M4カービン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
M4A1カービン
|
|
| M4カービン | |
|---|---|
| 種類 | 軍用小銃 |
| 製造国 | |
| 設計・製造 | コルト・ファイヤーアームズ パンサーアームズ(DPMS) ブッシュマスター アーマライトなど |
| 仕様 | |
| 種別 | アサルトライフル |
| 口径 | 5.56mm |
| 銃身長 | 368.3mm |
| ライフリング | 6条右転 |
| 使用弾薬 | 5.56mm NATO弾 |
| 装弾数 | 20発/30発(箱形弾倉) |
| 作動方式 | ガス直圧、ターンロックボルト |
| 全長 | 850.9mm |
| 重量 | 3480g |
| 発射速度 | 700~900発/分 |
| 銃口初速 | 905m/秒 |
| 有効射程 | 360m |
| 歴史 | |
| 配備先 | アメリカ軍 |
M4カービンとは、コルト社が開発製造した軍用ライフル。主にアメリカ合衆国の軍隊で使用されている。
目次 |
[編集] 概要
M4カービンは5.56mm NATO弾を使用するM16A2アサルトライフルの全長を短縮し軽量化したM16A2カービンの派生型で、M16A2とは約80%の部品互換性を持つ。M4はM16A2同様のセミオートと3発バーストの発射機能を持つが、M4A1はバーストに代えてフルオートモードを備えている。M4A1は連続したフルオート射撃による加熱に耐えるために肉厚の銃身を採用している。
ほかのカービン銃同様にM4はコンパクトで、通常の長さの歩兵用アサルトライフルと比べてより取り回しがし易い。そのため、通常は歩兵以外の戦闘車両の運転手や将校らが使用する。またその可搬性のよさから身動きの取りづらい都市部における近接戦闘や特殊部隊、空挺部隊による特殊任務にも幅広く使用されている。
現在M4A1はアメリカ特殊作戦軍に制式採用されているほか、アメリカ陸軍特殊部隊でも好んで使用される。2006年にはマレーシアは現制式採用ライフル銃であるステアーAUGの後継としてM4を選択した。
M4は数社が類似モデルを製造しているが、コルト社はアメリカ合衆国政府と2009年までの製造に関する独占契約を締結している。また軍に残存しているM3A1短機関銃(これは主に戦車乗員の自衛用に装備されている)もM4に置き換えられる予定だという。M4は初期のM16の小型版であり1960年代のベトナム戦争時に開発、使用されたXM177との類似点も多いが、XM177等で使用されたM193/6弾に変わってM16A2と共通のSS109を使用するために銃身のライフルピッチが大きく異なる。
[編集] 歴史とバリエーション
M4A1カービンは特殊部隊用にM4カービンを改良したもので、M4には無いフルオートマチックモードを備えているほか、M1913仕様レイルを上部に備えるフラットトップレシーバを装備しているため各種光学機器や照準器(一般的にはトリジコンACOGやエイムポイントM68などが好んで使用される)が搭載できるほか、キャリングハンドルも取り付けられる 。M4A1はレンジャー部隊、デルタフォース、グリーンベレー、アメリカ海軍のNavy SEALs、アメリカ海兵隊偵察部隊を含むアメリカ軍の各部隊に多数配備されている。
2001年時点では、M4とM4A1は光学照準が容易にマウントすることを可能にし、着脱式キャリングハンドルを備えた代表的なカービン銃である。現在、政府が標準採用しているのはコルト社モデル920(M4)と921(M4A1)である。現時点の主な相違点はM4のセレクタがセフティ-セミ-バースト(S-1-3)であるのに対し、M4A1がセフティ-セミ-フル(S-1-F)である点である。また過去数年でM4A1カービンは、フルオート射撃による熱に耐えられるようにすべく、さらには精度の向上をさせるために、ハンドガード内に肉厚の銃身を備えたモデルへと改修または新規工場出荷されている。これらのコルト社モデル921HB(ヘビーバレル仕様)もM4A1として選定され、政府もそれに関する限り921と921HBの両モデルをM4A1相当としている。
M4カービンのバリエーションはイギリス陸軍特殊部隊(SAS)、オーストラリア陸軍特殊空挺部隊(SASR)など様々な海外特殊部隊に配備するため他社でも生産されている。オーストラリアのSASRは基本的にコルト社の輸出用モデルと同じものを使用しているが(コルト社は民間用と輸出用モデルとアメリカ軍用のモデルを区別している)、イギリスのSASは基本的にカナダのコルトカナダ(旧ディマコ)社によって製造されたM16の派生型であるC7A1やC8(M4のカナダ軍での名称)の派生型であるSFWのバリエーションを使用している。 皮肉なことに現在コルト社はディマコ社に生産を委託し購入しているため、この区別は本質的に無意味になっている。
コルト社のモデル925カービンはナイツアーマメント社(KAC)のRASを装着したM4E2の制式名称で試験されていたが、既存のカービンが名称変更なしにRASを装着することになったため、この名称は廃止になったようである。アメリカ軍の教範では、RIS(KAC社 M4 RASを含むように拡張の見込み)を装着することによりM4/A1カービンがM4/A1 MWS(Modular Weapon System / モジュラウェポンシステム)となると規定している。
SOPMOD-I(Special Operations Peculiar Modification-I / 特殊作戦用装備-1)用M4A1キットは、USSOCOM(特殊作戦司令本部)により、その管轄下の部隊での運用のため開発された。M4A1キットの特徴は、ナイツアーマメント(KAC)によって開発されたRIS(Rail Interface System)ハンドガードシステム、全長が短くなり迅速に着脱可能になったM203 グレネードランチャーと専用リーフサイト、KAC社サプレッサー、KAC社リアバックアップサイト、インサイトテクノロジー社AN/PEQ-2A可視/赤外線レーザーサイト、ナイトビジョン付トリジコン社ACOG(Advanced Combat Optical Gunsight)リフレックススコープなどである。このキットは多様な任務に対応するため組替可能(モジュラ式)の設計で、現在は特殊作戦部隊で使用されている(多くの兵士は、Trijicon社ACOGをM68エイムポイント社レッドドットサイトやEOTech社ホログラフィックサイトに換装している)。 第二世代のSOPMOD(SOPMOD-II)は現在開発中であり複数のメーカーが受注競争をしている。主なものにはナイツアーマメント社のURX II、ARMS社のSIR(Selective Integrated Rail)システム、ルイスマシン&ツールズ社のMRP(Monolithic Rail Platform)がある。
[編集] バリエーション
[編集] M4(M720)
M4(M16A2カービン モデルNo.720)はM16A2のカービン型である。 特殊部隊などに実験配備されたXM177やCAR-15、M16A2カービンの前例はあるものの、朝鮮戦争時に採用されたM1カービン以来の米軍制式カービン。コンセプトはXM177の短銃身と伸縮式銃床を継承している。
[編集] M4A1(927)
M4A1(M16A3カービン モデルNo.927)は、M4の改良型カービンである。 M4A1は特殊部隊用にM4の3バースト機構をフルオート機構に変更したもの。キャリングハンドルは着脱式となる。
[編集] M4E2(925)
M4E2(M16A3カービン モデルNo.925)は、M4カービンの改良型カービンである。 ハンドガードにアクセサリー装着用のピカティニーレイルを持つMWS(Moduler Weapon System)を装着したもの。MWSとしてナイツアーマメント社のRIS(Rail Interface System)が採用される。
[編集] C8
コルト・カナダが製造するM4カービン。C8,C8A1,C8A2,C8CQB,C8SFWなどがある。
[編集] コルト社以外のM4(M4クローン)
SR-16
- SR-16とは、ナイツアーマメント製のオリジナルM4であり、非常に精度が高く、同社のオリジナルレールインターフェースを標準装備し、サイトが折りたたみ式にているのが特徴。米軍特殊部隊で採用されている。銃身長等にバリエーションが存在する。SR-25を5.56mm弾使用カービンにしたセミオートオンリーの民間モデルSR-15も有る。(東京マルイやウエスタンアームズの遊戯銃は外観がM4E2になっているがこれは誤りである。 ナイツ社公式ページ)
LR-300
- LR-300とは、ZM-ウエポンズが開発したM4クローンである。ヤンキー・ヒル・マシーン(英:Yankee Hill Machine Co, Inc. YHM)社が下請けとしてパーツを納品している。
YHM社も自社ブランドでYMH-15を製作してる。オリジナルのハンドガードと折りたたみ式伸縮ストックを装備している。 カナダのM1911メーカー「パラオーディナンズ」のアメリカ支社パラUSA社が自社ブランドでタクティカル・ターゲット・ライフル(英:Tactical Target Rifle)として発売している。
H&K HK416(HKM4)
詳細は「H&K HK416」を参照
[編集] デザイン
M4/M4A1カービンはガス圧作動、銃身空冷式、マガジン給弾式、発射方式切替式で伸縮式ストックを備えたアサルトライフルである。約37cmの銃身を持つM16A2アサルトライフルのショートバージョンであるM4A1は、密室での近接白兵戦から比較的長距離からの一撃必殺の狙撃まで対応可能である。 M4A1カービンは、小型であることや火力から近接戦闘用(CQB)ライフルとして、対テロリスト部隊や特殊部隊が特に好んで使用している。M4はM16ほど有効射程が長くないが、多くの軍事評論家は特殊用途の小火器には300m以上の射程は不要と解釈しており、150m以下でも充分に有効であると言われている。
(本計画はXM29 OICWやXM8カービン開発計画に変更される可能性がある)。
M16A2との主な相違点:
- 小型化
- 短銃身
- 伸縮式ストック
- 発射速度の高速化
- 3点バーストからフルオートへ変更 (M4A1)
しかしながらM4カービンは短銃身のため弾速が遅く銃声も大きく、ガスシステムが短いため部品にストレスが加わることや、M16A2より速く銃身が過熱する傾向があるなどの欠点も指摘されている。
[編集] アクセサリー
M16アサルトライフルに準じ、M4カービンおよびM4A1カービンは、暗視装置、レーザーポインター、光学照準スコープ、バイポッド、M203 グレネードランチャーおよびXM26 LSSアンダーマウントショットガンのような多くのアクセサリーが装備可能である。
他の共通アクセサリーにはAN/PEQ-2、ACOGおよびM68 エイムポイントがある。
[編集] 報告資料
2002年4月、ネーティック兵士センターにてチャーリー・ディーン中佐とサム・ニューランド一等軍曹が発表した、アナコンダ作戦などアフガニスタンでの軍事行動において使用されたM4A1に関する兵士からの報告内容は、以下のとおりである。
- 射撃時にハンドガードがガタつき、過熱する - 34%
- M68リフレックスサイトの照準を合わせづらい - 15%
- クリーニングキットにツールとしてヘアブラシを追加した - 35%
- クリーニングキットにツールとしてデンタルピック(楊枝)を追加した - 24%
- 報告された動作不良は以下のとおり。
- 20% - 二重装填
- 15% - ジャム
- 13% - 弾倉に起因する装弾不良
- M4A1に信頼を置いている - 89%
- メンテナンスの手間に不満がある - 20%
[編集] 2007年 ダスト・テスト結果
2007年秋、メリーランド州アバディーン試験場において、M4は他の3つのライフル、XM8、SCAR、HK416とともに、砂塵の多い状況下での試験が行われた。この試験では各ライフルが10丁ずつ用意され、1丁につき6000発が射撃され、全体では1つの種類につき60000発が発射されたことになる。その結果M4は他のライフルよりはるかに多い、882回の射撃停止障害を起こし、19回は部品の修理を必要とした。XM8が最も障害が少なく、障害は116回、重大な障害が11回であった。SCARは223回、HK416は233回の障害発生があった。
現在、アメリカ陸軍はM4を改良する計画をしており、改良点は、新しいコールド・ハンマー製法による寿命の延長と、射撃障害をへらすための弾倉の改良である。M4の射撃障害においては弾倉の不具合が882の内239を占めていた。
アメリカ陸軍によると、新しい弾倉はテストが順調にいけば2008年春には配備できると言う。
[編集] 登場作品
詳細は「M4カービンに関連する作品の一覧」を参照
[編集] 関連項目
- 小銃・自動小銃等一覧
- M16
- H&K HK416 - 近代化改良型
- 86式小銃(86式戦闘歩槍) - 台湾軍制式アサルトカービン。作動方式はHK416同様ピストン式。
- 91式小銃(91式戦闘歩槍)
- H&K XM8
- FN SCAR
- カービン
- ピカティニー・レール


