はまかぜ (列車)

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はまかぜ
余部橋梁を通過する「はまかぜ」(2011年8月12日)
余部橋梁を通過する「はまかぜ」(2011年8月12日)
運行鉄道事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 特急列車
運転区間 大阪駅 - 香住駅浜坂駅鳥取駅
経由線区 東海道本線山陽本線
播但線山陰本線
使用車両
(所属区所)
キハ189系気動車京都総合運転所
運転開始日 1972年3月15日
備考 2010年11月7日現在

はまかぜは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が大阪駅 - 香住駅浜坂駅鳥取駅間を東海道本線山陽本線JR神戸線)・播但線山陰本線経由で運行する特急列車である。 北近畿ビッグXネットワークを形成する列車の一つ。

本項では、播但線経由で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。

目次

[編集] 概要

主に兵庫県但馬地方と県西部の姫路市神戸市大阪市を結ぶ役割を持つ。

福知山線経由の特急「まつかぜ」の補充列車として、1972年新大阪駅・大阪駅 - 鳥取駅・倉吉駅間を播但線経由で運転を開始した。なお、房総地区の臨時列車にも「浜風」が設定されていた。

2006年3月18日の寝台特急出雲」の廃止後、余部橋梁を通過する特急列車はこの「はまかぜ」のみとなった。

[編集] 列車名の由来

列車名は、1955年に国の天然記念物に指定され、日本最大の砂丘である鳥取砂丘に吹き付ける「浜風」から採られている。

[編集] 運行概況

大阪駅 - 香住駅間(3・6号)・大阪駅 - 浜坂駅間(1・4号)・大阪駅 - 鳥取駅間(2・5号)でそれぞれ1往復、合計3往復運転されている。このうち、3・6号は多客時は浜坂駅まで延長運転されている。また、大阪駅 - 浜坂駅間で臨時列車として1往復(88・89号)設定されている。

2005年の4月26日から6月18日まではJR福知山線脱線事故の影響で新大阪駅 - 福知山駅間の特急列車が運休となり、振替輸送が必要となったため、臨時列車が新大阪駅 - 香住駅間で1往復(88・89号)運行されていた。

列車番号は号数+Dで、大阪発が下り列車として奇数の番号を使用しており、運行全区間で番号の変更はない。2009年3月14日現在、気動車列車で 1D の列車番号を付与される列車は「はまかぜ」1号が唯一である。3・6号の延長区間(香住駅 - 浜坂駅間)は8000番台の列車番号を付与している。臨時列車の88・89号は9000番台の列車番号を付与し、88号が9058D、89号が9059Dとなっている。

[編集] 停車駅

大阪駅 - 三ノ宮駅 - 神戸駅 - 明石駅 - (加古川駅) - 姫路駅 - 福崎駅 - 寺前駅 - 生野駅 - 和田山駅 - 八鹿駅 - 江原駅 - 豊岡駅 - 城崎温泉駅 - 竹野駅 -(佐津駅) - 香住駅 - 浜坂駅 - 岩美駅 - 鳥取駅

  • 冬期間は加古川駅佐津駅にも停車する。
  • 姫路駅では構内配線の関係でスイッチバックをして運転方向を変える。姫路駅では、和田山方面は山陽本線7番のりばに発着、神戸・大阪方面へは播但線2番のりばに発着している。

[編集] 使用車両

2010年11月7日現在の編成図
はまかぜ
← 姫路
大阪・香住・浜坂・鳥取 →
1 2 3
  • 全車禁煙
  • 2号・5号の2号車は自由席
凡例
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

京都総合運転所に所属するキハ189系気動車が使用されている。グリーン車はなく、普通車のみの3両編成での運転を基本とし、そのうち1両または2両が指定席である。多客時には2編成を連結した6両で運転される。

キハ189系の投入と並行し、プラットホーム信号機器など地上設備の整備事業が沿線自治体の負担を得て行われた[1]

[編集] 過去の使用車両

運転を開始した1972年から1982年まではキハ80系気動車を使用し、1975年までは食堂車も連結されていた。

1982年からは、キハ181系気動車が使用されていたが、長期使用により老朽化が進み、2010年11月6日を最後に、キハ189系に置き換えられた[2]。これによりキハ181系気動車による定期運用は消滅した。


[編集] 臨時列車

「かにカニはまかぜ」(2010年1月17日 竹田駅 - 和田山駅間)

下記のほか、急行「味めぐり浜坂」「味めぐり但馬カニスキ」も1998年度まで運転されていた。また、シュプール号や「但馬ビーチ」号も運転されていたことがあった。

[編集] かにカニはまかぜ

カニのシーズンを迎える11月から3月にかけて、JR西日本から発売されている駅長おすすめ駅プラン「かにカニ日帰りエクスプレス」期間中は、特急列車の利用が多く見込まれるため、1999年から期間中の土曜・休日を中心に定期列車の補充として「かにカニエクスプレス」が大阪駅 - 浜坂駅(2009年度までは香住駅)間で1往復運転されている。当初は展望室があるエーデル車両(キハ65形気動車)を使用し、2000年からキハ181系が使用されているが、キハ181系による運転は2010年12月23日で終了し[3][4]、2011年1月からはキハ189系で運転される。「かにカニエクスプレス」では現在でも唯一運転されている列車である。

2010年度から運転区間が浜坂駅まで延長された。以前から地元から延長の要望があったが、余部橋りょうで強風による運行規制が頻発していたため、「安定的に運行できない」との理由で実現していなかった[5]が、2010年8月に余部橋りょうがコンクリート製の新橋に架け替えられたことにより解消し、浜坂駅まで延長運行が行われるようになった。

停車駅は基本的に浜坂駅発着の「はまかぜ」と同じで、「はまかぜ」が冬季のみ臨時停車する加古川駅佐津駅にも停車するが、生野駅八鹿駅江原駅は上下とも通過となる。

[編集] かにカニ但馬

急行「味めぐり但馬」として運転を開始し、1999年度から2004年度まで「かにカニ但馬」として、大阪駅 - 浜坂駅間で運転されていた。使用車両は1999年度は14系200番台客車(リゾート&シュプール車両、展望室付き)、2000年度はキハ65形のリゾート車両が充当された。2002年度からは特急列車化された。

[編集] 利用状況と競合交通機関

夏休みなどの長期休暇の海水浴・行楽客や冬季のスキー客やいわゆる「カニ食い(ツアー)列車」などの多客時においては、定期列車への増結や「かにカニはまかぜ」など臨時列車の運転を恒常的に行っている。しかし、鉄道利用は高速道路の整備に伴い、まず海水浴客やスキー客から減少し始め、かにシーズンの観光客も漸次減少傾向にある。

本列車の運行区間と並行する道路交通網の拡充が進捗し、北近畿豊岡自動車道舞鶴若狭自動車道春日IC - 和田山IC間で供用開始された現状においては、大阪・神戸と但馬地方との所要時間は列車と自動車で概ね同等となった。今後、北近畿豊岡自動車道の供用区間延伸によって所要時間の逆転が見込まれる。
降雪や凍結しやすい時期は鉄道利用が若干増え、自動車や高速バスよりやや分がよい傾向にあるとはいえ、当列車の競争力向上が課題となっている。

[編集] 乗車制度の特例

営業上の特例として、大阪駅・尼崎駅 - 和田山駅間を途中下車しなければ播但線経由で乗車しても福知山線経由の運賃・料金が適用される列車特定区間が適用される。

これは、もともと「はまかぜ」が「まつかぜ」の補充目的で設定されたことに由来している。1986年に「まつかぜ」が廃止されてからは、制度本来の主旨とは異なるものの、ほかの大阪・神戸と但馬地方・鳥取県東部の直通特急列車が失われたことへの救済という性格を持つことになった(和田山駅 - 城崎温泉駅間に限れば、「こうのとり」と当列車の両方を引き続き利用できた)。

しかし、1994年に智頭急行線が開業して「はくと」「スーパーはくと」が運行を開始すると当列車の役割が変化し、制度の意義はほぼ失われてしまっている。

[編集] 播但線優等列車沿革

[編集] 「はまかぜ」の運転開始まで

  • 1952年昭和27年):大阪駅 - 城崎駅(現在の城崎温泉駅)間を播但線経由で運転する臨時快速列車たじま」が設定される。
  • 1953年(昭和28年):大阪駅 - 城崎駅間を播但線経由とする臨時快速列車「ゆあみ」の運転を開始する。
    • 週末運転で下りは金曜日、上りは日曜日運転であった。
  • 1955年(昭和30年):「たじま」が定期列車に格上げされる。
  • 1956年(昭和31年):「たじま」の上り始発駅を香住駅に変更。
  • 1958年(昭和33年):「たじま」が浜坂駅まで運転区間を延長。また、臨時列車「ゆあみ」を準急列車に変更。
  • 1960年(昭和35年):「たじま」が気動車による準急列車に昇格。同時に運転区間も大阪駅 - 鳥取駅間に変更。
  • 1961年(昭和36年):「たじま」が名称を漢字書きの「但馬」に変更。
  • 1962年(昭和37年):「但馬」に姫路駅発着列車が設定される。
  • 1965年(昭和40年):「ゆあみ」の名称を「但馬」に変更。また、1往復増発され、「但馬」4往復での運転になる。
    • 大阪駅発着は2往復のまま存置され、運転区間も従来の「たじま」「ゆあみ」を踏襲する形で運転。
  • 1966年(昭和41年):準急列車制度の変更により「但馬」が急行列車に昇格される。
  • 1971年(昭和46年):キハ80系を使用し、臨時特急「ゆあみ」が秋季、「はくぎん」が冬季のそれぞれ週末に運転され、臨時ながら初めて播但線で特急列車運転。「はまかぜ」運行開始前の慣らし運転的意味あいも兼ねていたとされる。

[編集] 「はまかぜ」の誕生

  • 1972年(昭和47年)3月15日:福知山線経由の特急「まつかぜ」の補充列車として、また姫路駅での新幹線連絡も兼ねて、キハ80系を使用し、新大阪駅・大阪駅 - 鳥取駅・倉吉駅間を播但線経由となる特急「はまかぜ」の運転を開始。倉吉駅発着列車には食堂車キシ80形も連結された。
    • 「はまかぜ」は播但線内を無停車で運転され、大阪・神戸・姫路 - 但馬地方・鳥取県の輸送を担当し、一方、播但線内の需要は急行「但馬」が担当していた。
    • 停車駅は、新大阪駅 - 大阪駅 - 三ノ宮駅 - 明石駅 - 姫路駅 - 和田山駅 - 八鹿駅 - 江原駅 - 豊岡駅 - 城崎駅 - 浜坂駅 - 鳥取駅 - 倉吉駅 - 米子駅
  • 1975年(昭和50年):倉吉行きを米子行きに変更するとともに、食堂車の連結を廃止。
  • 1976年(昭和51年):「おき」の使用車両がキハ181系に変更されたため、米子行きを倉吉行きに変更。
  • 1982年(昭和57年):「やくも」の電車への変更に伴う余剰車両を割当てる形でキハ181系に車両を変更。ただ、ダイヤについては従来のキハ80系のものを踏襲したため、変化はなかった。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:全列車が鳥取駅発着になる。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:福知山線電化に伴い特急「まつかぜ」の運転が終了。これを補充する目的で倉吉駅・米子駅発着列車を運転開始。また、「但馬」については大阪駅 - 豊岡駅間運行の列車と姫路駅 - 浜坂駅間の2往復に減少する。また、キハ181系は大阪駅 - 姫路駅間で120km/h運転を開始し、スピードアップが図られる。
  • 1989年平成元年)3月11日:「但馬」の大阪駅乗り入れを臨時列車に格下げ。定期列車は全列車姫路駅発着になる。
  • 1991年(平成3年)夏季:海水浴臨として、快速「マリン但馬」が大阪駅 - 鳥取駅間で運転された。客車にはサロンカーなにわ、電化区間(大阪駅 - 姫路駅間)での機関車にはEF58 150が使用された。
  • 1993年(平成5年)3月18日:「はまかぜ」の全列車が大阪駅発着になる。
  • 1994年(平成6年)12月3日:智頭急行線が開業。特急「スーパーはくと」「はくと」運転開始により、運転区間を大阪駅 - 浜坂駅・鳥取駅間に短縮。3往復から2往復へ減便し、大阪駅 - 浜坂駅間と大阪駅 - 鳥取駅間の各1往復とする。
  • 1995年(平成7年)1月17日 - 3月31日:阪神・淡路大震災の影響により、全列車運休。

[編集] 北近畿ビッグXネットワーク構築後

2010年11月6日までの編成図
はまかぜ
← 姫路
大阪・浜坂・鳥取 →
1 2 3 4
G
  • 全車禁煙
  • 基本編成は4両であるが、多客期には最大8両まで増結された。
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席
  • 1996年(平成8年)3月16日:姫路駅 - 浜坂駅間の急行「但馬」2往復のうち、1往復を大阪駅まで延長して「はまかぜ」に変更し、城崎駅(多客期に限り香住駅)発着に変更。残りの1往復は廃止。
    • これにより「但馬」は廃止され、大阪駅乗り入れの臨時「但馬」81・82号も「はまかぜ」81・82号として特急に格上げ。
    • これまで播但線内は無停車であった「はまかぜ」が播但線内の福崎駅・寺前駅に停車、特急料金も大阪駅 - 浜坂駅に関しては急行廃止の代替として割安なB特急料金が新たに導入されることとなった。鳥取との移動が智頭線に移ったため、「はまかぜ」の需要傾向は兵庫県内移動が主体となる。
  • 1998年(平成10年)3月14日:生野駅が停車駅になる。
  • 1999年(平成11年)3月13日:多客期に限り香住駅発着列車が通年香住駅発着となり、この列車に関しては多客期には浜坂駅まで延長することとなる。
  • 2000年(平成12年)3月11日:神戸駅が停車駅になる。
  • 2006年(平成18年)10月21日:香住町の「余部鉄橋メモリアル事業」にあわせて姫路駅 - 浜坂駅間で急行「あまるべ」が運転。
  • 2009年(平成21年)6月1日:全車両禁煙になる[6]
  • 2010年(平成22年)
    • 11月6日:定期列車としてキハ181系による「はまかぜ」の運用が終了[7]
    • 11月7日:新型車両のキハ189系が運転開始[2]
    • 12月23日:臨時列車としてのキハ181系による「かにカニはまかぜ」」の運用が終了[8][9]
  • 2011年(平成23年) 2月28日車内販売の営業が廃止[10]

[編集] 脚注

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[編集] 参考文献

  • 三宅俊彦・寺本光照、『国鉄JR臨時列車ハンドブック』、新人物往来社、p.78, 116

[編集] 外部リンク

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