雁木造

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雁木通り(新潟県上越市高田地区)

雁木造(がんぎづくり)は、新潟県商店街などで見られる雪よけの屋根のことである。アーケードに類似している。一般に雁木と呼ばれる。秋田県青森県津軽地方にも小見世(こみせ)と呼ばれる同様のものがある[1]

概要[編集]

こみせ(青森県弘前市
糸魚川市街

新潟県内の都市において、積雪期においても通りを往来できるように開発されたもので、連なった民家や商店街の店が軒を延長して、(ひさし)を道路側に突き出すような格好で設けていることが多い。雁木の名の由来は、(ガン)が群れをなして空を飛んでいる様に似ていることから名づけられたものである[1]。従来はその名の通り木製が大半を占めたが、最近はそれ以外も出てきた。豪雪地で考案された雁木の特徴は、積雪期の道路の交通障害を回避し、積雪時においても生活路が確保できる長所がある一方で、採光性が悪いという短所がある[1]。雁木の下は公道ではなく私有地であり、その地権者は地域の共有財産だとして無償で敷地を提供して、第三者の利便のため交通利用させている[1]

新潟県上越市と青森県津軽地方のものがとくに有名で、上越市のものは江戸時代にはすでにあったと伝えられており、街道筋や商人町、職人町などの町屋が軒を連ねたところに作られで冬場の生活を確保していた[1]。同市の旧高田市地域にある雁木は、総延長が16 kmと現存する雁木の長さでは日本一である。

近年は、除雪作業の機械化により雁木の存在意義も薄れており[1]、また商店街の衰退により雁木の維持、保存もおぼつかない状態となっている例も目立つ。加えて、モータリゼーションの進行した現代においては、路肩幅を確保できず路上駐車によって通行が阻害される[2]、歩道横断時における視認性を悪化させるという負の側面もある。商店街では青森県黒石市など古い街筋の景観を守るために、まちづくりの一環としてこれらの保存、維持を進めている自治体もある。例えば上越市の場合、雁木通りの街並みを残しつつ一部の都市機能を周囲に移動し、公共交通や公共駐車場の利用を推進することで歩行者にやさしい街づくりを目指すという方向のマスタープランを策定している[3]

なお、商店街にみられるアーケードは、雁木にヒントを得て誕生したといわれる[1]

脚注[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]