敷居

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敷居(しきい、閾)は、障子などの建具を立て込むために開口部の下部に取り付ける、溝やレールがついた水平材。上部に取り付ける鴨居と対になっている。強度と滑りやすさが求められ、が一般的で、他にが好んで使われる。それでもすべりにくい場合は、を塗ったり、専用のシールテープを貼ったり、専用のスプレーを吹き付けることで滑りをよくすることもできる。

構造[編集]

畳と板敷きの間にあるのが敷居(実光院

真壁の和室になどの木造建具を立てる場合は、等の床上面より以下となるの一部にほぞを造る。内側から見て左側に"目違い入れ"、右側に"まちほぞさし"を造る。右側は、"横栓"を併用する。予め造った窓台の上にたわまないよう、また、仕上げとして都合のよい方法で固定する。外部に接する木造建具には、水垂れ勾配を付けた皿敷居を用いる。施工方法は、ほぼ同じで、比較的簡略化した方法でつけられることもある。雨戸などを立て込む場合は、レールや溝が一本しかない一筋敷居を用いる。

開き戸などでは、下枠(靴摺り)といい、との境界を正確に収める必要がある。専ら、床に被さる部分があるか、床のうえに施工されることが多い。バリアフリーを行った住宅や施設などでは床に直接レールや溝が付けられているか、敷居・下枠そのものがない場合もある。

歴史[編集]

古い時代の日本の家屋は、開き戸かあげ戸が一般的であり、引き戸ひいては引き戸に必要な敷居は用いられていなかった。敷居が一般化するのは、室町時代後期に個々の部屋を仕切る書院造が確立し、引き戸が用いられるようになってからであり、武家社会の浸透とともに普及した。礼儀作法において、敷居は踏んではいけないものとされているが、それほど古いものではない。元々は、敷居を保護する目的で(床下からの攻撃を防ぐため等の口実をつけて)、広まったものと考えられている[1]

その他[編集]

室内空間を隔てる境界としての要素を持ち、慣用句としてもよく用いられるが、「ハードルが高い」の意味で「敷居が高い」を用いるのは本来の用法ではないとされていた[2][3]。しかし、2018年1月に発行された広辞苑 第七版で「高級で入りにくい」という内容の記述が追加されている。

他人の住居に入ることを、「敷居をまたぐ」という使われ方をする。

出典[編集]

  1. ^ 『日本の風俗の謎』p45(樋口清之著)大和書房
  2. ^ 「敷居が高い」の意味は? - NHK放送文化研究所(2013.11.01版/2016年10月7日閲覧)
  3. ^ 平成20年度「国語に関する世論調査」の結果について” (2009年9月). 2018年12月21日閲覧。