加治屋蓮

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加治屋 蓮
阪神タイガース #54
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 宮崎県串間市
生年月日 (1991-11-25) 1991年11月25日(32歳)
身長
体重
185 cm
91 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2013年 ドラフト1位
初出場 2016年8月26日
年俸 6000万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

加治屋 蓮(かじや れん、1991年11月25日[2] - )は、宮崎県串間市出身[3]プロ野球選手投手)。右投右打。阪神タイガース所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

串間市立大束小学校3年生の時に同小学校の野球クラブで野球を始め[3][4]大束中学校では三塁手としてプレーした[3]

宮崎県立福島高校では1年生の秋に背番号18でベンチ入りし、2年生の秋にエースになったが[5]、甲子園出場経験は無い[4]

JR九州3年目の第38回社会人野球日本選手権大会の2回戦において2番手で5回を投げ、被安打2、自責点0だった[6]。4年目に第84回都市対抗野球大会の1回戦で先発登板し、4回を投げ被安打5、与四死球1、奪三振4、自責点2の成績だった[7]

2013年10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議において、ドラフト1巡目で松井裕樹杉浦稔大をそれぞれ重複抽選で外した[8]福岡ソフトバンクホークスに指名され[9]、契約金9000万円、年俸1500万円(金額は推定)で入団に合意した[10]。背番号は14[11]

第39回社会人野球日本選手権大会では1回戦において2番手で登板し、3回を投げ被安打1、与四死球1、奪三振2、自責点0の成績だった[12]。11月11日、右足の第3中足骨を疲労骨折しており、全治3か月と判明した[10]

ソフトバンク時代[編集]

2014年は、右肩を痛めた影響もあり一軍での登板は無く[13]、二軍でも1試合で5回1/3を投げたのみだった[14]

2015年は、6月18日のウエスタン・リーグの対広島東洋カープ戦に2番手で登板し、3回を投げ無失点で二軍でのプロ初勝利を挙げた[15][16]。二軍ではチーム最多の33試合に登板し、56回2/3を投げ9勝3敗3セーブ、防御率3.65の成績だった[17]。シーズンオフに岡本健上林誠知真砂勇介張本優大と共に、台湾で行われた「2015年アジアウインターベースボールリーグ」にNPB選抜として派遣された[18]

2016年は、8月23日に初めて出場選手登録され[19][20]、26日の対千葉ロッテマリーンズ戦において9点リードの9回表に2番手でプロ初登板し、1回を投げ被安打3、奪三振1、1失点だった[21][22]。また9月1日の対埼玉西武ライオンズ戦において登板機会を迎え、9回表1イニングを無安打に抑えた[23]。一軍公式戦では上記の2試合に登板。二軍公式戦においては、29試合の登板で78イニングを投げ、4勝3敗1セーブ、防御率3.35の成績を残す[24]

2017年は、足首の捻挫で宮崎春季キャンプを離脱し出遅れたが、二軍公式戦5試合で4セーブの成績を残し、4月18日に一軍に昇格する[25]。同月22日に行われた対東北楽天ゴールデンイーグルス5回戦においてリリーフとして同年初登板を迎えるが、松井稼頭央に通算200号となるソロ本塁打を、また5月25日に行われた対ロッテ12回戦において、井口資仁に通算250号となる2点本塁打を喫するなど結果が出ず[26]、6月1日に一軍出場選手登録を抹消された[27]。一軍公式戦登板は前年と同じくその2試合にとどまり、二軍公式戦において、主にクローザーとして42試合に登板し、55回2/3を投げ、2勝3敗、2ホールド、15セーブ、防御率3.23の成績を残す[28]

2018年は、セットアッパーを務めていた岩嵜翔が故障で離脱したことにより、セットアッパーとして定着、初めてオールスターゲームにも出場した。最終的に、前年岩嵜が記録したレギュラーシーズン最多登板の球団記録に並ぶ72試合に登板[29]、4勝3敗31ホールド・防御率3.38の成績を残した。この年でプロ入り5年目ながら新人王の資格を有しており、新人王選考の記者投票では、有効投票258の内、田中和基(112票)、山本由伸(70票)に次ぐ45票を集めた[30]

2019年は、春季キャンプから右肩痛でリハビリ調整をした[31]。開幕直後は前年と同じくセットアッパーを任されたが、怪我の影響もあり務めることがほとんど出来なかった。結局30試合の登板にとどまり、防御率も6.00と不振だった。

2020年は、二軍で19試合に投げて1勝1敗2セーブ、防御率1.69の成績を挙げるも、一軍登板は僅か6試合、9-1と大量リードの場面で登板した1試合を除き全て敗戦試合での登板で、防御率も6.00に終わり、日本シリーズ終了後の11月26日、球団より戦力外通告を受けた。「体に不安はない。まだ野球をやりたいなとは思います」と現役続行の意思を示した[32]

阪神時代[編集]

2020年の12球団合同トライアウトには不参加だったが、12月7日、中日ドラゴンズを戦力外になった鈴木翔太とともに阪神タイガースが獲得調査を進めていることが判明した[33]。同年のシーズン中から阪神の編成担当者は加治屋を調査しており、戦力外となった時点で獲得する方針を固めていたとされる[34]。その後、翌8日に入団が正式に発表された[35]。背番号は54、年俸2000万円で、12月15日に入団記者会見を行った[36]

2021年は、開幕一軍入りを果たし、3月26日の対東京ヤクルト第1回戦(開幕戦、明治神宮野球場)の7回裏二死三塁の場面で4番手の救援で登板、西浦直亨を打ち取って回を終わらせた後の8回表の攻撃で阪神が1点勝ち越し、その裏も回跨ぎで続投、一死を取ったところで降板。試合はそのまま阪神が勝ったために登板時点で勝ち越しの点が入った加治屋が勝利投手となった[37]。だが4月18日のヤクルト戦を最後にシーズン一軍登板はなかった。

2022年は、前年を大きく上回る39試合に登板。防御率2.43をマークするなど、主に右のワンポイントとして安定した投球でブルペンを支えた。オフには倍増となる年俸3000万円で更改した[38]

2023年も、主に右のワンポイント、セットアッパーとして前年に続き安定した投球を披露。6月11日の対北海道日本ハムファイターズ第2回戦(エスコンフィールドHOKKAIDO)では2番手として1回を無失点に抑え開幕から22試合無失点とし、弓長起浩吉野誠の持つ球団の開幕からの連続試合無失点記録を更新した[39]。最終的に51試合に登板し、5年振りにシーズン50試合登板を達成した。12月2日、球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季3000万円から倍増の年俸6000万円(推定)でサインした[40]

選手としての特徴[編集]

最速153km/hのストレート[9]カーブスライダーカットボール、140km/h台の高速フォークなどの変化球を投げる[9][41]

人物[編集]

  • 右投右打だが、日常生活では左利きである。
  • ソフトバンク入団時、高校生時代にハーフのような顔つきがアメリカ合衆国バラク・オバマ大統領(当時)に似ているということで「オバマ」のニックネームで呼ばれていたことを明かした[42]。このため、オバマ大統領のモノマネで知られるお笑い芸人のノッチが、自身のブログでエールを送った[43]。またソフトバンクに2017年から3シーズン在籍していたロベルト・スアレスと風貌が似ており、スアレスから「ヘイ、兄弟!」と呼びかけられていたという[44]。なお2021年は阪神で再びチームメイトになっていた。
  • 2016年11月30日、自身の誕生日の11月25日に結婚したことが報じられた[45]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2016 ソフトバンク 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 9 2.0 3 0 1 0 0 1 0 0 1 1 4.50 2.00
2017 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 21 4.1 5 3 4 0 0 2 0 0 5 5 10.38 2.08
2018 72 0 0 0 0 4 3 0 31 .571 284 66.2 67 5 25 5 4 53 3 0 25 25 3.38 1.38
2019 30 0 0 0 0 3 1 0 6 .750 169 36.0 42 4 22 1 2 23 1 0 26 24 6.00 1.78
2020 6 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 30 6.0 10 1 3 0 1 2 0 0 4 4 6.00 2.17
2021 阪神 7 0 0 0 0 1 2 0 1 .333 29 5.2 7 1 1 0 1 3 0 0 6 5 7.94 1.41
2022 39 0 0 0 0 0 2 0 7 .000 128 29.2 26 1 13 2 1 30 1 0 8 8 2.43 1.31
2023 51 0 0 0 0 1 5 1 16 .167 161 38.2 34 3 13 0 2 32 6 1 12 11 2.56 1.22
通算:8年 209 0 0 0 0 9 13 1 61 .409 831 189.0 194 18 82 8 11 146 11 1 87 83 3.95 1.46
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



投手












2016 ソフトバンク 2 1 1 0 1 1.000
2017 2 0 0 0 0 ----
2018 72 3 15 1 0 .947
2019 30 5 6 0 0 1.000
2020 6 0 1 0 0 1.000
2021 阪神 7 0 2 0 0 1.000
2022 39 1 7 0 0 1.000
2023 51 1 7 0 1 1.000
通算 209 11 39 1 2 .980
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録[編集]

初記録
その他の記録

背番号[編集]

  • 14(2014年 - 2020年)
  • 54(2021年 - )

登場曲[編集]

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 阪神 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年12月3日閲覧。
  2. ^ 『阪神タイガース リーグ優勝!プロ野球2023シーズン総括BOOK』コスミック出版、2023年11月12日発行、33頁。ISBN 978-4-7747-4319-6 
  3. ^ a b c ソフトBドラ1加治屋 上原流で新人王だ 日刊スポーツ 2013年11月6日紙面から
  4. ^ a b 2013年ドラフト 加治屋 蓮 スポニチ Sponichi Annex
  5. ^ ソフトB1位加治屋 斉藤和巳さん超える 日刊スポーツ 2013年10月25日紙面から
  6. ^ 第38回 日本選手権 本大会 11月9日 京セラドーム大阪 第1試合 2回戦 公益財団法人 日本野球連盟
  7. ^ 第84回 都市対抗 本大会 7月16日 東京ドーム 1回戦 公益財団法人 日本野球連盟
  8. ^ ドラフト 2013年 福岡ソフトバンクホークス NPB.jp 日本野球機構
  9. ^ a b c ドラフト会議、地元九州の加治屋投手ら計8名を指名! 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト 2013年10月25日配信
  10. ^ a b ソフトB、加治屋と合意 右足の疲労骨折判明 スポニチ Sponichi Annex 2013年11月28日掲載
  11. ^ 新入団会見を行いました。加治屋投手「マウンドで躍動します!」 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト 2013年12月5日配信
  12. ^ 第39回 日本選手権 本大会 10月30日 京セラドーム大阪 第2試合 公益財団法人 日本野球連盟
  13. ^ ソフトB加治屋「来季は必ず初勝利」 日刊スポーツ 2014年12月28日掲載
  14. ^ 2014年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ) NPB.jp 日本野球機構
  15. ^ ソフトバンク13年ドラ1加治屋、2軍でプロ初勝利 日刊スポーツ 2015年6月18掲載
  16. ^ 2軍試合結果 2015年6月18日 福岡ソフトバンク 対 広島 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト
  17. ^ 2015年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ) NPB.jp 日本野球機構
  18. ^ 海外武者修行2015 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト
  19. ^ ソフトバンク13年ドラ1加治屋 初の1軍昇格へ 日刊スポーツ 2016年8月23日紙面から
  20. ^ 公示(出場選手登録・抹消) 2016年8月 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト
  21. ^ ソフトバンク加治屋がプロ初登板、1回1失点もホッ 日刊スポーツ 2016年8月26日掲載
  22. ^ 2016年8月26日 福岡ソフトバンク 対 千葉ロッテ 成績詳細 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト
  23. ^ 2016/09/01(木) 第20回戦 埼玉西武 vs 福岡ソフトバンク”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト (2016年9月1日). 2017年12月25日閲覧。
  24. ^ 2016年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2017年12月25日閲覧。
  25. ^ 吉村&加治屋1軍合流 吉村は「自分のやれることをやる。それだけです」”. 西日本スポーツ (2017年4月17日). 2017年8月26日閲覧。
  26. ^ 加治屋、またメモリアル被弾”. 西日本スポーツ (2017年5月26日). 2017年8月26日閲覧。
  27. ^ ソフトバンク・サファテら登録/1日公示”. 日刊スポーツ (2017年4月17日). 2017年8月26日閲覧。
  28. ^ 2017年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2017年11月2日閲覧。
  29. ^ ソフトバンク加治屋 岩崎の穴埋めリーグ最多登板”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2018年10月9日). 2018年10月10日閲覧。
  30. ^ “新人王の投票結果内訳は…セは東が得票率99%の圧勝、パは混戦も田中が制す”. Full-Count. (2018年11月27日). https://full-count.jp/2018/11/27/post256605/ 2018年11月29日閲覧。 
  31. ^ ソフトバンク加治屋はリハビリ組「ケガではない」”. 日刊スポーツ (2019年1月29日). 2020年2月28日閲覧。
  32. ^ “ソフトバンクが13年ドラ1加治屋蓮に戦力外通告 18年に72試合登板も今季は6試合止まり”. Full-Count. (2020年11月26日). https://full-count.jp/2020/11/26/post984120/ 2020年12月8日閲覧。 
  33. ^ “阪神、ソフトバンク加治屋と中日鈴木翔太を獲得調査”. 日刊スポーツ. (2020年12月8日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202012070000861.html 2020年12月8日閲覧。 
  34. ^ “阪神 前ソフトバンク・加治屋を支配下、前中日・鈴木を育成で獲得”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. (2020年12月8日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/12/08/kiji/20201208s00001173102000c.html 2020年12月8日閲覧。 
  35. ^ “阪神が加治屋蓮と鈴木翔太の獲得を発表”. 日刊スポーツ. (2020年12月8日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202012080000180_m.html 2023年5月27日閲覧。 
  36. ^ “阪神に加治屋が加入、スアレスと「元鷹リレー」も?”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年12月15日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202012150000931.html 2020年12月16日閲覧。 
  37. ^ “阪神加治屋が開幕戦白星「貴重な経験」首脳陣に感謝”. ニッカンスポーツ・コム. 日刊スポーツ新聞社. (2021年3月26日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202103260003458.html 2021年3月26日閲覧。 
  38. ^ “【阪神】加治屋蓮は1500万円増の3000万円 来季へ向け「けがなく戦える体を作り上げる」”. 日刊スポーツ. (2022年11月29日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202211290000437.html 2024年3月4日閲覧。 
  39. ^ “阪神・加治屋は止まらない 7球火消しで開幕から22試合連続無失点 球団最長記録樹立”. デイリースポーツ. (2023年6月11日). https://www.daily.co.jp/tigers/2023/06/11/0016459619.shtml 2023年6月11日閲覧。 
  40. ^ “【阪神】移籍後最多51試合登板の加治屋蓮は倍増6000万円「来季も50試合以上投げたい」”. 日刊スポーツ. (2023年12月2日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202312020000247.html 2024年3月4日閲覧。 
  41. ^ ソフトBドラ1加治屋「心眼投法」だった 日刊スポーツ 2014年1月11日紙面から
  42. ^ “ソフトバンクのオバマ”ドラ1加治屋が自ら売り込み 東スポWeb 2013年12月5日掲載
  43. ^ 加治屋蓮選手から時々オバマ‼ デンジャラス ノッチオフィシャルブログ 2013年12月6日掲載
  44. ^ “南米出身の右腕、予想超える活躍”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2017年5月11日). http://www.asahi.com/area/fukuoka/articles/MTW20160516411520002.html 2020年12月10日閲覧。 
  45. ^ ソフトバンク加治屋が結婚発表 福岡在住の一般女性”. 日刊スポーツ (2016年11月30日). 2017年8月26日閲覧。
  46. ^ “【阪神】加治屋蓮がプロ初セーブ“右打者殺し”発動「思い切りいきました」9回2死で中田翔斬り”. 日刊スポーツ. (2023年5月27日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202305270001190_m.html 2023年5月27日閲覧。 
  47. ^ “阪神・加治屋の開幕からの連続無失点が「22」で止まる 10日の日本ハム戦で球団新記録達成”. スポーツニッポン. (2023年6月14日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/06/14/kiji/20230614s00001173591000c.html 2023年12月13日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]