ペイ・パー・ビュー
ペイ・パー・ビュー(英: pay-per-view、略:PPV)は、有料コンテンツに対する課金方法の形態であり、コンテンツに値段を付けて課金する。定額制(月額・年額など)に対するシステムである。
また、コンテンツのペイ・パー・ビューとは少々意味が異なるが、インターネット広告の広告料金システムにもペイ・パー・ビューがある。
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放送 [編集]
放送では、主に衛星放送やケーブルテレビで採用されており、番組単位での課金となる。
放送されるプログラムは、映画、音楽、アニメ、スポーツ、成人向けポルノなど多岐に渡る。転じて、アメリカ合衆国などでは文脈によってはポルノ番組を「Pay Per View」で表すことがある。
類似する課金方法として、1日単位で課金するペイ・パー・デイ (Pay Per Day, PPD) や、一連の番組群をセットにしたペイ・パー・シリーズ (Pay Per Series, PPS) がある。
アメリカ [編集]
現在、アメリカ合衆国ではペイ・パー・ビューがボクシング、UFC、プロレス、映画、コンサート等の放送で利用されており、1番組ごとに3.99ドル~59.99ドルのペイ・パー・ビュー視聴料金を支払ってテレビやパソコンで番組を視聴する。基本的にペイ・パー・ビュー放送の中でコマーシャルが流されることはない。
アメリカで最初にペイ・パー・ビューが誕生したのは1951年に電話線を使用したシステムであったが、テスト放送を行っただけで本放送の許可を得ることは出来なかった。
現在でも利用されている ケーブルを使用したシステムは1972年に誕生した、1990年に入ると衛星放送を使用したシステムもペイ・パー・ビューで利用出来るようになった。
1975年10月のモハメド・アリvsジョー・フレージャーで初めてボクシングがペイ・パー・ビューで放送され、1980年のロベルト・デュランvsシュガー・レイ・レナードではペイ・パー・ビューが10ドルで販売され、15万5千件の販売件数を記録した[1]。
1983年10月16日のテネシー大学vsアラバマ大学で初めてアメリカンフットボールがペイ・パー・ビューで放送された。
現在のような環境が定着し始めたのはIn Demand、HBO、Showtimeなどの会社が映画やコンサート、レッスルマニアやボクシングなどのスポーツイベントを生中継するようになった1980年代後半からである。
HBO PPV [編集]
ボクシングのペイ・パー・ビュー放送は、HBOがほぼ独占しており、49.95ドル~59.95ドルの価格設定で販売されている。多少のばらつきはあるが1年当たり5~7イベント程がペイ・パー・ビューで放送されており、販売件数が100万件を越える人気のイベントもあれば10万件以下のイベントもある、そのような極端な例を除けば1イベント当たりの平均販売件数は30万~40万件である。HBOはHBOの契約者向けに 通常のボクシング中継 も放送しているが、人気ボクサーになると試合がペイ・パー・ビューで放送されるようになり、より多くのファイトマネーを稼ぐことが出来るようになる。その為、ペイ・パー・ビューで試合を放送されることはボクサーにとってステータスとなっている。
HBOは2006年に11イベントで合計370万件(総額1億7700万ドル)販売。2007年までの年間最多販売記録は1999年の合計400万件(総額2億ドル)であったが、2007年に8イベントで合計480万件(総額2億5500万ドル)を販売した、(*2013年現在)2007年がボクシングのペイ・パー・ビュー年間最多販売記録となっている[2]。
1イベントでの最多販売記録は、2007年5月5日に行なわれたオスカー・デ・ラ・ホーヤvsフロイド・メイウェザー・ジュニアの240万件(総額1億3440万ドル)である。
歴代ボクサー累計販売件数、1位オスカー・デ・ラ・ホーヤが18イベントで1260万件(総額6億1000万ドル)、2位イベンダー・ホリフィールドが14イベントで1260万件(総額5億4300万ドル)、3位マイク・タイソンが12イベントで1240万件(総額5億4500万ドル)、4位フロイド・メイウェザー・ジュニアが960万件(総額5億4300万ドル)[3]。
ペイ・パー・ビューは莫大なお金を生み出す一方で、視聴者が高額なペイ・パー・ビュー視聴料金を支払える人達に限定されてしまうという問題も抱えている。HBOスポーツ社長のロス・グリーンバーグは「ペイ・パー・ビューの発展はボクシングにおける最大の経済問題だ。ペイ・パー・ビューがこのスポーツを助けているとは言えない、視聴者を限定することで、このスポーツに損害を与えている。」と述べている[4]。またHBOがペイ・パー・ビューで大きな利益を得る事はないのでHBOは積極的ではないが、プロモーターと選手達が大金を稼ぐことが出来るペイ・パー・ビュー放送を強く要求すると述べている[4]。
-1991年~2012年の主要ボクシングPPV件数-
| 開催年月日 | イベント | 販売件数 |
|---|---|---|
| 1991年4月19日 | イベンダー・ホリフィールド vs. ジョージ・フォアマン | 1,400,000[5] |
| 1991年6月28日 | マイク・タイソン vs. ドノバン・ラドック 2 | 1,250,000[6] |
| 1995年8月19日 | マイク・タイソン vs. ピーター・マクリーニー | 1,550,000[5] |
| 1996年3月16日 | マイク・タイソン vs. フランク・ブルーノ 2 | 1,370,000[5] |
| 1996年11月9日 | マイク・タイソン vs. イベンダー・ホリフィールド 1 | 1,590,000[5] |
| 1997年4月12日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. パーネル・ウィテカー | 720,000[3] |
| 1997年6月28日 | マイク・タイソン vs. イベンダー・ホリフィールド 2 | 1,990,000[5] |
| 1999年3月13日 | イベンダー・ホリフィールド vs. レノックス・ルイス 1 | 1,200,000[6] |
| 1999年9月18日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. フェリックス・トリニダード | 1,400,000[5] |
| 1999年11月13日 | イベンダー・ホリフィールド vs. レノックス・ルイス 2 | 850,000 |
| 2002年6月8日 | マイク・タイソン vs. レノックス・ルイス | 1,970,000[5] |
| 2002年9月14日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. フェルナンド・バルガス | 935,000[3] |
| 2003年9月13日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. シェーン・モズリー 2 | 950,000[3] |
| 2004年9月18日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. バーナード・ホプキンス | 1,000,000[3] |
| 2006年5月6日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. リカルド・マヨルガ | 925,000[7] |
| 2007年5月5日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. フロイド・メイウェザー・ジュニア | 2,500,000[5] |
| 2007年12月8日 | フロイド・メイウェザー・ジュニア vs. リッキー・ハットン | 920,000[8] |
| 2008年12月6日 | オスカー・デ・ラ・ホーヤ vs. マニー・パッキャオ | 1,250,000[5] |
| 2009年5月2日 | マニー・パッキャオ vs. リッキー・ハットン | 850,000 |
| 2009年9月19日 | フロイド・メイウェザー・ジュニア vs. ファン・マヌエル・マルケス | 1,100,000[9] |
| 2009年11月14日 | マニー・パッキャオ vs. ミゲール・コット | 1,250,000[9] |
| 2010年3月13日 | マニー・パッキャオ vs. ジョシュア・クロッティ | 700,000[10] |
| 2010年5月1日 | フロイド・メイウェザー・ジュニア vs. シェーン・モズリー | 1,400,000[5] |
| 2010年11月13日 | マニー・パッキャオ vs. アントニオ・マルガリート | 1,150,000[11] |
| 2011年5月7日 | マニー・パッキャオ vs. シェーン・モズリー | 1,250,000[5] |
| 2011年9月17日 | フロイド・メイウェザー・ジュニア vs. ビクター・オルティス | 1,250,000[12] |
| 2011年11月13日 | マニー・パッキャオ vs. ファン・マヌエル・マルケス 3 | 1,300,000[13] |
| 2012年5月5日 | フロイド・メイウェザー・ジュニア vs. ミゲール・コット | 1,500,000[14] |
| 2012年6月9日 | マニー・パッキャオ vs. ティモシー・ブラッドリー | 700,000[15] |
| 2012年12月8日 | マニー・パッキャオ vs. ファン・マヌエル・マルケス 4 | 1,150,000[16] |
UFC [編集]
UFCがペイ・パー・ビューに参入したのは比較的遅かったが、2006年に10イベントで522万件(総額2億2300万ドル)を販売、年間売上でWWEに肩を並べ、ボクシングを上回った。2007年は11イベントで493万件、2009年は13イベントで775万件を販売している。(*2013年現在)UFCの年間最多販売記録は16イベントで914万件(4億1100万ドル)を販売した2010年である[17]。ペイ・パー・ビュー業界の専門家は「UFCはペイ・パー・ビュー業界を生き返らせた」と語っている[18]。近年はUFCとWWEとボクシングの3つでペイ・パー・ビューの全体総売上げの大半を占めている。
-2012年7月現在のUFCペイ・パー・ビュー販売件数ベスト20-
日本 [編集]
歴史 [編集]
日本では、長くケーブルテレビでのペイ・パー・ビューは行なわれず、1996年に東経128度CSデジタル放送のパーフェクTV!(後の東経124・128度CSデジタル放送のスカパー!プレミアムサービス)開局に伴いペイ・パー・ビュー放送が始まった。続けて、1997年に開局したCS放送のディレクTV(2000年に閉局)もペイ・パー・ビューを行った。こうしてケーブルテレビが主流のアメリカ合衆国とは異なり、日本では衛星放送が主導する形で行なわれている。
ケーブルテレビでペイ・パー・ビュー放送が行なわれるようになったのは放送のデジタル化に伴ってであり、2004年4月になって、J:COMがデジタル放送サービスの一つとして始めた[19]。
日本での販売件数の記録は、2002年8月に行なわれた格闘技イベントDynamite!の約10万件と言われる。[20]
現状 [編集]
スカパー!プレミアムサービスの場合、通常は1ヶ月単位で視聴料金を支払うが、ペイ・パー・ビュー(以下、PPVと略す)の場合は番組単位で料金を支払う。PPVの視聴情報はチューナーに蓄積され、そこに接続したインターネット回線あるいは電話回線を通して定期的にスカパーJSATへ送られ、その情報を基に加入者へ料金を請求する。[21]J:COMデジタル(デジタルケーブルテレビ)の場合には、チューナー内蔵のケーブルモデムにより視聴情報が送信される。
なお、東経110度BS・CSデジタル放送では当初WOWOWが193chの「WOWOW3」で行っていたが、現在は行われていない。また、スカパー!ではPPVを行わない方針である(格闘技など一部コンテンツのPPSのみスカチャンで実施。かつてプラット・ワンにはCS-WOWOWのPPVチャンネル「WOWOW PPV」が存在した。)。
2007年9月より株式会社アクトビラ(旧社名・テレビポータルサービス。2007年9月1日より現社名)が動画コンテンツの配信サービスを開始しており、その中でペイ・パー・ビュー方式の動画配信サービスである、アクトビラ ビデオとアクトビラ ビデオフルを提供している。
その他にもヴィジョネア株式会社がペイ・パー・ビュー方式のDVDメディアである、PPV-DVDを提供している。
主なメディアとチャンネル [編集]
- 日本で実施中のペイ・パー・ビュー放送媒体
- ペイ・パー・ビュー番組の多いチャンネル
- スカチャン - パーフェクト チョイス - パワープラッツ ほか
ウェブサイト [編集]
ウェブサイトでは主に、学術雑誌の電子ジャーナルで、購読制と併用して採用されている。
購読すれば紙の雑誌を買った場合のように雑誌全体を読めるのに対し、ペイ・パー・ビューでは論文1編ごとの課金となる。専門の研究者の場合は所属機関(大学・企業など)が購読しているので、ペイ・パー・ビューは、専門外の論文を読みたい場合や、在野の研究者が使うことになる。
インターネット広告 [編集]
ペイ・パー・ビュー広告では、広告が閲覧されるごとに広告料が発生する。コンテンツのペイ・パー・ビューと違い、ペイの主体(広告主)とビューの主体(広告閲覧者)は異なる。
ペイ・パー・ビュー以外の料金システムには、閲覧されるだけでなく広告がクリックされないと広告料が発生しないペイ・パー・クリック、購入が必要なアフィリエイトなどがある。ペイ・パー・ビューはこれらより広告効果が不確かなため、廃れつつある。
脚注 [編集]
- ^ Steve Seepersaud. “Money in Boxing: The Pay-Per-View Craze”. Ca.askmen.com. 2013年3月17日閲覧。
- ^ “Mayweather-Hatton pay-per-view a smashing success”. Sports.espn.go.com (2007年12月17日). 2013年3月17日閲覧。
- ^ a b c d e “Top Pay Per View Events in Boxing History”. About.com Guide. 2013年3月17日閲覧。
- ^ a b The Boxing Scene By Thomas Hauser
- ^ a b c d e f g h i j k Emen, Jake (2011年10月30日). “Biggest boxing PPVs of all time – UFC”. Sports.yahoo.com. 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b Top 12 Pay Per View PPV Buys in Boxing of All-Time, pacquiaovideo.com, 20 November 2009.
- ^ “Ricardo Mayorga vs. Oscar De La Hoya – Boxrec Boxing Encyclopaedia”. Boxrec.com. 2011年11月3日閲覧。
- ^ “Floyd Mayweather Jr.-Shane Mosley fight does 1.4 million pay-per-view buys”. Latimesblogs.latimes.com (2010年5月11日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b Administrator. "MMA vs. Boxing, By the Numbers", MMA News Leak, 7 May 2010.
- ^ “Manny Pacquiao-Joshua Clottey fight nets 700,000 PPV buys”. Sports.espn.go.com (2010年3月23日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “Manny Pacquiao generates another 1 million PPV buys”. Sports.espn.go.com (2010年11月23日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “The Numbers Are In! Mayweather-Ortiz Is Second Highest Grossing Non-Heavyweight Fight”. Fighthype.com (2011年10月28日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “Pacquiao's fight draws 1.4M buys”. mb.com.ph (2011年12月13日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “Floyd Mayweather-Miguel Cotto rakes in $94M in PPV sales”. Espn.go.com. 2012年5月13日閲覧。
- ^ “Pacquiao-Bradley drew only 700,000 buys”. boxingnews24.com. 2012年8月11日閲覧。
- ^ “Pacquiao-Marquez IV exceeds 1 millions buys”. espn.go.com. 2012-15-12閲覧。
- ^ “Another record year for UFC on PPV”. Yahoo.Sports.com (2011年1月11日). 2013年3月18日閲覧。
- ^ “Extreme fight on for pay-per-view crown”. Associated Press (2007年2月28日). 2013年3月18日閲覧。
- ^ J-COM、デジタル放送サービスで新チャンネルやPPV機能を追加
- ^ 布施鋼治「あの経営者たちが狙う、格闘技の四角いリング」『Number Web』
- ^ 事前に電話でカスタマーサービスに申し込んで、購入することが出来るプログラムもある。