出口クリスタ

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獲得メダル
カナダの旗 カナダ
女子 柔道
世界柔道選手権
2018 バクー 57kg級
グランドスラム
2018 パリ 57kg級
2013 東京 57kg級
世界ジュニア
2014 フォートローダーデール 57kg級
2013 リュブリャナ 57kg級
世界ジュニア団体
2013 リュブリャナ 57kg級
2014 フォートローダーデール 57kg級

出口 クリスタ(でぐち クリスタ、1995年10月29日 - )は、カナダ女子柔道選手。長野県塩尻市出身。階級は57kg級。身長160cm。段位は初段。組み手は右組み。得意技は大外刈。2016年までは全日本の強化指定選手だった[1]。尊敬する柔道家は貝山仁美。父親はカナダ出身の英語講師。3歳年下である妹の出口ケリーも柔道選手[2][3]総合格闘技が好きで、ジョルジュ・サンピエールのファンでもある[4]。現在は日本生命に所属[5]

経歴[編集]

父親が空手を薦めるも母親は柔道を推したこともあって、3歳の時に祖母の理容室の常連だった師範のいる誠心館道場で柔道を始めた[1][4][6]。道場の練習は厳しかったものの、体を動かすのが好きだったので最初は楽しく思えた。しかし小学校高学年の頃は、祖父の家で一緒に水戸黄門を見て夕食を済ませた後に道場へ通う日々が憂鬱に思えたという。なお、両親は普段英語で会話しており、家の中ではカナダのようだったという[7][8]。また、この当時は県内最強の津金恵と3度ほど対戦するも、体格で圧倒されて敵わなかった。小学校6年の時には全国小学生学年別柔道大会45kg級に出場したが、予選リーグで敗れた[2]丘中学に進むと、津金恵と一緒になった。1年の時には全国中学校柔道大会44kg級で3位となった。2年の時は48kg級でベスト16止まりだった。3年の時には52kg級に出場して、香長中学2年の米澤夏帆GSに入ってから有効で敗れるも3位となった[1]

松商学園高校に進学すると、全日本カデでは米澤に合技で敗れて2位だったものの、インターハイでは宮崎日大高校3年の志々目愛を有効で破り、1年生にして優勝を飾った[9]高校選手権の個人戦には計量で失格となり出場できなかったが、団体戦ではチームメイトの津金恵とともに活躍して3位となった[1]

2年になると階級を57kg級に上げるが、インターハイでは2回戦で帝京高校1年の西尾直子に有効で敗れた。団体戦ではチームの3位に貢献した。高校選手権の個人戦では決勝で西尾を破って優勝するが、団体戦では決勝で福岡の敬愛高校と対戦して、78kg超級の岡史生に合技で敗れて2位に終わった[1]

3年になると全日本選手権に57kg級の選手ながら出場するが、3回戦で綜合警備保障田知本愛に開始早々の合技で敗れた。インターハイ個人戦では決勝で敬愛高校の芳田司内股で敗れた。全日本ジュニアでは決勝で芳田を大内刈で破って優勝した。この際に、将来は日本での熾烈な代表争いを避けてカナダ代表としてオリンピックを目指すと語った[3]。しかし、その後周囲の説得もあり、日本代表を目指す考えに心変わりしたという[2]

世界ジュニアでは準々決勝でカナダのカトリーヌ・ボーシュマン=ピナールに肩車の有効で敗れるが、その後敗者復活戦を勝ち上がって3位となった。団体戦では決勝のフランス戦で一本勝ちするなどチームの優勝に貢献した[10][11]

講道館杯では準決勝でコマツ宇高菜絵大外刈で敗れるが3位となった。グランドスラム・東京では準決勝で世界2位であるアメリカのマルティ・マロイから先に抑え込みで技ありを取りながら、腕挫十字固で逆転負けを喫するが、3位決定戦では世界チャンピオンであるブラジルのラファエラ・シルバから背負投で有効を取るなど優勢に試合を進めて、最後は反則勝ちを収めて3位となった[12]。12月のグランプリ・チェジュでは、決勝でルーマニアのコリーナ・カプリオリウを合技で破るなどオール一本勝ちでシニアの国際大会初優勝を飾った[13]。2014年2月のヨーロッパオープン・ローマでは決勝でシルバと対戦すると、技ありを先取しながら逆転の一本負けを喫して2位に終わった[1]

山梨学院大学に進学すると、1年の4月には体重別の初戦で国士舘大学山本杏に有効で敗れて3位だった[14]。続く全日本選手権では、3回戦でJR東日本白石のどか出足払で敗れた。体重無差別で争われるこの大会には今後出場しないという[15]。6月の優勝大会では優勝を飾った。9月の全日本ジュニアでは決勝で三井住友海上玉置桃に技ありで敗れて2位に終わった。学生体重別では3位だった。10月の世界ジュニアでは準決勝までオール一本で勝ち進むも、決勝で玉置に大外刈で一本負けを喫して2位に終わった[16][17]。団体戦では準決勝のロシア戦で一本負けするも、決勝のフランス戦では一本勝ちしてチームの優勝に貢献した[18][19]。11月の講道館杯では7位にとどまった[1]

2年になると、4月の体重別では初戦で宇高に指導2で敗れた。6月の優勝大会では全試合に勝利するなどチームの優勝に貢献した[20]。9月の全日本ジュニアでは準決勝で富士学苑高校2年の舟久保遥香内股の有効で敗れて3位だった。10月の体重別団体では準決勝で国士舘大学と対戦して山本杏を片手絞で破ると、決勝の帝京大学戦でも勝利するが、チームは敗れて2位にとどまった[21]。11月の講道館杯では準決勝でコマツの石川慈横四方固で敗れるも3位になった[22]。2年までは「途中で気持ちが切れちゃったり、試合が嫌になっちゃうことも多かった」という[7]。その一方で、高校までは大内刈を得意にしていたが、大学に入ってからは研究されてあまりかからなくなったこともあり、大外刈が得意技になった[4]

3年になると、4月の体重別では初戦で芳田に指導1で敗れた。6月の優勝大会では決勝の環太平洋大学戦で一本勝ちするなどしてチームの3連覇に貢献した[23]。10月の学生体重別では決勝で大学の1年先輩である鶴岡来雪を合技で破ったのを始め、オール一本勝ちして優勝を飾った[24]。11月の講道館杯では2回戦で龍谷大学1年の村井惟衣に有効で敗れた[25]。この敗戦を契機に、オリンピック代表を目指してカナダ国籍を選択することに決めた。「まわりから『日本で一番になって、オリンピックで勝つから意味があるんじゃない? 』って言われて一理あるな、と。でも、20代で講道館杯の2回戦で負けておいて、オリンピックなんて出られるわけないじゃないですか」。実は高校2年の時からカナダ代表の誘いがあったものの、その当時はさほど真剣に受け止めていなかった。しかし、講道館杯の半年前にカナダの女子代表コーチのサーシャ・メーメドビッチが訪ねてきて、両親を交えて面談したことで、カナダ代表でやるのもありかと心が揺れ動くようになった。また、周囲のほとんどはカナダ代表を勧めると、両親もどちらでも構わないと述べていた[7][8]。2017年3月にはより可能性があるとして、高校の時から誘われていたカナダ代表で東京オリンピック出場を目指すことが公表された[6][26]

4年の時には6月の優勝大会決勝の筑波大学戦で決勝点を挙げるなど全試合を一本勝ちしてチームの4連覇に貢献した。なお、この時点ですでにカナダ国籍の選択を済ませた[27][28]。10月の学生体重別では決勝で東海大学2年の竹内鈴を大外刈の技ありで破って2連覇を果たした[5]。続いてカナダ代表としては初となる3年ぶりの国際大会となったグランドスラム・アブダビに出場するが、初戦で世界チャンピオンであるモンゴルのドルジスレン・スミヤと対戦すると、GSに入ってから技ありを取られて敗れた[29]グランドスラム・東京では初戦でロシアのアナスタシア・コンキナに逆転の一本負けを喫した[30]。2018年2月のヨーロッパオープン・オディベーラスではオール一本勝ちで優勝して、4年3か月ぶりに国際大会で勝利することになった[31]。続くグランドスラム・パリでも決勝で芳田を合技で破るなどオール一本勝ちして優勝した[32][33]。本人は自らの特徴を、「キレ、瞬発力」のある柔道だと考えている。大学の監督である山部伸敏は、「この階級(57kg級)ではパワーがあり、下半身を刈る力も長けています」、同級生で主将の月野珠里は、「組んで投げる正統派。力が強いです」と、それぞれ指摘している[7]

2018年4月からは日本生命の所属となり、普段は日本国内で練習に取り組むことになった[6]パンナム選手権では準決勝で同僚のジェシカ・クリムカイトに反則勝ちするなどオール一本勝ちして優勝した[34]。5月のグランプリ・フフホトでは準決勝で玉置桃を大外刈で破ると、決勝でもクリムカイトを送襟絞で破るなどオール一本勝ちして優勝した[35]。7月のグランプリ・ザグレブでは初戦でロシアのナタリア・ゴロミドワに技ありを取られるも準々決勝まで全て一本勝ちすると、準決勝では三井住友海上の舟久保を合技で破った。決勝ではクリムカイトに反則勝ちして優勝を飾った[36]。8月のグランプリ・ブダペストでは準々決勝でシルバに片手絞で敗れるも、その後の3位決定戦で宇高を大内刈で破った。なお、今回準々決勝で敗れたことにより、今年に入ってから国際大会で続けてきた一本勝ちでの連勝記録が26で止まった[37]。9月の世界選手権では準決勝で芳田司に内股の技ありで敗れるも、3位決定戦でドイツのテレーザ・シュトールに合技で逆転勝ちして3位になった[38]。なお、カナダ代表になって好成績を収めることができるようになった理由を次のように語っている。「カナダのチーム内ではすごく気持ちの切り替えが早くて、負けても怒られない。次、頑張ろう! って、超プラス思考なんです。それが私の性分にウマが合ったというか。今これだけ結果が出てるのも、技術面よりも、メンタル面のほうが大きいと思います。『負けてもいい』というスタンスが、すごくやりやすい。以前は『負けたらあとがない』でした。それが『負けても次がある』となれば、必要以上に気負う必要もないし、だから、決勝に進出する確率も上がっているんだと思います」[8]。11月のグランドスラム・大阪では準々決勝で玉置に反則負けすると、その後の3位決定戦では舟久保に引込返で敗れて5位だった[39]

IJF世界ランキングは3210ポイント獲得で8位(18/12/10現在)[40]

戦績[編集]

52kg級での戦績

57kg級での戦績

(出典[1]JudoInside.com)。

テレビ出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 「柔道全日本強化選手名鑑 2016」近代柔道 ベースボールマガジン社、2016年4月号
  2. ^ a b c 「解体新書 出口クリスタ 津金恵」近代柔道 ベースボールマガジン社、2014年2月号、26-31頁
  3. ^ a b 女子57キロ級の出口がV 将来はカナダ国籍で五輪狙う スポーツニッポン 2013年9月7日
  4. ^ a b c 期待の女性柔道家! 山梨学院大学・出口クリスタさんインタビュー
  5. ^ a b カナダ国籍選択した美人柔道家の出口クリスタ、学生最後の試合制す/柔道 サンケイスポーツ 2017年10月1日
  6. ^ a b c カナダ代表で夢の大舞台へ 山梨学院、柔道女子・出口クリスタ新たな挑戦
  7. ^ a b c d 山梨学院大・新添&出口、それぞれが描く五輪への道 ~柔
  8. ^ a b c 出口クリスタは東京五輪に出たい。カナダ柔道に出会い新境地を開拓。
  9. ^ 【柔道/高校総体】女子52キロ級を制したカワイイ柔道女王は1年生の出口クリスタ 日刊スポーツ 2011年8月12日
  10. ^ 男子66キロ級決勝で橋口祐葵が竪山将を破り優勝、女子57キロ級の出口クリスタは3位…世界ジュニア選手権 時事通信 2013年10月25日
  11. ^ Junior World Championships, Ljubljana 2013
  12. ^ 出口、世界女王から反則勝ち「内心びびっていた」/柔道 サンケイスポーツ 2013年11月29日
  13. ^ 出口、山岸らが優勝=柔道グランプリ 時事通信 2013年12月5日
  14. ^ 柔道部 選手紹介
  15. ^ 期待のホープ出口クリスタは3回戦敗退 日刊スポーツ 2014年4月20日
  16. ^ 玉置が優勝=柔道世界ジュニア 時事通信 2014年10月24日
  17. ^ Junior World Championships, Fort Lauderdale 2014 DAY 2
  18. ^ 世界ジュニア 日本が男女とも団体V 産経新聞 2014年10月27日
  19. ^ Junior World Championships, Fort Lauderdale 2014 DAY 5[リンク切れ]
  20. ^ 全日本学生柔道優勝大会~山学大女子が2連覇、通算6度目の優勝~
  21. ^ 全日本学生柔道体重別団体優勝大会 最終日
  22. ^ 平成27年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 全日本柔道連盟 2015年11月8日
  23. ^ 平成28年度全日本学生柔道優勝大会~山学大女子が史上初の3連覇、通算7度目の優勝~ ~新添左季、4戦連続の1本勝ちで優勝に貢献~
  24. ^ 2016全日本学生柔道体重別選手権大会 最終日 ~女子57㎏級出口優勝、鶴岡準優勝、3位まで独占~
  25. ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  26. ^ 日本生まれの美女柔道家・出口クリスタ、カナダ代表で東京五輪目指す スポーツ報知 2017年3月12日
  27. ^ カナダ国籍の先鋒・出口が貴重な白星!山梨学院大4連覇/柔道 サンケイスポーツ 2017年6月25日
  28. ^ 平成29年度全日本学生柔道優勝大会
  29. ^ Klimkait to “Learn from her Mistakes” Following Fifth Place Finish
  30. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  31. ^ European Judo Open Odivelas 2018
  32. ^ Deguchi remporte la première médaille d’or pour le Canada au Grand Chelem de Paris
  33. ^ Grand Slam Paris 2018
  34. ^ Pan-American Senior Championships 2018
  35. ^ Grand-Prix Hohhot 2018
  36. ^ Grand-Prix Zagreb 2018
  37. ^ Grand-Prix Budapest 2018
  38. ^ 出口、カナダ代表で銅=世界柔道 時事通信 2018年9月23日
  39. ^ Grand-Slam Osaka 2018
  40. ^ World ranking list
  41. ^ ミライ☆モンスター

外部リンク[編集]