新馬

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新馬(しんば)とは、

  1. 新しい
  2. 馬術競技大会などに未出場の馬。
  3. 競馬において競走未出走の馬。本項目で記述。

2014年皐月賞馬イスラボニータの新馬戦

日本の競馬において、一定の範囲の馬齢競走馬であってレースに出走した経験のないものをいう。新馬のみが出走することができるレースを新馬戦(しんばせん)という。新馬戦の賞金額は未勝利戦より若干高く設定されており、また新馬戦を勝つことを新馬勝ちといい競走馬としてのひとつのステータスともなっている。

中央競馬[編集]

中央競馬においては毎年6月ごろ(2012年からは東京優駿〈日本ダービー〉の翌週[1])に2歳馬を対象とした新馬戦の開催が始まり、翌年の3月ごろ(3歳)まで行われる。

それ以前は北海道のみ6月(平年の第1回函館開催)、それ以外は7月(当時の平年の第2回新潟・第2回小倉開催相当)からであったり、6月のローカル開催シリーズ最初の週(同・第2回福島・第3回阪神開催相当)であったりしていたが、2012年から競馬のサイクルを「ダービーからダービーへ」という位置づけを明確にし、夏季開催扱い最初の週となる当該年度のダービー開催の次週(現在の平年日程の第3回東京・第3回阪神開催相当)から2歳新馬(メイクデビュー)戦を開催するようになった。

2012年現在、競走馬は新馬戦には一度しか出走することができない。2002年以前は、初出走した開催内であれば最大で4回新馬戦に出走することができた。このため3週目や4週目の新馬戦は2走目の馬が多く出走する(実質上「2(3)歳未勝利・未出走戦」とほぼ同等)などし、レース未経験馬に対し有利になりやすかった。

新馬戦を勝つことができなかった競走馬は未勝利クラスに分類され、一般的には未勝利戦での優勝を目指すこととなる。新馬戦の開催が終了すると、それまで新馬クラスに分類されていた競走馬は自動的に未勝利馬のクラスに分類される。2002年以前においては、新馬戦が終わった3歳3月下旬から5月までの間に未出走戦という競走が存在し、出走条件は新馬戦と同じく未出走、賞金は新馬より低く未勝利戦と同額であった。

2008年から新馬戦には「メイクデビュー(開催競馬場名)」(例:メイクデビュー阪神)という愛称が設定されている[2]。この愛称を考案したのは、レーシングプログラムの「馬名プロファイル」を担当している英文学者・柳瀬尚紀である。同時に本馬場入場で新馬戦専用曲「The Rising Sun」(作曲・椎名邦仁)が使用されている。

2013年からは夏季施行の2歳重賞競走(函館2歳ステークス新潟2歳ステークス札幌2歳ステークス小倉2歳ステークス)において「上級挑戦に意欲のある競走馬の出走機会を拡大する」観点から、出走枠に空きがある場合に限り未出走馬や未勝利馬でも出走できるようになる[3](これまでは1勝する必要があった)。これにより2歳馬においても「初出走が重賞競走」「初勝利が重賞競走」という例が生じうるようになる。[注 1]

なお中央競馬でも障害競走においては新馬戦は設定されておらず、障害競走初出走馬は未勝利戦などに出走することになる。

複数のG1優勝馬が同じ新馬でデビューした例[編集]

のちに日本のGI・JGI競走および中央競馬の旧八大競走で優勝することとなる競走馬が複数出走していた新馬戦は以下のとおり。

地方競馬[編集]

地方競馬でも、新馬戦の出走資格は中央競馬とほぼ同じである。ただし新馬戦のあとの馬のクラス分けについては主催者により異なる。

施行時期については、ホッカイドウ競馬ばんえい競馬が中央競馬より早い4月から新馬戦を施行している。

ホッカイドウ競馬においては地方競馬で唯一、新馬戦の一部がJRA2歳認定競走に指定されており(かつては他の地方競馬主催者でも指定があった)、「スーパーフレッシュチャレンジ」「フレッシュチャレンジ」と呼称している。

日本国外[編集]

日本国外では、新馬戦を未勝利戦と区別しない事例が多い。未勝利馬や未勝利戦のことを英語ではメイドン (Maiden) という[8]。2歳馬による競走は、1990年を例にとるとイギリス・フランスでは3月、アメリカ合衆国では早い地域では2月に開始されている[8]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 春季クラシック競走のトライアル競走弥生賞青葉賞チューリップ賞など)は、重賞であっても未出走馬・未勝利馬の出走が以前から認められていたが、これらは全て3歳限定戦であり、2歳馬が重賞でデビューあるいは初勝利を挙げることができるのは2013年が初めてである。ただし、これまでクラシックトライアル競走(重賞でない競走を含む)で初勝利(もしくは2着に入り収得賞金加算)を成し遂げた未勝利(クラスの)馬はいない。
  2. ^ この2頭は翌年の東京優駿(日本ダービー)で1着2着を占める
  3. ^ a b どちらも京都競馬場で菊花賞当日に行われた芝1800メートルの競走であり、この2競走[5]および翌年以降に同条件で施行される(された)競走[6][7]は「伝説の新馬戦」と称されている。

出典[編集]

  1. ^ 【12年度開催日程】ダービー翌週から新馬戦” (日本語). スポーツニッポン (2011年10月18日). 2012年12月28日閲覧。
  2. ^ netkeiba ニュース「『メイクデビュー』が新馬戦の愛称に」” (日本語). netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2008年6月9日). 2012年12月28日閲覧。
  3. ^ 日本中央競馬会 (2012年11月16日). “2013年度競馬番組等について” (日本語). JRA NEWS. 日本中央競馬会. 2013年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月12日閲覧。
  4. ^ 「RACING DATA BASE 今月の記録室『第68代日本ダービー馬にジャングルポケット』」、『優駿』、日本中央競馬会、2001年7月、 144頁。
  5. ^ 内尾篤嗣 (2010年9月17日). “2010年度版 伝説の新馬戦” (日本語). ブログ報知. 報知新聞社. 2012年12月28日閲覧。
  6. ^ a b c 【京都新馬戦】超良血クランモンタナ“伝説”継承だ!” (日本語). スポーツニッポン (2011年10月21日). 2012年12月28日閲覧。
  7. ^ a b c 伝説の新馬戦シーザリオの子がV/新馬戦” (日本語). 日刊スポーツ (2012年10月22日). 2012年12月28日閲覧。
  8. ^ a b 石川ワタル「世界の3歳競馬と日本の3歳競馬」、『優駿』、日本中央競馬会、1990年8月、 65-66頁。

関連項目[編集]