ブレーキとアクセルの踏み間違え事故

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ブレーキとアクセルの踏み間違え事故(ブレーキとアクセルのふみまちがえじこ)とは、自動車を運転中にブレーキをかけるため、ブレーキペダルを踏むつもりで誤ってアクセルペダルを踏んで急発進・急加速することによって生じる交通事故である。主にオートマチック車の四輪車が駐車する際に発生しやすい。

解説[編集]

日本において、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる人身事故は、2013年に6,448件発生し、死者は54人出ている[1]高齢者や運転が下手なドライバーが起こすものと思いがちだが、2013年に上記の人身事故を起こした運転手のうち20歳代は22%、70歳代が17%、60歳代が15%、30歳代・40歳代・50歳代・80歳代がそれぞれ10%前後で、20歳代が最多であり、どの世代にも大きな偏りはなく、不注意で誰にでも起こりうる事故であることが指摘されている[1]

慌てたりパニックを起こしたりすることによって起こるともいわれるが、具体的な原因は解明されていない[1]

特にクラッチペダル操作を伴う車両では、運転者の姿勢、下半身の左右位置の軸や前後位置をきっちりと決めないと、半クラッチなどの微妙な操作を使った、車の発進から停車までのコントロールが困難であり、また運転が長時間に及んだ場合でも、運転中はその姿勢を維持し続けないとコントロールが困難であるため、結果、常に身体の姿勢に対してブレーキとアクセルの位置が一定に定まり、踏み間違いが起こりづらい。

場面[編集]

立体駐車場では、車両を後退させて駐車させる際に、しばしばアクセルの踏み間違いによる暴走事故が生じる。この場合、暴走した車両が駐車場外へ転落し、車両の搭乗者のほか直下を通過中の歩行者をも巻き込む事故となることもある[2]。アメリカなどでは、ドライバー側の責任として問題となることはないが、日本の国土交通省では、駐車場からの転落を防ぐ設計などを示しており[3]、強度を高めたガードレールの配置などが進められている。

コンビニエンスストアスーパーマーケットなど、駐車場店舗が近接した場所でもしばしば踏み間違いによる事故が起きる[4]。この場合は車両が店舗に突っ込んでしまうことで、中にいる客を巻き込むことがある。強度を高めた車止めや、店舗の窓ガラスに向かわないように駐車スペースを設けるなどの対策はあるが、店舗数も多いため対策の普及率は低い。

対策[編集]

左足ブレーキ[編集]

踏み間違え事故を防ぐ方法の一つとして左足ブレーキをあげる意見があるが、モータージャーナリストの菰田潔は左足で急ブレーキを踏むと、ふつう同時に右足でもアクセルを踏み込んでしまい、その結果、制動距離が伸びて危険と述べている[5]

なお、詳細は左足ブレーキの記事にあるが、踏み間違え問題のような徐行時の左足ブレーキの使用と、レーシングカーなどにおけるそれとは、基本的に別の技術である。

クリープ現象[編集]

駐車時にはアクセルペダルを踏まず、ブレーキペダルに足をかけ、クリープ現象を利用して駐車することが事故を防ぐ対策の一つである。ただしクリープ現象を利用してブレーキ操作で車を動かしている場合、人間の脳が「車が動く=アクセルを操作している」と勘違いしてしまい、もう片方のアクセルペダルを「ブレーキだと間違えて認識」し、車を止めようとしてアクセルを踏んでしまうことがままある。このことはあまり知られていないが非常に注意が必要である。

シフト・ロック機構[編集]

1980年代後半、アメリカ合衆国ではアウディ5000(日本欧州ではアウディ・100として流通)のオートマチック車で急加速事故が多発し問題となった。これを受け1989年、アメリカ国家道路交通安全局(NHTSA)が調査を行った結果、急加速の主な原因を「ペダルの踏み間違い」と結論づけた。アウディ側は、解決策としてキックダウン(急激なアクセルを行った際に生じるシフトダウン)を自動的に抑えるシフト・ロックを設計した。同様の設計手法は、他のメーカーも採用に広がった[6]

誤発進防止装置[編集]

センサー検知方式[編集]

踏み間違い事故の大半を占める急発進事故への対策として、センサーで障害物を検知している状態で、ドライバーが必要以上にアクセルを踏んだ場合、警報と同時にエンジン出力を絞る事で急発進を防止する装置が発売されている。これらの装置は、衝突被害軽減ブレーキと一体または同一オプションパッケージとなっており、急発進以外の踏み間違い事故に対しても効果がある。2010年にスバルEyeSightで初めて市販され、2013年には衝突被害軽減ブレーキの普及と共に多くの車種に搭載されるようになった。

アクセル感知方式[編集]

自動車部品として、アクセルペダルの開度速度を感知し、低速時のアクセルの急踏込・べた踏込を検知した場合に、急ブレーキをかける・エンジンを停止するなどの機能を持った装置が発売されている。

ナルセペダル[編集]

熊本県玉名市(旧岱明町)にある鉄工所ナルセ機材有限会社(ナルセきざい)が開発したペダル。同社社長の鳴瀬益幸自身が踏み間違いによる暴走事故を起こしたのを機に開発された[7]

『本質安全』の装置として、アクセルを横押し機構にする事で間違いそのものを発生させないワンペダル方式となっている。さらに大きなブレーキペダル上で操作するため、加速中でも踏めばブレーキ操作となり、空走距離もほぼゼロで通常より短い距離で停止できる。

導入実績もまだ少なく、またナルセ機材自身も中小企業(いわば「町工場」)である関係か、価格はそれほど安価ではないが、ナルセ機材が所在する玉名市ではATワンペダル(=ナルセペダル)の整備費用に対して補助金が申請できる(2012年度。外部リンク参照)。

疑似クラッチペダル[編集]

クラッチペダルの操作が必要な車両での発生が見られないことから、クラッチペダルの無い車両でも、それに相当する位置に「感圧センサー等を内蔵したフットレスト」を装備し、原則、その感圧センサーが左足が正常な位置にある事を感知しなければ、アクセルペダルの急加速操作が作動しない機構が考えられる。

テレビ[編集]

NHK総合クローズアップ現代」の『見過ごされてきた踏み間違い事故』(2010年10月19日放送)にて踏み間違え事故を取り上げている。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]