バトルライフル

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バトルライフル: Battle rifle)は、軍用の自動小銃のうち7.62x51mm NATO弾のような大口径フルロード弾を発射するものを指すとされる分類。

定義[編集]

通常は第二次世界大戦後に発表されたセレクティブ・ファイア機能を搭載した自動小銃H&K G3FN FALM14など[1])を指し、場合によってはM1ガーランドなど第二次世界大戦中に使用された自動小銃をも含むとされる。

バトルライフルなる語は比較的最近になって提唱された造語であり、アメリカにおいて大口径自動小銃であるM14と小口径自動小銃であるM16を比較する為に作られた語であるとされる。ただし、バトルライフルなる分類は軍組織のマニュアルや政府機関の文章によって厳密に定義されたことはなく、また、使用されることも稀である。その為、現在のところバトルライフルに小銃を分類すること自体が主観的な行為と見なされうる。バトルライフルという語を用いたアメリカ合衆国海軍省発の文書は存在するものの[2]、単にMK14 ENHANCED BATTLE RIFLEなる商品名を引用したものと思われる。

デザイン[編集]

一般的にバトルライフル、すなわち第二次世界大戦後の大口径自動小銃が備える威力と長射程射撃における精度は遠距離目標を射撃する事を意図しているが[3]、それを実現する為の重量や長銃身は近接格闘において不便を生ずる。また、大抵のバトルライフルはフルロード弾の反動の為、これを抑える工夫が為されているにも係わらず、フルオート射撃時の制御は極めて困難である[4]

一方、アサルトライフルではM16などの5.56x45mm NATO弾95式自動歩槍5.8x42mm弾AK-477.62x39mm弾などの中間弾薬を使用するものとされる。但し、フルロード弾と中間弾薬、あるいはバトルライフルとアサルトライフルという分類を行うと、ライフル及び銃弾仕様のいくつかが分類を跨いで重複する場合がある。例えば、比較的コンパクトなセレクティブ・ファイア機能付小銃の中にも、7.62mm弾を使用するものがある[4]

歴史[編集]

第二次世界大戦中、連合国及び枢軸国の研究者は、小火器による戦闘はその大部分がおよそ300m以内で発生している事を発見した[5][6]。これらの比較的狭い範囲における戦闘では、バトルライフルの利点はほとんどが無駄になっていた。この点から近代的な軍隊では、より小型かつ軽量で持ち運びが容易なライフル、すなわちカービンを求めるに到る。世界初の現代的アサルトライフルと呼ばれるStG44もまた、こうした反省から開発された[7]

ところが近年、バトルライフルに比べて射程、貫通力、威力に劣るカービン及び軽量小銃に対する反発が強まってきている[8]ボディアーマーの進歩や、見晴らしがよく長射程を求められる砂漠や植生の少ない乾燥地域での紛争が増加したことが要因の一部とされる[要出典]

これに対して、アメリカ陸軍では分隊選抜射手プログラム(Squad Designated Marksman program)、アメリカ海兵隊では分隊高級射手(Squad Advanced Marksman)なる制度を制定した。この制度におけるマークスマンの役割は、一般小銃兵と狙撃兵の間に生まれる射程の空白、すなわち300m以上600m未満の射程距離を埋めることである[9]。マークスマンは確実な命中を期するべく軽量かつ速射性に優れる銃を使用し、また、十分な射撃訓練を経験する事で、口径のより大きな小銃の射程と火力に対するアドバンテージを得るのである。

アメリカ海兵隊では、正確な射撃の為に熟練が必要としてM16の採用後に廃止されていたM14をマークスマン用装備として改めて採用した。

脚注[編集]

  1. ^ Charles Karwan (December 1999), “Military Guns Of The Century”, Guns Magazine, http://findarticles.com/p/articles/mi_m0BQY/is_12_45/ai_57006135/ 
  2. ^ アメリカ海軍省装備調達予算見積書 (154ページ)”. U.S. Navy (2007年2月). 2009年12月24日閲覧。
  3. ^ 1903 Springfield”. 2009年6月10日閲覧。
  4. ^ a b Hogg, Ian, and Weeks, John Military Small Arms of the 20th Century 5th ed. DBI Books (1985)
  5. ^ Markham, George, Guns of the Reich: Firearms of the German Forces 1939-1945, Arms and Armour Press (1989), pp.110-113
  6. ^ M16 5.56mm Semiautomatic Rifle” (2005年3月12日). 2009年5月27日閲覧。
  7. ^ Markham, George, Guns of the Reich: Firearms of the German Forces 1939-1945, Arms and Armour Press (1989), pp.115-116
  8. ^ Drummond, Nicholas and Williams, Anthony G., Biting the Bullet (2009) http://www.quarry.nildram.co.uk/btb.pdf
  9. ^ Soldiers evaluate weapons, optics for program Marksmen test fundamentals of firing” (2006年8月4日). 2009年5月27日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]