若松区

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わかまつく ウィキデータを編集
若松区
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 福岡県
北九州市
市町村コード 40103-0
面積 72.10km2
総人口 77,854[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度 1,080人/km2
隣接自治体
隣接行政区
北九州市戸畑区八幡西区
遠賀郡水巻町芦屋町
若松区役所
所在地 808-8510
福岡県北九州市若松区浜町一丁目1番1号
外部リンク 若松区公式ページ

若松区位置図

ウィキプロジェクト

若松区(わかまつく)は、北九州市を構成する7区の行政区の一つである。

地理

北九州市の北西部に位置し、若松半島の大半の地域を占めている。

  • 区域の東部・南部の洞海湾沿いの地域が旧来からの市街地であるが、1980年代以降、西部の高須地区が郊外型新興住宅地として開発され、それに伴い郊外型商業施設が集まる地域も形成されており、東部の高齢化および人口流出が進む中、区全体の人口比重も西側に偏る傾向がある。また2000年代以降、ひびきの・本城地区(八幡西区)にまたがる地域に北九州学術研究都市が整備され、現在も開発継続中。
  • 北側の海岸は響灘に面し、市内で唯一海水浴場がある。
  • 区域中央部には頓田第一・第二貯水池がある。
  • 北西部は、埋め立てが進んでいる北東部ともども、かつて大日本帝国軍の要塞地帯の一部として指定され、たとえ地元住民であっても一般人の立ち入りが厳しく制限されていた。そうした歴史的背景に加え、中心から離れており交通の便も悪いことから、開発が進んでおらず、漁村の色合いが濃い。しかし近年は、そのことを逆手に取った形で海の自然を生かした観光に力を入れている。
  • 地理的に風の強い地域であるため、北部のひびき灘臨海工業団地の一角には響灘風力発電所がある。その他にもひびきコンテナターミナルが整備されている。
  • 響灘上の白島(男島・女島)を区域に含む。

歴史

近現代

  • 1889年(明治22年) - 明治の大合併により、現在の区域に若松村、石峰村、洞北村、江川村の4村が誕生。全て遠賀郡に属した。同年、丸柏呉服店(後の丸柏百貨店)が創業。
  • 1890年(明治23年)5月23日 - 若松築港会社(現若築建設)が若松港を石炭積出港として築営することを目的として設立。
  • 1891年(明治24年)2月1日 - 若松村が町制施行により若松町になる。当時の人口は3,131人。
  • 1891年(明治24年)8月30日 - 筑豊興業鉄道により、若松駅直方駅間の鉄道路線開業。若松駅と二島駅設置。
  • 1898年(明治31年) - 若松町が遠賀郡石峰村の修多羅(すたら)地区を編入する。若松港開港。
  • 1899年(明治32年) - 九州で初めて家庭用電灯向け電気供給開始。
  • 1902年(明治35年) - 私立若松裁縫教習所設立。(現在の高稜高等学校。但し場所は当時と異なる)
  • 1906年(明治39年)10月1日 - 若松町と石峰村が合併(新設合併)し、新たに若松町となる。
  • 1908年(明治41年)2月15日 - 洞北(くききた)村と江川村が合併(新設合併)し、島郷村となる。
  • 1912年(明治45年) - 若松町内に、九州で2番目となる上水道設置。
  • 1914年(大正3年)4月1日 - 市制施行により、若松市になる。このとき既に福島県にも若松市があり、1955年に福島県若松市が会津若松市に改称するまで若松市が2つある状態になっていた。
  • 1920年(大正9年) - 先代若松駅舎完成。
  • 1929年(昭和4年) - 若松市営バス(現:北九州市営バス)運行開始。
  • 1930年(昭和5年)4月2日 - えびす祭りの参拝客を乗せた若戸渡船が転覆、73人が死亡する事故。
  • 1931年(昭和6年)8月1日 - 若松市が島郷村を編入する。
  • 1936年(昭和11年) - 福岡県議会で、若松と戸畑を結ぶ若戸トンネル計画の予算が可決されるも、日中戦争の影響により実現に至らず。若松駅と工場地帯間の物資輸送のための市営路面貨物電車開通。
  • 1936年(昭和11年) - 丸柏百貨店が開業
  • 1940年(昭和15年) - 前年より行われていた、洞海湾にあった「中の島」の切り取り工事終了。
  • 1954年(昭和29年) - 高塔山公園開場。
  • 1956年(昭和31年) - 遠見ケ鼻以西が玄海国定公園に指定される。
  • 1958年(昭和33年) - 高塔山公園と麓(佐藤公園)を結ぶロープウェー開通。
  • 1962年(昭和37年)9月26日 - 若戸大橋開通。これを記念し9月28日より11月25日まで若戸博覧会開催。
  • 1963年(昭和38年)
    • 2月10日 - 若松市が小倉市・八幡市・門司市・戸畑市との合併により、北九州市の一部となる。
    • 4月1日 - 北九州市が政令指定都市となり、旧若松市部分は若松区となる
  • 1965年(昭和40年) - 若松西鉄ホテル(後の若松パークホテル。既に廃業)開業。
  • 1970年(昭和45年) - 高塔山ロープウェー運休、翌年廃止。
  • 1974年(昭和49年)4月1日 - 八幡区が分区され八幡西区が誕生した際、当時若松区に属していた浅川地区を八幡西区に割譲、現在の区域となる。
  • 1975年(昭和50年) - 路面貨物電車全廃。
  • 1979年(昭和54年) - 丸柏百貨店閉店、若松井筒屋となる。
  • 1982年(昭和57年) - かつての石炭積出港時代以来続いていた若松駅での貨物取り扱いが廃止。
  • 1984年(昭和59年) - 若戸大橋の拡幅工事開始。歩道が撤廃され自動車専用橋となる。同時に若松橋台および戸畑橋台両バス停も廃止。同年、若松駅現駅舎完成。11月15日、区内初のショッピングセンターサンリブ高須店開業。
  • 1986年(昭和61年) - 第1回くきのうみ花火の祭典開催。
  • 1989年(平成元年) - 頓田貯水池近くにひびき動物ワールド開場。
  • 1990年(平成2年) - 現若松区役所庁舎竣工。若戸大橋拡幅工事完成、片側2車線化。
  • 1991年(平成3年) - 第8回全国都市緑化フェア(グリーンルネッサンス北九州'91)開催。
  • 1992年(平成4年) - 第8回全国都市緑化フェア会場跡地にグリーンパークが開園。
  • 1995年(平成7年) - 若松井筒屋閉店(現在跡地はホテルルートイン北九州若松駅東)。
  • 1997年(平成9年) - 北九州エコタウンが通商産業省(現在は経済産業省環境省による共同承認)による承認を受ける。
  • 1999年(平成11年) - 若松あじさい祭り始まる。
  • 2000年(平成12年) - 中心部再開発により、サンリブ若松、若松図書館完成。
響町・風力発電の風車群

北九州市の欄も参照。

地域

教育

北九州学術研究都市

高等学校

中学校

市立

小学校

市立
  • 北九州市立深町小学校
  • 北九州市立小石小学校
  • 北九州市立修多羅小学校
  • 北九州市立古前小学校
  • 北九州市立藤木小学校
  • 北九州市立二島小学校
  • 北九州市立花房小学校
  • 北九州市立安屋小学校
  • 北九州市立江川小学校
  • 北九州市立赤崎小学校
  • 北九州市立高須小学校
  • 北九州市立鴨生田小学校
  • 北九州市立青葉小学校
  • 北九州市立若松中央小学校

特別支援学校

  • 北九州市立小池養護学校

図書館

  • 若松図書館
  • 島郷こどもと母のとしょかん

産業

若松区に本社を置く主な企業

若松区を創業の地とする企業

  • 若築建設(登記上の本店は区内にある)
  • JST(旧服部製作所→日本鉄塔工業。現在も区内に工場有)

区内に事業所を置く主な企業

交通

鉄道

バス

  • 北九州市交通局
  • 西鉄バス北九州
    • 区内は、もともと歴史的に旧若松市交通局(現北九州市交通局)の営業エリアであったため、他の北九州市の6行政区とは事情が全く異なり、西鉄バス北九州の路線はごくわずかしかない。1993年夏以降は、大橋通りから交通局の営業エリアであるグリーンパークまで乗り入れるという異例の形を取った路線もあったが、歴史的に区内が営業エリアである交通局のほうが本数・乗客数が充実していること、マイカー、バイク、自転車の普及で乗客が減少し赤字となり、さらに西鉄グループの事業縮小の影響で2010年3月をもって廃止された(ただし、向洋中学校前までは2007年に他系統が乗り入れを開始しているため、廃止を免れている)。また、二島地区にも乗り入れていたが、こちらも同じ理由で同時期に廃止された。なお、区内に営業所は存在しない。

船舶

道路

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所・旧跡・観光スポット

  • 若戸大橋
  • 若松バンド(若松南海岸:若戸大橋から若松駅までの海岸線通に古い建物が残る。バンド=東洋の港の海岸通)・旧古河鉱業若松ビル・旧ごんぞう小屋(ごんぞう(海上で石炭運搬の本船へに積んだ石炭の積み込む荷役を行う「沖仲士」の呼称)の休憩小屋。海岸整備で撤去された明治時代の建物を復元)
  • 高塔山公園(若松あじさい祭り-6月)・高塔山展望台(若戸大橋の眺望の定番)・河童封じ地蔵尊(火野葦平の小説「石と釘」で有名に)
  • 響灘沈艦護岸(軍艦防波堤
  • 若松競艇場
  • 戸明神社(天の岩戸神話の神々を祀る社)
  • グリーンパーク・響灘緑地、頓田貯水池、玄海青年の家
岩屋海岸
  • ひびき海の公園(脇田海水浴場、脇田海釣り桟橋、フィッシャーマンズワーフ汐入の里)
  • 千畳敷(安屋、干潮時に長さ200m、幅50mに及ぶ板状の岩盤が現れる)
  • 遠見ノ鼻
  • 岩屋海岸
  • 若松ゴルフ倶楽部
  • 若松ひびき温泉(かんぽの宿北九州)
  • わかちく史料館(若築建設本店社屋内、若築建設・若松・洞海湾の歴史を展示)

祭事・催事

  • 十日えびす祭(1月9日~11日、若松恵比須神社
  • 脇之浦はだかまつり (1月10日 脇之浦漁港付近)
  • 葦平忌(1月中旬、高塔山葦平文学碑前)
  • 北九州ひびきマラソン(3月中旬、グリーンパーク周辺)
  • 春のフラワーフェスタ(3月下旬~5月上旬、グリーンパーク)
  • 若松えびす神社春季大祭(春のおえべっさん、4月2日~4日、若松恵比須神社)
  • 乙丸のほら貝祭り(4月15日、貴船神社)
  • 若松あじさい祭り(6月中旬、高塔山) 
  • 二島祇園(7月中旬、二島一帯)
  • 竹並祇園(7月中旬の土曜日~日曜日、須賀神社)
  • 岩屋祇園(7月第3日曜日、岩屋漁港付近)
  • 若松みなと祭り(7月下旬、久岐の浜広場付近)
    • 五平太ばやし競演会(本町商店街一帯)
    • 火まつり行事(高塔山)
  • くきのうみ花火の祭典(7月下旬、洞海湾・若戸大橋周辺) 
  • 小石提灯山笠(7月下旬、小石・赤崎周辺)
  • 小石観音寺四万六千日(8月9日、小石観音寺)
  • 脇田祇園 (8月16日~17日、脇田漁港付近)
  • コスモス街道(10月、国道495号
  • 秋のバラフェア(11月、グリーンパーク)
  • 若松えびす神社秋季大祭(冬のおえべっさん、12月2日~4日、若松恵比須神社)

通信・メディア

JPグループ

JP郵便局の事業所は、特に住民が多く住むエリアに偏在。過疎エリアには簡易郵便局がある。その他3事業会社の拠点は以下の通り。

電話

以下に示す市外・市内局番は総務省公開情報による。近年、通信自由化で従来のパターンが通用しなくなっている。

西日本電信電話

  • 福岡若松…(093)75x (x=1-3)、771
  • 若松小島…(093)741、742
  • 若松二島…(093)701、761、791、792

以下、エリア分類不明。若松区内にも、以下のパターンに該当する電話番号の一部が存在する。

なお参考までに、西日本電信電話における一般的な割り当てルールは以下の通り。

  • 2xy…中間市・遠賀郡
  • 3xy…門司区
  • 5xy…小倉北区
  • 7xy…若松区
  • 8xy…戸畑区

携帯電話については、NTTドコモau by KDDIソフトバンクモバイルとも区内ほとんどの地域で利用可能となっているが、山間部で繋がらない地域がある。世代交代が進められていることもあり、3G(第三世代)以降のサービスのみについてエリア拡大のため基地局整備等が進められている。

新聞

放送

テレビの電波直接受信については、皿倉山八幡テレビ・FM放送所から出される電波を受けることを基本とするが、山陰に入り電波が届かない地域をカバーするために、区内3か所に中継局が設けられている。地上デジタルテレビジョン放送の中継送信も実施。

ラジオについてはFMは八幡送信所からの放送を、AMについては響灘埋め立て地に集約された響放送所からの電波を、それぞれ受信する。AMについては、送信所が区内にあることから市内他区に比べ比較的良好に受信できる。

テレビのチャンネル(デジタル)は以下の通り。

ID 放送局名 八幡 若松 北九州小石 小竹
1 KBC九州朝日放送 31
2 NHK北九州Eテレ 42
3 NHK北九州総合 40 34 40
4 RKB毎日放送 30
5 FBS福岡放送 32
7 TVQ九州放送 27 46
8 TNCテレビ西日本 29 44

わかっぱ

わかっぱは、若松区役所が生み出した“ゆるキャラ”で、区役所が著作権を有する。

若松区に古くから伝わる河童にまつわる伝説と、近年カゴメの進出によって盛んになっているトマト栽培を広くアピールすることを狙いとする。市内はもとより市外へのアピールも積極的に行われており、区内を舞台にしたドラマを制作したNHKの“ハレピョン”とともに、NHK関係の番組やイベントを通じ九州全域の知名度を高める活動を展開している。

若松区出身の有名人

外部リンク