オズフェスト
オズフェスト(Ozzfest)は、アメリカ合衆国で毎年行われているパッケージ・ツアーで、10~20以上のヘヴィ・メタル・バンドが大陸を演奏しながら回るロック・フェスティバルである。1996年に始まったこのツアーは毎年アメリカで開催され、1998年に初めて国外イギリスで開催、2002年以降はヨーロッパでも行われることがある。
名前が示すようにオジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)を中心としたステージ内容で、妻でありマネージャーのシャロン・オズボーンらの手により開催されている。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 来歴
このツアーの名にも冠されたオジー・オズボーンは、1996年にロラパルーザに参加を拒否される。そのためマネージャーのシャロン・オズボーンを中心に、自分たちでフェスティバルを運営することを決意した。
第1回オズフェストはツアーではなく10月25~26日の2日間のみ3公演をフェニックスとデュヴォアにて開催。この時点でオジーは「田舎で数回の公演をやればいい」と通常のロック・フェスティバルの規模で考え、一方のシャロンは「2~3年のスパンで開催してメタルの需要を見せつける」という意図があった。だが現実はそれ以上で、初年の公演はすぐに数万枚のチケットが売れ、翌年以降の盛況へと繋がる。
勢いに乗った翌1997年は単発ではなくツアーの形式となり、オジー・オズボーンとブラック・サバスという両ヘッドライナーが登場するという話題性もあって成功を収める。こうして「ヘヴィ・メタルは死んだ」と言われ続けた中で大成功した一方で、オズフェストを始めるきっかけとなったライバルのロラパルーザは既にその話題性も乏しくなってヘッドライナーを務めるアーティストがいなくなり、この年を最後に終了した。
初めて国外で開催されたのは1998年のイギリスで、以後イギリスでは2001、2002、2005年に開催された。その後2002年にはヨーロッパ大陸をツアーして、ドイツ、イギリス、オランダ、イタリア、オーストリア、デンマーク、フィンランド、チェコを回る。
初期はアメリカの若手バンドを従えるオジー・オズボーンのフェスティバルという格好だったものが、2000年代以降は人気のあるオルタナティブ・メタルやメタルコア勢を引き連れた大きなものとなり、その後はヘヴィ・ミュージック全般が参加するメインストリームのロック・フェスティバルとなっていた。2003年にはマルチ・プラチナムを多数獲得していたコーンが、2004年にはクラシック・メタルのジューダス・プリーストが、さらに2005年にはアイアン・メイデンといったベテラン/大御所のバンドが出演しているはその象徴である。
[編集] アイアン・メイデンとの対立
2005年8月20日にアメリカのヒュンダイ・パビリオンでの公演中、アイアン・メイデンの出演中にトラブルが発生した[1][2]。
ステージにアイアン・メイデンが登場する直前、 PA から「オジー!オジー!オジー!」というコールが流れて観客への扇動が行われた。そしてオープニングの『モルグ街の殺人』を演奏中に一部の観客から卵やボトル・キャップ、氷などを投げつけられ、これに対しフロントマンのブルース・ディッキンソンが「卵を投げた無法者の腕をへし折ってやれ」と煽るなど、異常な状態となった。
次の曲『明日なき戦い』ではいつもの演出と同じようにステージ上でユニオン・ジャックを振り回したが、曲の終盤に星条旗を持った男がステージに乱入してステージ前で振り回し始めた。「オジーをなめるな」と書かれたTシャツを着たこの男は、メイデン側に強制排除された。
その後もショーのハイライトとなる『誇り高き戦い』『審判の日』『魔力の刻印』で PA の電源を切られて無音状態にさせられるなどの状況が続いた。どうにか公演を終了すると、シャロン・オズボーンがステージに現れて「アイアン・メイデンの他のメンバーやクルーのことを本当に愛しています。しかしディッキンソンは○○○なヤツ(男性器を表す卑猥な語)で、始めからオズフェストを侮辱し続けてきました」と演説を行った。これに観客はブーイングを浴びせ、シャロンはステージを去った。この出来事に対してブルース・ディッキンソンは卵が会場に持ち込まれたことを訝しみ、シャロン・オズボーンが仕組んだものと非難した。
これらの模様は観客が録音・撮影して世界中のフォーラムに投稿し、世界中のファンがその様子を知ることとなった。
シャロンはディッキンソンに対し「彼は当初からフェスティヴァルへの配慮に欠け、他の出演バンドとも衝突があった」と語り、これに対してメイデン側は「物を投げつけるのは悪意があって危険、犯罪行為」「こうした破壊行為の責任が誰にあるかも分かっている」と反論した[3]。
[編集] 無料化
2007年に開催されるオズフェストは、入場が完全無料になることが2007年2月6日に正式に告知された[4]。チケットはオズフェストの各スポンサーから入手する[4]。これについてシャロン・オズボーンは「ここ数年チケットの価格は上がる一方でしたが、今年は若者に来てもらい、信じられないような体験をしてもらいたいと思います。今までのツアー・フェスティバルを続けようとしたら、今年もまた値上げしなければいけませんでした」と語っている[5]。例年のチケット代は150米ドル(約18,000円程度)であったという[6]。
プロモーターのライヴ・ネイションは、アメリカの無料コンサート史上では最多となる428,000枚のチケットを4日間で配布したと発表した[7]。
[編集] 出演者
オズフェストでは出演者のことを alumni (同窓生)と称している。
[編集] 1996
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、スレイヤー、ダンジグ、バイオハザード、セパルトゥラ、フィア・ファクトリー、ナルコティック・ジプシー
- セカンド・ステージ
- アース・クライシス、パワーマン5000、ニューロシス、コール・チャンバー、セロファン
[編集] 1997
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、ブラック・サバス、マリリン・マンソン、パンテラ、タイプ・オー・ネガティヴ、フィア・ファクトリー、マシーン・ヘッド、パワーマン 5000
- セカンド・ステージ
- コール・チャンバー、スロー・バーン、ドレイン STH、ダウンセット.、ニューロシス、ヴィジョン・オブ・ディスオーダー
[編集] 1998
[編集] アメリカ
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、トゥール、メガデス、リンプ・ビズキット、ソウルフライ、セヴンダスト、コール・チャンバー
- セカンド・ステージ
- モーターヘッド、システム・オブ・ア・ダウン、メルヴィンズ、インキュバス、スノット、ライフ・オブ・アゴニー、 ウルトラスパンク、モンスター・ヴードゥー・マシーン
[編集] イギリス
- メイン・ステージ
- ブラック・サバス、オジー・オズボーン、フー・ファイターズ、パンテラ、スレイヤー、ソウルフライ、フィア・ファクトリー、セラピー?、コーン
- セカンド・ステージ
- コール・チャンバー、ライフ・オブ・アゴニー、ヒューマン・ウェイスト・プロジェクト、エントゥームド、(həd) p.e.、ピッチシフター
[編集] 1999
- メイン・ステージ
- ブラック・サバス、ロブ・ゾンビ、デフトーンズ、スレイヤー、プライマス、ゴッドスマック、システム・オブ・ア・ダウン
- セカンド・ステージ
- フィア・ファクトリー、スタティック-X、スリップノット、(həd) p.e.、フラッシュポイント、プッシュモンキー、ドレイン STH、アパートメント 26、プヤ
[編集] 2000
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、パンテラ、ゴッドスマック、スタティック-X、インキュバス、メソッズ・オブ・メイハム、P.O.D.、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、ブラック・レーベル・ソサイアティ、アパートメント 26
- セカンド・ステージ
- ソウルフライ、キティ、ディスターブド、タップルート、スレイヴス・オン・ドープ、リヴァリー、シェヴェル、プリマー 55、デッドライツ、ピッチシフター、クレイジー・タウン、パンプジャック
[編集] 2001
[編集] アメリカ
- メイン・ステージ
- ブラック・サバス、マリリン・マンソン、スリップノット、パパ・ローチ、リンキン・パーク、ディスターブド、クレイジー・タウン、ブラック・レーベル・ソサイアティ
- セカンド・ステージ
- マッドヴェイン、ユニオン・アンダーグラウンド、タップルート、システマティック、ゴッドヘッド、ノンポイント、ドラウニング・プール、スパインシャンク、ヘイトブリード、オウテップ、ノー・ワン、プレッシャー 4-5、アメリカン・ヘッド・チャージ、ピュア・ラビッシュ、ビューティフル・クリーチャーズ、プロジェクト・ワイズ、スレイヴス・オン・ドープ
[編集] イギリス
- メイン・ステージ
- ブラック・サバス、スリップノット、トゥール、パパ・ローチ、ソウルフライ、(həd) p.e.、レイジング・スピードホーン
- セカンド・ステージ
- ディスターブド、エイメン、マッドヴェイン、ブラック・レーベル・ソサイアティ、ピュア・ラビッシュ、アパートメント 26、ユニオン・アンダーグラウンド
[編集] 2002
[編集] アメリカ
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、システム・オブ・ア・ダウン、ロブ・ゾンビ、P.O.D.、ドラウニング・プール、アディーマ、ブラック・レーベル・ソサイアティ、トミー・リー
- セカンド・ステージ
- ダウン、ヘイトブリード、メシュガー、ソイル、フロー、サード・ストライク、パルス・ウルトラ、イル・ニーニョ、アンドリュー W.K.、グラスジョー、ユーズド、スウィッチド、オウテップ、ロストプロフェッツ、ジ・エイペックス・セオリー、ニューロティカ、シェヴェル、マッシュルームヘッド、シーザー
[編集] ヨーロッパ
- ロック・イム・パーク
- オジー・オズボーン、トゥール、システム・オブ・ア・ダウン、バッド・レリジョン、P.O.D.、ドラウニング・プール、ブラック・レーベル・ソサイアティ
- ブラウンシュヴァイク
- オジー・オズボーン、トゥール、バッド・レリジョン、サッチ・ア・サージ、ウームフ!、ブラック・レーベル・ソサイアティ
- ドニントン
- ダブリン
-
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、トゥール、システム・オブ・ア・ダウン、スレイヤー、セラピー?、ロストプロフェッツ、サイクルフライ、ドラウニング・プール、スキンダイヴ
- セカンド・ステージ
- マッシュルームヘッド、オウテップ、アメリカン・ヘッド・チャージ、イル・ニーニョ、キティ、アンチプロダクト、ザ・レヴス、スーパースキン、パルス・ウルトラ
- カトウィツェ
- オジー・オズボーン、トゥール、スレイヤー、ディキャピテイテッド
- プラハ
- オジー・オズボーン、トゥール、ドラウニング・プール、メタリウム、ロイヤル・プレイボーイ・カルテル、ブラック・レーベル・ソサイアティ、スコー、アストロ・メトロ
- ナイメーヘン
-
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、トゥール、スレイヤー、ウィズイン・テンプテーション、キティ、イル・ニーニョ、ドラウニング・プール
- セカンド・ステージ
- アメリカン・ヘッド・チャージ、ドレッドロック・プッシー、マッシュルームヘッド、ソイル、.キャリバー、オウテップ、アフター・フォーエヴァー、アンチプロダクト
- ローカル・ステージ
- ノーメン、アウトバースト、ウィキッド・ミスティック、カレニッシュ・サークル、ディメンション・セヴン、スモーガス、アグレシオン
[編集] 2003
- セカンド・ステージ
- クレイドル・オブ・フィルス、ヴォイヴォド、ホットワイアー、シャドウズ・フォール、グレード 8、トゥイステッド・メソッド、ナッシングフェイス、キルスウィッチ・エンゲイジ、アンロコ、デプスワ、モトグレーター、スウォーン・エナミー、ザ・レヴォリューション・スマイル、キマイラ、エンドー、メメント、E.タウン・コンクリート、テンプル・オブ・シーヴズ
[編集] 2004
- メイン・ステージ
- ブラック・サバス、ジューダス・プリースト、スレイヤー、ディム・ボガー、スーパージョイント・リチュアル、ブラック・レーベル・ソサイアティ
- セカンド・ステージ
- スリップノット、ヘイトブリード、ラム・オブ・ゴッド、アトレイユ、ブリーディング・スルー、ラクーナ・コイル、エヴリタイム・アイ・ダイ、アンアース、ゴッド・フォービド、オウテップ、デヴィルドライヴァー、マグナ・ファイ、スローダウン、ダーケスト・アワー
[編集] 2005
[編集] アメリカ
- メイン・ステージ
- ブラック・サバス、アイアン・メイデン、マッドヴェイン、シャドウズ・フォール、ブラック・レーベル・ソサイアティ、イン・フレイムス、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー、スリップノット、ドラウニング・プール
- セカンド・ステージ
- ロブ・ゾンビ、キルスウィッチ・エンゲイジ、アズ・アイ・レイ・ダイング、マストドン、ア・ダズン・フューリーズ、ザ・ホーンテッド、アーチ・エネミー、ザ・ブラック・ダリア・マーダー、バリー・ユア・デッド、イット・ダイズ・トゥデイ、ソイルワーク、トリヴィアム、ギズマッチ、ウィックド・ウィズダム
[編集] オズフェスト・ダウンロード
ブラック・サバス、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー、HIM、アンスラックス、アルター・ブリッジ、ザ・マッド・カプセル・マーケッツ、ザ・ドワーヴス、トリヴィアム
[編集] 2006
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、システム・オブ・ア・ダウン、 ディスターブド、アヴェンジド・セヴンフォールド、ヘイトブリード、ラクーナ・コイル、ドラゴンフォース
- セカンド・ステージ
- オジー・オズボーン、ブラック・レーベル・ソサイアティ、アトレイユ、アンアース、ブリーディング・スルー、ノーマ・ジーン (バンド)
- セカンド・ステージ(ローテーション)
- ア・ライフ・ワンス・ロスト、ザ・レッド・コード、ウォールズ・オヴ・ジェリコ、ストラッピング・ヤング・ラッド、オール・ザット・リメインズ、フル・ブラウン・カオス、ビトゥイーン・バリード・アンド・ミー、バッド・アシッド・トリップ
[編集] 2007
- メイン・ステージ
- オジー・オズボーン、ラム・オブ・ゴッド、スタティック-X、ローディ
- セカンド・ステージ
- ヘイトブリード、ベヘモス、ニック・オリヴェリ・アンド・ザ・モンド・ジェネレーター
- セカンド・ステージ(ローテーション)
- ナイル、アンクラ、サーカス・ディアブロ、ザ・ショウダウン、3 インチズ・オヴ・ブラッド、ダース、イン・ディス・モーメント、ソニック
[編集] 脚注
- ^ Harris, Chris (2005年8月1975日). “Iron Maiden Pelted With Eggs At Final Ozzfest Performance (HTML)” (英語). MTV News. MTV. 2007年6月25日閲覧。
- ^ “アイアン・メイデンとシャロン・オズボーンの間に何が起こったのか?? (HTML)” (日本語). Eddie's Bar. 2007年6月25日閲覧。
- ^ Kimura, T (2005年8月1973日). “I・メイデン、オズフェスト騒動に声明 (HTML)” (日本語). バークス. ソフトバンク. 2007年6月25日閲覧。
- ^ a b “Ozzfest 2007は、なんとチケット代が無料! (HTML)” (日本語). CDJournal.com. 音楽出版社 (2007年2月1998日). 2007年6月25日閲覧。
- ^ Cohen, Jonathan (2007年2月1999日). “Ozzfest Offering Free Tickets For 2007 Tour (HTML)” (英語). Billboard.com. Billboard. 2007年6月25日閲覧。
- ^ Suzuki, Ako (2007年2月1997日). “オジーからの恩返し、今年のOzzfestは無料 (HTML)” (日本語). バークス. ソフトバンク. 2007年6月25日閲覧。
- ^ Cohen, Jonathan (2007年6月1987日). “Ozzfest 2007 makes history again (HTML)” (英語). The Ozzfest Community. Live Nation. 2007年6月25日閲覧。
[編集] 参考文献
- 山口, 勝正 (3 2006). “Ozzfest 10th Anniversary ~『オズフェスト』は10年間に何をしてきたか?~”. Burrn! 23 (3): 48.
[編集] 外部リンク
- 公式サイト (英語)
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||