押入れ
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押入れ(おしいれ)とは、日本の住宅における作り付けの収納空間[1]。和室において寝具・衣類・道具などを収納するための設備である。押込み(おしこみ)と呼ぶこともある[2]。押し入れや押入とも表記する。
構造
[編集]本来は寝具を格納するための空間(小部屋)であり、現代の和風住宅では一般的に奥行を半間、間口を1間の長さとしている[3](単位の間(けん)については間を参照)。表(座敷)との間は襖(ふすま)あるいは板戸の引き戸で仕切られる[3]。
また、現代では上下二段が一般的な押入れの造作である[4]。下段は押入れ箪笥を作り付けたり、プラスチック製の衣裳ケースで収納したりすることもある[4]。
- 中板(棚板)
- 中段にある上下を仕切っている板
- 前框(まえかまち)
- 手前側にある横木の部分
- 後框(うしろかまち)
- 奥側にある横木の部分
- 根太(ねだ)
- 前框と後框の間に縦方向に組み込まれている細い板。
- 留め木、押さえ板
- 中板が浮かないように押さえつける形で三方に取り付けられている細い板
短所として湿気が篭もりやすい、結露しがちな点が上げられる。これを避けるために、簀の子を敷く、除湿剤を置くなどの対策が取られる例もある。
なお、京町家では上階への階段が押入れの中に設けられている場合もある[5]。
歴史
[編集]間取りに押入れが取り入れられるようになったのは江戸時代の中期から末期であり[3]、押入れが一般化したのはさらに遅く明治時代以降のことである[3]。綿入れ布団を庶民も利用できるようになったのが、綿栽培が盛んになった江戸時代末期頃であり、貴重な寝具を格納する空間であった[3]。
本郷ふじやま公園内にある旧小岩井家住宅は江戸時代後半の建築であるが押入れがない[3]。このように押入れを設ける以前の住宅では布団は衣類などとともに納戸に格納していた[3]。
出典
[編集]- ^ 新福 祐子 (1978). “住居領域に関する考察(第3報)教材としての接客空間”. 日本家庭科教育学会誌 21 (2): 94-99. doi:10.11549/jjahee.21.2_94.
- ^ おしいれ【押(し)入れ】の意味 - goo辞書(デジタル大辞泉)
- ^ a b c d e f g 本郷ふじやま公園広報紙 ふじやまだより第189号 本郷ふじやま公園運営委員会(2018年9月15日)2025年12月2日閲覧。
- ^ a b 中里 真之 (1996). “高齢者対応の収納家具に関する研究”. 東京学芸大学紀要 48: 15-27.
- ^ 京町家のいろは 京都市(2022年)2025年12月2日閲覧。