コンテンツにスキップ

薬師堂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
薬師堂
各種表記
繁体字 藥師殿
簡体字 药师殿
拼音 Yàoshī Diàn
韓国語 약사전
ベトナム語 Dược Sư Điện
英文 Bhaisajyaguru Hall
テンプレートを表示
豊楽寺薬師堂 (国宝)
醍醐寺薬師堂 (国宝)
大善寺薬師堂 (国宝)

薬師堂(やくしどう)は、薬師如来を本尊とする仏堂の呼称である。

概要

[編集]

薬師如来は大乗仏教において病気平癒等の現世利益に効験のあるとして信仰されており、アジアの仏教圏の中でも特に日本で広く信仰を集めている仏であることから、日本では薬師如来を本尊とする寺院や薬師如来を祀る仏堂が各地に数多く存在する。ただし、薬師如来を本尊とする仏堂がすべて「薬師堂」と呼称されるわけではなく、寺院ごとにさまざまな名称で呼ばれている。薬師如来像を安置する堂が寺院の中心となる建物である場合は「本堂」「金堂」「根本中堂」などと呼称される場合が多い。

薬師如来を本尊とする寺院の寺号には、「薬師寺」「薬王寺」「医王寺」などのほか、「東光寺」「東明寺」のように「東」の字が付くことが多い。これは、薬師如来が東方浄瑠璃浄土に住すると信じられていることによる。また、薬師如来の詳名「薬師瑠璃光如来」にちなんで「瑠璃光寺」と号する寺院もある。

派生して、薬師如来が病気平癒の仏とされることから、製薬医療の分野でも「薬師堂」の名前が使われることがある。また、薬師堂があった場所の地名となっているところもある。

中国

[編集]

中国における薬師如来信仰は古くから存在し、『薬師瑠璃光如来本願功徳経』などの漢訳經典に基づいて広まった。その殿宇は、寺院の建築配置において、天王殿大雄宝殿に続く一殿として建てられることが多い。建築様式は中国の伝統的な寺院建築に則り、木造構造で、壮麗な屋根の装飾と鮮やかな色彩(朱や緑)が特徴である。殿内には本尊の薬師如来とともに、その脇侍である日光菩薩(にっこうぼさつ)と月光菩薩(がっこうぼさつ)、十二人の護法神将を配し、「東方三聖」を形成する。霊隠寺の薬師殿には「東方三聖」が祀られ、堂内の扁額には「普済群霊」など薬師如来の慈悲と救済の教えを表す言葉が掲げられている。

韓国

[編集]

韓国における薬師仏信仰は、7世紀中頃に始まり、8世紀に造像が盛んになった。寺院では、大雄殿大雄宝殿)の本尊として祀られる場合と、独立した薬師殿として建立される場合がある。建築様式は韓国伝統の木造建築で、自然との調和が重視され、曲線美のある屋根と丹青(タンチョン)と呼ばれる鮮やかな彩色が施される。供奉される薬師如来像は、通常、右手で与願印を結び、左手には薬壺(やっこ)を載せる姿で表される。

ベトナム

[編集]

ベトナムの薬師殿は、中国の建築様式の影響を受けつつも、地域や寺院によって多様な建築特徴が見られます。薬師如来への信仰は、人々の健康や幸福を願う素朴な気持ちが込められた、身近な存在と言えるでしょう。天姥寺はベトナム中部の古刹。1714年の拡張により、天王殿、玉皇殿、大雄宝殿、薬師殿など数十の建物が建てられた。ベトナムの薬師殿は、中国の建築様式の影響を受けつつも、地域や寺院によって多様な建築特徴が見られます。薬師如来への信仰は、人々の健康や幸福を願う素朴な気持ちが込められた、身近な存在と言えるでしょう。

日本の著名な薬師堂

[編集]

「薬師堂」は、薬師如来を本尊とする仏堂の名称であり、「薬師堂」特有の建築様式、平面形式等があるわけではない。以下に「薬師堂」を名乗る仏堂の代表的なものを挙げる。

国宝
陸奥国分寺薬師堂(重要文化財)
浄妙寺薬師堂(重要文化財)
浄土寺薬師堂(重要文化財)
重要文化財(国指定)、その他
東北
関東
中部
近畿
四国
中国

脚注

[編集]

参考文献

[編集]
  • 梓岩 編『中国名寺』黄山書社、安徽省合肥市、2012年、43–44頁。ISBN 978-7-5461-3146-7 
  • 張馭寰『図解中国佛教建築』当代中国出版社、北京市、2012年。ISBN 978-7-5154-0118-8 
  • 張馭寰『図解中国著名佛教寺院』当代中国出版社、北京市、2012年。ISBN 978-7-5154-0135-5 

関連項目

[編集]