フラッシュサプレッサー

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銃口先端に付いている穴の空いた装置が(バードケージ:鳥カゴ型)フラッシュサプレッサー(SIG SG550

フラッシュサプレッサー: flash suppressor)は、銃身の先端に装着し、発火炎(マズルフラッシュ)の発生を抑制する装置である。フラッシュハイダーとも呼称される。主に用の銃火器に装備される。日本語では「消炎器」などと呼称される。

フラッシュサプレッサーと同様、銃身先端に装着するものにマズルブレーキがあるが、目的、効果が異なる。

概要[編集]

銃身長の長い銃器や装薬量の少ない弾薬の場合、弾丸銃口を離れるまでに発射火薬はほぼ燃焼し、銃口からはおおよそ発射煙のみ排出される。しかし、銃身長の短い銃器や装薬量の多い弾薬の場合では、発射火薬が銃口を出た後に燃焼し球状の発火炎となる。この発火炎は夜間射撃の際には射手の視界を妨げ暗順応を破壊し、射撃、照準能力の低下を招く。また、夜間戦闘時は特に発火炎により敵に発射位置が判明しやすくなる。フラッシュサプレッサーは、上記の問題を軽減するために考案された。

機能[編集]

シュワルツローゼ重機関銃の銃身先端に装備された円錐形状のフラッシュハイダー

初期は円錐形の漏斗状の物が多く、これらは一般的にはフラッシュサプレッサーではなくフラッシュハイダーと呼称される。また、円錐形であることから、マズルコーン、フラッシュコーンとも呼称される。この形状の物は、銃口から弾丸が離れた後に出てくる燃焼ガスを、漏斗形状の内部の空間で燃やすことで発火炎の発生を抑制し、射手から発火炎を見え難くする構造となっている。また、メガホンと同じように発射音の拡散を前方に限定し、射手の耳への負担を軽減する効果もある。大型になりやすいことや機能が限定され、敵の方向に対して発火炎を隠せないことなどから、第二次世界大戦以降の装備例は少ない。

装備例:ブレン軽機関銃Rifle No.5 Mk 1 "ジャングル・カービンM1ライフル(追加装備)、M1カービン(追加装備)、九九式軽機関銃DP28軽機関銃など

ツァスタバ M70Bのフラッシュサプレッサー

第二次大戦以降は、銃身径より若干大きい円筒形で左右、または周囲に複数のスリットや穴を設けた形状の物が一般的となった。 この形状の物は、燃焼ガスをスリットや穴から分散して放出し急速に冷却することで密度と温度を大幅に低下させ、発火炎の発生を抑える構造となっている。前方が開口しているスリット形状のものも存在するが、この形状の場合スリットに異物が挟まったり、外部からの力により変形しやすいなどの問題もあるため、前方をつなげて鳥かご形状にした物の採用が多くなっている。呼称としては、フラッシュサプレッサー、フラッシュハイダー共に区別なく使用されている。

また、この形状のフラッシュサプレッサーでは発射ガスが周囲に拡散されるため、反動を軽減する効果もある。反面、発射ガスの拡散により発砲音は大きくなる傾向にある。また、上方にのみスリットを設けることでコンペンセイターとしての役割も持つM16A2のフラッシュサプレッサーのように複数の役割を持ったものも多く、フラッシュサプレッサーとマズルブレーキの機能が統合された物「消炎制退器」も存在する。NATO諸国および西側各国で使用されているアサルトライフルではフラッシュサプレッサーの外径を22mmにした物を採用し、ライフルグレネードランチャーを兼用している例が多い。

装備例:M16AK-7489式5.56mm小銃など多数

関連項目[編集]