熊谷俊人

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熊谷 俊人
くまがい としひと
生年月日 (1978-02-18) 1978年2月18日(42歳)
出生地 日本の旗 日本 奈良県天理市[1]
出身校 早稲田大学政治経済学部経済学科
前職 NTTコミュニケーションズ従業員
所属政党民主党→)
無所属
称号 学士(経済学)早稲田大学2001年
公式サイト 熊谷俊人(くまがいとしひと)公式Webサイト

当選回数 3回
在任期間 2009年6月14日 - 現職

選挙区 稲毛区選挙区
当選回数 1回
在任期間 2007年5月1日[2] - 2009年5月
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熊谷 俊人(くまがい としひと、1978年昭和53年)2月18日 - )は、日本政治家千葉市長(3期)。元千葉市議会議員(1期)。

来歴[編集]

奈良県天理市生まれ。千葉県浦安市、兵庫県神戸市で育つ。小学生の時、歴史漫画や歴史シミュレーションゲームを通じて歴史に興味を抱き、中学時代は通学時間のほとんどを歴史小説の読書に費やした。その後、現代の政治に目を向け、NHK民放各局の政治討論番組を見るのが習慣になる。[3]

白陵高等学校[4]在籍時、神戸市須磨区の自宅を阪神・淡路大震災が襲う。同じ程度の揺れでも地域により被害に差があることや、被害者の生活再建、市街の建て替えや道路拡幅といった復興過程の問題を目の当たりにして、地方政治・地方行政への思いが高まる[3]

早稲田大学政治経済学部経済学科に進学。当時普及し始めたインターネットにのめりこみ、プログラミングを学び、歴史愛好家のためのウェブサイトを立ち上げ、ICTを活用した積極的な情報の受発信を行う。

2001年卒業。同年、NTTコミュニケーションズ株式会社に就職。

2006年春、社内関係者から紹介を受けた千葉1区選出衆議院議員田嶋要に会い、翌年予定されていた千葉市議会議員選挙に向けた民主党の候補者公募へ応募[3]。続いて、経営コンサルタント大前研一が創設した一新塾に入塾(第18期生)[5]。同年、民主党が実施した千葉市議会議員選挙の候補者公募に合格。

2007年の千葉市議会議員選挙に稲毛区選挙区から出馬し、トップ当選した。

千葉市長に就任[編集]

2009年4月22日、引退の意向を表明していた千葉市長の鶴岡啓一収賄容疑で逮捕された。前述の田嶋要が「市長が逮捕される事態で、市政をよく知る市議団の中から出した方がいい」と提案したことから、4月27日、党千葉市協議会は熊谷を擁立することを確認[6]。4月30日、熊谷はこの状況を踏まえた上で、更に広く市民の支持を得るため民主党を離党し、無所属として正式に出馬表明[7]

同年6月14日に行われた市長選に民主党・市民ネットワーク千葉県・新社会党の推薦を得て立候補。自民党公明党の推薦を得た事実上の鶴岡の後継候補である前副市長の林孝二郎、元千葉市議の候補者(共産党公認)らを得票数170,629(千葉市長選挙歴代最多票)で破り、千葉市長に初当選した。投票率は43.50%[8][9]

31歳5ヶ月での市長就任は、同年2月に当選した三重県松阪市長の山中光茂(当選時33歳)を抜いて現職最年少。また、政令指定都市の市長としては神奈川県横浜市長中田宏(初当選時37歳)による記録を更新した。2020年現在でも政令指定都市長の中では一番若い(次点は大阪府堺市長永藤英機)。

熊谷は歴史愛好家の観点から、他自治体で前首長と異なる背景の候補者が当選した場合、幹部人事に失敗して孤立した例が多いことに着目。市政の方針変更を掲げつつ、局長など幹部体制は変えないと言明して、千葉市役所内の動揺を抑えた[3]

2013年5月26日千葉市長選挙に出馬し[10]、得票数175,126(歴代最多票更新)で再選[11]。投票率は31.35%。

2014年ワールド・メイヤー(世界市長賞)にノミネート[12]

2017年5月28日千葉市長選挙に出馬し、得票数182,081(歴代最多票更新)で三選を果たす。投票率は29.07%[13]

2020年9月19日、翌年4月に行われる千葉県知事選挙への出馬を検討していることを明らかにした[14]

実績[編集]

  • 市債残高を8年間で600億円以上削減。将来負担比率を306.4%から208.7%へ減少させ、政令市ワースト1位を脱却した[15]
  • 「近未来技術実証特区」として2016年1月29日に国家戦略特区に指定された[16][17]
  • グローバルMICE強化都市として、外国人宿泊者数を就任前と比較して3倍以上増やした[18][19]
  • 幕張新都心活性化に取り組んだ結果、年間来訪者を2,200万人から4,820万人へ倍増させた[20]
  • 保育所の入所児童数を約5,000人増加させ、2014年~2015年度には、首都圏政令市で初めての2年連続待機児童ゼロを達成[21][22]
  • 直接配布型の敬老給付金を廃止し、認知症対策や肺炎予防ワクチンへの助成など、別の高齢者事業に予算を振替[23]
  • 年平均2件程度だった企業誘致を2012年度から2015年度まで、それぞれ19件、25件、37件、35件と大幅に増加させ、1万人以上の雇用と年12.2億円以上の税収を創出[24]
  • 可燃ごみ有料化などにより焼却ごみ3分の1削減を達成し、大都市リサイクル率も6年連続でトップに[25]
  • 千葉市移住後、加曽利貝塚を真っ先に訪れた。同貝塚は保存されていたものの、当時は市政や千葉市民の間ではあまり重視されていなかった。市長当選後に周辺を整備し、2017年に国の特別史跡指定を実現させた[3]

政策・主張[編集]

  • 改憲については、憲法第9条自衛の為の戦力は保持する事を明記した上で、集団的自衛権国際紛争解決の為の武力行使は制限し、国際機関の要請に基づき領土外において武力行使を伴う派兵を行う場合は国民の同意を得るべきと主張している[26]
  • 選択的夫婦別姓制度導入に賛成している[27]ブログにおいても、「女性にとっては結婚することによって身分証明書を始め多くの手続きが必要になるし、働いている人は会社側でも相当の作業が必要になる。女性がいる職場で働いていたことのある人間なら、常識的に考えて選択的夫婦別姓制度の導入は当たり前というか、導入していないこと自体が信じられないという考えになるのではないか」と述べている。
  • コンビニエンスストアの店舗に陳列する成人向け雑誌にカバーを掛けるよう要請[28][29]
  • 市章が、初音ミクのシルエットに似ているとネット上で話題になったことを受け、2017年8月31日の1日限定で千葉市の公式ホームページの市章初音ミクデザインにしたほか[30][31]千葉市を舞台にしたアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』がの知名度アップに貢献したとして2017年に原作ライトノベル筆者の渡航に感謝状を贈るなどして若者中心のカルチャーを一つの文化として扱う態度を表明している[32]
  • 国の改正健康増進法の内容が当初の厚労省案と比べ後退する可能性が濃厚であることを受け、2017年12月に市議会にて実効性ある千葉市独自の受動喫煙防止条例の制定に向けて検討を行う旨を表明した[33]。当初は「県全体でやるのが望ましい」との考えの下、千葉県への働きかけも行っていたが、「県にはその考えがないということだった」として、千葉市独自の条例の制定を掲げた[34]。市民アンケート・市議会からの要望書提出などを経て、2018年9月、受動喫煙防止条例を自民党市議団も含めて全会一致で制定された[33][35][36]。規制対象店舗は国の改正健康増進法基準(客席面積100㎡を超える飲食店)では8%にとどまるのに対し、この条例では66%におよぶ[37][38]
  • 2019年1月29日、同性パートナーシップ宣誓制度を開始した[39][40]LGBTに限定せず、事実婚にも適用するのは全国初[41]
  • 2020年1月7日、誘致の是非を検討していた統合型リゾート(IR)について、申請見送りを表明した[42]
  • 同年3月2日、政府が全国の小中高校に3月2日からの臨時休校を要請したのを受け、ツイッターで「全国一斉春休みまで休校…いくらなんでも…。社会が崩壊しかねません」[43]と発言し、海外メディアでも報道された[44]。同日、共働き家庭で孤立するおそれのある小学生低学年の学校での分散預かりを行うことを表明[45]。密集する学童保育ではなく、学校で分散して預かる手法は千葉市モデルとして全国に波及した[46]
  • 同年5月19日、新型コロナウイルス対策の財源に充てるため、自身と副市長の7月分給与を30%減額すると発表した。減額分計約101万円は新設する「新型コロナ医療・介護応援寄付金」に充てる[47]

人物[編集]

  • 趣味は登山詩吟、歴史[48]
  • TwitterなどのSNSを活用した情報発信を積極的に行っており、ツイッター対話会などを行っている[49]

著書[編集]

  • 『青年市長が挑む市政改革 未来視点で大転換』ぎょうせい、2012年11月16日。ISBN 978-4-3240-9590-4
  • 『公務員ってなんだ? 最年少市長が見た地方行政の真実』ワニブックスPLUS新書、2012年12月8日。ISBN 978-4-8470-6534-7
  • 『選挙ってなんだ? 最年少政令市長が提案する制度改革』ワニブックスPLUS新書、2013年7月13日。ISBN 978-4-8470-6542-2
  • 『千の葉をつなぐ幹となれ』千葉日報社製作 俊葉会販売、2020年9月1日。ISBN 978-4-600-00372-2

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57351440X20C20A3I00000
  2. ^ 今後の選挙日程”. 千葉市役所 (2019年5月25日). 2019年6月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e 【My Story】千葉市長 熊谷俊人さん/人生分け目 20分の決断『日本経済新聞』朝刊2019年6月16日22-23面(NIKKEI The STYLE / Interview)。聞き手・執筆=藤井彰夫。
  4. ^ 過去の同窓会 - 東京白陵会
  5. ^ 公用車やめモノレール出勤 31歳・新千葉市長の政治哲学J-CASTニュース 2009年6月15日付
  6. ^ 朝日新聞』2009年4月28日付朝刊、ちば首都圏、25面、「民主、熊谷市議擁立へ 次期千葉市長選 /千葉」。
  7. ^ 『朝日新聞』2009年5月1日付朝刊、4面、「熊谷氏が立候補表明 千葉市長選」。
  8. ^ 『朝日新聞』2009年6月15日付夕刊、1面、「千葉市長に31歳・熊谷俊人氏が初当選 全国最年少市長に」。
  9. ^ ザ選挙 千葉市長選挙(2009/06/14投票)結果
  10. ^ “千葉市長選告示、現職と2新人が立候補届け出”. 読売新聞. (2013年5月12日). オリジナルの2013年10月4日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20131004115339/http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20130512-OYT1T00231.htm 2013年5月12日閲覧。 
  11. ^ “千葉市長選 現職・熊谷氏が再選”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年5月26日). オリジナルの2013年5月29日時点におけるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2013-0529-0126-10/www3.nhk.or.jp/news/html/20130526/k10014855111000.html 2013年5月29日閲覧。 
  12. ^ “World Mayor 2014: Longlist in progress”. World Mayor. http://www.worldmayor.com/contest_2014/long-list-2014.html 2014年4月28日閲覧。 
  13. ^ “千葉市長選 現職の熊谷氏が3回目の当選”. NHKニュース (日本放送協会). (2017年5月28日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170528/k10010998141000.html 2017年5月30日閲覧。 
  14. ^ “千葉県知事選への出馬検討、熊谷・千葉市長”. 日本経済新聞. (2020年9月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64089920Z10C20A9000000/ 
  15. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2017.02.27 : 平成29年第1回定例会(第3日目) 本文
  16. ^ 千葉市: 国家戦略特区:これまでの経緯
  17. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2017.07.07 : 平成29年第2回定例会(第7日目) 本文
  18. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2013.10.02 : 平成25年第3回定例会(第10日目) 本文
  19. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2009.03.17 : 平成21年第1回定例会(第8日目) 本文
  20. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2016.06.22 : 平成28年第2回定例会(第7日目) 本文
  21. ^ 千葉市:こども未来局
  22. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2017.07.05 : 平成29年第2回定例会(第5日目) 本文
  23. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2015.02.24 : 平成27年予算審査特別委員会保健消防分科会 本文
  24. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 2017.03.14 : 平成29年第1回定例会(第8日目) 本文
  25. ^ 千葉市議会 会議録の検索と閲覧 - 詳細画面フレーム - 2017.06.26 : 平成29年第2回定例会(第1日目) 本文
  26. ^ 憲法映画「日本の青空」を見る”. くまがい俊人の日記 (2007年7月15日). 2013年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月28日閲覧。
  27. ^ 政権交代でようやく夫婦別姓制度が導入”. くまがい俊人の日記 (2009年9月27日). 2013年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月28日閲覧。
  28. ^ 第2回WEBアンケート(PDF:628KB) - 「地域福祉」「都市農業」「コンビニエンスストアの成人向け雑誌」
  29. ^ 2017年 | ニュースリリース | ミニストップ
  30. ^ “千葉市章、みっくみくにしてやんよ 初音ミクとコラボ:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. https://www.asahi.com/articles/ASK8V55D7K8VUDCB00F.html 2018年6月30日閲覧。 
  31. ^ INC., SANKEI DIGITAL (2017年8月31日). “千葉市HPの市章が「初音ミク」に! サイト乗っ取りではありません” (日本語). 産経ニュース. https://www.sankei.com/politics/news/170831/plt1708310022-n1.html 2018年6月30日閲覧。 
  32. ^ 俺の千葉がこんなに人気なわけが…ファンが「聖地巡礼」 - ニッカン芸能!” (日本語). webcache.googleusercontent.com. 2018年6月30日閲覧。
  33. ^ a b 2017.12.07 : 平成29年第4回定例会(第4日目) 本文”. asp.db-search.com. 2019年2月8日閲覧。
  34. ^ “【千葉市長会見抄録】飲食店7割が条例で原則禁煙に”. 産経新聞 (産業経済新聞社). (2018年7月21日). https://www.sankei.com/region/news/180721/rgn1807210024-n1.html 2018年7月22日閲覧。 
  35. ^ 2018.09.12 : 平成30年保健消防委員会 本文”. asp.db-search.com. 2019年2月8日閲覧。
  36. ^ 千葉市. “平成30年第3回定例会市長提出議案議決結果” (日本語). 千葉市. 2019年2月8日閲覧。
  37. ^ 2018.07.06 : 平成30年保健消防委員会 本文”. asp.db-search.com. 2019年2月8日閲覧。
  38. ^ 2018.09.12 : 平成30年保健消防委員会 本文”. asp.db-search.com. 2019年2月8日閲覧。
  39. ^ 千葉市:千葉市パートナーシップ宣誓制度
  40. ^ “事実婚も同性も公的「パートナー」 千葉市、制度開始へ”. 『朝日新聞』. (2019年1月7日). https://www.asahi.com/articles/ASM174T7ZM17UDCB00J.html 2019年1月29日閲覧。 
  41. ^ 千葉市でLGBTなどカップルを夫婦同様と認める制度が発足 権利の拡大はどこまで?” (日本語). ザ・リバティWeb/The Liberty Web. 2019年2月3日閲覧。
  42. ^ 寺崎省子 (2020年1月7日). “千葉市長、IR誘致見送りを表明 汚職事件の影響は否定”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASN17543FN17UDCB00H.html 2020年1月9日閲覧。 
  43. ^ 千葉市長「低学年、学校で預かる方向」 政府休校要請で:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年9月25日閲覧。
  44. ^ Rich, Motoko; Dooley, Ben; Inoue, Makiko (2020年3月18日). “Japan Shocks Parents by Moving to Close All Schools Over Coronavirus” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2020/02/27/world/asia/japan-schools-coronavirus.html 2020年9月25日閲覧。 
  45. ^ 千葉市低学年受け入れ 市原市は全学年対象 【新型肺炎】” (日本語). www.chibanippo.co.jp. 2020年10月7日閲覧。
  46. ^ 新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン:文部科学省” (日本語). 文部科学省ホームページ. 2020年10月7日閲覧。
  47. ^ “千葉市長が給与3割減 医療支援に活用”. 産経新聞. (2020年5月19日). https://www.sankei.com/life/news/200519/lif2005190033-n1.html 2020年6月3日閲覧。 
  48. ^ 公式プロフィール
  49. ^ “「ツイッターは首長向き」熊谷俊人・千葉市長が明かすネット活用術”. (2015年12月3日). http://news.nicovideo.jp/watch/nw286827 

外部リンク[編集]

公職
先代:
鶴岡啓一
千葉市旗 千葉県千葉市長
2009年 -
次代:
現職