ミニ戸建

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ミニ戸建(ミニこだて)は日本の住宅の類型。狭い土地に建てられた一戸建てのなかでも、主に建売り住宅につけられた蔑視的な呼称。ミニ戸ミニコとも言う。注文住宅を中心に好意的に見る場合は狭小住宅と言う。

ミニ戸建の厳密な定義はないが、土地面積で20坪にも満たないものが多く見られる。土地いっぱいに建物が建設されているため庭がほとんどなく、たいていの場合は1階部分が玄関・駐車スペースになっており、2階部分以上にキッチン・部屋がある。そして似たような形の建物が数戸連続して建設される。

誕生の経緯[編集]

ミニ戸建は多くの場合、もともと大きかった土地を小刻みに分割した場所に建設される。元来の所有者が資産相続に際し土地の売却によって相続税を賄うなどし、これを開発業者が買い取って、一般に不動産として販売しやすい価格にするために分割するのである。更地で販売されることもあるが、たいていはミニ戸建を建築したうえで販売する。

大きな土地を無理に分割するため、細い羊かん状や、旗竿型と呼ばれる、奥まった場所にまで無理やり接道を通す形など、合理的な設計の住居を作るには障害となる敷地形状になりがちである。また、敷地に余裕がないため、空間を最大限に利用するためには建築基準法上の斜線制限ギリギリの形状にせざるを得ず、同じ開発業者の建物が数戸並ぶと屋根がノコギリ状に並ぶなど、見た目にも窮屈な印象を醸し出す。

問題点[編集]

  • 土地の細分化は、隣地との間の何も建築できない空間を増やすため、土地を一体にして建てる集合住宅等に比して非効率な土地利用となってしまう。
  • 狭い土地に密集して立てられるため、隣家との隙間があまりない事が多い。隣家の給湯器やエアコン室外機の音、住民の話し声や生活音が聞こえることで、近隣トラブルに発展することもある。本来の戸建てのイメージを持つことには注意が必要。
  • もとの土地が広い緑地を持てたことに比べると、庭をほとんど持てないため、地域の景観形成上は退歩となる。
  • 同じ建築主により数件が並んで建つ場合、あえてそれぞれ少しずつ違う色やデザインにしている場合があるが、このことは余計に街路景観を煩雑なものに見せてしまう。
  • 生活動線が無理に上下に振り分けられるため、何をするにも階段を使わざるを得ない上、階段の傾斜が急で危険な物件が多い。
  • ミニ戸建が林立する土地は、狭い道路(4m以下)への接道や私道負担有りの場合も多いため車両の取り回しに苦労することがある。緊急自動車が進入し難く、火災の場合は密集した建物は被害を大きくする。
  • 接道部分においては分譲業者が、共有者として持分割合は小さいが一定の持分を持つことで、かかる部分の地下に購入者がライフライン等(光ファイバー等、架線を通じた上空であっても地上権を主張する)を新規に通す場合に高額の代償金(いわゆるハンコ代)を請求することが多い。

マンションと比較した際のメリット[編集]

  • マンションは住民間の調整が必要で手間取るが、戸建ては改装もペットの飼育も所有者の自由。
    • 建て替えも個人の自由であり、将来性がある(マンションは老朽化しても、区分所有法により区分所有者の5分の4以上の賛成がなければ建て替えをすることができず、資金のない区分所有者もおり、現実的には賛成を得ることが難しい)。但し、接道義務を満たしていない等、再建築不可の物件もあり、全ての戸建てが再建築可能と言う訳ではない。そういった物件の場合、買い手はなく資産価値はほぼゼロである。
  • 管理費、修繕積み立て金、駐車場代、駐輪場代など「共有部にかかる費用」の発生が無い。
  • 駐車場、ごみ集積所、玄関、郵便受けに近い。
  • 都市部においての資産価値はマンションよりも高いとされていたが、空き家問題に象徴されるように、築年数が経過している古いミニ戸建てについては、建物を解体しても敷地が狭すぎるため利用価値が低く、建物解体費用すら賄えないような物件も多い。
  • 都市部においては、資産価値に占める土地の割合が多いため、固定資産税、都市計画税が大幅に安い。