1954年のワールドシリーズ

	1954年のワールドシリーズ
チーム	勝数
ニューヨーク・ジャイアンツ（NL）	4
クリーブランド・インディアンス（AL）	0
	シリーズ情報
試合日程	9月29日 - 10月2日
殿堂表彰者	レオ・ドローチャー(NYG/監督); モンテ・アーヴィン(NYG); ウィリー・メイズ(NYG); ホイト・ウィルヘルム(NYG); アル・ロペス(CLE/監督); ラリー・ドビー(CLE); ボブ・レモン(CLE); アーリー・ウィン(CLE)
	チーム情報
	ニューヨーク・ジャイアンツ（NYG）
監督	レオ・ドローチャー
シーズン成績	97勝57敗
	クリーブランド・インディアンス（CLE）
監督	アル・ロペス
シーズン成績	111勝43敗
	全米テレビ中継
放送局	NBC
実況	ラス・ホッジス; ジャック・ブリックハウス
< 1953	1955 >

1954年のワールドシリーズ（1954ねんのワールドシリーズ）は、1954年 9月29日から10月2日まで行われたメジャーリーグのワールドシリーズである。

概要[編集]

第51回ワールドシリーズ。アメリカンリーグは6年ぶりの出場クリーブランド・インディアンス。ナショナルリーグは3年ぶり出場のニューヨーク・ジャイアンツとの対戦となった。結果は4勝0敗でニューヨーク・ジャイアンツが21年ぶり5回目の優勝。ジャイアンツにとってニューヨーク時代最後の優勝になった。

試合結果[編集]

表中のRは得点、Hは安打、Eは失策を示す。日付は現地時間。

第1戦 9月29日[編集]

ニューヨーク州ニューヨーク／マンハッタン - ポロ・グラウンズ


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	R	H	E
インディアンス	2	0	0	0	0	0	0	0	0	0	2	8	0
ジャイアンツ	0	0	2	0	0	0	0	0	0	3	5	9	3

勝：マーブ・グリッソム(1-0) 敗：ボブ・レモン(0-1)
本塁打
CLE：なし
NYG：ダスティ・ローズ(1)
観客動員数: 52,751人

The Catch[編集]

のちにアメリカ野球殿堂入りしたウィリー・メイズは、第1戦で今も語り継がれるファイン・プレーを見せ、そのプレイは「The Catch」（ザ・キャッチ）と呼ばれている。

2-2で迎えた8回、インディアンスは先頭のラリー・ドビーがフォアボールで出塁、続くアル・ローゼンのヒットでノーアウト一、二塁とチャンスを作る。ここで打席に立ったビック・ワーツが打った打球はセンターのメイズの後方へ飛ぶ。これで誰もがインディアンスが勝ち越し、試合が決まったと思った。

しかし、この打球を懸命の背走で追ったメイズはバックスクリーン方向へ懸命に走ると、振り向くことなく、背面キャッチを披露。

試合は延長戦にもつれ込み、最後はジャイアンツがサヨナラ勝ちを収め、そのまま勢いに乗ったジャイアンツは、一気にインディアンスに4連勝しワールドチャンピオンに輝いた。

このメイズのファイン・プレーはシリーズの流れを決し、メイズが打球をグラブに収める瞬間を見事にとらえた写真が広まったこともあり、このプレーは「ザ・キャッチ」（日本では「背面捕球」といわれている）として今も語り継がれている。現在のジャイアンツの本拠地サンフランシスコで行われた2007年のオールスターゲームでは、試合開始前のセレモニーにメイズが登場し始球式を行ったが、登場の際スクリーンには「The Catch」の写真が映し出されていた。

また、この打球を放ったワーツは後に、「あの打球が三塁打かホームランになったら、みな私の事など忘れているだろう。」と語っていたという。

サヨナラホームラン[編集]

メイズの「The Catch」で息を吹き返したジャイアンツは延長10回の裏、先発して投げ続けてきたインディアンスのボブ・レモンを攻めたてワンアウト一、二塁のチャンスを迎える。ここでレオ・ドローチャー監督はこの試合ヒットのないモンテ・アービンに代えてダスティ・ローズを打席に送る。シーズンでも代打で.340の好成績をあげていたローズは期待に応えて256フィート（約77m）のライトスタンドのフェンスすれすれに入るサヨナラ3点本塁打を放った。翌日の新聞の見出しの多くが「440フィート（約133m）がタダのアウトで260フィート（約78m）がホームラン？」というようなものだったという^[1]。

第2戦 9月30日[編集]

ニューヨーク州ニューヨーク／マンハッタン - ポロ・グラウンズ


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	R	H	E
インディアンス	1	0	0	0	0	0	0	0	0	1	8	0
ジャイアンツ	0	0	0	0	2	0	1	0	X	3	4	0

第3戦 10月1日[編集]

オハイオ州クリーブランド - ミュニシパル・スタジアム


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	R	H	E
ジャイアンツ	1	0	3	0	1	1	0	0	0	6	10	1
インディアンス	0	0	0	0	0	0	1	1	0	2	4	2

勝：ルーベン・ゴメス(1-0) 敗：マイク・ガルシア(0-1) S：ホイト・ウィルヘルム(1)
本塁打
NYG：なし
CLE：ビック・ワーツ(1)
観客動員数: 71,555人

第4戦 10月2日[編集]

オハイオ州クリーブランド - ミュニシパル・スタジアム


	1	2	3	4	5	6	7	8	9	R	H	E
ジャイアンツ	0	2	1	0	4	0	0	0	0	7	10	3
インディアンス	0	0	0	0	3	0	1	0	0	4	6	2

勝：ドン・リドル(1-0) 敗：ボブ・レモン(0-2) S：ジョニー・アントネリ(1)
本塁打
NYG：なし
CLE：ヘンク・マジェスキー(1)
観客動員数: 78,102人

脚注[編集]

^ 伊東一雄. メジャーリーグこそ我が人生：パンチョ伊東の全仕事. サンケイスポーツ. p. 22-24. ISBN 978-4594041175

外部リンク[編集]

baseball-reference.com1954 World Series

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[1] 伊東一雄. メジャーリーグこそ我が人生：パンチョ伊東の全仕事. サンケイスポーツ. p. 22-24. ISBN 978-4594041175

[1]

表話編歴サンフランシスコ・ジャイアンツ
球団	歴史選手監督成績
歴代本拠地	ポロ・グラウンズオークランド・パークセント・ジョージ・グラウンズヒルトップ・パークシールズ・スタジアムキャンドルスティック・パークオラクル・パーク
文化	『想い出のサンフランシスコ』『ザ・ファン』
永久欠番	NY NY 3 4 11 20 22 24 25 27 30 36 42 44
ジャイアンツ球団殿堂	フェリペ・アルーゲイリー・ラベールジム・バージョニー・レマスターロッド・ベックジェフリー・レナードヴァイダ・ブルーカート・マンウォーリングボブ・ボーリンフアン・マリシャルジェフ・ブラントリーウィリー・メイズボビー・ボンズマイク・マコーミックボブ・ブレンリーウィリー・マッコビージョン・バーケットステュ・ミラーオーランド・セペダグレッグ・ミントンジャック・クラークケビン・ミッチェルウィル・クラークランディ・モフィットジム・ダベンポートジョン・モンテフュスコチリ・デービスロブ・ネンディック・ディーツゲイロード・ペリーダレル・エバンスリック・ラッシェルティト・フエンテスカーク・ルータースコット・ギャレルツ J.T.スノートム・ハラークリス・スパイアーアトリー・ハマカーロビー・トンプソンジム・レイ・ハートマット・ウィリアムズマイク・クルーコウジェフ・ケントリッチ・オーリリアショーン・エステスマービン・ベナードジェイソン・シュミットバリー・ボンズマット・ケインブライアン・ウィルソンライアン・ボーグルソンピーター・マゴワン
ワールドシリーズ優勝（08回）	1905 1921 1922 1933 1954 2010 2012 2014
ワールドシリーズ敗退（12回）	1911 1912 1913 1917 1923 1924 1936 1937 1951 1962 1989 2002
リーグ優勝（23回）	1888 1889 1904 1905 1911 1912 1913 1917 1921 1922 1923 1924 1933 1936 1937 1951 1954 1962 1989 2002 2010 2012 2014
できごと	1960年の日米野球 1970年の日米野球
傘下マイナーチーム	サクラメント・リバーキャッツ（AAA級）リッチモンド・フライングスクウォーレルズ（AA級）ユージーン・エメラルズ（High-A級）サンノゼ・ジャイアンツ（Low-A級）アリゾナ・コンプレックスリーグ・ジャイアンツ（Rookie級）ドミニカン・サマーリーグ・ジャイアンツ（Rookie級）

表話編歴クリーブランド・ガーディアンズ
球団	歴史選手監督成績
歴代本拠地	リーグ・パークミュニシパル・スタジアムプログレッシブ・フィールド
文化	ワフー酋長『メジャーリーグ』『メジャーリーグ2』
永久欠番	3 5 14 18 19 20 21 25 42 455
ガーディアンズ球団殿堂	アール・アベリルジョー・ジャクソンメル・ハーダーナップ・ラジョイジョー・シーウェルトリス・スピーカーサイ・ヤングハル・トロスキーケン・ケルトナースティーブ・オニールルー・ブードロービル・ブラッドリーボブ・フェラーボブ・レモンエルマー・フリックサチェル・ペイジスタン・コベレスキラリー・ドビージム・ヒーガンアーリー・ウィンルイス・ソカレキスレイ・チャップマンロッキー・コラビトアディ・ジョスアル・ロペスサム・マクダウェルアル・ローゼンハーブ・スコアジム・バグビー・シニアマイク・ガルシアチャールズ・ナギーアンドレ・ソーントンジョー・ゴードンマイク・ハーグローヴサンディー・アロマー・ジュニアウェス・フェレルケニー・ロフトンゲイロード・ペリーカルロス・バイエガオマー・ビスケルチャーリー・ジェイミーソンフランク・ロビンソンジム・トーミ
ワールドシリーズ優勝（2回）	1920 1948
ワールドシリーズ敗退（4回）	1954 1995 1997 2016
リーグ優勝（6回）	1920 1948 1954 1995 1997 2016
できごと	10セント・ビア・ナイトアーマンド・ガララーガの幻の完全試合
傘下マイナーチーム	コロンバス・クリッパーズ（AAA級）アクロン・ラバーダックス（AA級）レイクカウンティ・キャプテンズ（High-A級）リンチバーグ・ヒルキャッツ（Low-A級）アリゾナ・コンプレックスリーグ・ガーディアンズ（Rookie級）ドミニカン・サマーリーグ・ガーディアンズ（Rookie級）