聖者の行進 (テレビドラマ)

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聖者の行進
ジャンル テレビドラマ
脚本 野島伸司
演出 吉田健
松原浩
那須田淳
出演者 いしだ壱成
酒井法子
広末涼子
安藤政信
松本恵
雛形あきこ
渡辺慶
小林正寛
水沢アキ
デビット伊東
石橋保
いかりや長介
斉藤洋介
段田安則
製作
プロデューサー 伊藤一尋
制作 TBS
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 1998年1月9日 - 3月27日
放送時間 金曜日22:00 - 22:54
放送枠 金曜ドラマ (TBS)
放送分 54分
回数 11
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聖者の行進』(せいじゃのこうしん)は、1998年1月9日から3月27日まで毎週金曜日22:00 - 22:54にTBS系の「金曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマ

概要[編集]

高校教師』、『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』、『未成年』に続いて野島伸司が脚本を手がけた『TBS野島伸司シリーズ』の第4弾。野島の強い人間だけが生き残ることの出来る現代社会に対するアンチテーゼ作品でもあった。

内容は茨城県水戸市で起きた水戸事件(通称・水戸アカス事件)を基にしたもので、題名は純粋な心を持つ知的障害者達を聖者になぞらえるとともにドラマ内で演奏するジャズナンバーの「聖者の行進」からとられている。

当作は暴力シーンやレイプシーンといった過激な場面があり、放送当時は視聴者からの苦情が殺到した。スポンサーの三共(現・第一三共ヘルスケア)が「薬で暴力を肯定出来ない」の理由で提供を降りることや、同じくスポンサーのトヨタ自動車が放送期間中提供クレジットの表示を自粛する(CMは従来通り放送)事態に発展し、物議を醸した作品としても知られている。野島作品の中でも『高校教師』などと並んで野島の演出方針を疑問視する声の高い作品の一つであった。

しかし、本作はそれなりの視聴率を出したものの、内容の過激さや放送終了後に出演者でもあるいしだ壱成酒井法子が事件を起こした事などから、地上波での再放送は不可能であると見られている。

山陰放送テレ朝木曜21時枠ドラマ愛しすぎなくてよかった)の遅れネットのため時差放送をしたものの、当時ポケモンショックのあおりを受けたテレビユー山形テレビ山梨静岡放送中国放送テレビ山口は放送を見送られた。

※1998年2月20日は長野五輪のため放送休止となった。

ストーリー[編集]

純粋で優しい心を持った知的障害者達の働く地方都市の工場。だが、彼らは人間の扱いを受けていなかった。奴隷の如く日常に行われる彼らへの暴力性的虐待。そんな彼らの未来に希望は残されているのだろうか?

登場人物[編集]

主要人物[編集]

町田 永遠
演 - いしだ壱成
本作の主人公。生まれながらに知的障害があるが、純粋で優しい心を持った青年。どんな酷い仕打ちですらも笑顔で受け入れてしまう。楽団ではアコーディオンを担当している。『3匹のこぶた』のウーが好き。工場で働いて成長し、勇敢になっていく。正義感が強い一面もあり、暴行を受ける仲間を庇ったりもする。
葉川 もも
演 - 酒井法子
工場の近くの私立高校の音楽教師。進学一辺倒の生徒達から担当教科を軽んじられ、溝を感じるなどの不満から竹上製作所の知的障害者に楽団指導のボランティアを行うようになる。天真爛漫な性格で彼らの純粋さに触発されるが、同時に工場での惨状を目の当たりにし行動を起こす。
土屋 ありす
演 - 広末涼子
本作のヒロイン。ももの勤務する高校の1年生で10歳の時に母を亡くしている。のちに再婚、市長として世間体を気にする父に反抗し放置されている廃バスを隠れ家にしていて、家に帰宅をしない。学校でも無断欠席が多く、規則を守らないなど傲慢で世間知らずな面があり、しばしば周囲と対立を引き起こしているが偶然落としたPHSを拾った永遠との出会いで変化。本来の心優しさが現れ始めていく。のちに電車にひかれそうになった永遠を助けて意識不明の重体になり、一度は一命を取り留めたが脊髄に血液が混入したことが致命傷になり亡くなる。死に際にももたちに永遠の背中を見てあげてと言い残した。染めていた髪の色を見た永遠から「赤鬼さん」と呼ばれたことがある。

竹上製作所[編集]

子供たち[編集]

高原 廉
演 - 安藤政信
6歳の時、生まれたばかりの妹の鈴と共に母親から捨てられ、施設で育つ。この頃から、妹を守る為に知的障害者の振りをするようになった。妹以外には冷たい態度が見られたが、次第にももに好意を抱くようになる。光輔に妹のことで弱みを握られ、手先として暗躍させられ三郎を殺害、妙子の子どもを殺害するように強要されるが、同時に手紙の住所を頼りに訪ねていった母が再婚し、異父兄弟がいたことを知って自棄になった末、光輔をマイナスドライバーで刺殺しようとしたが返り討ちに遭い、重傷を負いながらも工場に放火する。その後、救急車で搬送中にももに愛していると告白し息を引き取った。
水間 妙子
演 - 雛形あきこ
軽度の知的障害を持つ少女。少し勝ち気で、明るい性格。面倒見がいい為、障害者達のまとめ役を任されているが、最初の頃は片思いしている廉の気を引くため、暴行を受ける永遠を見殺しにするなど腹黒さも見られた。しかし、永遠と接していくうちに本来の純粋な性格を取り戻していく。
光輔の身辺の世話を担当しており、外見の可愛らしさと障害を持つゆえに自分の身を守る術を持たないことに付込まれて性的虐待を受け、強姦された挙句に妊娠してしまう。だが子供を憎むことはなく、出産したいと願う。
母親から疎まれて育ったがのちに和解し、工場復興チャリティコンサートでは衣装を見立ててもらっている様子が見られる。
高原 鈴
演 - 松本恵
廉の妹。赤ん坊の時に兄と共に母に捨てられ、施設で育つ。工場で働くメンバーの中では、最も重い知的障害を持ち、簡単な会話しか出来ない。無邪気で優しく人なつこい性格で永遠とすぐに打ち解け、「お嫁さんになりたい」と言い出す。超感覚を持っている様子で、妙子の妊娠や見えない花の色を言い当てた。途中で失明するが、原因となった間中を庇っている。最終回で廉の起こした放火に巻き込まれるが助かる。
加賀美 歩
演 - 渡辺慶
仲間の中でもいちばん子供っぽく、心優しい男の子だが、感情が高まるとすぐにベソをかく。初対面の人間とは会話はおろか目も合わせられないほど、人見知りが激しい。野良猫をかわいがり、自分の食事を分けて食べさせていたこともある。高利貸しの真似事をするという意外な面もある。
猪瀬 辰雄
演 - 小林正寛
重度の知的障害を持っている。食欲性欲の抑制が利かず、粗野な言葉遣い、下着泥棒に加え、校内への乱入など突発的な言動により人に恐怖心を持たれることもあるが、気は優しく、失明した鈴を背負って歩いていた。東北弁を話す。

その他[編集]

間中 順治
演 - 斉藤洋介
工場の現場監督。心優しい性格で、工場の中では永遠たちの唯一の理解者だが、医学部に進学した息子のための借金と人の良さにつけこまれ、悪事に荷担させられる。鈴を失明させたと自責の末、自殺を図ろうとするが、永遠達に救われる。再建した工場の社長に就任した。
片瀬 孜
演 - 豊田一生
竹上製作所の工員の一人。光輔や三郎の腰巾着的な存在として三郎の尻馬に乗り、永遠たちに暴力を振るう卑劣漢。のちに傷害の容疑で逮捕される。

竹上家[編集]

竹上 光輔
演 - 段田安則
竹上製作所の社長。知的障害者を雇ったことで地元の名士とされているが、その目的は助成金で永遠たちに不当な労働を強いる他、妙子に対しての強姦・工員たちへの暴力など、次々と悪事をエスカレートさせていく。市長を目指していたが、娘を亡くした土屋の心変わりにより道が閉ざされ、同時にももに裁判を起こされてしまう。一応は証拠不十分・証言不明確で勝つことが出来たものの、地元住民に醜態を晒す結果となり妻と息子にも逃げられてしまう。最終回で廉に工場を放火されるが、そこにいた永遠に工場設立当時からの状況と本心を語った後、目の前にあったマンホールに逃がした。自身は炎から逃れることなく、のちに焼死体で発見されている。
竹上 三郎
演 - デビット伊東
光輔の甥(弟の息子)でボクサーを目指していたが挫折。大学を中退してブラブラしているうちに借金を抱え、仕方なく伯父の工場を手伝うことに。粗野で暴力的に加え悪賢く、全く抜け目がない。血の繋がらない伯母、裕子との情事とギャンブルにうつつを抜かす。しかし8話で光輔の指示により強要された廉に殺害され、地面に埋められた。
竹上 裕子
演 - 水沢アキ
光輔の妻。美人だが高慢かつ身勝手な面、暴力的で名誉欲、金銭欲が異常に強い性格に加え、三郎との情事など異性に対してだらしがない。しかし工場設立当時は前向きで心優しい性格だったと、光輔のセリフで描かれている。夫婦仲は冷えているが、息子には甘い。裁判後、恥をかかされたとして、息子を連れて実家に帰省した。
竹上 俊輔
演 - 篠原俊晴
光輔の息子で、ありすと同じ私立高校に在籍。両親同様に裏表が激しく、永遠たちに冷酷な仕打ちを行う。恋愛に関しては意外と奥手で一途な面がみられ、ありすに好意を寄せるが相手にされない。学校では優等生で、ありすの葬儀では生徒会長として弔辞を読み上げた。両親の離婚に伴い、母の実家へ転居した。

町田家[編集]

町田 基子
演 - 藤田弓子
永遠と敦の母。永遠に愛情を注ぐが、真面目で優しい性格がゆえの行き詰まり、家族の協力を得られないなどで追い込まれていた。しかし後に敦の暴挙に対して、毅然とした態度に出るなど、強さを身に付けていく。
町田 和夫
演 - 中丸新将
永遠と敦の父。障害を持つ永遠を持て余してしまう。
町田 敦
演 - 郭智博
永遠の弟で小学生。永遠のことで引け目を感じている基子から溺愛されて育ったこともあり、わがままな面が見られる。永遠の障害を理由にいじめられたりしたことから、永遠を憎悪していたが、次第に理解を示すようになり、最終回ではチャリティコンサートに参加している。

その他[編集]

向 哲雄
演 - 石橋保
教師たちの中では、ももの唯一の理解者。落ち着きのある優しい性格をしており、彼女のひたむきな姿にいつしか恋心を抱き始め、陰に日向に支えるが裁判などで、急展開になったことを理由にももから、婚約破棄を告げられる。教育熱心な人格者だが、ありすには無理解な態度を示していた。
宇野 淳市
演 - いかりや長介特別出演
心優しい弁護士。後半、永遠やももを助けることに。
安西 康雄
演 - 加藤善博
告訴された光輔の弁護を引き受ける。勝訴のためには手段を択ばない悪徳弁護士。裁判での永遠の言動が気になったのか、光輔に対して疑問を投げかけた。
土屋 冬樹
演 - 清水章吾
ありすの父で市長。娘のありすを愛してはいるが、市長としての立場、再婚などを理由に反発され、戸惑う。障害者への福祉をスローガンに掲げているが、永遠が娘に接近することに関しては快く思うことが出来ず、見下すような言動になってしまっていた。のちにありすの死に目に永遠の立会を許すものの、理解と納得が出来ずに苦悩。ショック状態から国政進出を断念し、市長を続けることになる。市長としての後釜を狙う光輔に唆され、製作所の暴力事件をもみ消しを行ったこともある。
土屋 波子
演 - 沖直未
市長の後妻で、ありすの継母。美人で知的な印象だが、世故に長けており、冷淡で打算的な性格。政略結婚だった様子で、高校に挨拶回りに訪れた際、ももの前で夫の活動を「選挙の票集め」と呟いたこともある。言葉に刺を埋め込んで相手を責めたり、ありすの死の責任を永遠になすりつけるような言動もみられた。
猪瀬 久子
演 - 山本道子
水間 梓
演 - 朝加真由美
妙子の母でスナックを経営している。冷淡で蓮な性格をしており、自堕落な生活を送る。男遊びが激しく、自身ですら妙子の父親はわからないという。障害を持つことを理由に妙子を疎み、虐待を展開。妊娠を知った時も暴力を振るったが、ももから事実を知らされた直後から、わずかではあるが母親の顔を見せるようになる。
交番の警官
演 - 高橋克実
夜泣きラーメン屋で問題を起こした永遠を心配し一晩泊める。
女子高生
演 - 加藤あい
下着を返しにきた辰雄に追いかけ回される不運な少女。

受賞歴[編集]

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 1998年1月09日 青い空はぼくの友達 吉田健 20.3%
第2話 1998年1月16日 不思議の国のありす 20.3%
第3話 1998年1月23日 星に願いを 松原浩 22.1%
第4話 1998年1月30日 泣くな ともだち 那須田淳 19.7%
第5話 1998年2月06日 おにいちゃんの秘密 19.7%
第6話 1998年2月13日 永遠の結婚式 吉田健 21.3%
第7話 1998年2月27日 星になったありす 松原浩 21.9%
第8話 1998年3月06日 ひとかけらの希望 20.4%
第9話 1998年3月13日 命の重さに泣いた日 那須田淳 21.1%
第10話 1998年3月20日 聖なる戦い 吉田健 21.3%
最終話 1998年3月27日 ぼくらの未来は光にみちているか 21.8%
平均視聴率 20.9%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

関連商品[編集]

  • 聖者の行進 DVD-BOX - 発売元 TBS 発売日 2003年3月21日 ASIN B00008CHBL
  • 聖者の行進 Blu-ray-BOX - 発売元 TBSサービス 販売元 ハピネット 発売日 2019年4月2日 ASIN B07LGPVKTF

外部リンク[編集]

TBS系列 金曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
青い鳥
(1997.10.10 - 1997.12.19)
聖者の行進
(1998.1.9 - 1998.3.27)
めぐり逢い
(1998.4.10 - 1998.6.26)