津金恵

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獲得メダル
日本の旗 日本
女子 柔道
グランドスラム
2012 東京 63kg級
2018 デュッセルドルフ 63kg級
2017 東京 63kg級
ユニバーシアード
2015 光州 63kg級
世界ジュニア
2013 リュブリャナ 63kg級
世界ジュニア団体
2013 リュブリャナ 63kg級

津金 恵(つがね めぐみ、1995年10月18日 - )は長野県塩尻市出身[1]日本人女子柔道選手である。階級は63kg級。身長160cm。バスト99cm。リーチ162cm。握力は右36kg、左36kg。血液型はA型。組み手は右組み。段位は参段。得意技は内股[2]。尊敬する柔道家は谷本歩実[3]。現在はパーク24所属[4]

経歴[編集]

松本第一高校の柔道部監督を務めている父親の影響を受けて、柔道は5歳の時に兄と姉に続いて一誠館で始めた。練習は週2日ほどでそれほどきつくなかったという。小学生の時は身長が160㎝近くで体重が70kgほどあったことも手伝って、軽量級の出口クリスタを軽く一蹴するなど、長野県内では無敵だった。しかし、全国小学生学年別柔道大会には小学校5年の時に40kg超級、6年の時に45kg超級に出場したものの、ともに予選リーグで敗れた[2][3][5]

丘中学に進学すると誠心館道場所属となり、出口クリスタと一緒になった。但し、誠心館は一誠館とは違い、きつい練習が課されたために体重も10kgほど減少した。しかしながら、2年と3年の時には全国中学校柔道大会63kg級で2位となった[3]

松商学園高校に進学すると、高校1年の時にはインターハイ63kg級で決勝まで上がるものの、高岡龍谷高校3年の佐野賀世子に内股で技ありを取られて2位にとどまった[3]。さらに全国高校選手権では、宮崎商業高校2年の松本千奈津に大外刈で有効を取られてまたも2位だった。団体戦ではチームメイトの出口クリスタとともに活躍して3位となった[2][3]

高校2年になると、8月のインターハイでは団体戦で3位だったものの、個人戦では3回戦で優勝候補である淑徳高校3年の田代未来に反則勝ちすると、決勝でも春の高校選手権で敗れた松本を内股の技ありで破って優勝を果たした[2]。9月の全日本ジュニアの決勝では昨年のインターハイで敗れた山梨学院大学1年の佐野を内股で破って優勝した[2]。11月の講道館杯では準々決勝で三井住友海上阿部香菜小内刈で敗れるが、その後の3位決定戦では了徳寺学園田中美衣を内股で破って3位となった[2]。12月のグランドスラム・東京では準決勝でブラジルのラファエラ・シルバGSに入ってから内股の技ありで破ると、決勝では講道館杯で敗れた阿部に小内刈の有効で勝ち、史上最年少となる17歳1ヶ月にしてグランドスラム大会を制覇することになった[6][7][8][9]。 2013年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは準々決勝でフランスのクラリス・アグベニューに開始早々の内股で敗れるなどして5位だった[2]。3月の全国高校選手権では、決勝で東大阪大敬愛高1年の池絵梨菜に有効で敗れて昨年に続いて2位にとどまった。また、団体戦では決勝で敬愛高校と対戦して芳田司と引き分けるも、出口が相手エースの岡史生に合技で敗れたために2位に終わった[10]

高校3年になると、8月のインターハイ団体戦では初戦で敗れたものの、個人戦では3回戦で春の高校選手権で敗れた池を足車で破ると、決勝では桐蔭学園高校1年の嶺井美穂大外返で破って2連覇を達成した[11]。 9月の全日本ジュニアでは2連覇を成し遂げた[12]。10月の世界ジュニアでは準決勝までオール一本で勝ち進むが、決勝ではオランダのドー・ベレマと対戦して指導2でリードしながら、終盤に払巻込で有効を取られて逆転負けを喫した。団体戦では決勝のフランス戦で一本勝ちするなどチームの優勝に貢献した[13][14]。12月のエクサンプロヴァンスジュニア国際では2連覇を果たした。なお、この際にフランスの著名な柔道サイトであるL'Esprit du Judoから、“かわいこちゃん”と評されることになった[15]。2014年2月のヨーロッパオープン・ローマでは優勝を飾った[16]

2014年4月からは筑波大学へ進学した[17]。1年の時には講道館杯の初戦で敗れたが、グランプリ・青島では3位になった[18]。2015年2月のヨーロッパオープン・ソフィアでは、決勝でイギリスのアリス・シュレジンガーを内股の技ありで破って優勝を飾った[19]

2年の時にはユニバーシアードに出場すると、決勝で地元韓国のパク・ジユンに内股で一本勝ちして優勝を飾った[20]。また、団体戦でも優勝を飾った[21]学生体重別では決勝でフィリピン代表として活躍している早稲田大学1年の渡辺聖未大外刈で有効を取られて2位にとどまった[22]

3年の時には4月の選抜体重別決勝で大学の同級生である能智亜衣美に有効で敗れて2位にとどまった[23]アジア選手権では決勝でカザフスタンのマリアン・ウルダバエワにポイントの取り合いの末に小外刈で敗れて2位に終わった。団体戦では準決勝のカザフスタン戦で再びウルダバエワに有効で敗れるも、決勝のモンゴル戦で一本勝ちするなどして優勝を飾った[24][25][26]。10月の学生体重別では決勝で渡辺を内股の技ありで破って優勝を飾り、昨年の雪辱を果たした[27]。講道館杯では準決勝で桐蔭横浜大学1年の嶺井に敗れて3位だった[28]。12月のグランドスラム・東京では2回戦でフランスの選手に指導1で敗れた[29]。2017年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは準々決勝でアグベニューにGSに入ってから技ありで敗れると、その後の3位決定戦でも三井住友海上鍋倉那美にGSに入ってから指導2で敗れて5位にとどまった[30][31]

4年の時には4月の選抜体重別決勝で昨年に続いて能智と対戦すると、GSに入ってから反則勝ちを収めて今大会初優勝を果たした。この際に、「気持ちの勝負。泥臭くても絶対に勝とうと思った」「63キロ級に自分がいることを示したかった」「一つの通過点と思いたい。(世界選手権には)絶対に私が出て勝ちたい」と語った[32][33]。しかしながら、この階級はグランドスラム・東京や冬季ヨーロッパ遠征など最近のIJFワールド柔道ツアーで唯一優勝者を出せていなかったということもあり、世界選手権には津金を含めて誰も派遣しないことになった。津金サイドは納得いかず、全柔連にこの件に関して説明を求めた。また、強化委員会の一部からも派遣見送りを疑問視する声があがった。しかし、女子代表チームの監督で津金が所属する筑波大学柔道部の総監督も務める増地克之は、「世界選手権は出ればいいという大会じゃない」という点を強調した[34][35][36][37]。個人戦代表にはなれなかったが、世界団体のメンバーに能智とともに選出された[38]。しかし、6月にIJFが2020年の東京オリンピックで採用されることが決まった男女混合による6人制の団体戦を世界団体に新規導入したために、津金の属する63kg級は団体戦で行われなくなり、結果、世界団体のメンバーから外されることになった。この際に、「悔しくて悲しいけど、ここで腐ったら終わる」とコメントした[39][40][41][42]。同じく外れた能智はこの時の様子を次のように語っている。「めぐ(=津金)も落ち込んでいて、2人で『なんでだろう』と言っていました。それでも次の大会に向けて努力している姿を見て『私も頑張ろう』という気持ちになりました。めぐは絶対に負けたくない相手だけど、力を与えてくれる存在でもあります」。また、後に津金自身は「いろいろあったけど、自分の実力不足が全て」と振り返った[4][43]。6月の優勝大会では決勝で出口率いる山梨学院大学と対戦すると、70kg級の新添左季と引き分けるもチームは敗れて2位だった[44]。1週間後に迫った7月のグランプリ・フフホトに出場予定だったが、左膝の内側側副靱帯損傷を理由に出場を回避した[45]。8月の世界選手権には57kg級代表である芳田司の練習パートナーとして同行した。9月にはグランプリ・ザグレブへ出場する際に、「東京五輪の闘いは始まっている。1つも落とせないし、落とさない」と意気込みを語った[4]。その大会では決勝で鍋倉と対戦すると、技あり2つを取られて2位に終わった[46][47]。11月の講道館杯では準決勝でコマツの田代に内股で敗れると、3位決定戦でも鍋倉に技ありで敗れて5位だった[48]。12月のグランドスラム・東京では準々決勝でオリンピックチャンピオンであるスロベニアのティナ・トルステニャクにGSに入ってから反則負けするが、敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[49]。2018年2月のグランドスラム・デュッセルドルフでは決勝でスロベニアのアンドレヤ・レシュキに技ありで敗れて2位に終わった[50]

4月からはパーク24の所属となった[2]。体重別では初戦で世界ジュニアチャンピオンである兵庫県警荒木穂乃佳に反則負けを喫した[51]。8月のグランプリ・ブダペストでは初戦でロシアのエカテリーナ・バルコワに開始早々の合技で敗れた[52]。11月の講道館杯では初戦で敗れた[53]

IJF世界ランキングは1476ポイント獲得で25位(18/12/10現在)[54]

戦績[編集]

(出典[2]JudoInside.com)。

脚注[編集]

  1. ^ ほっとフォト信州平成24年(2012年)10月~12月
  2. ^ a b c d e f g h i 「柔道全日本強化選手名鑑 2018」近代柔道 ベースボールマガジン社、2018年4月号
  3. ^ a b c d e 「解体新書 出口クリスタ 津金恵」近代柔道 ベースボールマガジン社、2014年2月号、26-31頁
  4. ^ a b c 63キロ級津金恵「1つも落とせないし落とさない」
  5. ^ 連覇へ、重圧との戦い…柔道女子・津金恵(長野・松商学園3年) 読売新聞 2013年7月24日
  6. ^ 大野将平、津金恵がV…柔道グランドスラム 読売新聞 2012年12月1日
  7. ^ 17歳津金、攻めて栄冠=柔道グランドスラム東京 時事通信 2012年12月1日
  8. ^ 女子高生17歳・津金「勝っちゃった」初出場V…柔道 スポーツ報知 2012年12月2日
  9. ^ Megumi Tsugane youngest ever winner of a Grand Slam
  10. ^ 「第35回全国高等学校柔道選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2013年5月号、6-7頁
  11. ^ 柔道女子63キロ級は津金V2 全国高校総体第15日 日本経済新聞 2013年8月11日
  12. ^ 津金が2連覇 佐藤は3位/柔道 サンケイスポーツ 2013年9月8日
  13. ^ 津金らが2位=柔道世界ジュニア 時事通信 2013年10月26日
  14. ^ Junior World Championships, Ljubljana 2013
  15. ^ Tournoi d'Aix-en-Provence 2013 : Les Japonais cultivent leur jardin
  16. ^ 山部ら優勝=柔道欧州オープン 時事通信 2014年2月16日
  17. ^ 部員紹介 - 筑波大学柔道部
  18. ^ 津金が3位=柔道グランプリ 時事通信 2014年11月20日
  19. ^ 【柔道】内尾52キロ級、津金は63キロ級女王 スポーツ報知 2015年2月8日
  20. ^ 柔道女子、津金が金メダル=光州ユニバーシアード 時事通信 2015年7月5日
  21. ^ 日本、柔道団体は男女とも金 光州ユニバ 日本経済新聞 2015年7月8日
  22. ^ 比代表の渡辺が初優勝 全日本学生体重別第1日 産経新聞 2015年10月3日
  23. ^ 平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  24. ^ 橋本、志々目が優勝=柔道アジア選手権 時事通信 2016年4月16日
  25. ^ 日本女子、団体戦制す=柔道アジア選手権 時事通信 2016年4月17日
  26. ^ 2016年アジア選手権 大会結果
  27. ^ 20歳のホープ・津金、初Vに久々の笑顔「少しは成長できたかも」/柔道 サンケイスポーツ 2016年10月1日
  28. ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  29. ^ Judo Grand-Slam Tokyo 2016
  30. ^ 新井千鶴70キロ級V、新添と鍋倉は3位 柔道GP 日刊スポーツ 2017年2月26日
  31. ^ 2017年グランプリ・デュッセルドルフ(ドイツ)大会結果
  32. ^ 阿部が男子66キロ級連覇=女子78キロ超級は16歳の素根-選抜体重別柔道 時事通信 2017年4月1日
  33. ^ 津金、同級生対決制し初優勝「絶対に負けたくなかった」/柔道 サンケイスポーツ 2017年4月2日
  34. ^ 柔道 阿部詩 兄との世界選手権は… 東京スポーツ 2017年4月3日
  35. ^ 強化委員会 女子63キロ級代表派遣せず、追加は全日本選手権後に決定 スポーツニッポン 2017年4月3日
  36. ^ 63キロ級見送り疑問の声「体験させられないのはどうなのか」 スポーツニッポン 2017年4月17日
  37. ^ 代表選考がモメるのは方針をオープンにしていないから  東京スポーツ
  38. ^ 全柔連、女子代表9人を発表 軽量2階級で2人ずつ起用/柔道 サンケイスポーツ 2017年4月16日
  39. ^ 東京五輪の新種目決定 柔道男女3人の「団体」など
  40. ^ 世界選手権、混合団体で再編 新メンバーに新添を追加/柔道 サンケイスポーツ
  41. ^ 山梨学院大・津金、能智は奮い立つ/柔道
  42. ^ 2017年ブダペスト世界柔道選手権大会個人代表選手、男女混合団体選手決定について
  43. ^ 能智亜衣美、反則勝ちでの初優勝に「不完全燃焼」 - 柔道 日刊スポーツ 2017年9月30日
  44. ^ 平成29年度全日本学生柔道優勝大会
  45. ^ 角田、津金が欠場=柔道女子 時事通信 2017年6月26日
  46. ^ 鍋倉が優勝=柔道グランプリ 時事通信 2017年10月1日
  47. ^ Zagreb Grand Prix 2017
  48. ^ 平成29年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  49. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  50. ^ 大野将平がリオ五輪後初V 柔道GS大会、女子の大野も優勝 日本経済新聞 2018年2月25日
  51. ^ 平成30年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  52. ^ Grand-Prix Budapest 2018
  53. ^ 平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  54. ^ World ranking list

外部リンク[編集]