国家戦略局

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国家戦略局(こっかせんりゃくきょく:National Policy Unit)は内閣官房に設置されることが予定されていた部局。与党、民主党第45回衆議院議員総選挙において示したマニフェストのなかで、設置構想を示しており、政権獲得後に設置のための法案を国会に提出していたが、法案を撤回したことにより、当面設置は遠のいた。

目次

[編集] 設置構想

与党、民主党2009年(平成21年)8月18日に公示された第45回衆議院議員総選挙において示したマニフェストのなかで、「官邸機能を強化し、総理直属の国家戦略局を設置し、官民の優秀な人材を結集して、新時代の国家ビジョンを創り、政治主導で予算の骨格を策定する」とした。

これを受けて、民主党政権成立後、法改正までの暫定先行組織として、2009年(平成21年)9月18日、内閣総理大臣決定により、内閣官房に国家戦略室が設置された。

[編集] 設置法案

2010年(平成22年)2月5日に閣議決定され、同日第174通常国会に提出された「政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案」において、内閣法を改正して2010年(平成22年)4月1日から内閣官房に国家戦略局を設置することが盛り込まれた。

しかし同法案の審議は難航し、2010年(平成22年)5月13日になってようやく衆議院本会議で提案趣旨説明が行われ、同日、衆議院内閣委員会に付託されたが、同委員会での審議はその後行われないまま、同年6月16日に第174通常国会は閉会となり、この法案は継続審議となった。その後、同年8月6日閉会の第175臨時国会、同年12月3日閉会の第176臨時国会でも同様に実質的審議は行われないまま継続審議となっていた。

2011年(平成23年)1月24日に開会の第177通常国会では会期中の3月11日に東日本大震災が発生し、その対応のため同年5月13日に閣僚定員増員のための内閣法改正案を提出することとなったため、同趣旨の規定が重複する「政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案」はいったん撤回されることとなり、同年5月12日に衆議院本会議で承認された。

以上の経緯により、国家戦略局の具体的な設置時期は不明となった。

[編集] 正式組織発足までの暫定的な国家戦略室

国家戦略室は、国家戦略局の設置に先立ち、2009年(平成21年)9月18日、内閣官房に当分の間置かれる組織として設置された。

所管事項は、税財政の骨格、経済運営の基本方針その他内閣の重要政策に関する基本的な方針などのうち、内閣総理大臣から特に命ぜられたもの(特命事項)に関して企画及び立案並びに総合調整を行う。

設置場所は内閣府本庁舎内。

国家戦略室には国家戦略室長が置かれ、3人いる内閣府副大臣のうち1人が充てられている(ただし、菅改造内閣では空席となり、玄葉光一郎担当大臣が代行[1])。

室員は、非常勤とすることができる。また、所掌に係る専門的事項について意見を具申する非常勤の政策参与が置かれる。

歴代の室長
氏 名 内 閣 室長補佐者
1 古川元久 鳩山由紀夫内閣 荒井聰内閣総理大臣補佐官
津村啓介内閣府大臣政務官
2 平岡秀夫 菅内閣 津村啓介内閣府大臣政務官
(代行) 玄葉光一郎 菅改造内閣
菅再改造内閣
 

国家戦略室のもとに、以下の会議などが設けられている。新年金制度及び社会保障・税に関わる番号制度については平成22年10月29日より、内閣官房社会保障改革担当室に移管された。

  • 税財政の骨格づくり
    • 財政運営戦略
    • 中期的な財政運営に関する検討
    • 財政に対する市場の信認確保に関する検討
    • 予算編成のあり方に関する検討
    • 予算監視・効率化チームリーダー会合
    • 平成22年度 予算政府案
    • 平成22年度 税制改正大綱
  • 経済運営の基本方針
    • 成長戦略
    • 経済対策
  • 包括的経済連携
  • 食と農林漁業の再生
  • 地球温暖化対策
  • 革新的エネルギー・環境戦略
  • コスト等検証委員会
  • 新年金制度に関する検討
  • 社会保障・税に関わる番号制度に関する検討

[編集] 国家戦略担当大臣

国家戦略局(国家戦略室)にはその業務を統括する国務大臣として「国家戦略担当大臣」が置かれる。国家戦略担当大臣は鳩山由紀夫内閣の発足と同時に置かれたが、暫定組織の国家戦略室が設置されたのは内閣発足の2日後である。

なお、国家戦略担当大臣に対する正式な発令文は「税財政の骨格や経済運営の基本方針等について企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当させる」となっており、国家戦略という文言は含まれていない。

氏名 内閣 就任日 退任日 兼務する主な役職
国務大臣(税財政の骨格や経済運営の基本方針等につ
について企画立案及び行政各部の所管する事務の調整担当)
1 Naoto Kan cropped 3 Naoto Kan 2 20110129.jpg 菅直人 鳩山由紀夫内閣 2009年9月16日 2010年1月7日 副総理
2 Yoshito Sengoku - World Economic Forum Annual Meeting Davos 2010.jpg 仙谷由人 鳩山由紀夫内閣 2010年1月7日 2010年6月8日 行政刷新担当大臣
(2010年2月10日まで)
3 Replace this image JA.svg 荒井聰 菅内閣 2010年6月8日 2010年9月17日 消費者及び食品安全担当大臣
経済財政政策担当大臣
4 Koichiro Gemba cropped 2 Hillary Rodham Clinton and Koichiro Gemba 20110919 1.jpg 玄葉光一郎 菅第1次改造内閣
菅第2次改造内閣
2010年9月17日 2011年9月2日 民主党政策調査会長
5 Motohisa Furukawa cropped 1 Motohisa Furukawa 20090618.jpg 古川元久 野田内閣
野田改造内閣
2011年9月2日 経済財政政策担当大臣

              

[編集] 設置法案に盛り込まれていた国家戦略局の所掌・組織構成

撤回された「政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案」に盛り込まれていた内閣法の改正案によると、国家戦略局の所掌および組織構成は次のとおりであった。

[編集] 国家戦略局の所掌

  • 経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、租税に関する政策の基本及び予算編成の基本方針の企画及び立案並びに総合調整に関する事務
  • その他、内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務のうち内閣総理大臣が指定するもの

[編集] 国家戦略局の組織構成

  • 国家戦略局長 - 政務担当の内閣官房副長官を従来の2人から3人に増員し、そのうちの1人を内閣総理大臣が国家戦略局長に指名する。
  • 国家戦略官 - 大臣政務官クラスの国家戦略官を国家戦略局長の下に1人置く。
  • 内閣政務参事 - 非国会議員の内閣政務参事を内閣官房に置き、そのうちの数人が国家戦略局担当となる。
  • 内閣政務調査官 - 非国会議員の内閣政務調査官を内閣官房に置き、そのうちの数人が国家戦略局担当となる。

[編集] 国家戦略会議

野田佳彦首相は、内閣発足後、既存の会議を統廃合し、国家戦略会議を設置することを検討した。2011年10月21日、国家戦略会議の設置に先立ち、既存の18の会議を廃止。10月28日に、初会合を行った。事務局は、国家戦略室が担当する。法的な設置根拠はないため、野党には、国家戦略会議の機能に疑問を呈し、内閣府設置法に定められている経済財政諮問会議の活用を主張する議員もいる。形態としては、経済財政諮問会議に、経済と財政以外のテーマを幅広く取り入れた会議となる。

国家戦略会議の要旨は、「税財政の骨格や経済運営の基本方針等の国家の内外にわたる重要な政策を統括する司令塔並びに政策推進の原動力として、総理のリーダーシップの下、産官学の英知を結集し、重要基本方針の取りまとめ等を行うとともに、国の未来への新たな展望を提示するため、新時代の中長期的な国家ビジョンの構想を行う。」[2]

[編集] 脚注

  1. ^ “国家戦略室長は当面空席=玄葉氏が代行、役割見直し” (日本語). 時事通信. (2010年9月21日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201009/2010092101013 2010年10月8日閲覧。 
  2. ^ 「資料1 国家戦略会議の開催について」 (PDF)”. 内閣(国家戦略会議 配布資料) (2011年10月21日). 2011年11月2日閲覧。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


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