袖車絞め

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ガードポジションからの袖車絞
マウントポジションからの袖車絞

袖車絞または、袖車絞め(そでぐるまじめ)は、格闘技寝技で使用される相手の気管を絞める絞め技である。

講道館柔道絞技12本の1つ。

講道館固め技の分類を制定する昭和60年以前の柔道界では挟絞(はさみじめ)と呼ばれることが多かった。車絞(くるまじめ)とも呼ばれていた。

英語ではエゼキエルチョーク(Ezekiel choke)またはスリーブ・チョーク (sleeve choke)。

概要[編集]

原形は両手共に自らの反対側の袖を握る形で頸部を絞める技。相手と正対する形も相手の背後から絞める形もある。

実際の試合において極るのは相手と正対し片手のみ袖を握る形が多い。この場合、袖を持つ手は相手の頭の後ろに回す腕側の場合もあれば、相手の喉元に当てる腕側の場合もある。

画像のものは二つとも後者だが、前者の場合、相手の頭の後ろに片腕を回して土台にし、反対側の腕の袖口を掴み、反対側の手は、相手の頭の前で手刀を作り、相手の喉元に当て、気管を絞める。

柔道ブラジリアン柔術などの試合で使用される技である。

小室宏二の得意技であり、裸絞送襟絞三角絞等の代表的な絞め技よりも地味だが、小室曰く、技が決まりやすく、威力や効果が絶大だという。

しかし、その様な技でありながら柔道の歴史上、絞め技どころか、そもそも寝技全般がもてはやされなかった事や、柔道が誕生してから小室が使い始めるまで、袖車絞の名手が僅かしかいなかった事もあり、珍しいだけではなく知名度も低い技である。

小室も「この技を初めて使ったのは、内柴正人との試合で、この試合に勝利したが、実はこの時、袖車絞の名前すら知らなかった。」と語っている。

小室の引退後も袖車絞の名手はおろか、使い手が現れておらず、小室は指導者となってからは、自分の得意技であるコムロックとこの技を教え、袖車絞の知名度を上げると同時に普及に尽力している。

総合格闘技の試合で使用されることもあるが技の特性上着衣の試合において狙われることが多い。UFCでは2017年1月の興行にて初の袖車絞めでのサブミッション勝ちが記録された。詳細はアレクセイ・オレイニク (格闘家)を参照。しかし、柔道ならばこの時の技は裸絞に分類される。

柔道界では袖車絞はかつては挟絞と呼ばれることが多かった。挟絞と呼ばれる絞め技は自らの足を相手の後頭部に当てて、それを持った手の前腕部で絞める技などいくつかあるがそれらを含め裸絞の一種とされていたことが多かった。『高専柔道の真髄』(原書房)でも袖車絞のことを「裸絞」と呼んでいる[1][2]高専柔道界では「車絞」とも呼ばれていた[2]

古流柔術界や講道館固め技の分類を制定する昭和60年以前の柔道界では背後からの十字絞である後十字絞(うしろじゅうじじめ)を「袖車絞」「袖車」と呼ぶのが一般的である。のちに柔道界ではこれらの技は並十字絞片十字絞逆十字絞のうち、どれかの十字絞に分類するようになった。

外部リンク[編集]

出典[編集]

  1. ^ 高専柔道技術研究会『高専柔道の真髄』原書房、2003年11月発行参照
  2. ^ a b 「幻の技術」 小室宏二著『柔道 固技教本』122ページ 晋遊舎