H&K HK416

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H&K HK416/H&K HK417
HK416.jpg
Aimpoint CompM4ダットサイトとフォアグリップをピカティニー・レールに取り付けたHK416N
H&K HK416/H&K HK417
種類 軍用小銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ
設計・製造 ヘッケラー&コッホ
仕様
種別 カービン
歴史
製造期間 2005年-現在
配備期間 2005年-現在
配備先 #使用国を参照
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H&K HK416(HKM4)は、独ヘッケラー&コッホ社(H&K社)が開発したM4カービンの近代改良版のエンハンスド(Enhanced 強化/改良)カービンである。


概要[編集]

H&K社が、イギリス軍L85A1の近代改修を請け負ったため、アメリカ陸軍M4カービンの改修をH&K社に依頼、それを受けて作られた改修モデルがHKM4である。このHKM4は最終的にHK416と呼ばれる。

特徴[編集]

アフガニスタンでHK416Nを使用するノルウェー軍兵士
 
HK416を使用するポーランド軍特殊部隊GROMの隊員

リュングマン式からショートストロークピストン式への変更、ピカティニー・レールシステムの標準装備、新しいスチール製の弾倉の採用など、作動の確実性と耐久性の向上を企図している。銃身の長さに応じて複数のバリエーションが存在し、その銃身長に応じた名称が付与されている。

HK416(HKM4)は、特にショートストローク化されたガスピストンがロッド経由でボルトを押し戻すため、機関部内には高温で汚れた発射ガスが一切入らず、保守性、耐塵性が向上している。銃身は冷間鍛造技術の採用によって長寿命化され、20,000発以上発射しても銃口初速が衰えず命中精度が維持できるとされている。

リング型フロントサイトガードやドラム型リアサイトとH&K社特有の意匠が採用されたほか、マグウェル形状やマガジン、エキストラクタなどの細部も強化され、新弾薬である6.8×43mm SPC口径バリエーションも存在する。レールシステムによってM203 グレネードランチャーに替わるH&K AG416も装備可能である。

日本においても、海上自衛隊の平成20年度調達予定品目に「研究・評価用弾薬等購入(HK-416用弾薬(フランジブル弾等)」という記載があり、試験的にHK416が納入されていることが確認できる[1]。また、これ以外にヘッケラー&コッホ社の日本代理店であるJALUX[2]が海上自衛隊に「特殊小銃」という名称の装備を納入しているが、詳細は不明である。陸上自衛隊でも「特殊小銃」、「特殊小銃(B)」という名称の装備を購入しており、こちらも調達情報にはヘッケラー&コッホ社製と記載されている[3]

アメリカ軍特殊部隊でも一部には既に納入実績があり、次期正式ライフルとするかそれまでの繋ぎとして注目されている。

トルコ軍では自国のMKE社がライセンス生産したものを「Mehmetçik-1」という名で軍の次期正式アサルトライフルとすることが決定しており、それまで使用していたH&K G32010年に置き換える予定である。

さらに、5.56x45mm NATO弾を使用する他のAR-15系統のライフルとのレシーバーの交換など互換性がSCAR以上にある。

諸元表
型式名 HK416 M27 IAR HK417
HK416C D10RS D14.5RS D16.5RS D20RS Assaulter Recon Sniper
使用弾薬 5.56x45mm NATO弾 7.62x51mm NATO弾
銃身長 228mm 264mm 368mm 419mm 505mm 420mm 305mm 406mm 508mm
施条 6条右転, 1:7インチ 4条右転, 1:11インチ
作動機構 ショートストロークピストン式
閉鎖機構 ロータリーボルト式
発射速度 650発/分 500-600発/分
装弾数 30発(STANAG マガジン 20発
全長 560-690mm 700-796mm 804-900mm 855-951mm 941-1,037mm 840-940mm 805-885mm 905-985mm 1,005-1,085mm
重量 3,090g 3,270g 3,740g 3,810g 4,105g 3,850g 4,364g 4,608g 4,958g

バリエーション[編集]

HK416C
銃身長を9インチまで短縮したコンパクトモデル。ストックH&K MP5A1/A3に似たワイヤー伸縮ストックに、フラッシュハイダーはバードケージ型から先割れ型に変更された。
HK417(en)
HK416の7.62x51mm NATO弾モデル。HK416の弾倉がスチール製のものであるのに対し、HK417の弾倉は同社のG36ライフルのように半透明のプラスチック製で中の弾丸が見えるようになっている。銃身の長さが異なる製品(12インチ、16インチ、20インチモデル)が存在する。
M27 IAR
アメリカ海兵隊M249の後継として採用した分隊支援火器。16.5インチのヘビーバレルを持つ。
MR556/MR762
セミオートのみとしたHK416/HK417の民間版。
MR762の改良版をマークスマンライフルG28としてドイツ連邦軍が採用している。

使用国[編集]

組織名称 モデル 数量 Date
アルバニアの旗 アルバニア アルバニア警察テロ対策特殊部隊「Reparti i Neutralizimit të Elementit të Armatosur[4] HK416 実地試験用に少数 _
オーストラリアの旗 オーストラリア オーストラリア国防軍特殊作戦軍[5] D10RS[5][6] 実地試験用に少数 _
フランスの旗 フランス フランス空軍空挺コマンド部隊第10中隊[7] HK416 _ _
フランス陸軍第1海兵歩兵落下傘連隊[8] HK416 _ _
ドイツの旗 ドイツ ドイツ連邦陸軍特殊作戦コマンド(KSK) [9] _ _ _
インドネシアの旗 インドネシア インドネシア海軍テロ対策特殊部隊「Detasemen Jala Mengkara (Denjaka)」 [10] _ _ _
アイルランドの旗 アイルランド アイルランド陸軍レンジャー部隊[11] _ _ _
イタリアの旗 イタリア イタリア特殊作戦軍[9] _ _ _
日本の旗 日本 海上自衛隊[12] _ 研究・評価用 _
韓国の旗 韓国 大韓民国海軍特殊戦旅団 _ _ _
マレーシアの旗 マレーシア マレーシア海軍海上テロ対策特殊部隊「Pasukan Khas Laut (PASKAL)」[13][14][15] D16.5RS 180 2010
オランダの旗 オランダ オランダ陸軍コマンドー軍団[16] D10RS
D14.5RS
_ July 2010
オランダ海兵隊海洋介入ユニット[17] D10RS
D14.5RS
_ July 2010
オランダ海兵隊海上特殊作戦部隊[18] D10RS
D14.5RS
_ July 2010
Brigade Speciale Beveiligingsopdrachten of the Royal Marechaussee[19][20] D10RS
D14.5RS
_ July 2010
ノルウェーの旗 ノルウェー ノルウェー軍,[21] replacing the AG-3 which has been in use since 1967[22] HK416N 89000 2010
ポーランドの旗 ポーランド GROM of the Wojska Specjalne Rzeczypospolitej Polskiej[23] D10RS, D165RS _ 2008
1 Pułk Specjalny Komandosów of the Wojska Specjalne Rzeczypospolitej Polskiej [24] D145RS, D165RS _ 2009
Various Policja groups[25] _ _ _
セルビアの旗 セルビア Special Brigade[26] HK416 _ 2010
スロバキアの旗 スロバキア 5th Special forces regiment[27] _ _ 2010
トルコの旗 トルコ トルコ軍が、MKEK社のライセンス生産品Mehmetçik-1を使用[28] _ 9,000[要出典] 2010
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アメリカ陸軍第1特殊作戦部隊デルタ分遣隊(デルタフォース)[29] _ _ _
アメリカ陸軍非対称戦群[30] _ _ _
アメリカ合衆国議会警察封じ込めと危機対応チーム (CERT)[31] _ _ _
NASA ERT[32] _ _ _
アメリカ海兵隊 [33] M27 IAR 458,実地試験用 _
アメリカ海軍特殊戦コマンド (Navy SEALs,DEVGRU)[34] _ _ _

登場作品[編集]

映画・ドラマ[編集]

シーズン8にて、CTUニューヨーク支局の武器庫にHK416が保管されている。
ジョン・コナーが作品の中盤まで使用。C-moreドットサイトフラッシュライトが装着されている10inモデル。
サルコジの一味が使用。証拠品として一味が落としたものを拾うも奪われてしまった。また、チェン・リンも使用。

ゲーム[編集]

ライフルマンのメイン武器としてHK416が登場。ユーロ(ゲーム内仮想通貨)にて販売しており、伍長5以上で購入・装備できる。標準装備のドットサイトは、ACOGスコープなどに換装可能。他にもレーザーサイトとバレルなどのカスタムパーツがある。
また、スナイパーのメイン武器としてHK417も登場。ユーロにて販売しており、伍長5以上で購入・装備できる。HK416よりも高い火力と高い精密度が特徴である。
メイン武器として登場。M4のグリップを付け替えることでHK416として使用することができる。
M4と同じパーツを使用することができる。
キャンペーンやカスタムミッションなどで「416」の名称で登場。ACOGスコープなどのスコープやレーザーサイト、M203M870などのパーツも取り付けできる。
HK417が登場。装弾数が30に拡張されている。
「M9」という名称で登場する。
HK416が登場 中盤-終盤のアサルトライフルとして使用可能 拡張マガジン装着で60発装填可能。
キャンペーンで米軍の主力ライフルとして「M416」の名で10inchモデルが登場。マルチプレイでも米軍陣営時に突撃兵を選択することで使用可能。M203を標準装備。
マルチプレイのみ「M416」の名で10inchモデルが登場。M203が標準装備されており、ドットサイトやスコープも装着可能。キャンペーンでは主力ライフルの座をXM8に譲っている。
「M416」の名で10inchモデルが登場。M320M26 MASS、ドットサイト、スコープなどのアクセサリを装着可能。
また、援護兵の主武器としてM27 IARも登場するほか、セミオートのスナイパーライフルとしてM417も登場。
前作に続き、「M416」という名称で登場。
前作と違い、M27やM417は登場していない。

出典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y0/nyuusatsu/K-21-0075-4050.pdf
  2. ^ http://www.mod.go.jp/gsdf/gmcc/hoto/hzyo/hzyo210722.htm 公共調達の適正化について(平成18年8月25日付財計第2017号)に基づく随意契約に係る情報の公表(物品役務等) 技術援助(小火器等専用装備品の技術指導)
  3. ^ 補給統制本部公示第132号 平成23年1月28日
  4. ^ YouTube - hk in albania
  5. ^ a b Contract Notice View - CN253784”. AusTender. Australian Government (2010年1月12日). 2011年1月30日閲覧。
  6. ^ “CQB weapon sought for Oz Special Forces”. Australian Defence Magazine. (2009年8月4日). http://www.australiandefence.com.au/C1416489-5056-8C22-C9356780A64017B9 2011年5月12日閲覧。 
  7. ^ L'armée de l'air abandonne (partiellement) le fusil FAMAS” (2009年6月6日). 2012年7月29日閲覧。
  8. ^ YouTube - 1RPIMa Entraînement du défilé du 14 juillet 2009
  9. ^ a b Kemp, Ian (2009年). “A New 5.56mm Generation or a Changing of the Guard?”. http://asianmilitaryreview.com - Asian Military Review. 2010年4月18日閲覧。
  10. ^ HK416, The New Denjaka Weapon
  11. ^ Tactical Weapons, May 2010 Issue. Guns of the Elite: Multi-Mission Warriors, page 92.
  12. ^ 「自動小銃固定用金具の製作以下3件」の契約希望者募集要項” (2009年4月22日). 2010年4月19日閲覧。[リンク切れ]
  13. ^ Abas, Marhalim (2009-05-06). “Tender of HK416”. Malaysian Defence. http://www.malaysiandefence.com/?p=590 2010年2月1日閲覧。. 
  14. ^ Abas, Marhalim (2010-04-23). “DSA 2010 Part III”. Malaysian Defence. http://www.malaysiandefence.com/?m=20100423 2010年5月25日閲覧。. 
  15. ^ Abas, Marhalim (2010-04-23). “DSA 2010: The biggest security and defence show in Asia”. Malay Mail Online. http://www.mmail.com.my/content/35151-dsa-2010-biggest-security-and-defence-show-asia 2010年5月25日閲覧。. 
  16. ^ KCT operator krijgt nieuw persoonlijk wapen, Dutch Defence Press, 16 July 2010 (Dutch)
  17. ^ Elite operators of the Royal Netherlands Marine Corps, Dutch Defence Press, 9 October 2010
  18. ^ Special Forces - Wapens - Heckler & Koch 416” (Dutch). Netherlands Legermuseum: Collectie Informatie Centrum. 2010年9月11日閲覧。
  19. ^ HK416 nieuwe wapen commando’s, Dutch Ministry of Defence, 16 July 2010
  20. ^ HK416” (Dutch). Dutch Ministry of Defence. 2010年9月18日閲覧。
  21. ^ Watne, Monique (2008年9月22日). “Nye angrepsrifler i Afghanistan”. Mil.no. http://www.mil.no/start/aktuelt/article.jhtml?articleID=166327 2010年2月4日閲覧。 
  22. ^ Norway selects the HK416”. 2007年9月22日閲覧。
  23. ^ Wilk (REMOV), Remigiusz. “Nowe gromy GROM”. http://www.altair.com.pl/cz-art-1660 
  24. ^ Chloupek, Ireneusz. “Lubliniec”. Special Ops (Oficyna Wydawnicza Medium). http://www.e-czytelnia.eu/md/home/book/283.xhtml 
  25. ^ http://bip.kgp.policja.gov.pl/download.php?s=18&id=8523
  26. ^ Društvo : Najsavremeniji „hekleri” za Vojsku Srbije : POLITIKA
  27. ^ Profesionál, 4. marca 2010”. 2010年4月22日閲覧。
  28. ^ Ministerstvo obrany SR :: Profesionál, 4. marca 2010
  29. ^ Cox, Matthew (March 1, 2007). “Better than M4, but you can't have one”. Army Times. http://www.armytimes.com/news/2007/02/atCarbine070219/ 2007年3月15日閲覧。. 
  30. ^ Army takes HK416s from special unit - Army News, opinions, editorials, news from Iraq, photos, reports - Army Times
  31. ^ HK Pro article
  32. ^ Andre M. Dall'au. “NASA ERT: Spaceport Protectors”. Tactical Life. 2010年5月23日閲覧。
  33. ^ IAR What IAR: The USMC’s SAW Substitution
  34. ^ Senator Tells Army to Reconsider M4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]