オートマチック限定免許

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オートマチック限定免許(オートマチックげんていめんきょ)とは日本の自動車運転免許において普通自動車免許及び中型自動車免許8t車限定2007年6月2日施行の道路交通法改正までに普通自動車免許を取得した場合)と自動二輪車免許に設定されている限定条件の1つで、オートマチック車(自動変速車、以下AT)に限り運転できる免許のことである。通称「オートマ限定」「AT限定」「オートマ免許」「AT免許」。この項では以下AT限定免許と表記する。なお、同様の制度は地域・50音順にアイルランド、イギリス、エストニア、オランダ、スウェーデン、スペイン、スロベニア、ドイツ、フランス、ベルギー、ポーランドのEU加盟国とEU統一運転免許、イスラエル、トルコ、ノルウェー、フィンランド(以上EU加盟国以外のヨーロッパ)、アラブ首長国連邦、韓国、シンガポール、スリランカ、中国、ヨルダン(以上アジア)、ニュージーランド(以上オセアニア)、ドミニカ共和国(以上北中米)、南アフリカ(以上アフリカ)などにも存在する。

目次

[編集] 概要

日本国内の自動車教習所ではAT車教習をカリキュラムへ組み込んでいたが、免許取得後の一般運転においてブレーキとアクセルの踏み間違いを原因とする急発進などAT車特有の事故が見受けられるようになった。その後AT車が広く普及したことによりマニュアルトランスミッション車(以下MT)を運転する機会も減ったため、カリキュラムをAT車の運転特性へ絞ったAT限定免許の導入を図ることとなった。

1991年11月1日にAT限定が普通自動車免許を対象として創設されたことにより当該免許取得において手動変速操作の習得をする必要性がなくなった。ただし、筆記試験では限定なしの取得者と同じ問題が出題される。

2005年6月1日からは自動二輪車免許にもAT限定免許が創設され、ビッグスクーターに乗るための免許取得が比較的容易となった。ただし、単に変速機構が異なるだけの四輪車とは異なり車体構造が大きく異なるビッグスクーターを教習へ用いるため、課題走行の種類によっては操作がMT車より難しくなっているものもある。また大型自動二輪車免許で運転出来るのは「AT/MTの種類・排気量を問わず全ての二輪車」であるが、大型自動二輪AT限定免許は「ATかつ排気量が650cc以下の二輪車のみ」へ制限される[1]

大型自動車特殊自動車にAT限定免許はないが、普通自動車第二種免許にはAT限定免許が存在する。そのため、タクシーや代行の運転手であってもクラッチ操作を行えない場合もありうる(タクシー車両もATの割合が圧倒的となった)。

自動車販売店の業界団体である社団法人日本自動車販売協会連合会によれば、日本における乗用車のAT車の販売台数比率は2003年で95%である。これには運転操作がしやすいことやAT機構の改良などが大きく影響していると考えられ、一部スポーツ志向や廉価グレードの車種を除きMTの設定がない車種も多くなっている。かつては新車購入時にMT・ATの選択ができた車種でも、その後の改良でAT車のみになってしまったケースも少なくない。現在の日本において乗用車には趣味性の強い一部特殊な車種を除き、軽自動車から輸入高級車に至るまでATが設定されているので日常生活や一般的なドライブだけであればAT限定でも問題はない。レンタカーや大型小売店などの貸し出し用軽トラックもほとんどがAT化されている。また、MTが一般的である大型バス車両でも近年ATが徐々に増加している。しかし大型バスが運転できる大型免許(一種、二種含む)にはAT限定の免許はなく、基本的にMT車で教習を受けて免許を取ることになる。

AT限定免許全般に共通する特徴として、限定なし免許に比べて必要な教習時間が3時間短く料金がやや安い点が挙げられる。そのため、MT車を運転する必要がない者にとっては合理的な選択肢となる。

上記背景から普及した免許である一方、運送業や建築業などが使用する商用車は会社によってはMT車しか導入していない場合があり、限定なし免許でないと就職できない会社や業種もある。

[編集] 限定の対象

AT限定での免許取得者には、条件欄に「〜車はAT車に限る」との限定が記載された免許証が交付される。道路交通法でいう「AT車」とは、二輪を除く自動車においてはクラッチペダル、自動二輪車においてはクラッチレバーを有しない車である。[2]従って、セミATや遠心式クラッチなどの車両もAT限定免許で運転できる。近年採用車種が増えてきたデュアルクラッチトランスミッション(DCT)も運転が可能である。

指定自動車教習所での教習の途中でMT車の操作が困難でやむを得ない場合は限定なしからAT限定へ移行することもできる。反対にAT限定から限定なしへの移行はできない。AT限定から限定なしにする場合、AT免許を取得してから限定解除審査を受けなければならない。最短で4時限の教習および技能審査(教習期限3か月)を受け合格することにより限定を解除できる。ただし第一種普通自動車免許AT限定の場合、大型自動車免許・中型自動車免許・大型自動車第二種免許・中型自動車第二種免許・普通自動車第二種免許(限定なし)を取得すると第一種普通自動車免許のAT限定は解除される[3]。また非公認の教習所や届出自動車教習所の中には自前のMT教習車を用意していないなどの理由で一旦AT限定で免許を取得してからのAT限定解除しか対応していない自動車教習所もある。

なお、AT限定免許所持者であっても、原動機付自転車小型特殊自動車についてはMT車を運転可能である。これは、原動機付自転車や小型特殊自動車は「中型車」「普通車」「大型二輪」「普通二輪」に該当しない[2][4]ので、限定条件「〜車はAT車に限る」の適用を受けないためである。

[編集] オートバイ

自動二輪免許におけるAT限定免許取得者の割合が高いのは小型である。2007年の統計では小型AT限定取得者が約40%、普通AT限定所持者が5%程度、大型では1%へも満たない状態である。これは普通以上の課題走行におけるAT車両の実難易度が顕著に上がるためであり、教習所でも教習生へ限定なしでの取得を勧めることが主な要因となっている。さらに大型となると「市販の大型バイクはほぼ全車種がMTである上、どうせ取得するなら一切制限のない免許を」ということでAT免許自体の需要が少ないことへ加え、公安委員会の認可へ手間がかかるため取り扱っている教習所も少ない。小型では課題走行にスラロームがないことや、市販されている125cc以下の車種がほぼATまたはクラッチ操作のいらない手動変速のみとなっている現状からATの割合が高い。

[編集] 国際条約や日本国外の免許との関係

国際運転免許証にはAT限定に関する記載事項がなく、AT限定免許の制度自体がない国もある。

[編集] 脚注

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  1. ^ 例えばクラッチ操作を必要としないものの排気量が650ccを超えるホンダ・DN-01ヤマハ・FJR1300ASは大型自動二輪AT限定免許で運転できない。
  2. ^ a b 道路交通法施行規則第19条第4項および別表第2。免許証記載事項略語のうち、「AT車」の定義として「オートマチック・トランスミッションその他のクラッチの操作を要しない機構がとられており、クラッチの操作装置を有しない自動車等」が規定されている。
  3. ^ いずれの場合も教習時間は限定なしの場合よりAT限定のほうが長くなる。
  4. ^ 道路交通法第2条第9号、第85条第2項

[編集] 関連項目

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