ばんえい競走
ばんえい競走(ばんえいきょうそう)とは、競走馬がそりを曳きながら力と速さを争う競馬の競走である。
現在、公営競技(地方競馬)としては北海道帯広市が主催する「ばんえい競馬」のみが行われており、本項目では主に地方競馬としての「ばんえい競馬」について記述する。
漢字の表記は「輓曳」となるが、「輓」「曳」がいずれも常用漢字に含まれていないため、通常はひらがな表記になっている。
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[編集] 概要
世界で唯一、北海道でのみ行われている形態の競馬である。一般の平地競走で使われているサラブレッド系種などの「軽種馬」は使わず、古くから主に農耕馬として利用されてきた体重約800-1200kg前後の「ばんえい馬」(重種馬)が、騎手と重量物を積んだ鉄製のそりを曳き、2箇所の障害が設置された直線200mのセパレートコースで走力と持久力を競う。
帯広市が主催する地方競馬としての「ばんえい競馬」のほか、一部地域では「草ばんば」(後述)も行われるなど北海道が生み出した独自の馬文化として定着しており、それらを含めた「北海道の馬文化」が北海道遺産に選定されたほか、映画「雪に願うこと」やドラマ「大地のファンファーレ」(NHK札幌放送局制作、2012年放送予定[1])など、映画やドラマの題材にも幾度か取り上げられている。岩見沢市のカントリーサインにも、ばんえい競馬をモチーフとしたデザインが採用されている。
[編集] 公営競技としてのばんえい競走
ばんえい競馬も地方競馬の一つであるが、使用する競走馬の品種や競走の性質が全く異なるため、平地競走と障害競走で行われている中央競馬や他の地方競馬、また外国競馬との人馬交流競走は行われていない。また、地方競馬全国協会(NAR)による競走馬の表彰などについても、平地とは別枠で『ばんえい最優秀馬』の部門が設けられている。ただし、NARが集計する地方競馬の全国リーディングジョッキーランキングでは、平地の騎手と混合して勝利数や賞金が集計されているほか、年度代表馬については平地の馬と同様に選出される可能性がある。
競走での人馬交流はないものの、ばんえい競馬の所属騎手がばんえい競馬のPR活動を行う為、業務として平地競走の競馬場に赴き、現役のばんえい競走馬と競走で使用されるそりを運び込み、ダートコースなどを使用してデモンストレーションの競走を行う場合がある。このような模擬競走は1973年に大井競馬場で初開催され、その後も1978年に宇都宮競馬場(現在は廃止)で、1983年には水沢競馬場で開催。近年では1991年に船橋競馬場で開催されたほか、2001年にはフランスで、2008年には川崎競馬場で実施された。また2006年5月20日・21日には、高島屋新宿店前と大井競馬場に現役のばんえい競走馬を登場させて大規模なPR活動を行った。
また、2007年からJRA所属騎手との交流イベントとして「JRAジョッキーDay」を開催している。JRAの現役騎手が帯広競馬場に来場しトークショーなどのイベントを行うほか、ばんえい所属騎手とペアを組んでのエキシビションレースも行っている。詳細は当該記事を参照。
2007年度からは「馬の一発逆転ライブショー・ばんえい十勝」をキャッチフレーズとして、全日程を帯広競馬場で開催している。あわせて、夏季としては初めての本格的なナイター競走「ばんえい十勝ナイトレース」も開始した。ナイトレース期間中は各競走の発走時刻を3時間程度繰り下げ[2]、日没前後からは走路沿いに新設したイルミネーションも点灯させてナイター気分を盛り上げている。なお、クリスマスから年末にかけての一部開催日は「プチナイター」として、最終競走の発走時刻を1時間程度繰り下げた薄暮開催とする場合もある[3]。
2011年度は4月16日に開幕し、2012年3月26日まで26回・153日間の開催を予定している。「ばんえい十勝ナイトレース」は6月18日から10月10日まで51日間開催[4]。
帯広競馬場には馬場にヒーティング設備が施され、冬季でも馬場が凍結することなく競走が行えるようになった。これにより、従来は11月で終了していた開催期間を徐々に延長してきたが、2005年度からは長期の休催期間を設けない事実上の通年開催[5]を、北海道の公営競技では唯一実施している。
通常、ばんえい競馬は昼間開催・ナイター開催ともに土曜から月曜、ホッカイドウ競馬は昼間開催・ナイター開催ともに火曜から木曜に開催するローテーションが組まれており、一部を除いて両者の開催日程が重なることがないため、道内では多くの場外発売所で両者の相互場外発売が行われている。詳細は後述。
[編集] 新馬券の導入
[編集] 存廃についての動き
2006年度までは帯広競馬場のほか、北見競馬場・岩見沢競馬場・旭川競馬場の4箇所を巡回して開催していた。1997年までは北見を除く3場で平地競走(ホッカイドウ競馬)が併催されていたが、1998年以降は旭川のみがばんえい・平地の併催となっていた。
2006年度は史上初めて帯広で開幕し、上記4場で順次開催されたが、売上の減少による累積赤字の増大から旭川市・北見市・岩見沢市が2006年度限りでの撤退を表明、残る帯広市も負担が大きすぎるとして単独での開催継続に難色を示したことから、ばんえい競馬の廃止が濃厚と見られていたが、ファンらの嘆願や寄付の申し出に加え、2006年12月13日にはソフトバンク子会社のソフトバンク・プレイヤーズが帯広市の単独開催に対する支援を申し出たことから、2007年度より帯広市が単独で開催を継続することが決定した[7]。
これに伴い、2007年2月1日に一部業務を受託する運営会社「オッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社」が設立された。また、帯広市はファンなど個人・法人からの寄付もあわせて受け付けることとした。
2007年度は黒字を計上したが、2008年度の総売上は約115.5億円で前年より約10%余り減少し、当初予算比も97.2%となったほか、入場者数も前年より約6万人減少した(出典)。運営安定化の基金も使い果たし、存続は正念場を迎えていく。
2009年度の総売上は約107.3億円で前年比約7%減となった。総入場者も約20万人で、前年割れが続いている(出典)。
2010年度も開催を継続しているが、支援しているオッズパークでは年度途中の撤退もありえるとしていた。しかし、2011年度の開催について12月15日に帯広市と大筋で合意し、今後5年間程度の中間戦略についても両者が協議することで一致し[8]、2011年1月28日には開催日程を発表している[9]。2010年度の売上は約105.8億円で[10]売上の下げ止まり傾向は見えている。しかし情勢は引き続き予断を許さない。
総売上は前年割れである一方で勝馬投票券の方は電話投票やインターネット投票が大きく伸びており、前述の重勝式馬券導入や道外での場外発売の拡充、2011年8月より三連勝単式・三連勝複式馬券を導入[11]したほか、2010年に完成した競馬場内の商業施設「とかちむら」の運営により入場者数は上向きに転じており、存続に向けた努力が続いている。
苦しい経営状況を反映して賞金は減額され、全国でも最低の水準になっている[12]。
[編集] 草競馬・祭典競馬としてのばんえい競走
北海道や東北地方の一部地域では、主に地域の祭典などで「輓馬競技(ばんばきょうぎ)」が開催されている(「輓馬大会」「馬力大会」とも呼ばれる)。これらは「輓曳(ばんえい)[13]」「輓馬(ばんば)」と略されることも多い。重量物を積載したそりを曳く競走形態は、公営競技とほぼ同様である。
輓馬(ひきうま、ばんば)と呼ばれる競走馬の操縦方式には、そりに乗った騎手1人で操る方式と、そりに乗った騎手と競走馬の口を引く伴走者(助手)の2人で操る方式がある。
また、複数の人間がチームを組んで自らそりを曳く「人間ばん馬」も存在し、特に置戸町の大会は北海道名物としてメディア等で紹介されている。
[編集] 公営競技を開催する競馬場
[編集] 過去に公営競技を開催していた競馬場
- 岩見沢競馬場:1947年-2006年まで開催。2006年休止。
- 旭川競馬場:1947年-2006年まで開催。2008年休止。
- 北見競馬場:1953年-2006年まで開催。2006年開催休止、2009年6月で場外発売も終了。
[編集] 歴史
ばんえい競馬の由来は、北海道開拓期に余興や催事として行われた、木材を運び出していた馬の力比べに起源を持つ。当初は2頭の馬に丸太を結びつけ、互いに引っ張りあっていたという。
明治時代末期頃から荷物を載せたソリを引かせる現行の競走方式が登場したとされ、確認できる最古の競走は、1915年(大正4年)9月16日の函館区外で行われた十郡畜産共進会の余興として「挽馬実力競争」が、競馬場内の広場に長さ40間(約73m)の平坦コースを用いて、雪ゾリに一俵16貫(60kg)の土俵(つちだわら)を3-14俵集め、重しとして競走を行っている[14]。その後も大正時代末期に亀田八幡宮(渡島国亀田郡亀田村)の境内や五稜郭公園の敷地内で行われたのをはじめ、全道各地で行われている。
[編集] 公営競技としての歴史
太平洋戦争後の1946年、地方競馬法施行規則第9条により、競走の種類は駈歩(平地競走)、速歩(速歩競走)、障害(障害競走)、輓曳(ばんえい競走)の4種類と定められたこと[15]を受け、ばんえい競走が公式競技となった。ばんえい競走の採用には、徴用された軍馬が戦争で戻ってこなかったこと、また当時の食料不足もあり、馬の増産が急務であった理由が挙げられる[14]。
翌1947年10月16日には北海道馬匹組合連合会(馬連)によるばんえい競走が旭川競馬場において実施された。公式競技として初のばんえい競走であった[14]。
1948年の新競馬法により、地方競馬は都道府県もしくは競馬場の存在する市区町村が運営する公営に限られることとなり、同年は前年の興行不振もあって休催したが、1949年から道営競馬(現・ホッカイドウ競馬)により旭川と帯広で再開された。道営は当初、ばんえい競走の他に平地競走、速歩競走も行っていたが道営でのばんえい競走は1966年に廃止された。
平行して、競馬場を設置していた旭川市・岩見沢市・帯広市・北見市による市営競馬が1953年に発足。市営も当初は平地とばんえいを行っていたが、1962年にばんえい競走のみに一本化した。こうして1966年以降は道営競馬が平地競走、市営競馬がばんえい競走のみを開催する現在の開催形態となっている。
市営競馬は当初、4市が所在する各競馬場において個別に開催していたが、1968年に「北海道市営競馬協議会」が発足、1989年には一部事務組合として改組された「北海道市営競馬組合」が開催を引き継いだが、2007年に帯広を除く3市が撤退したため組合は解散し、現在は前述の通り帯広市による単独開催となっている。
かつては青森競馬場でもばんえい競走が平地競走と並行して行われていたが、1951年に青森競馬場が廃止されたため、北海道外での公営競技によるばんえい競走はわずか4年と短命に終わった。
かつてのばんえい走路はU字型(馬蹄型)のオープンコースで行われ、最大出走可能頭数(フルゲート)も現在に比べ多かった。1963年に旭川が現在の直線セパレートコースを導入すると、5年後に岩見沢・帯広・北見も追従している。また障害もかつては3つあったが、1974年より現在の2つになった。
[編集] ばんえい競走馬の歴史
当初は軍馬として取引され馬産の中心であった中間種のアングロノルマン(アノ)や、産業馬としての需要が強かった重種馬のペルシュロン(ペル)が多く用いられた。戦後の馬産復興期にフランスからブルトン(ブル)が導入され、その中でも種牡馬グウラントンとペルシュロン繁殖牝馬の産駒が非常に優秀であったことから、戦後のアングロノルマンの衰退とともに、ペルシュロンとブルトンの混血が進んだ。
戦後、復興から高度成長期にかけてモータリゼーションの進展とともに産業馬としての需要がなくなり、生産頭数は激減した。1974年、橋本善吉[16]によってアメリカ合衆国から初めてベルジャン(ベルジ)のマルゼンストロングホースが日本に輸入される。同年に輸入され、やはりばんえいの大種牡馬となったベルジャン種牡馬ジアンデュマレイと共に、産駒は従来のペルシュロン種・ブルトン種よりもはるかに大型でかつ軽快な脚捌きをみせ、さらに産駒の仕上がりが早く大活躍したことからさらに混血が進む。
現在は「半血」と称される前記3種の異種混血馬やそれらと在来種の混血馬が大半を占めており、純血種の馬はごくわずかになっている。[17]また、便宜上ばんえい競走に使用する馬を総称して「ばんえい種」と呼称することがある。
[編集] ばんえい種
- ペルシュロン
- ブルトン
- ベルジャン
- 半血種(上記3品種の純血種同士の混血)
- 日本輓系種(半血・あるいはそれ以外の種との混血。かつては半血と表記していたが、2003年以降の生産馬はこう呼ぶことになった)
[編集] 農用(輓系)馬の生産
農用(輓系)馬の生産は1955年以後、トラックや耕耘機などの普及に伴い飼育頭数が激減したが、食用(いわゆる桜肉)の需要が堅調に推移したことにより、生産頭数は1983年(7399頭)・1994年(8097頭)にピークとなったが、近年は生産頭数が大幅に減少し、2004年は3163頭まで落ち込んでいる。
地域別の分布をみると、2005年度の生産頭数2655頭のうち、十勝管内で761頭(28%)、釧路管内で652頭(25%)、根室管内で300頭(11%)と、酪農の盛んな道東の太平洋側で6割半ばが生産されている。次いで網走管内184頭、上川管内139頭、檜山管内111頭などの順になっている。北海道以外では岩手県の81頭、熊本県の70頭などが多く、桜肉の飼養・生産が盛んな九州での生産頭数は、すべてを合わせても104頭にとどまる。
生産農家の形態は、おおまかに分類すると以下の3通りに分けられる。
- 1頭飼養農家
- 酪農専業農家が1頭だけ農用馬を飼養する形態である。機械化以前はどの農家でも運搬と農耕の手段として馬を飼養していたため、その名残から1頭飼養する農家は非常に多い。これは、乳牛に比べて農用馬に掛かる手間が非常に少なく、かつ乳牛に与えるに耐えない品質となって収穫できない繊維質の多い2番草を与えても問題ないことから牧草地を有効に活用でき、さらに乳牛に比べて取引価格が非常に高く現金化の道が早い、などの利点があるためである。これらの馬はばんえい競馬の競走馬を目指して生産されることはなく、1歳市場での売却を目的に生産されており、馬産農家からよほどの評価を受けない限り、当歳秋市場または1歳市場に出される。
- 第2種兼業的飼養農家
- 酪農を中心としながら数頭の繁殖牝馬を飼養し、ばんえい競馬の競走馬生産を目論みながら生産しているが、競走馬生産のための大きなリスクを取ることはほとんどない。
- 専業または第1種兼業的飼養農家
- ばんえい競馬の競走馬生産を主目的に農用馬を生産しており、手間の掛かる酪農を兼業する農家はほとんどない。
社団法人日本馬事協会の資料によると、2004年の生産馬3163頭のうち、戦前の日本三大市場(釧路大楽毛・根室厚床・十勝帯広)の流れをくむ十勝・釧路・根室管内で、当歳市場662頭、1歳市場990頭の取引が成立した。2006年に馬名登録された2歳馬は430頭である。なお、この統計上に現れない馬の多くは、十勝・釧路・根室管内以外の生産馬か、あるいは自家生産した牝馬をそのまま繁殖牝馬として飼養しているケースのいずれかと考えられる。
農用(輓系)馬生産農家のお祭りとして行われる「草ばんば」には、繁殖に入った自家飼養馬のほか、現役の競走馬や、競走馬を目指す1歳馬も多数集まる。1歳馬が草ばんばに大挙出走するのは競走能力を見極めるシステムが少ないためで、軽種馬ではみられない特徴でもある。
草ばんばでの負担重量はおおむね330-350キロ。各地の草ばんばで優秀な成績を収めた1歳馬は、毎年10月中旬にばんえい競馬の競馬場で行われる「祭典ばんば1歳馬決勝大会」に出走し、ここでの成績が大きな参考資料となることから、競走馬としてデビューする前に大がかりに能力を判定できるシステムとして機能している。
[編集] デビューから引退まで(公営競技)
デビュー前の2歳新馬や、デビュー後も成績が不振な馬には「能力検査(能検・専門紙では能試とも呼ばれる)」が義務付けられ、これに合格しなければレースに出走できない。とくに新馬の能検は約1/6の馬しか合格できない狭き門で、見守る生産者や馬主の視線も熱を帯びたものとなる。なお、不合格馬は各地で観光馬車を曳いたり農耕馬として転出する場合もあるが、多くは食肉用に転用される。
現役の競走馬であっても草競馬などのイベントでレースに出走する場合がある[19][20]。
競走成績が優秀だった馬には、引退後も種雄馬(平地競馬での種牡馬にあたる)への道が開かれる。
[編集] 公営競技の馬名登録
ばんえい馬の馬名には、現役の平地競走馬や過去に平地で登録されていた馬名と同名の馬が時折みられる。これは平地と全く形態が異なる競馬であり、馬の種類も異なるため血統上の混乱を招きにくいことから認められている。
[編集] 公営競技のレースと勝敗
ばんえい競馬は、途中に2つの障害を設けた直線200mのセパレートコースを使用し、フルゲート10頭で争われる。各馬が最初に越える低い山を「第1障害(または1障害)」、次に越える高い山を「第2障害(または2障害)」と呼んでいる。障害の大きさなど詳細は帯広競馬場の記事を参照。
平地競走などにみられるハロン棒は設置されていないが、ゴール前30m地点から10m地点まで10m間隔で標識を設置している。
セパレートコースで争われるため、他馬への進路妨害などで審議となるケースも少ないが、レースに不慣れな2歳馬の競走では極めて稀に発生することがある。
ゴールインはそりの最後端が決勝線を通過した時点で認められる。これはばんえい競馬が元来「荷物を運びきる荷役作業」に由来していることと、決勝線上で馬が止まってしまうことがあり、鼻先では決勝判定が難しい場合があるためである。
上記のとおり、鼻先(先端)で勝敗を決める平地競走や障害競走、及び他種公営競技(競輪・競艇・オートレース)とは異なり審判の決勝判定も難しく、かつては肉眼のみで決勝判定を行っていたことから審判に関するトラブルが絶えなかったが、その後写真判定やVTRを導入したことで判定の正確さは飛躍的に向上した。決勝判定写真は平地競走などと同様にスリットカメラ方式を採用しているが、決勝線上で馬が立ち止まったりすると、馬の胴が異様に長く伸びて写る場合がある。
運びきったそりはレース後、コース脇のトロッコに載せられてスタート位置まで戻される。
成績は1着から最下位まですべて走破タイムのみで発表され、平地競走のような着差は表示されない[21]ほか、レコードタイム制度も設けられていない。
[編集] タイムオーバー
以下の条件に該当する馬は基準タイム超過(タイムオーバー)となり、当該レースは失格となる。
- 重賞・特別競走
- スタートから10分(3位入線馬が7分以内に入線した場合は3位入線から3分)を超えて入線した場合
- 一般競走
- スタートから8分(3位入線馬が6分以内に入線した場合は3位入線から2分)を超えて入線した場合
[編集] 見どころ(公営競技)
ばんえい競馬の一番の見せ場はレース中盤から後半にかかる第2障害である。この第2障害の越え方がレース戦略上最も重要となる。
各馬ともスタート直後はそりを曳いたままキャンターで飛び出し、第1障害-第2障害間と第2障害の手前では一旦脚を止める。多くは馬の息を整えて第2障害を一気に越えるが、馬場が極端に軽い場合はスタートから止まらず一気に第2障害まで越える作戦を狙う場合もある。また、人馬の呼吸を合わせるのと同時に、仕掛けるタイミングを巡って騎手間でも駆け引きが繰り広げられる[22]事から、騎手にとっては最大の腕の見せ所になる。
馬にとっても第2障害は一番の正念場で、障害を越えられずにひざをついてしまう馬や力尽きて倒れこんでしまう馬もいる。
第2障害を越えた後も、最後の直線やゴール前で止まってしまう馬もいるため、ゴール直前の逆転劇もあり、勝負の行方は最後まで予断を許さない。
その特殊な競走形態から人間が歩いても追いつく程度の速度で展開するため、ファンも馬と一緒にスタンドを移動しながら声援を送る光景がみられる。これは高速で展開する平地競走や他種公営競技には見られない、ばんえい競馬ならではの特徴である。
[編集] 実況での表現
実況を担当している井馬博の名調子や独特の表現がレースをさらに盛り上げ、こちらもばんえい競馬の名物となっている。
- きらう、刻む - 第1障害-第2障害間で馬が止まる、馬を止めて息を入れること
- ばんえいポイント、勝負どころ - 第2障害のこと
- つまる - 最後の直線やゴール前で馬が止まること
[編集] 馬場(公営競技)
ばんえい競馬では、開門前から最終競走の概ね1時間前の間に数回馬場水分を計測し、測定時刻と馬場水分値を0.1%単位で発表している[23]。水分値は通常0.1%から9.9%までの範囲で発表されるが、積雪した場合などには10%を超える数値が発表される場合もある。日本国内ではばんえい競馬のみで行われている独特の方式である[24]が、これは馬場の水分状態が馬券検討の際に重要なファクターとなるためである。
ばんえい競走は平地競走と異なり、晴天で馬場が乾いているとそりの滑りが悪くなり、タイムは遅くなる(重馬場)。逆に雨や雪が降って馬場が水分を含むとそりの滑りが良くなり、タイムは速くなる(軽馬場)。平均タイムは概ね2分前後(競走により4分-5分以上かかる場合もある)であるが、冬季に馬場が積雪した場合はさらに速くなる場合があり、1分を切るタイムが出ることもある。馬場状態によって得意・不得意がある馬もいる。一般に軽馬場では逃げ馬が、重馬場では差し馬が有利とされる。
また、夏季等で馬場があまりに乾燥した場合は、大量の砂塵が舞い上がって人馬の視界を遮りレースに支障をきたす恐れがあるため、散水を行う場合がある。散水する場所はスタート-第1障害、第1障害-第2障害、ゴール前の3箇所のうちいずれかが必要に応じて選択される(複数選択される場合もある)。なお、散水を行った場合は場内・各場外などに事後告知される。
結果を伝える翌日の新聞等では「(計測した馬場水分の)最高値-最低値」で掲載しているほか、代表値のみを掲載する新聞もある。公式の競走成績などでは、発走時刻に最も近い測定時刻の馬場水分値を各競走ごとに掲載している。
[編集] 公営競技のクラス編成(2011年度)
ばんえい競馬のクラスは馬齢(原則として「2歳」「3・4歳」「5歳以上」。競走条件により一部例外あり)と番組賞金によって分けられる。
3・4歳をひとつのクラスとして編成しているのは、3歳馬や4歳馬が5歳以上の馬に比べ能力的に劣るとされているためである。
[編集] 収得賞金の算定方法(2011年度)
以下は帯広市ばんえい競馬番組編成要領に沿って記述する。
- 収得賞金(「本年賞金」とも呼ぶ場合がある) : 競馬番組で示した賞金額から1000円未満を切り捨て。ただし、2010年度は競馬番組で示した賞金額の70%とする。
- 通算収得賞金(「番組賞金」とも呼ぶ場合がある) : 2008年度以降の収得賞金を合計。
[編集] 2歳
当該年度の収得賞金順にA・B・C・Dの4段階で格付け。
[編集] 3歳以上
通算収得賞金が90万円以上の馬は、以下のように格付け。
| オープン | A1 | A2 | B1 | B2 | B3 | B4 |
|---|
3・4歳馬で通算収得賞金が90万円未満の馬は、以下のように格付け。ただし第5回・第10回・第15回・第20回・第25回の各開催では、5歳以上で通算収得賞金が90万円未満の馬も含む。
| C1 | C2 | C3 |
|---|
収得賞金は、主に組を編成する場合に利用される。
開催回次により、収得賞金順に組を編成する場合と、通算収得賞金順に組を編成する場合がある。 これは毎回通算収得賞金順のみで編成すると同じような組み合わせの競走が多くなることから、レースのマンネリ化を防ぐためである。
2006年度までは4月-12月まで通算収得賞金順に組を編成し、1月-3月までは収得賞金順に組を編成する傾向にあった。なお、ばんえい競馬では他の地方競馬と異なり、組はレース名に記載されない。
[編集] 重量(公営競技)
そりに載せる荷物(重量物)の重量(ばんえい重量)は最低480kg(牝馬は460kg)。開幕直後は概ねばんえい重量が軽めに設定され、シーズン後半になるにつれて徐々に重くなっていく。これはいきなり重量を重く設定すると、完走できなかった馬が自信を無くしてしまうためである。
高重量戦を得意とする馬はシーズン後半に好走する例が多い一方、高重量戦を苦手にする馬は比較的重量が軽いシーズン前半に好走する例が多いなど、馬券(勝馬投票券)検討においては重要な要素でもある。
重賞競走「ばんえい記念」では、最高重量1000kgが設定されている。詳細は当該記事を参照。
専門紙やスポーツ新聞などでは、このばんえい重量が「重量」欄に掲載されている。ただし、一部ではスペースの都合から一桁省略して「重量(×10kg)」と表示される場合がある。騎手の重量は一律に設定されている(後述)ため発表されない。
[編集] ばんえい重量に関する規定(2011年度)
一般競走では各クラス別に以下の基礎重量が定められており、これに収得賞金などの別定条件を加味して加減される。
特別競走・重賞競走では各競走ごとに基礎重量が定められ、これに別定条件を加味して加減される。
[編集] 3歳以上
- 5歳以上および3・4歳で通算収得賞金が90万円以上
| 開催 | オープン (360万以上) |
360万 未満 |
280万 未満 |
220万 未満 |
180万 未満 |
150万 未満 |
120万 未満 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1回-第4回 | 670kg | 660kg | 650kg | 640kg | 630kg | 620kg | 610kg |
| 第5回-第8回 | 680kg | 670kg | 660kg | 650kg | 640kg | 630kg | 620kg |
| 第9回-第12回 | 690kg | 680kg | 670kg | 660kg | 650kg | 640kg | 630kg |
| 第13回-第16回 | 700kg | 690kg | 680kg | 670kg | 660kg | 650kg | 640kg |
| 第17回-第19回 | 710kg | 700kg | 690kg | 680kg | 670kg | 660kg | 650kg |
| 第20回-第22回 | 720kg | 710kg | 700kg | 690kg | 680kg | 670kg | 660kg |
| 第23回-第26回 | 730kg | 720kg | 710kg | 700kg | 690kg | 680kg | 670kg |
- 3・4歳で通算収得賞金が90万円未満
- ※第5回・第10回・第15回・第20回・第25回は5歳以上で通算収得賞金が90万円未満の馬にも適用し、以下の重量に10kg加増する。
| 開催 | 90万 未満 |
60万 未満 |
40万 未満 |
|---|---|---|---|
| 第1回-第4回 | 590kg | 580kg | 570kg |
| 第5回-第8回 | 600kg | 590kg | 580kg |
| 第9回-第12回 | 610kg | 600kg | 590kg |
| 第13回-第16回 | 620kg | 610kg | 600kg |
| 第17回-第19回 | 630kg | 620kg | 610kg |
| 第20回-第22回 | 640kg | 630kg | 620kg |
| 第23回-第26回 | 650kg | 640kg | 630kg |
[編集] 2歳
| 格付 | 第1回- 第4回 |
第5回- 第7回 |
第8回- 第10回 |
第11回- 第13回 |
第14回- 第16回 |
第17回- 第18回 |
第19回- 第20回 |
第21回- 第22回 |
第23回- 第24回 |
第25回- 第26回 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 480kg | 490Kg | 500kg | 510kg | 520kg | 530kg | 540kg | 550kg | 560kg | 570kg |
| B | 480kg | 490Kg | 500kg | 500kg | 510kg | 520kg | 530kg | 540kg | 550kg | 560kg |
| C | 480kg | 480Kg | 490kg | 490kg | 500kg | 510kg | 520kg | 530kg | 540kg | 550kg |
| D | 480kg | 480Kg | 480kg | 490kg | 490kg | 500kg | 510kg | 520kg | 530kg | 540kg |
[編集] ばんえい重量の加減と別定条件
一般競走・特別競走・重賞競走で重量を加減する別定条件は以下の通り。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 定量 | 同一重量 |
| 別定1-a | 本年度収得賞金50万円につき10kg加増 |
| 別定1-b | 本年度収得賞金80万円につき10kg加増 |
| 別定2-a | 1重量格につき10kg加減 オープン馬は本年度収得賞金60万円につき10kg加増 |
| 別定2-b | 1重量格につき10kg加減 オープン馬は本年度収得賞金100万円につき10kg加増 |
| 別定3 | 番組編成会議において決定する |
特別競走では、「3歳以上・120万未満」以上のクラスに格付けされた3・4歳馬を以下のとおり減量する。
| 開催 | 第1回- 第19回 |
第20回- 第26回 |
|---|---|---|
| 3歳 | 20kg | 10kg |
| 4歳 | 10kg | 10kg |
一般競走における重量の加減については、以下のとおり規定されている。
- 牝馬は20kg減量。
- 2歳・3歳のセン馬は10kg減量。
- 2歳馬は当該年度の収得賞金30万円につき5kg加増する。
- 「3歳以上・120万未満」以上のクラスに格付けされた馬は、当該年度の収得賞金50万円につき5kg加増する。
- 「3歳以上・120万未満」以上のクラスに格付けされた3・4歳馬は、以下のとおり減量する。
| 開催 | 第1回- 第19回 |
第20回- 第26回 |
|---|---|---|
| 3歳 | 20kg | 10kg |
| 4歳 | 10kg | 減量なし |
[編集] 騎手重量
2011年度は第1回-第14回までが75kg、第15回(10月29日)以降は77kgとされ、足りない場合は鉛のおもりを入れた鉄製の箱(弁当箱とも呼ばれる)を持って調整する。大型馬を操ることもあり、騎手重量は重めに設定している。
なお、一般競走における減量騎手の取り扱いは以下のとおり。出走表や専門紙にはカッコ内の記号で表示される。
[編集] 男性騎手の場合
通算勝利度数が50勝未満の騎手は10kg減量(☆)。
免許取得5年以下で通算勝利度数が50勝以上100勝未満の騎手は、当該年度10勝するまで10kg減量(☆)。
[編集] 女性騎手の場合
通算勝利度数が50勝未満の騎手は20kg減量(△)。
免許取得5年以下で通算勝利度数が50勝以上100勝未満の騎手は、当該年度10勝するまで20kg減量(△)。
上記以外の騎手については、10kg減量(☆)。
[編集] 騎手(公営競技)
2011年4月1日現在、ばんえい競馬では31名の騎手が在籍し、うち女性騎手が1名含まれている。
ばんえい競走では、平地競走よりも騎手の技量が占める割合が高い。
ばん馬は鞍をつけない(つける必要がない)ため、騎手はパドックから本馬場入場時に鞍も鐙もないばん馬にまたがって騎乗するが、これは平地・障害競走や馬術競技、一般の乗馬での騎乗よりも難易度が高い。
レースで使用するそりには手綱以外につかまるものがないため体全体でバランスをとる必要があるうえ、レース中は手綱を引くと馬が止まってしまうため、高度な技術が必要となる。平地競走とは異なり重い馬を御すことが重要となるため、騎手の体重は重い方が有利であるとされる。ただし、騎手の重量は前述の通り「弁当箱」で調整されているため、個別に体重が発表されることはない。また、平地競走とは異なり騎手の身長にも制限がないため、身長が高いことなどの理由から平地競走の騎手を断念した者がばんえい競馬の騎手を目指す例も見られる。
2009年にばんえい競馬の騎手免許を取得した林義直は身長が191cmと現役の日本人騎手としては最も高く、世界的にも例がないことからギネス・ワールド・レコーズへの申請も検討されている。
レース中も騎手同士でさまざまな駆け引きが繰り広げられるほか、第2障害通過後の追い方も多種多様である。
1日の競走回数は最大12競走であるが、原則として1日の最大騎乗回数は7回までと定められている。
また、ばんえい競馬では他の地方競馬や中央競馬(および他種公営競技)と異なり騎手(選手)を養成する専門機関が存在しない。このため、ばんえい競馬の騎手になるにはまず厩舎に厩務員などとして就職し、厩舎で馬の扱い方や乗り方などを習得した上で騎手免許試験を受験し、これに合格した者に騎手免許が交付されるシステムとなっている。この騎手免許試験はばんえい競馬独自の内容で、試験の難易度も高く一発合格は稀で、多くの場合二度三度と受験してやっと合格できる非常に狭き門となっている。
[編集] 通算2000勝以上を記録した騎手
現役・引退ともデビューの早い順に記載。
引退騎手でデビュー年が同じ場合は、引退年の早かった順に記載する。
記録は公式に残っている1963年以降のもの。
現役騎手の記録は、2010年度全日程終了時のもの。
[編集] 現役
[編集] 引退
- 金山明彦(1969年-1999年、通算19712戦3299勝)「ミスターばんえい」
- 久田守(1972年-1996年、通算13964戦2103勝)
- 坂本東一(1975年-2007年、通算21188戦2678勝)
- 岩本利春(1979年-2005年、通算19263戦2085勝)
- 千葉均(1979年-2007年、通算20431戦2106勝)
- 西弘美(1980年-2009年、通算22939戦2479勝)
- 鈴木勝堤(1981年-2010年、通算17850戦2313勝)
[編集] 歴代リーディングジョッキー第1位受賞回数の上位騎手
- 13回 金山明彦
- 8回 中西関松(通算4616戦883勝)
- 5回 坂本東一
- 4回 山田勇作(通算7775戦1109勝)、久田守、鈴木勝堤
- 3回 工藤正男(通算6606戦1001勝)
[編集] 重賞競走(2011年度)
カッコ内は1月-3月の馬齢表記。
- 2歳(3歳)
- BG1
- BG2
- 黒ユリ賞(牝馬限定)
- BG3
- ナナカマド賞
- ヤングチャンピオンシップ(産駒特別選抜)
[編集] その他の競走
[編集] 産地限定競走(ばんえい甲子園)
2歳馬による産地限定の競走。各トライアル競走の優勝馬と2着馬には重賞競走「ヤングチャンピオンシップ」への優先出走権が与えられる。2008年からは下記のトライアル競走を総称して「ばんえい甲子園」と呼んでいる。
[編集] 産地別トライアル競走
- 南北海道産駒特別 : 石狩・後志・渡島・檜山・胆振・日高管内産馬および道外産馬限定
- 北央産駒特別 : 空知・上川・留萌・宗谷管内産馬限定
- 北見産駒特別 : 網走管内産馬限定
- 釧路産駒特別 : 釧路・根室管内産馬限定
- 十勝産駒特別 : 十勝管内産馬限定
[編集] ヤングチャンピオンシップ
- 上記トライアル競走の上位馬による重賞競走。詳細は当該記事を参照。
[編集] 企業(団体)・個人協賛競走
ばんえい競馬では、企業(団体)や個人から協賛金を受けた一般競走や一部の特別競走を冠レースとして実施している。
協賛金のうち7割が馬主・調教師・騎手などへの副賞、3割が運営振興費として充てられる。
出走表などにレース名を掲載し、当日は特別観覧席への招待(申込者を含め5名まで)や表彰式にプレゼンターとして参加可能なほか、優勝馬の記念撮影にも参加できる。
- 企業・団体の場合
- 1口10000円、3口以上で受付。
- 場内でのポスター掲示・PR活動や、場内テレビなどでCMを放映。
- 個人の場合
- 1口10000円、1口以上で受付。
- 当日来場できなかった場合は、後日競走名入り出走表と記念撮影写真を郵送。
[編集] 蛍の光賞
2006年度までは年度末頃に名物競走として、「蛍の光賞」(11歳馬・12歳セン馬限定)が行われていた。
ばんえい競馬は2006年度まで定年制を採用(明け11歳。セン馬は12歳)していたため、「蛍の光賞」は定年引退馬の花道を飾る最後の競走として選ばれることが多かった。[25]
2007年度から定年制や減量特典の年齢制限が撤廃されたことにより、「蛍の光賞」は開催年度を締め括る最後の競走として施行されるようになり、2010年度は2011年3月28日に施行された。
[編集] たちばな賞
2006年度までは年度末頃に「たちばな賞」(8歳牝馬限定・2006年度をもって廃止)が行われていた。
2006年度までは8歳3月までの牝馬に対してばんえい重量を一律20kg減量していた[26]が、8歳4月以降の牝馬はこの特典がなくなり牡馬と同重量とされたため、一部を除き多くの牝馬が8歳3月までに引退して後の繁殖に備えることが多かったことから、「たちばな賞」は引退する牝馬の花道を飾る最後の競走として選ばれることが多かった。
現在、「たちばな賞」は通常の特別競走として施行している。
[編集] 発売している勝馬投票券
これまで日本国内の全公営競技で唯一3連勝式投票券を発売していなかったが、2011年8月5日の南関東公営競馬場外発売より3連複・3連単の発売を開始した[27]。ばんえい競馬開催では8月6日より発売開始し、同日よりばんえい競馬での枠番連複(枠複)は廃止された。
なお、ホッカイドウ競馬・他地区の場外発売時は引き続き枠複を発売する。
また、重勝式馬券「Odds Park LOTO」をインターネット投票(オッズパーク)限定で発売している。
○…発売 ▲…ホッカイドウ競馬・他地区場外発売のみ △…他地区場外発売のみ ☆…インターネット投票のみ
| 単勝 | 複勝 | 枠番連複 | 枠番連単 | 馬番連複 | 馬番連単 | ワイド | 3連複 | 3連単 | 重勝式 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ○ | ○ | ▲ | △ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ☆ |
[編集] 予想専門紙
以下の専門紙が販売されている。
- 競馬ブック(ばんえい版) 500円
- ばんえい金太郎 400円
[編集] 過去に存在した専門紙
場内に場立ち予想屋はいないが、予想業者は複数おり、以前は手書きで出走表に予想印と予想目のみが印刷されたシンプルなガリ版刷りの専門紙が数種類発売されていた。パドックなどに常駐する予想業者に購入した新聞を見せる事で最新の情報を入手できたり、朝一番の取材で良く見えた馬に赤鉛筆で印をつけて新聞を販売するなど独特な予想屋文化が存在していた。しかし売上不振や発行者の高齢化のため、これらの新聞は姿を消した。
- ホースニュース・馬(ばんえい版)
- ばん馬(手書きガリ版予想紙)
- 勝馬ニュース(手書きガリ版予想紙)
- 日の出(手書きガリ版予想紙)
- 旭ニュース
など
[編集] スポーツ新聞などでの出走表掲載
スポーツ新聞での扱いはホッカイドウ競馬よりも小さいことが多く、道内で発行しているものであっても、簡易出走表の掲載のみにとどまっていることが多い。
定期的に馬柱を掲載している新聞は以下の通り。
上記のほか、広域場外発売を行う競走ではその他のスポーツ新聞にも掲載される場合がある。
[編集] 予想の特徴
予想が大きく異なる場合が多く、各予想者の本命予想も1頭に集中することが少ないため、少頭数のわりに人気が割れやすい。
2連勝式では万馬券の出現率こそ高くないが中穴配当が比較的多く、平均配当も高い。馬単導入後は馬単で万馬券の出現が目立つ。2011年8月6日よりばんえい競馬も3連単・3連複の発売を開始したが、3連単は発売初日から12レース中9レースで万馬券が出現している。
また、前述の通り人気が割れやすいことに加え単勝・複勝馬券の売上も少ないため、単勝・複勝人気と馬複・馬単の人気が必ずしも一致しないこともある。
[編集] 在宅投票
以下の在宅投票が利用可能。
- 全レースを発売
- オッズパーク
- 楽天競馬
- 一部レースのみ発売
- SPAT4
[編集] 場外発売所
2011年8月8日より、以下の「ばんえい競馬が運営する場外発売所」と大井競馬場内「ふるさとコーナー」ではばんえい競馬の勝馬投票券が相互に払戻可能となった。
[編集] ばんえい競馬が運営する場外発売所
ばんえい競馬の全競走とホッカイドウ競馬の場外発売を行っているほか、南関東公営競馬や岩手競馬の広域場外発売も行っている。
ばんえい競馬がナイター開催日に南関東が昼間(薄暮含む)開催している場合は、後半競走のみ場外発売する。
ホッカイドウ競馬や他地区の場外発売時は枠複を発売するほか、他地区の場外発売時は発売主体の主催者に準じて枠複・枠単・ワイドを含むすべての賭式を発売する。2011年8月5日より改められた投票用マークカードでは、ホッカイドウ競馬や他地区場外発売にあわせ枠複・枠単・ワイド購入用の記入欄が用意されている[29]。
[編集] ばんえい競馬・ホッカイドウ競馬ともに発売
- ハロンズ岩見沢 - 岩見沢市6条西2丁目
- ハロンズ苫小牧 - 苫小牧市木場町1丁目 トマモール地下[30]
- ハロンズ名寄 - 名寄市西1条南8丁目
- ミントスポット北見 - 北見市小泉408-1
- アプスポット網走 - 網走市南4条東1丁目1-3 APTマツブンビル1階
[編集] ばんえい競馬のみ発売
[編集] 発売所の閉鎖・新設
[編集] 2009年度
- 旭川市に専用場外発売所「レラ・スポット北彩都」を新設し、4月25日より場外発売を開始した。これに伴い、従来場外発売を行っていた旭川レーシングセンターではばんえい競馬の場外発売を終了した(ホッカイドウ競馬は引き続き場外発売を行う)。
- 北見市小泉に場外発売所「ミントスポット北見」を新設し、2009年7月4日より発売を開始した。これに伴い、北見競馬場での場外発売は6月29日をもって終了した(出典)。
[編集] 2010年度
- 網走市に「網走場外発売所」を新設し、9月25日より場外発売を開始した。愛称名は一般公募により「アプスポット網走」に決定。
[編集] その他
[編集] 道内
以下のホッカイドウ競馬が運営する場外発売所では、ばんえい競馬の場外発売も行っている。
ただし、場外発売を行わない日もある。
- Aiba石狩 - 石狩市新港南2丁目729-3 サテライト石狩1F
- Aiba江別 - 江別市野幌町68番地
- Aiba小樽 - 小樽市築港11-1 ウイングベイ小樽(旧マイカル小樽)1階
- Aiba札幌駅前 - 札幌市中央区北4条西2丁目 ひまわりタワー5階・6階
- Aiba滝川 - 滝川市栄町3丁目 高林デパート地下
- Aiba千歳 - 千歳市幸町3丁目3-2
- Aiba中標津 - 標津郡中標津町東31条南1丁目5番地
- Aiba函館港町 - 函館市港町3丁目17
- Aiba札幌中央 - 札幌市中央区南6条西1丁目1-1 サテライト札幌2F
- Aiba登別室蘭 - 登別市若草町4丁目23
- Aiba琴似 - 札幌市西区琴似2条1丁目3 三光ビル2F・3F
[編集] 道外
以下の発売所で、定期的にばんえい競馬の場外発売を行っている。発売日程は主催者発表などで確認のこと。
- 大井競馬場内「ふるさとコーナー」
- 南関東競馬開催日のみ発売。
- 通常は当日の全レースを発売するが、南関東とばんえい競馬の開催時間が異なる場合、発売は以下の通りとなる。
- 南関東が昼間開催、ばんえい競馬がナイター開催:南関東では開門予定時刻より発売開始。ただし、開門予定時刻の20分後より前に発走する競走は発売しない。また南関東の最終競走発走時点で発売中の競走がある場合は、その競走の発売締切時にすべての発売を終了するため、南関東の発売終了時刻以降に発走するばんえい競馬の競走は前売発売のみとなる。
- 南関東がナイター開催、ばんえい競馬が昼間開催:南関東では12:00より発売開始。ただし、12:20より前に発走するばんえい競馬の競走は発売しない。
- BAOO高崎(旧高崎競馬場)
上記のほか、一部の重賞競走は他地区の競馬場・場外発売所でも広域場外発売を実施する場合がある。
[編集] 払戻について
競馬場や各場外発売所での払戻業務は原則として開催日のみとなっているが、郵送での払戻も受け付けている。これは遠隔地や閉幕後など、次開催までに払戻有効期間を過ぎてしまう場合があるための措置。ただし、振込みなどに伴う手数料は差し引かれる。
[編集] レース実況放送
スカパー!を除き、全レースを完全生中継している。なお、2008年度まではNTTドコモの携帯電話(FOMAのみ)でもレース実況を配信していた。
[編集] スカパー!
スカパー!での放送体制はたびたび変更され、2つのチャンネルを併用していた時期もある[31]。
2011年度は以下の通り放送する予定で、一部の時間帯は有料放送となる。
- 「懐かし音楽★グラフィティTV/keiba」(795ch)
- 昼間開催時:10:00(10:30)-18:00
- 4月16日-4月30日:10:00-12:00は有料
- 5月1日-6月13日、10月15日-2012年3月26日:10:30-13:00は有料(2012年1月2日・3日、3月25日は完全無料放送)
- ナイター開催時:13:30-20:55(13:30-16:00は有料)
- 昼間開催時:10:00(10:30)-18:00
[編集] ケーブルテレビ
- 旭川ケーブルテレビ(ポテト)アナログ16ch・デジタル016ch
- 帯広シティーケーブル(OCTV)3ch
[編集] その他
- 公式サイト内「インターネットライブ」
[編集] 内容(共通)
- レース実況・オッズ放映のほか、専門紙記者などを解説に招いて、パドック解説や展開予想、買い目を紹介している。解説者は前半と後半で担当を分担している。
- 帯広本場や各場外でも同時放映している。
- 司会
- 小枝佳代
- 太田裕士
- 水島洋子
- ※いずれか1名で担当し、馬場入場時の場内アナウンスも行う。1日を前半と後半で分担する場合もある。
- 実況
- 井馬博
- ※井馬が体調不良の場合は、司会のいずれか1名が代わって担当する。
- 解説
- 木本利元(競馬ブック)※元ホースニュース・馬
- 定政紀宏(競馬ブック)
[編集] その他のばんえい競馬を扱った番組
- 北海道放送(HBC)制作・日曜劇場「ばんえい」(1973年9月放送)
- 北海道テレビ放送(HTB)「ばんドルBAN2!」(放送終了)
- Gyao(スポーツチャンネル)「BANBA王」・無料(放送終了)
- TBS「オールスター感謝祭」(2007年3月放送)
- TBS「どうぶつ奇想天外!春の2時間スペシャル」(2007年4月放送)
- NHK「にっぽん紀行『もう一度歩き出せ〜帯広・ばんえい競馬〜』」(2007年3月放送、4月再放送)
- NHK 「大地のファンファーレ」[32](ドラマ。全道放送は2012年2月、全国放送は同年3月放送予定)
[編集] 参考文献・脚注
- 寺島敏治『馬産王国・釧路』-釧路馬の時代-〈釧路新書〉釧路市史編纂事務局編、釧路市、1991年、167-172頁
- 内田靖夫 『ばんえいまんがどくほん』 北海道市営競馬協議会 1983年
- ^ 日刊スポーツ(2011年9月5日)
- ^ 第1競走の発走時刻は概ね14時頃、最終競走は20時30分頃。発走時刻は1日の競走数により異なる場合がある。2010年度は最終競走の発走時刻が20時40分とされた(12競走の場合)。
- ^ 通常、ばんえい競馬の最終競走発走時刻は17時前後が多いものの、冬季は日没が早まり16時を過ぎると照明が必要になるため、以前より後半2競走が事実上「ナイトレース状態」であった。2007年度からはこの場合でもイルミネーションを点灯させている。
- ^ 公式サイト(2011年2月28日)
- ^ 現在は3月下旬に閉幕後、次年度の開幕(4月中旬-下旬)まで3週間-1ヶ月程度休催している。
- ^ ばんえい競馬公式サイト(2011年8月3日)
- ^ これについて農林水産大臣・松岡利勝(当時)は「喜ばしいことだ。正式に要請があれば、スムーズに処理できるようにするし、できる限り支援したい」と述べていた。
- ^ 帯広市とOPBMがばんえい競馬の来年度開催で大筋合意 - 十勝毎日新聞電子版「ばんえい十勝劇場」 2010年12月18日閲覧
- ^ ばんえい競馬 来年度は4月16日開幕 - 十勝毎日新聞電子版「ばんえい十勝劇場」 2011年2月7日閲覧
- ^ ネット販売増で馬券105億円超 - 十勝毎日新聞電子版「ばんえい十勝劇場」 2011年3月29日閲覧
- ^ ばんえい競馬、3連単・3連複の馬券導入へ - 十勝毎日新聞電子版「ばんえい十勝劇場」 2011年1月5日閲覧
- ^ 2012年1月現在、一般競走の1着賞金は5万円。1着-4着までの賞金総額は6.6万円。
- ^ 公営競技としての「ばんえい競馬」でも、一部の専門紙でこの表記が使われている。
- ^ a b c 『ホースメイト』 2007年7月号 日本馬事協会
- ^ 『地方競馬史』第二巻 地方競馬全国協会 1974年
- ^ 橋本聖子の父、マルゼンスキー(サラ)の生産者・馬主としても知られる。
- ^ 2003年度以降の生産馬については純系種同士の配合によって生まれた雑種を一代に限り「半血種」とし、このほかは「日本輓系種」と呼称している。
- ^ 2007年度からは定年制が撤廃された。2007年度番組編成要領
- ^ ゴールデンバージ、四位とコンビも中団伸びず7着…ばんえい競馬(スポーツ報知、2010年8月24日)
- ^ 田中哲実 生産地だより「JRAジョッキーDAY〜帯広」(netkeiba.com、2010年8月25日)
- ^ ただし、一部では2着以下を1着馬とのタイム差で表示することがある。
- ^ 規則上、第2障害通過後は騎手が意図的に馬を止めることが認められていない。
- ^ 1日の競走数が12の場合、開門45分前と第1競走発走時刻の45分前に計測。以後は第2・第4・第6・第8・第10競走の各発走時刻から5分後に計測している。
- ^ 日本以外の国では馬場状態を馬場水分値で発表している競馬場がある。
- ^ 1980年から1988年までは重賞競走として施行されていた。
- ^ 2007年度からは減量特典の年齢制限がなくなり、牝馬限定戦など一部を除いて一律に20kg減量される。
- ^ 【お知らせ】三連単・三連複発売開始! - ばんえい競馬公式サイト 2011年8月5日閲覧
- ^ 東京スポーツは道内でも発売しているが、翌朝の朝刊扱いとなるため、掲載しているレースが既に終了している場合もある。
- ^ ばんえい十勝 3連単、3連複導入でマークカード一新 - 十勝毎日新聞電子版『ばんえい十勝劇場』 2011年8月5日閲覧
- ^ ホッカイドウ競馬の場外発売時は「Aiba苫小牧」となる。
- ^ 以前は241ch「ハッピー241」で放送していた。2008年12月6日より2009年3月まで709ch「エキサイティング・グランプリ」(ばんえい競馬を含む公営競技中継のみ無料)と795chの併用だった。
- ^ 【お知らせ】NHKドラマ『大地のファンファーレ』制作決定! - ばんえい十勝オフィシャルサイト 2011年9月6日閲覧
[編集] 関連項目
- ホッカイドウ競馬
- とかちフェアスカイ・ジェネシス(帯広市) とリオグージョ旭川(旧ACSC、旭川市) - 北海道の社会人アマチュアサッカーのチームで2006年にこの2チームのスポンサーとして支援を発表した。両チームのジャンパーにばんえい競馬のロゴを入れている。
- ホースプリング
- リッキー - もとはばんえい競馬の競走馬だったが、現役時代からばんえい競馬のPR活動として保育園の訪問や各種イベントに参加。現役引退後の現在も引き続き活動している。2007年には帯広市から「特別嘱託職員」辞令と特別住民票が交付されている。
- アイドルマスター - 登場人物である双海亜美・真美の「とかちつくちて」という歌い方から、個人協賛レースでアイドルマスター関連のレースが行われていたが、TVアニメ化に際し行われた企画の一環で、2011年のG1ばんえいオークス(11月20日開催)とのコラボで「ばんえいアイドルマスター記念」[1]として公式のコラボレーションレースになった。その日のレースはほとんどがアイドルマスター関係の個人協賛レースになり、パドック映像はTVアニメ、案内映像のナレーションは下田麻美(亜美真美役の声優)が担当した。