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鳥栖市

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とすし ウィキデータを編集
鳥栖市
鳥栖市市章
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 佐賀県
市町村コード 41203-1
法人番号 3000020412031 ウィキデータを編集
面積 71.72km2
総人口 74,661[編集]
推計人口、2024年6月1日)
人口密度 1,041人/km2
隣接自治体 福岡県
久留米市小郡市筑紫野市那珂川町
佐賀県
基山町みやき町
市の木 モチノキ
市の花 ハナショウブ
市の鳥 メジロ
鳥栖市役所
市長 向門慶人
所在地 841-8511
佐賀県鳥栖市宿町1118番地
外部リンク 鳥栖市の公式サイト

鳥栖市位置図

― 市 / ― 町

ウィキプロジェクト
鳥栖ジャンクションの位置

鳥栖市(とすし)は、佐賀県の東端に位置する。人口は佐賀県3位。九州最大の交通の要衝として知られる。国道や鉄道の分岐点でもあるため物流施設の集積地であり企業の進出が盛んな市である。2011年平成23年)には九州新幹線の停車駅である新鳥栖駅が完成した。

概要

鳥栖市は交通の要衝として発展してきた市である。鳥栖市は物流拠点戦略を打ち出しており、多くの産業団地を造成している。有名な鳥栖ジャンクションがあり、交通の利便性から企業進出が相次いでおり、人口増加が顕著である。2011年(平成23年)10月にはAmazon.co.jpの九州物流拠点であるアマゾン鳥栖FCの建設が発表された。

九州の交通の要衝として価値がある事から、2004年(平成16年)には鳥栖プレミアム・アウトレット2006年(平成18年)には九州シンクロトロン光研究センターなどの大型施設が進出した。2013年(平成25年)には九州初となる九州国際重粒子線がん治療センターがオープンする予定である。

産業技術総合研究所の九州センターがあり、九州における産学官連携の中核としての機能を果している。

日本四大売薬の一つとして知られる田代売薬が栄えた土地でもある。鳥栖市に本社を置く久光製薬は田代売薬を祖とする企業である。

九州で唯一の地方競馬場である佐賀競馬場がある。

日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するサガン鳥栖のホームタウンであり、JR鳥栖駅東側にベストアメニティスタジアムがある。

住みよさランキングでも長年トップクラスに位置しており、2010年(平成22年)版(東洋経済オンライン)では九州ブロックで1位、全国総合ランキングでも4位となった[1][2]

福岡都市圏通勤通学圏に含まれ、人口の約5%が福岡都市圏へ通勤通学している。

交通の要衝

地理

筑紫平野佐賀平野)に位置し、南の境を筑後川が流れる。低地は水田に利用され、その中に市街地がある。北西部は脊振山地の東部にあたる。

隣接している自治体

歴史

古代から江戸時代まで

鳥栖の歴史は古く、ヤマト政権には既に「鳥巣(とりのす)」と読まれていた。

古文書「肥前国風土記」によると「応神天皇の御代、この地に鳥屋が置かれた」とあり、この地で様々なを飼育して献上していたことから「鳥巣」と称していたが、これが後に「鳥栖」に転化したという。

鳥屋が多かったことから、古くから養鶏の盛んな土地であった。

江戸時代

政において、現在の市域東部は対馬府中藩の飛び地で「田代領」と呼ばれ、長崎街道田代宿宿場町であった。又、鳥栖市街地には、同じく長崎街道轟木宿宿場が置かれていた。

田代宿には、対馬府中藩の米倉や代官所が設置されていた。また、朝鮮通信使の立ち寄る場所であり、応接の為の施設も備えられた。藩主の宗氏が、朝鮮との貿易で朝鮮から輸入した漢方薬の実物と知識が豊富に供給された事と、収入源を確保する目的から、領民には薬の製造を副業とする者が増え、次第に他領でも行商するようになった。江戸時代後期には日本四大売薬の一つと数えられ、九州の薬商の大半を田代産の薬が占める程であった。

明治期から第二次世界大戦まで

佐賀の乱西南戦争時に薬が不足したことをきっかけに製薬業の拡大がみられた。日清戦争期には、現在の久光製薬などが「佐世保や広島といった軍都に近い」地の利を活かして販路を拡大させている。また、江戸時代から続いた綿織物生産は生糸生産に代わり、養蚕業が盛んになった。

後述する鉄道網の整備により、大正から昭和初期にかけて製糸工場(養蚕業)や製粉工場(当時裏作として小麦を生産していた)が開業したものの、第二次世界大戦時には戦況悪化による衰退がみられた。

交通都市としての発展もみられ、鉄道網としては九州鉄道の最初の区間として博多から筑後川北岸まで開通した(現在の鹿児島本線1889年明治22年))のを始め、1891年(明治24年)には佐賀、1898年(明治31年)には長崎・佐世保方面(現在の長崎本線佐世保線大村線)までが開業し、1934年昭和9年)の久大本線全通をもって東西南北へと整備された。最盛期の1948年(昭和23年)頃には「鉄道の町」「煤煙の町」と称されるほどであった。

第二次世界大戦後

1954年昭和29年)4月には鳥栖町・田代町・麓村・基里村・旭村の2町3村が合併し鳥栖市が成立。「鉄道の町」としての機能を失いつつあったのに対し、道路網の整備が進められる(1960年(昭和35年)の国道34号改良、1972年(昭和47年)の鳥栖筑紫野道路開通、1973年(昭和48年)の鳥栖ジャンクション開通)ようになり、交通都市としての性質も変化した。

文字通り「交通都市」となった鳥栖市は、地の利を活かした企業誘致を進めたことにより、工業都市としても発展を続けた。現在[いつ?]は物流拠点としての整備も進められている。

  • 1954年昭和29年)4月1日 - 鳥栖町、田代町、基里村、麓村、旭村が対等合併して市制を施行し、鳥栖市が発足。

行政区域変遷

  • 変遷の年表
  • 変遷表

人口

鳥栖市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 47,369人
1975年(昭和50年) 50,733人
1980年(昭和55年) 54,254人
1985年(昭和60年) 55,791人
1990年(平成2年) 55,877人
1995年(平成7年) 57,414人
2000年(平成12年) 60,726人
2005年(平成17年) 64,723人
2010年(平成22年) 69,074人
2015年(平成27年) 72,902人
2020年(令和2年) 74,196人
総務省統計局 国勢調査より


行政

  • 市長:橋本康志(はしもとやすし、2007年3月15日就任)

市議会

  • 条例定数:24(現員数22)
  • 会派別議席数
    • 自民党鳥和会:6人
    • 社民党議員団:4人
    • 共産党議員団:3人
    • 政友会:2人
    • 公明党:2人
    • コスモス会:1人
    • 新世紀クラブ:1人
    • 民主クラブ:1人
    • 誠和会:1人
    • 至誠会:1人
    • 天桜会:3人

治安・防衛

警察
自衛隊

消防

国家機関

経済

交通の要衝なので、九州の主要都市へのアクセスも便利な位置にある地の利を生かして、工場の誘致が積極的に行われている。また、工場以外の流通拠点としても活用されてあり、流通業務団地には拠点の立地が相次いでいる。

工場・事業所等を置く主な企業

本社を置く企業

地域

健康

2000年平成12年)10月1日時点。

  • 平均年齢:39.9歳
    • 年少人口割合:16.2%
    • 生産年齢人口割合:67.7%
    • 老年人口割合:16.1%

教育

小学校

学校教育以外の施設

自動車教習所

交通

鳥栖駅
建設中の新鳥栖駅周辺

鉄道

九州旅客鉄道(JR九州)

バス

鳥栖ジャンクション国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

道路

高速道路
一般国道
主要地方道
一般県道

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所・旧跡

観光スポット

祭事・行事

  • とす弥生まつり(3月の最終日曜日)
  • 花の日(5月4日
  • 鳥の日(5月10日から16日までの間の日曜日)
  • まつり鳥栖(7月最終日曜日)
  • 鳥栖山笠(夏休み最初の土・日曜日)
  • 土曜夜市(7月下旬の土曜日)
  • 『九州まん祭』(2010年平成22年)は5月8,9日)

娯楽

スポーツ団体

過去存在したスポーツ団体

鳥栖市出身の有名人

市外局番

  • 0942 (久留米MA。全域)

鳥栖市の画像

その他

参考文献

  • 中村周作 「九州のクロスロードシティ - 鳥栖市」『九州 地図で読む百年』 古今書院、平岡昭利編、1997年3月、47-52頁 ISBN 4-7722-1665-0

脚注

  1. ^ 住みよさランキング2010年版(住みよさランキング総合評価)
  2. ^ 住みよさランキング2010年版(地方別ランキング(3))
  3. ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 41 佐賀県』、角川書店、1982年 ISBN 4040014103より
  4. ^ 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より

外部リンク