(逆のパターン)である。

2.大外返のように小内刈をやり返すパターン。

こちらは、相手の小内刈に対して、小内刈をやり返す(すなわち、相手の小内刈を自分の小内刈で押し返して投げる)。
つまり、小内刈に対する、カウンターパンチならぬカウンターキックとなる技である。

他の返し方[編集]

小内返とは認められないが、小内刈を返す技があるので、簡単に紹介する。

各技の詳しい動きはそれぞれの技の項を参照のこと。

動きは右組で解説している。

  • 出足払で返す - 刈りに来た相手の右足をかわし、その足を自分の左足で払ってなげる。
  • 膝車で返す - 刈りに来た相手の右足を自分の右足を浮かしてかわしたあと、その浮かした右足を相手軸足(左足)の膝に当て前方にひねって投げる。
  • 朽木倒で返す - 刈りに来た相手の右足を左手で抱え押し倒す。残った軸足を内側から刈れば大内刈となる。

「返」の名称[編集]

講道館・技研究部は「基本的な態度」として『決まり技の名称は最後に決まった技とする』としている[1]

その原則に則れば小内返の名称は「浮落」が適切であるが、同研究部で検討した結果『従来より「返し技」「裏技」「すかし技」と言われてきた技で、その名称が一般的に定着している技については「返」「すかし」を用いる』[1]こととされ、「小内返」が新たな名称として1982年に追加された。

内股すかし内股返払腰返跳腰返大外返大内返燕返といった技でも同様の経緯で新たな名称として登録された。

参考文献・脚注[編集]

  1. ^ a b 醍醐敏郎『写真解説 講道館柔道投技 上』本の友社 1999年 ISBN 4-89439-188-0

外部リンク[編集]