松下政経塾
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松下政経塾(まつしたせいけいじゅく、The Matsushita Institute of Government and Management)は、パナソニック(旧松下電器産業)の創業者である松下幸之助が、政財界の指導者を養成するために私財を投じて創設した私塾である。
目次 |
[編集] 概要
法的には財団法人格を持ち、学校の扱いではない。又、長州の松下村塾(しょうかそんじゅく)に因んだネーミングと思われ易いが、松下の読みは「しょうか」ではなく、幸之助の苗字そのものである「まつした」となっており、松下村塾とは異なる由来である。所在地は神奈川県茅ヶ崎市汐見台5番25号[1]。茅ヶ崎の本部の他に、六本木に東京事務所及び政経研究所を持つ。幸之助の遺産の利子や運用益を財源として運営されている。若手政治家の人材発掘の分野でパイオニアとして知られ、今日卒業生は国政・地方政界などにおいて無視できない影響力を持つに至っている。毎年200人程度の志願者のなかで入塾できるのは5人程といわれている。
| 松下政経塾 | |
|---|---|
| 概要 | 詳細 |
| 創立者 | 松下幸之助 |
| 理事長 | 関淳 |
| 副理事長兼塾長 | 佐野尚見 |
| 理念 | 真に国民と国家を愛し、政治・経営の理念を探求し人類の繁栄幸福と世界平和への貢献 |
| カリキュラム | 人間観、国家観、歴史観、日本の伝統精神、政治理念、経営理念、素志研究 |
| 募集人員 | ---- |
| 応募資格 | 22歳~原則35歳 |
| 入塾要件 | 選考への合格(1次選考~3次選考) |
| 会場 | 〒253-0033 神奈川県茅ヶ崎市汐見台5番25号 松下政経塾 |
| 受講料 |
|
| 修了年限 | 2年(3年まで延長可) |
| 修了要件 | 基本課程、実践課程の履修、修了審査の合格 |
| 表彰制度 | ---- |
| 修了者の称号 | なし |
| OB・OG組織 | --- |
[編集] 特徴
[編集] カリキュラム
修業年限は原則2年、最長3年(かつては原則3年、最長5年だったが、財政難により短縮。また1年以上の在籍により早期修了を認められる場合もある)。全寮制で、在籍中は1年目に月額20万円前後の研修資金(生活費込み)、2年目及び3年目に月額20万円前後の研修資金に加えて年額100万円程度の活動資金が支給される。入塾資格は22~原則35歳まで(36歳以上も出願・入塾可能。但し難易度は大幅に上がる)。
- 各界講師の講義、卒業生による講話といった講義
- 早朝清掃及び早朝ランニング
- 書道、剣道、儒教講話など日本の文化や精神の学習
- 英語、中国語などの語学研修
- 製造業、営林活動の体験(パナソニック工場での製造作業、店舗での営業販売など)
- 自衛隊への体験入隊
なお、三浦半島100kmを一日で一周するカリキュラム(100キロ行軍と呼ばれる強歩大会)なども行われている。
設立当初は人材育成のプログラムが十分整っておらず、松下電器から出向してきた職員が新入社員研修と同じ方法で指導に当たっていた。しかしこの方法は「塾生を管理するばかりで自主的な活動を認めない」と社会人出身者を中心に反発を生み、中川暢三ら退塾生を生み出した。その後民社党・同盟系の研修機関「富士政治大学校」を参考に研修内容の見直しが行われ、現在のカリキュラムとなっている。
[編集] 進路
卒業生の約半数は、国会や地方議会などの政界で、政治家や議員秘書として活動している。約30%は、企業の役員や実業家として財界で活動し、残り20%は大学などの学界や報道界などで活動している。これらのことから、政財界への一種の出世コースと言える。公式サイトに、そのあらましと具体的な所属先の一覧がある。
かつて松下政経塾で、「地域から日本を変える運動(ちにか運動)」が展開され、卒塾生を中心に東京都や京都府に地域政経塾と呼ばれる地方の松下政経塾が開塾された。これらの受講者には研修費が支給されることはなく、入塾料と会費を支払わなければならない。現在は千葉県・岡山県・愛媛県に地域政経塾が置かれている。
[編集] 出身政治家
一部に左派や旧来型の保守派もいるものの、多くの卒業生に共通して見られるのは、経済政策では構造改革支持、外交政策では親米保守路線を基調とした、いわゆる新自由主義的な主張をする者が多い点である。近年は松下政経塾出身の国会議員が自民党・民主党ともに急増している。地方では公明党に所属する議員もいる。
1992年宮沢改造内閣で1期生逢沢一郎が初の政務次官、2002年の小泉改造内閣において5期生伊藤達也及び高市早苗が初の副大臣、2004年の第2次小泉改造内閣において伊藤が金融政策担当の内閣府特命担当大臣として同塾出身者で初入閣し、2005年には第8期生の前原誠司が民主党代表に就任、初の野党第一党の党首及び初の総理大臣候補となっている。2009年の鳩山内閣では、国土交通大臣に就任した前原などを中心に計8人の出身者が大臣・副大臣・政務官などで入閣している。
同塾出身者同士が公選で激突したのは96年衆院東京都第3区の松原仁VS宇佐美登、05年衆院京都府第2区の前原誠司VS山本朋広などが有名。
現在、同塾出身者の政治家は衆議院議員31名、参議院議員3名、都道府県議会議員13名、市区町村議会議員13名、知事2名、市長・区長9名である。
当初は卒塾生のみによる新党構想があり、1993年には「松下政経塾立志会」、1996年には「志士の会」が結成された。しかし「新党ブーム」により日本新党、新生党、新党さきがけなど、ほぼ同じ政策の新党が相次いで結成された影響から、卒塾生単一新党構想は頓挫した。「志士の会」は今も「勉強会」(派閥)として残っている。
[編集] 主な出身者
[編集] 現職政治家
[編集] 衆議院議員
[編集] 自由民主党
- 逢沢一郎 - 1期生(岡山県第1区選出)
- 高市早苗 - 5期生(比例近畿ブロック選出)
- 河井克行 - 6期生(比例中国ブロック選出)
- 秋葉賢也 - 9期生(比例東北ブロック選出)
- 松野博一 - 9期生(比例南関東ブロック選出)
- 小野寺五典 - 11期生(宮城県第6区選出)
[編集] 民主党
- 野田佳彦 - 1期生(千葉県第4区選出)
- 打越明司 - 2期生(比例九州ブロック選出)
- 松原仁 - 2期生(東京都第3区選出)
- 笹木竜三 - 3期生(比例北陸信越ブロック選出)
- 樽床伸二 - 3期生(大阪府第12区選出)
- 原口一博 - 4期生(佐賀県第1区選出)
- 三谷光男 - 4期生(広島県第5区選出)
- 武正公一 - 5期生(埼玉県第1区選出)
- 吉田治 - 6期生(大阪府第4区選出)
- 神風英男 - 7期生(埼玉県第4区選出)
- 谷田川元 - 7期生(千葉県第10区選出)
- 山井和則 - 7期生(京都府第6区選出)
- 勝又恒一郎 - 8期生(比例南関東ブロック選出)
- 玄葉光一郎 - 8期生(福島県第3区選出)
- 前原誠司 - 8期生(京都府第2区選出)
- 市村浩一郎 - 9期生(兵庫県第6区選出)
- 井戸正枝 - 9期生(兵庫県第1区選出)
- 本多平直 - 9期生(埼玉県第12区選出)
- 稲富修二 - 17期生(福岡県第2区選出)
- 城井崇 - 19期生(福岡県第10区選出)
- 森岡洋一郎 - 20期生(埼玉県第13区選出)
- 松本大輔 - 22期生(広島県第2区選出)
- 橘秀徳 - 23期生(神奈川県第13区選出)
- 三日月大造 - 23期生(滋賀県第3区選出)
- 神山洋介 - 23期生(神奈川県第17区選出)
- 小山展弘 - 27期生(静岡県第3区選出。退塾生・塾員ではない)
- 小原舞 - 28期生(比例近畿ブロック選出。退塾生・塾員ではない)
[編集] 参議院議員
[編集] 民主党
[編集] 地方首長
- 中川暢三 1期生(兵庫県・加西市長、退塾生・塾員ではない)
- 横尾俊彦 1期生(佐賀県・多久市長)
- 鈴木康友 1期生(静岡県・浜松市長)
- 山田宏 2期生(東京都・杉並区長)
- 海老根靖典 2期生(神奈川県・藤沢市長)
- 松沢成文 3期生(神奈川県・知事)
- 奈良俊幸 6期生(福井県・越前市長)
- 清水勇人 7期生(埼玉県・さいたま市長)
- 村井嘉浩 13期生(宮城県・知事)
- 草間吉夫 16期生(茨城県・高萩市長)
- 福原慎太郎 22期生(島根県・益田市長)
- 山中光茂 24期生(三重県・松阪市長)
[編集] 都道府県議会議員
- 内山登 1期生(岡山県・岡山県議会議員、備前市和気郡選出)
- 平浩介 1期生(広島県・広島県議会議員、福山市選出)
- 小田圭一 7期生(岡山県・岡山県議会議員、倉敷市選出)
- 中原好治 7期生(広島県・広島県議会議員、広島市南区選出)
- 相原高広 9期生(神奈川県・神奈川県議会議員、川崎市麻生区選出)
- 木内均 9期生(長野県・長野県議会議員、佐久市選出)
- 渡辺猛之 13期生(岐阜県・岐阜県議会議員、加茂郡市選出)
- 佐藤広典 21期生(東京都・東京都議会議員、北多摩1区(東村山市・東大和市・武蔵村山市選出))
- 原田大 21期生(東京都・東京都議会議員、北区選出)
- 上里直司 23期生(沖縄県・沖縄県議会議員、那覇市選出)
- 野上幸絵 25期生(東京都・東京都議会議員、練馬区選出)
- 松下玲子 25期生(東京都・東京都議会議員、武蔵野市選出)
- 源馬謙太郎 26期生(静岡県・静岡県議会議員、浜松市東区選出)
[編集] 市区町村議会議員
- 吉田謙治 1期生(兵庫県・神戸市議会議員)
- 近藤康夫 2期生(山口県・下松市議会議員)
- 桑畠健也 9期生(埼玉県・所沢市議会議員)
- 八柳祐孝 9期生(秋田県・八郎潟町議会議員)
- 山本閉留巳 10期生(東京都・港区議会議員)
- 森浩明 13期生(福岡県・北九州市議会議員、小倉南区選出)
- 田合豪 13期生(三重県・名張市議会議員)
- 尾関健治 17期生(岐阜県・関市議会議員)
- 森本真治 18期生(広島県・広島市議会議員、安佐北区選出)
- 海老名健太朗 22期生(神奈川県・茅ヶ崎市議会議員)
- 白岩正三 22期生(大阪府・豊中市議会議員)
- 山中啓之 26期生(千葉県・松戸市議会議員)
- 塔村俊介 27期生(島根県・奥出雲町議会議員)
[編集] その他
- 岡田邦彦 1期生(ハーバード大学ケネディスクール研究員・早稲田大学特任教授)
- 小野晋也 1期生(前衆議院議員)
- 神藏孝之 2期生(イマジニア株式会社代表取締役)
- 河内山哲朗 2期生(山口県・前柳井市長)
- 嶋聡 2期生(ソフトバンク株式会社社長室長・前衆議院議員)
- 前田正子 3期生( 財団法人横浜市国際交流協会理事長・前横浜副市長)
- 古山和宏 3期生(松下政経塾・研修塾塾頭)
- 本間正人 3期生(らーのろじー株式会社代表取締役・NPO法人学習学協会代表理事・NHK教育ビジネス英会話講師)
- 鈴木淳司 3期生(自民党愛知県第7区総支部長・前衆議院議員)
- 小田全宏 4期生(リンカーン・フォーラム代表・NPO法人日本政策フロンティア理事長・株式会社ルネッサンスユニバーシティ代表取締役)
- 伊藤達也 5期生(自民党東京都第22区総支部長・前衆議院議員)
- 前田雄吉 5期生(前衆議院議員)
- 水上慎士 5期生(元早稲田大学商学学術院教授・元早稲田大学ファイナンス総合研究所所長)
- 赤池誠章 7期生(自民党山梨県第1区総支部長・前衆議院議員)
- 山崎泰 7期生(元東京都議会議員、税理士)
- 荒巻豊志 9期生(東進ハイスクール・Z会東大マスターコース講師)
- 斉藤弥生 9期生(大阪大学大学院人間科学研究科助教授)
- 渡辺徹 9期生(新日本パブリック・アフェアーズ株式会社ディレクター)
- 宇佐美登 10期生(元衆議院議員)
- 小林温 10期生(前参議院議員)
- 坂井学 10期生(自民党神奈川県第5区・前衆議院議員)
- 中田宏 10期生(神奈川県・前横浜市長)
- 関口博喜 17期生 (松下政経塾塾員)
- 山本朋広 21期生(自民党京都府第2区・前衆議院議員)
- 吉田健一 22期生(鹿児島大学稲盛アカデミー特任講師)
- 川条志嘉 24期生(自民党大阪府第2区・前衆議院議員)
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 在日米海軍辻堂演習場の跡地である。さらに古くは、横須賀海軍砲術学校辻堂演習場?、相州炮術調練場であった。