M9 (銃剣)

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M9 銃剣
US-Military-M9-Bayonet.jpg
M4カービンに装着されたM9銃剣
種類 銃剣
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
運用史
配備期間 1984年-
配備先 アメリカ海兵隊,アメリカ陸軍
関連戦争・紛争 湾岸戦争,パナマ侵攻,対テロ戦争,イラクの自由作戦
開発史
開発者 Charles A. "Mickey" Finn
開発期間 1984年
製造業者 Phobris, Buck Knives, LanCay, and Ontario
製造期間 1984年-
製造数 405,000本以上
諸元
全長 12 in (30 cm)
刃長 7 in (18 cm)

刃部 Clip Point

M9バヨネット(M9 bayonet)は、アメリカ軍で使用されているM16系統の自動小銃に装着する銃剣M16A2の採用にあわせて1984年M7バヨネットの後継として採用された。

概要[編集]

大規模な火力を持つ兵器を用いた近代戦において、近距離で将兵が入り乱れて行う白兵戦闘が発生することは非常に限定的であり、銃剣を用いての接近戦は稀である。その為、アメリカ軍においても銃剣の持つ役割の比重は段々低下していた。M7バヨネットは短い刃を持ち、最低限の刺殺性能を持つ簡素なモデルが採用され、銃剣が使用されるのは銃弾が尽きた後の最終的な手段や、式典などの儀礼的な場合に着剣されることが想定されていた。そのためM9バヨネットでは、銃の先に付けて使用するためだけに携行するのではなく、野外活動に伴う様々な目的に使用できるようにいくつかの用途を付随して用いられることを想定して設計され、M9MPBS(MultiPurposeBayonetSystem:多目的銃剣システム)とも呼ばれる。

発明家であり、アメリカ軍の兵器やゴルフパターの設計でも知られるミッキー・フィン(Mickey Finn)によってデザインされ、32万5,000本がアメリカ軍へ正式納入された。主な生産はバック社、フロビス社、ランケイ社、オンタリオ社など。

構造[編集]

M9 銃剣とM10 銃剣鞘(改良生産型)
銃剣鞘と組み合わせてワイヤーカッターとして使用する状態

ブレードはクリップポイント、HRC硬度53-58の約6mmの厚さを持つステンレス製で、ブレード右側面には大き目のブラッドグルーヴを備える。シースと組み合わせてワイヤーカッターとして使用する為の穴が刀身に開けられており、ヒルトには栓抜きとして使用する為のくぼみがつけられている。鋼材はナロータングで、中空ハンドル内を貫通し、ハンドル後部で六角ネジで固定されている。そのため六角レンチを使うことで分解メンテナンスが可能である。プラスチック製ハンドルの断面は円形で、滑り止めが施されている。

シースはプラスチック製で、裏には砥石が取り付けられ、使わない時はナイロンのベルトをカバーのように覆えるようになっている。シース内部にはブレードを保持するための板バネが取り付けられており、振ったり逆さにしても落ちることがない。シース表にはナイロンポーチが取り付けられていて、M9拳銃マガジンや小物を収納することができる。シース下部にはナイフ本体の穴と組み合わせるワイヤーカッター機構がある。ベルトにつける部分は太めの針金のようなクリップになっている。ベルトにつけた状態でもワイヤーカッター機能を使用できるように、ベルトに装着する部分とシース本体はファステックスで脱着できるようになっている。

本モデルの影響は大きく、NATO軍も類似したデザインの銃剣を採用しただけではなく、違法にコピーされたものも含めて、本モデルにインスパイアされた類似したナイフが多く生産された。 公式の派生としては、爆発物処理に使う、M11 EODと呼ばれるM9に酷似したナイフがあり、こちらも制式採用されている。

また、その知名度からアニメやゲームにもM9と思われるナイフがコンバットナイフとして度々登場する。

M9銃剣は画期的な銃剣であるが、重く(ナイフ本体で400g近い)かさばる。その為なのか、海兵隊ではM9があまり使用されていないようで、M9が採用された後も旧来のM7銃剣やケイバー・コンバットナイフ(KA-BAR)を使用していたという。 海兵隊では、これら2種のナイフを統合するOKC-3Sという新型バヨネットが最近になって採用された。

関連項目[編集]