JRA賞最優秀2歳牡馬

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JRA賞最優秀2歳牡馬(ジェイアールエーしょう さいゆうしゅう にさいぼば)は、JRA賞競走馬部門の1つ。該当年度中に活躍した2歳牡馬の競走馬に対して記者投票を行いその合計票数が1位だった馬が選出される。2000年まではJRA賞最優秀3歳牡馬という名称だったが、馬齢表記改正に伴って改称された。賞名および表彰団体はJRA賞年度代表馬と同様に啓衆社賞、優駿賞、JRA賞に引き継がれている。

補足[編集]

1984年のグレード制施行以前は大レースの勝利がない馬が選出されるケースもあったが(歴代受賞馬参照)、グレード制施行以降にJRAの2歳限定GI級競走を勝利していない馬が選出されたことはなく、阪神3歳ステークスが牝馬限定戦の阪神3歳牝馬ステークス(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)へ名称・施行条件の変更がされた1991年以降、2017年にホープフルステークスがGI昇格を果たすまで2歳牡馬が出走可能なJRAの2歳限定GI級競走は朝日杯フューチュリティステークス(2000年までは朝日杯3歳ステークス)しかなかったことから同競走の勝ち馬が選出されるのが既定路線となっており、1991年以前の受賞歴を含めると2019年にホープフルステークスの勝ち馬が選出されるまで[1]実に31年連続(1988年 - 2018年)で朝日杯3歳ステークス・朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬が選出され続けた。

父子での受賞[編集]

父子で最優秀2歳牡馬に輝いたのは

等がいる。

歴代受賞馬[編集]

馬齢は2000年までは旧表記。

啓衆社賞時代[編集]

受賞馬 性齢 年度成績
(年度重賞勝ち鞍)
生産者 調教師 馬主 騎手
1954年 メイヂヒカリ 牡3 4戦4勝
朝日盃3歳ステークス
大塚牧場 藤本冨良 新田松江 蛯名武五郎
1955年 キタノオー 牡3 7戦5勝
朝日盃3歳ステークス
武田重四郎 久保田金造 田中留治 勝尾竹男
1956年 ライジングウイナー 牡3 8戦8勝 藤原輸次郎 清水久雄 谷水信夫 柴田不二男
1957年 カツラシユウホウ 牡3 6戦4勝
朝日盃3歳ステークス
タイヘイ牧場 藤本冨良 牧市太郎 蛯名武五郎
1958年 ウネビヒカリ 牡3 7戦7勝
朝日盃3歳ステークス
三好牧場 野平省三 山之内軍二 野平祐二
1959年 マツカゼオー 牡3 4戦4勝
朝日盃3歳ステークス
本桐牧場 藤本冨良 長山善武 蛯名武五郎
1960年 ハクシヨウ 牡3 6戦6勝
朝日盃3歳ステークス
酒井牧場 尾形藤吉 西博 保田隆芳
1961年 カネツセーキ 牡3 8戦8勝
朝日盃3歳ステークス
原島牧場 久保田金造 カネツ(株) 伊藤竹男
1962年 グレートヨルカ 牡3 6戦4勝
朝日盃3歳ステークス
盛田牧場 尾形藤吉 小野晃 保田隆芳
1963年 ウメノチカラ 牡3 4戦3勝
朝日盃3歳ステークス
細道与一郎 古賀嘉蔵 梅野昇 古賀一隆
1964年 キーストン 牡3 5戦5勝 高岸繁 松田由太郎 伊藤由五郎 山本正司
1965年 ニホンピローエース 牡3 3戦3勝
阪神3歳ステークス
辻牧場 小川佐助 小林保 田所稔
1966年 モンタサン 牡3 6戦3勝
朝日盃3歳ステークス
石井弥蔵 矢野幸夫 古知政市 油木宣夫
1967年 タケシバオー 牡3 8戦5勝
朝日盃3歳ステークス
榊憲治 三井末太郎 小畑正雄 中野渡清一
1968年 ミノル 牡3 7戦3勝
朝日盃3歳ステークス
日東牧場 尾形藤吉 永田卓也 保田隆芳
1969年 アローエクスプレス 牡3 5戦5勝
朝日盃3歳ステークス
三沢牧場 高松三太 伊達秀和 柴田政人
加賀武見
1970年 ロングワン 牡3 6戦5勝
阪神3歳ステークス
岡崎牧場 松田由太郎 中井長一 田口光雄
1971年 ヒデハヤテ 牡3 4戦3勝
阪神3歳ステークス
鎌田牧場 伊藤修司 伊藤英夫 吉永良人
福永洋一

優駿賞時代[編集]

受賞馬 性齢 年度成績
(年度重賞勝ち鞍)
生産者 調教師 馬主 騎手
1972年 レッドイーグル 牡3 3戦3勝
朝日杯3歳ステークス
吉田実 鈴木清 千屋レッド牧場(株) 岡部幸雄
1973年 キタノカチドキ 牡3 4戦4勝
阪神3歳ステークス
佐々木節哉 服部正利 初田豊 武邦彦
1974年 ライジン 牡3 4戦2勝
阪神3歳ステークス
斉藤信男 橋田俊三 森本博 須貝四郎
1975年 テンポイント 牡3 3戦3勝
阪神3歳ステークス
吉田牧場 小川佐助 高田久成 鹿戸明
1976年 マルゼンスキー 牡3 4戦4勝
朝日杯3歳ステークス
橋本善吉 本郷重彦 橋本善吉 中野渡清一
1977年 バンブトンコート 牡3 7戦6勝
阪神3歳ステークス
中村義繁 伊藤修司 樋口正蔵 伊藤清章
1978年 ビンゴガルー 牡3 7戦4勝
朝日杯3歳ステークス
アラキファーム 久保田彦之 (有)芦屋 増田久
嶋田功
1979年 リンドタイヨー 牡3 9戦2勝
朝日杯3歳ステークス
山口牧場 見上恒芳 (株)デルマークラブ 横山富雄
1980年 サニーシプレー 牡3 3戦3勝
阪神3歳ステークス
えりも牧場 伊藤雄二 山本慎一 内田国夫
1981年 ホクトフラッグ 牡3 4戦3勝
朝日杯3歳ステークス
信岡牧場 中野隆良 森滋 柴田政人
1982年 ダイゼンキング 牡3 5戦3勝
阪神3歳ステークス
寺井末作 武田作十郎 大塚弘美 田原成貴
1983年 ロングハヤブサ 牡3 5戦4勝
阪神3歳ステークス
武岡牧場 小林稔 中井長一 秋山忠一
河内洋
1984年 スクラムダイナ 牡3 3戦3勝
朝日杯3歳ステークス
社台ファーム 矢野進 (有)社台レースホース 柴田政人
1985年 ダイシンフブキ 牡3 4戦4勝
朝日杯3歳ステークス
鎌田牧場 柴田寛 高橋金次 菅原泰夫
1986年 メリーナイス 牡3 5戦3勝
朝日杯3歳ステークス
前田徹 橋本輝雄 浦房子 根本康広
ゴールドシチー 牡3 6戦3勝
阪神3歳ステークス
田中茂邦 清水出美 (株)友駿ホースクラブ 本田優

JRA賞時代[編集]

最優秀3歳牡馬[編集]

受賞馬 性齢 年度成績
(年度重賞勝ち鞍)
生産者 調教師 馬主 騎手 得票数
1987年 サッカーボーイ 牡3 4戦3勝
阪神3歳ステークス
社台ファーム 小野幸治 (有)社台レースホース 内山正博
1988年 サクラホクトオー 牡3 3戦3勝
朝日杯3歳ステークス
谷岡牧場 境勝太郎 (株)さくらコマース 小島太
1989年 アイネスフウジン 牡3 4戦2勝
朝日杯3歳ステークス
中村幸蔵 加藤修甫 小林正明 中野栄治
1990年 リンドシェーバー 牡3 4戦3勝
朝日杯3歳ステークス
フレデリック・ガシン 元石孝昭 (株)デルマークラブ 的場均
1991年 ミホノブルボン 牡3 3戦3勝
朝日杯3歳ステークス
原口圭二 戸山為夫 (有)ミホノインターナショナル 小島貞博
1992年 エルウェーウィン 牡3 3戦3勝
朝日杯3歳ステークス
アーミン ホールディングス 坪憲章 雑古隆夫 岸滋彦
南井克巳
1993年 ナリタブライアン 牡3 7戦4勝
朝日杯3歳ステークス
早田牧場新冠支場 大久保正陽 山路秀則 南井克巳
1994年 フジキセキ 牡3 3戦3勝
朝日杯3歳ステークス
社台ファーム 渡辺栄 齊藤四方司 角田晃一
1995年 バブルガムフェロー 牡3 4戦3勝
朝日杯3歳ステークス
社台ファーム 藤沢和雄 (有)社台レースホース 岡部幸雄
1996年 マイネルマックス 牡3 5戦4勝
函館3歳ステークス
京成杯3歳ステークス
朝日杯3歳ステークス
サンコウ牧場 中村均 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 佐藤哲三
1997年 グラスワンダー 牡3 4戦4勝
京成杯3歳ステークス、
朝日杯3歳ステークス
フィリップスレーシング 尾形充弘 半沢(有) 的場均
1998年 アドマイヤコジーン 牡3 4戦3勝
東京スポーツ杯3歳ステークス
朝日杯3歳ステークス
大樹ファーム 橋田満 近藤利一 M.ロバーツ
1999年 エイシンプレストン 牡3 3戦2勝
朝日杯3歳ステークス
ジョセフ E. ゲール 北橋修二 平井豊光 福永祐一
2000年 メジロベイリー 牡3 5戦2勝
朝日杯3歳ステークス
メジロ牧場 武邦彦 (有)メジロ牧場 横山典弘 147/296

最優秀2歳牡馬[編集]

受賞馬 性齢 年度成績
(主な勝ち鞍)
生産者 調教師 馬主 騎手 得票数
2001年 アドマイヤドン 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 松田博資 近藤利一 藤田伸二 277/283
2002年 エイシンチャンプ 牡2 9戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
Columbiana Farm 瀬戸口勉 平井豊光 福永祐一 236/281
2003年 コスモサンビーム 牡2 7戦4勝
朝日杯フューチュリティステークス
ヤマオカ牧場 佐々木晶三 岡田美佐子 武豊
D.バルジュー
265/287
2004年 マイネルレコルト 牡2 5戦4勝
朝日杯フューチュリティステークス
田上稔 堀井雅広 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 後藤浩輝 285/285
2005年 フサイチリシャール 牡2 5戦4勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 松田国英 関口房朗 福永祐一 290/291
2006年 ドリームジャーニー 牡2 4戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
社台コーポレーション白老ファーム 池江泰寿 (有)サンデーレーシング 蛯名正義 211/289
2007年 ゴスホークケン 牡2 3戦2勝
朝日杯フューチュリティステークス
Four Horsemen's Ranch 斎藤誠 藤田与志男 田中勝春
勝浦正樹
282/289
2008年 セイウンワンダー 牡2 4戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
筒井征文 領家政蔵 大谷高雄 岩田康誠 263/300
2009年 ローズキングダム 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング 小牧太 285/287
2010年 グランプリボス 牡2 4戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 矢作芳人 (株)グランプリ M.デムーロ 281/285
2011年 アルフレード 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 手塚貴久 (有)キャロットファーム C.ウィリアムズ 279/285
2012年 ロゴタイプ 牡2 6戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
社台ファーム 田中剛 吉田照哉 村田一誠
M.デムーロ
241/289
2013年 アジアエクスプレス 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
Ocala Stud 手塚貴久 馬場幸夫 R.ムーア 279/280
2014年[2] ダノンプラチナ 牡2 4戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
千代田牧場 国枝栄 (株)ダノックス 蛯名正義 285/285
2015年[3] リオンディーズ 牡2 2戦2勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 角居勝彦 キャロットファーム M.デムーロ 289/291
2016年[4] サトノアレス 牡2 5戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
社台ファーム 藤沢和雄 里見治 柴山雄一
四位洋文
280/291
2017年[5] ダノンプレミアム 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 中内田充正 ダノックス 川田将雅 275/290
2018年 アドマイヤマーズ 牡2 4戦4勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 友道康夫 近藤利一 M.デムーロ 153/276
2019年 コントレイル 牡2 3戦3勝
ホープフルステークス
ノーズヒルズ 矢作芳人 前田晋二 福永祐一 197/274
2020年 ダノンザキッド 牡2 3戦3勝
ホープフルステークス
ノーザンファーム 安田隆行 ダノックス 川田将雅 262/283
2021年 ドウデュース 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
ノーザンファーム 友道康夫 キーファーズ 武豊 251/296
2022年 ドルチェモア 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
下河辺牧場 須貝尚介 スリーエイチレーシング 横山和生
坂井瑠星
279/288
2023年 ジャンタルマンタル 牡2 3戦3勝
朝日杯フューチュリティステークス
社台ファーム 高野友和 (有)社台レースホース 鮫島克駿
川田将雅
288/295

脚注[編集]

  1. ^ "最優秀2歳牡馬はコントレイルに". daily.co.jp. デイリースポーツ. 2021年12月25日閲覧
  2. ^ 「2014年度JRA賞」決定!年度代表馬はジェンティルドンナ号! 日本中央競馬会 2015年1月6日閲覧
  3. ^ 「2015年度JRA賞」決定!年度代表馬はモーリス号! 日本中央競馬会 2016年1月6日閲覧
  4. ^ 「2016年度JRA賞」決定!年度代表馬はキタサンブラック号!日本中央競馬会 2017年1月10日閲覧
  5. ^ 「2017年度JRA賞」決定!年度代表馬はキタサンブラック号!日本中央競馬会 2018年1月9日閲覧

出典[編集]

  • JRA賞 日本中央競馬会公式サイト